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札幌のラッキー(5月)

ラッキーは札幌で可愛がられているキャバリア犬。

私のご主人様は札幌に住んでるコンピュータ技術者。
奥様は美人のどさんこ娘。
住まいは手稲山の麓のマンションの5階。
ベランダから手稲スキー場が見渡せる。
ご主人様はコンピュータ相手の仕事なので変則勤務。
通常の日中勤務や、夜中の勤務、休日出勤などがあり
いつも体調維持に気をつかっている。
私は神戸のラッキーのお母さんの娘です。
神戸のご主人様と札幌のご主人様は昔の仕事仲間。
このご縁で札幌に養子縁組が決定してやってきた。
今は6ヶ月のやんちゃ娘。
しかしご主人様と奥様に可愛がられている幸せ者。
この一年のハプニングを日記帳でご披露するね。
毎日がハッピーな自然流。

今日は5月のゴールデンウィークの真っ只中。
しかしご主人様はコンピューター相手のお仕事なので
今日もご出勤。
今週の勤務は夜勤なので
いつもはおやつの時間の3時ごろに起きてくる。
しかし今日はお昼頃にトイレに行った後
洗面所でうがいをしているよ。
いつものワンパターンと違うので
ちょっと様子を見に行こう。
こっそり洗面所を覗いてみると
ご主人様がイソジン入りのお水でうがい中。
うがいの終わりかけにご主人様の手から
コップがツルリンと滑って
足元にトスンと落下。
イソジン水が感度良好の私の鼻にペチャ。
鼻レーダー直撃だったのですごい匂い。
急いで奥様のところに緊急入院だ。
毎日がハッピーな自然流。

ご主人様が奥様に
「ラッキーの鼻をぬぐってやって。
イソジンが付いちゃったので
びっくりしてそっちへ行ったよ」と
診断書をラウドスピーカーでご連絡。
奥様は私がすっ飛んできた理由がわかったので
ニコニコしながら
「ラッキー、イソジンはのどの薬なんだよね。
鼻につけたのはラッキーが初めてかもしれないね」
とテッシュで鼻をぬぐってくれた。
イソジンを作っている製薬会社の研究員の方も
まさか鼻にぬるとは考えてもいなかったかもね。
そこにご主人様が居間にやってきた。
「なんだかのどが痛いし鼻水タラタラ状態。
体温計を出してくれないか」
言って脇に体温計をはさんで
ソファーにごろりん状態になっちゃった。
毎日がハッピーな自然流。

ラーメンなら3分間待てばできあがりだけど
体温計は5分間待つんだって。
(令和の今では10秒検温なので古~い時代)
さ~て、5分後にご主人様が
脇から体温計を取り出して
できあがり状態(?)を確認中。
37度丁度でやれやれ。
ステーキなら「ミディアムレア」状態で食べごろ。
今夜が夜勤の最終日だから
なんとか今夜一晩頑張れば
明日からは勤務切替を含めて3連休。
奥様が作ってくれたホット蜂蜜レモンティを
フウフウしながら飲み干して
もう一度お布団に戻って最終調整。
奥様も今夜の夕食メニューを急遽変更するため
近くのスーパーに行くことになった。
私としてはラッキー。
いつもは4時ごろからの散歩だけど
今日はお買い物に連れて行ってもらえそう。
毎日がハッピーな自然流。

奥様が外出着に着替えたタイミングを見計らって
玄関に先回りして正しいお座りをして待て状態。
奥様も心得ていて
私の散歩用セットと紐をすでに準備済。
玄関で紐をセットしてもらって出発進行。
5階からはエレベーターと階段の
二通りの方法があるんだけど今日はどちらかな?
エレベーターだったらきっと札幌市内へお出かけだ。
階段だったら歩いてすぐのスーパーだ。
やっぱし今日は階段だ。
階段を右回りでトコトコ下りていく。
一階にたどりついたら
ちょっと回転で狂った耳の三半規管を修正するため
頭をブルブルブル。
すっきりしたところでお買い物に出発。
今日はご主人様の夕食のおかずは何にするのかな。
毎日がハッピーな自然流。

スーパーの前に到着したら
先ずは芝生に行っておしっこを済ませて
奥様は私を入り口の近くのドリンクコーナーに
連れて行ってくれた。
ドリンクコーナーはスーパーの入り口の中にあって
雨も雪も大丈夫。
今日はゴールデンウィークなので
結構家族連れで一杯だ。
奥のほうの隅のいすに私の紐をくくって
「すぐに戻ってくるから良い子にしてるのよ」と
奥様からお言葉を頂いた。
いつもどおり「わかったサイン」の尻尾を振って返礼。
奥様は私の頭をなぜなぜしてから
買い物篭をとってお店の中に入っていった。
私はともかく時間つぶしをしないといけないので
先ずは周りをチェック開始。
やさしい人ばっかりだとうれしいんだけど。
毎日がハッピーな自然流。

