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札幌のラッキー(3月)

ラッキーは札幌で可愛がられているキャバリア犬。

私のご主人様は札幌に住んでるコンピュータ技術者。
奥様は美人のどさんこ娘。
住まいは手稲山の麓のマンションの5階。
ベランダから手稲スキー場が見渡せる。
ご主人様はコンピュータ相手の仕事なので変則勤務。
通常の日中勤務や、夜中の勤務、休日出勤などがあり
いつも体調維持に気をつかっている。
私は神戸のラッキーのお母さんの娘です。
神戸のご主人様と札幌のご主人様は昔の仕事仲間。
このご縁で札幌に養子縁組が決定してやってきた。
今は6ヶ月のやんちゃ娘。
しかしご主人様と奥様に可愛がられている幸せ者。
この一年のハプニングを日記帳でご披露するね。
毎日がハッピーな自然流。

今日は3月16日の土曜日。
ご主人様は変則勤務明けの休日だ。今
年は暖かくなるのが早くて、市内の道路は
アスファルトの真っ黒な色で縦横無尽に走っている。
最近は、冬の日課のエントランスの雪かきは無し。
久しぶりに奥様とご主人様の間で、川の字になって
カーテンを通して入ってくる朝の光で目がさめた。
大きなあくびをしてから周りを見渡すと
なぜか私だけが反対を向いている。
ごそごそベットの上で180度回転してから
先ずは奥様に朝のご挨拶の鼻ペロリン。
奥様は眠気と戦いながら、薄目を開けて私の頭を
なぜなぜしながらまたもや夢の世界に逆もどり。
しかたがないな。次はご主人様にトライしよっと。
毎日がハッピーな自然流。

ご主人様の鼻ペロリン攻撃をしようと振り向くと
ご主人様は向こう側を向いて寝ているよ。
こういう時は、伝家の宝刀の前足で
ご主人様の頭を軽くトントンとノック。
しかし、ご主人様は私のノックに反応なし。
スウスウと気持ちいい寝息が聞こえてくる。
やはり、変則勤務は大変なんだ。しかたない。
私ももうちょっと寝ようかなと思った時に
奥様がごそごそと起きてきてトイレに直行。
この機会を逃してまたベットにもぐりこまれたら大変だ。
私も飛び起きてトイレのドアの前で待機。
奥様がトイレを終わってドアを開けてびっくり顔。
「ラッキーには勝てないわね」としぶしぶ洗面所へ。
毎日がハッピーな自然流。

手稲の3月の朝はやっぱしちょっと肌寒い。
奥様はストーブをセットしてから朝ご飯の準備にとりかかる。
いつもは私が最後に起きるので
起きたらすぐにご飯をぱくつく癖がついちゃった。
だから、今日はなかなか私の朝ご飯が出てこないので
督促合図に冷蔵庫を前足でガリガリガリ。
奥様はニコニコしながら「わかったわ。ラッキーの
朝ご飯を先に用意するわ」と言いながら
銀色の私の食器にダイエットフーズを
カップ7分目ほど測って入れてくれた。
私が食べ渋っていると「困ったちゃんね」と言いながら
スライスチーズをトッピングしてくれた。
今日は朝からついている。
きっと良いことがおきるかも。
毎日がハッピーな自然流。

朝ご飯の用意ができていつものように
コーヒーの香りが部屋中に広がってきた。
ご主人様もこの香りでお目覚めだ。
私もいまダイエットフードを食べたばかりなのに
この香りで食欲増進のDNAにスイッチオン。
奥様に前足キックでおねだり開始。
奥様も心得ていてサッとりんご入りヨーグルトを
私の前にだしてくれた。
「トレードマークの耳にヨーグルトをつけないで
上手に食べてね」と奥様からご注文。
まかせてください。ご注文どおり上手に食べるからね。
ご主人様と奥様が、ニコニコしながら私の食事を見守ってくれている。
幸せいっぱい。おなかもいっぱい。言うことな~し。
毎日がハッピーな自然流。

ご主人様と奥様も健康いっぱいの食事が終わって
2杯目のコーヒーを楽しんでいる。
奥様がコーヒーカップを持ちながら
「ねえ、今度のお休みにどこかへ行きたいわね」と
上目づかいにご主人様をご勧誘。
このポーズにご主人様は弱いんだ。
「そうだね」と言いながら私をだっこして
頭をなぜなぜしている。
「しかし、ラッキーがいるから泊りがけは難しいなあ」
と独り言。
「あなた、道内ならきっとペットOKの民宿があるんじゃない?」と
またまた上目づかいでご勧誘。
「そうだね、ちゃんとした宿でラッキーOKなら行こうか」と
ご主人様も乗り気に変身。
毎日がハッピーな自然流。

