エルデンリングDLC 感想&考察(ネタバレあり)

 マリカは復讐者であり、憎悪に囚われた人でもあった。憎悪はすなわち愛情の裏返し。愛によってこの世界が壊れてしまったのならば、神になるために愛は不要。迷いながらも、ミケラは自らの愛を捨てた。優しい世界を作るために。

 一通りクリアして掬えたのがこれくらいかなあ。メスメルくんは案の定マザコンだった。個人的にはマリカのことは母としてではなく、一人の女性として見てたんじゃないかなーと思った。執着度合いが母親に向けるものじゃあないのよ。従順な子供って解釈できなくはないけど。
 あちこち探索してたらNPCフラグがバキバキに折れてたのでほとんどわからんかった。歩いてるだけでミケラの大ルーンが壊れた時は慌てた。「何かやっちゃいましたか?」状態。
 圧倒的情報不足の中、ラスボスがラダーンと分かった時の感情たるや…色んな意味で震えが止まりませんでした。腐敗に侵されてないラダーンと戦える!という歓喜と、え、これ勝つの無理ゲーでは?という絶望と。ラダーンのセリフがないのも残念ポイント。
 ラダーンが無言ってことは不服従ってこと? ミケラに召喚(?)されたけど現状には納得してないってこと? でもミケラには非暴力だけど、プレイヤーには圧倒的な暴力振るってくるし訳わからん。武人の血が騒いだだけかのう?
 ああ、でもゴッドフレイリスペクトの三つ編みと、地ならしが見れて私は満足だよ。

 そしてDLCのいちばんの衝撃だったのはボニ村と、マリカの故郷の話。影の地がメスメルにの炎によって粛清されたのも然もありなん、って感じ。正当化はできないけど、そうしたい気持ちはわかる。
 マリカが黄金律を施いたのは愛する人たちをこれ以上失いたくない、という気持ちからなのも本当だろう。でもこれは表面上の話。もう一方では影の地の角人たち、我が同胞を辱めた者たちが死んで楽になるなんて許せない。死んだ後も再び生き返り、永遠に苦しみ続けるがいい。影になり、形すら失ったとしても責め喘ぐがいい。それこそが唯一の贖罪なのだから。
 だからこそ影樹はあれほどねじくれているのだろうか? そして自らの憎悪の深さをメスメルの炎に見出した時、マリカはメスメルごと影の地を封印したのだろうか? 自らの感情を直視できずに。

 マリカと蛇に関することではひとつ興味深い点がある。ボニ村では「母よ」のジェスチャーがもらえる場所があるのだが、そこには女性の像?(枝のようなものが生えいているので生身かも?)が置かれてある。

「母よ」のジャスチャーがもらえる場所

 その近くには蛇の脱皮と思わしきオブジェが置いてある。

蛇の脱皮と思われる場所
蛇の脱皮・拡大

 ここから先は邪推だが、マリカがボニ村から逃げ出す際この大蛇の力を借りたのかもしれない。あるいは大蛇と交わることで力を得た。この大蛇はライカードが己を飲み込ませたものと同類(つまり黄金樹以前の神)であり、それが巡り巡ってメスメルの蛇やメリナへ火の幻視として受け継がれたのかもしれない。メスメルの追憶にあるマリカの「はじまりの罪」とは大蛇と交わったことだろうか?
 そしてもう一つ考えられるのは、マリカの母が大蛇と交わって出来た子がマリカという説である。デーディカやラーヤの例もあるので有り得ないことではない。でもまあこれらは全て邪推である。ボニ村にマリカがいたという証拠もないのである。

 いろいろすっきりしない部分ばかりだが、指の母の登場やマリカの出自などが分かったので結構満足している。でもNPCイベント管理が大変なのなんとかしてください。

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