周りをチェックするとお爺ちゃんやおばあちゃんと
小さな子供たちがほとんどだ。
私の紐がくくってあるいすに
おばあちゃんがやってきた。
私を見つけて「かわしい犬がおとなしくすわっているよ。
ケンちゃん、こっちへおいで」
とお孫さんを呼んでるよ。
ケンちゃんがやってきて「こいつ、かまないかな」
とこわごわ頭を撫でようとしたので
ちょっとおどかしてやろうと
頭をブルブルブルと振ってみた。
ケンちゃんはびっくりしたのか
あわてて手を引っ込めて私をにらんでいるよ。
おばあちゃんが「頭をなでようとするとだめなんだよ。
そっと鼻先に手を出して安心させてから
背中をなぜるんだよ」と教えている。
さすが年の功「大正解」で~す。
毎日がハッピーな自然流。

ケンちゃんはおばあちゃんが教えてくれたとおり
私の鼻の前に手を出してから
私の背中をなぜだしたので
おばあちゃんを見ながら
尻尾を目一杯振ってあげた。
おばあちゃんが
「ケンちゃん、おばあちゃんの言った通りだろ。
ワンちゃんも喜んでいるよ」と
ケンちゃんに鼻高々で一声かけている。
きっと、ケンちゃんもおばあちゃんも
自慢話ができて私もホッと一安心。
おばあちゃんも私をなぜなぜしながら
ケンちゃんといろんな事を話しているよ。
そうしていると「ケンちゃん・お母さん、お待たせ」
とケンちゃんのお母さんが戻ってきた。
ケンちゃんは「お母さん見て見て。
かわいいワンちゃんと遊んでいたよ」
と鼻高々で武勇伝をうれしそうに話してる。
毎日がハッピーな自然流。

ケンちゃん一家が引き上げていったので
私も時間つぶしにお昼ねしようかな。
お座りスタイルから伏せスタイルに変更して準備完了。
後はおいしいヨーグルトを食べている夢を見よっと。
ちょっとうつらうつらした時
何かドアの方から殺気を感じて目を開けてみた。
な・な・なんと真っ黒なラブラドールが入ってきた。
私はラブは好きだけど真っ黒の犬は大の苦手。
こっちへ来なといいんだけどと思っていると
ラブちゃんは尻尾を振って
私の方に飼い主を誘導中。
キャ~。鼻先までやってきちゃった。
私が尻尾を垂れて苦手サインを
ラブちゃんの飼い主にアッピール。
飼い主さんも気づいてくれて
反対側のコーナーにセットして
お買い物にいっちゃった。
毎日がハッピーな自然流。

ラブちゃんは私と同じくらいの年齢なんだけど
体は私のふたまわりぐらいの大きさだ。
ラブちゃんは私の方をじっと見つめて
尻尾を振ってくれるんだけど
私は怖くてお座り状態で
ひたすら奥様のお帰りを待っている。
この間の時間の長い事。
地球の回転が大きな磁石で
ブレーキをかけられているみたい。
奥様・早く帰ってきて!
そうこうしていると
先にラブちゃんの飼い主さんが戻ってきて
さっさと帰って行っちゃった。
先ずはやれやれと思ったとたん
「ラッキーお待たせ」と待ちに待った奥様の声。
紐をいすからはずしてもらったとたんに
出口に一目散。
奥様はあっけにとられながらついてきた。
毎日がハッピーな自然流。

いつもは、道端の匂いをかぎながら
3歩前進2歩後退のペースで
奥様から怒られるんだけど
今日はもくもくとマンションに小走り状態で帰っちゃった。
マンションの前まで戻って緊張の糸が切れたので
マンションの前の草むらでおしっこを一杯しちゃった。
奥様はこの光景を見て
「そうか、ラッキーはおしっこしたかったのを
我慢していたんだね。賢いわね」と頭をなぜなぜ。
本当は真っ黒なラブちゃんから
離れたかっただけなんだけど
こんな勘違いならそうしておこうっと。
奥様は買い物袋を持っているので
帰りはエレベータを使ってラクチンコース。
今日はご主人様がまだ寝ているので
帰ったサインのワンは省略。
毎日がハッピーな自然流。

無事にお家に到着したので急に眠たくなってきた。
いつもは奥様が買い物から帰ってきたら
鼻を買い物袋に突っ込んで
中身を確認するんだけど今日は中止。
ソファでうとうとしているとご主人様が起きてきた。
お昼と同じように洗面所でうがいする音が聞こえる。
お主人様は食卓についてテレビ&新聞のながら族。
奥様はテーブルコンロを持ってきてスイッチオン。
ボッという音と一緒に青白い炎が燃え上がる。
しばらくすると台所からあつあつなべを運んできて
テーブルコンロの上にセット。
「あなた、今日はキムチなべにしましたから熱い内に食べて」と
奥様から風邪撃退のプレゼント。
ご主人様が羨ましい。
私も風邪を引いて奥様からのプレゼントがほしいな。
毎日がハッピーな自然流。

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