さっそく、ご主人様ご自慢の
iMacとインターネット回線で
道内でペットOKの宿探しを開始。
結構いっぱい掲載されているので
検索キーを絞って再検索。
どこかいいところが見つかったみたい。
ご主人様が奥様を呼んで
二人でパソコンの画面をのぞき込んでいる。
私もなんだか心配になってきたので
ご主人様の足を得意の前足キックサインで
「見せて!」のおねだり。
ご主人様の膝の上に上げてもらって
パソコンの画面をのぞいてみると
北きつねに似たわんちゃんが映っている。
奥様はおねだんをチェックして
まあまあリーズナブルな表示に満足げ。
ご主人様も乗り気のご様子だ。
毎日がハッピーな自然流。

ご主人様の今度のお休みは3月最終週の火・水だ。
さっそくご主人様がお宿に空き具合確認の電話。
なにか電話でやり取りした後奥様に○サイン。
奥様もヤッターサインでご返礼。
ついでに私をヒョイと抱えあげてKISS。
私もなんだかわからないけどお礼の鼻ペロリン。
ご主人様はさっそくご自慢のパソコンから地図や
ルートをプリントアウトして検討開始。
なにせ、ご主人様は典型的なA型タイプ。
旅行となるときっちりスケジュールをたてないとおさまらない。
と言うよりこれが一番の楽しみかも。
場所は倶知安駅4Kmほどはなれたペンションだ。
名前は「アルバータロッジ」。楽しみだ。
毎日がハッピーな自然流。

先月の雪祭りは電車で行ったんだけど今回はどうするのかな。
距離は100Kmぐらいなんだけど
電車で行くと乗り換えで結構時間がかかっちゃう。
レンタカーで行くとラクチンなんだけど。
しかし奥様はペーパードライバーでちょっと心配。
ご主人様はもともと東京出身で
雪解け状態のドライブにはちょっぴり自信なし。
やっぱし電車で安全に行くことに決定。
奥様は2月の雪祭りに作った移動籠は元に戻したので
さっそく復元作業にとりかかることにした。
しかし籠を持ってきてちょっと思案顔。
「やっぱしこの籠では長距離移動は無理みたい」と
籠と私を交互に見ながら独り言。
毎日がハッピーな自然流。

日ごろからダイエットフードと果物入りヨーグルトで
頑張っているんだけど、やっぱしラッキー一家の
肥満系DNAと育ちざかりの発育促進DNAが
有効に働いているみたい。
ソファーの上で寝そべっている私のところへ
奥様がやってきて首筋からお尻までを
手のひら測定方法で測られちゃった。
同じように籠のサイズも測ってからご主人様に
「短時間ならこの籠でOKだけど倶知安までは
ちょっと可哀想だわ。なにか妙案ないかしら」と
ヘルプコール。
「ともかく、その籠を移動籠に改造しておいて。
その間に代替案を考えるよ」と
ちょっぴり頼りないお返事。
神様、ご主人様に妙案を。
毎日がハッピーな自然流。

その日の奥様は移動籠を復元して本日の作業終了。
ご主人様はインターネットから収集した資料を整理して
行程表が完成だ。
夕食後お茶を飲みながら
この行程表を奥様に説明しているよ。
奥様は全部ご主人様におまかせタイプなので
うんうんとうなずいているんだけど
実はほとんどテレビの物語に没頭中。
ご主人様もこの事は十分承知で説明して
満足しているみたい。
そうか、これが夫婦円満の秘訣なのかも。
私も結婚するんだったら
ご主人様のような寛大な気持ちをもった
キャバリアンにしようっと。
そうそう、こんな状態に納得していたら私は大変だ。
ご主人様、行程表の後は新型移動籠の妙案を。
毎日がハッピーな自然流。

それから1週間がすぎちゃった。
この1週間のご主人様の勤務は夜勤がメイン。
夜勤の時はできるだけ休めるように
私のお相手は奥様だ。
この夜勤の期間を利用して
夜寝る前にベランダに強制的に出さされて
おしっこをする癖を付けさせられちゃった。
だって、今度のペンションでは
「ペットはトイレのしつけができていること」が条件。
最初は寒いのでなかなかでなかったけど
今ではベランダにでるとすぐにトイレOK。
旅行の4日前になったのに新型移動籠の妙案なし。
ご主人様も半分あきらめて
「いざとなったら狭いけど旧型移動籠で
我慢してもらおうかな」と
私の頭をなぜなぜしながら独り言。
毎日がハッピーな自然流。

いよいよ明日から1泊2日のミニトリップ。
やっぱし妙案は浮かばなかったみたい。
ご主人様と奥様は着替えやお菓子や飲み物や
デジカメをリュックサックに詰め込んでいる。
ご主人様も奥様もウェアにはあんまり凝らない
タイプなので、持ち物はあんがい少ない。
準備完了後ご主人様はいつものように
メールの確認をしていると、なにかニコニコしながら
「そうか、その方法があったか!」とつぶやいて
押入れから登山用の大きなバックパッカーを取り出した。
ダンボールの空き箱を
バックパッカーの下半分のサイズに加工して
そこに今まで準備した荷物から
着替えなどを入れている。
毎日がハッピーな自然流。

お菓子やデジカメや飲み物は
バックパッカーのサイドポケットにしまっている。
奥様もけげんな顔つきで
「1泊2日のミニトリップなのに
ちょっと大げさじゃない?」とご質問。
「神戸のケンさんからのメールがヒントで
大きい移動籠を考えついたんだ」。
荷物を全部入れてもバックパッカーの上半分が空いている。
そこでご主人様が私をヒョイっと抱えあげて
このバックパッカーにお尻から入れられちゃった。
中のダンボール箱が私のからだを受け止めてくれるので
からだが沈まないので顔がうまく出ている。
ご主人様も奥様もニコニコしながら大満足。
毎日がハッピーな自然流。

「あなた、ケンさんのヒントって?」
「ケンさんの新作童話の紹介があって
その話の中でリュックにラッキーを入れて
バイクに乗るシーンがあったんだ。これがヒントさ」。
「しかし、ダンボール箱の仕切りは私のアイデア」と
得意顔。私もこれくらいのスペースなら大満足。
「そうしたらこの移動籠はいらないかしら」と
奥様からの問いかけに
「いやいや持っていけるんなら持っていこう」と
ご主人様からご回答。
「だって本番中にラッキーがいやがって
ごねたらどうしようもないからな」と言いながら
バックパッカーから出している頭をなぜなぜしてくれた。
毎日がハッピーな自然流。

さ~て、いよいよ出発の朝がやってきた。
奥様が一番最初にベットから抜けだして
トイレ、洗顔、朝ごはんの用意を開始。
ご主人様もすぐにおきて
カーテンを開けて手足を伸ばして大あくび。
カーテンが開いて朝の光が飛び込んできたので
ゆっくり寝ていられない。
私もベットの上で手足を伸ばして大あくび。
ご主人様は、早速インターネットで
倶知安の天気を確認。
手稲地区と同じく今日と明日は快晴だ。
奥様に「今日と明日は快晴だよ。君の作ったビッグ
てるてる坊主のおかげだね」と声をかけている。
その声で奥様はベランダに行ったかと思うと
物干しに干しているビッグてるてる坊主にKISS。
毎日がハッピーな自然流。

私もさっそくベランダに飛んでいった。
そばで見るとすっごくでっかい。
いつの間にこんなビッグてるてる坊主をつくったのかな。
私も奥様みたいにKISSしようと
ジャンプしたけど届かない。
奥様がこの様子をニコニコしながら見ていたが
いつものようにひょいっと私を抱き上げてくれたので
てるてる坊主の顔の部分をペロリンしてあげれたよ。
奥様は私を抱っこしたままビッグてるてる坊主を
左手に抱えてご機嫌でリビングにご帰還だ。
私をフローリングの床にそっとおろした後
ビッグてるてる坊主をソファーに座らせてまたまたKISS。
やっぱし旅行は天気が一番。
毎日がハッピーな自然流。

さ~て、朝ご飯が終わって最終の荷物確認OK。
ご主人様も奥様もトイレに行って準備OK
私もベランダに行っていっぱいトイレして完璧だ。
ここから、またまたご主人様のA型DNAが働いた。
ガスの元栓を締めてベランダに置いている観葉植物
を全部リビングに収納。また、ベランダにある物干し
竿を3本まとめて紐でくくっている。
これは旅行中に強い風が吹いてベランダから
落っこちないようにだって。
ブレーカーは冷蔵庫以外はOFFにして完了。
駅までは奥様の左側を私、右側がご主人様の所定の
ポジションの「フラット3」のフォーメーションでキックオフ。
ガンバレ・ラッキー一家。
毎日がハッピーな自然流。

手稲駅に到着。いよいよこれからご主人様考案の
バックパッカーにインストール。
ご主人様がベンチに座ってもらって
後ろから奥様に抱っこしてもらって所定の位置に。
ご主人様が立ちあがると目線がグッとアップ。
今までの景色とぜんぜん違うので
最初は怖かったけど馴れてくると最高。
人間ってこんな風に景色が見えていたんだ。
ご主人様が切符を買っている時、ちょうど改札口を
通過していく女学校の生徒がいっぱい見える。
その中の一人が私に気づいて手を振ってくれた。
私もいつもの癖でバックパッカーの中で尻尾を
目一杯振ったんだけどわからなかったろうな。
毎日がハッピーな自然流。

まずは快速エアポートで小樽まで。
今日は平日なのにわりかし混んでいる。
ドアのそばにご主人様はバックパッカーをおろして
壁にたてかけてくれた。
ご主人様も私の気をまぎらわすために
奥様とかわりばんこに相手をしてくれたので
約20分の電車もあっと言う間に到着した。
小樽に到着して倶知安に行く
函館本線のホームに移動。
当然、ご主人様のバックパーッカー籠で
たくさんの人を下に見ながら行くのは
まるでお殿様が参勤交代したときのようだ。
函館本線のプラットホームに到着したので
バックパッカーから脱出。
手足伸ばしてストレッチ。
毎日がハッピーな自然流。

次の倶知安行きまでは約30分ほど待ち合わせだ。
この間を利用して人間様のトイレに
ご主人様と一緒に行ってなんとか無事にトイレ完了。
荷物番をしてくれている奥様のところに戻ると
奥様はベンチでティータイム中。
ご主人様も奥様の横でティータイム。
私は奥様のまん前でお座りして大きな瞳で奥様に
「私もティータイムしたいな」とアッピール。
奥様もすごい視線を感じたらしく
「そうね、ラッキーも良い子にしているから
何かあげなくっちゃね」と言いながら
かわいい奥様のリュックから
大好きなかりんとうを3本出してきてくれた。
1本は奥様から2本はご主人様からいただいた。
毎日がハッピーな自然流。

さ~て、本日の列車旅行の本番の函館本線に
電車が入ってきた。
今度は約80分も乗っていなくては。
今度の電車はガラガラだ。
ご主人様と奥様の間にバックパッカーを置いて
川の字スタイルで出発。
途中の止まる駅で乗り込んでくる人が
みんな私たちを見て微笑んでくれる。
なにか有名人になったみたいで
うれしいやらはずかしいやら。
途中の余市で乗ってきたおばさんは
向かいのシートに座って
奥様にいろんな事を話かけてきた。
結構早口だったので話の内容はわからなかったけど
然別で降りるときに私の頭をぐりぐり撫でてくれた。
きっと私のことをほめていてくれたんだ。万歳。
毎日がハッピーな自然流。

そうこうしているうちに倶知安駅に到着だ。
改札口をバックパッカー籠で通るときに
改札の係り員のお兄さんは
私を見てちょっとびっくりした顔をしていたけど
通りすぎた後で手を振ってくれた。
無事に倶知安駅に到着したので
なんだかトイレがしたくなっちゃった。
バックパッカーの中でごそごそしていると
ご主人様が気づいてくれて
慌てて降ろしてくれた。
散歩の時の紐を付けてもらって近くの道端に一目散。
滑りこみセーフでやれやれ。
これから駅前のタクシーでペンションにいくんだよ。
ここで、移動籠のお出ましだ。
タクシーの運転手さんも
この移動籠に入った私を見てにこにこ顔で迎えてくれた。
毎日がハッピーな自然流。

やっと、目的地の「アルバータロッジ」に無事到着。
移動籠から出してもらって
いつもの散歩用紐をつけてもらったら
ホッとしておしっこがいっぱい出てすっきりさわやか気分。
木製の階段を上がって
赤と黄色のストライプのテント生地でできている
日よけのあるホールのドアを開けると
カウベルがチリリ~ンと到着を知らせてくれた。
奥から真っ黒に日焼けしたおじさんと
ふくよかな顔をしたおばさんが
ニコニコしながら私たちを迎えてくれた。
おばさんの足元を見るとインターネットで見た
北きつねみたいな犬がこっちを見ている。
明日までなかよくしてもらえるかな?
毎日がハッピーな自然流。

ご主人様は宿帳に記帳している間に
奥様をちょっと引張って北きつね風ワンチャンに仁義切り。
そおっと近づくと相手は尻尾を振って迎えてくれた。
やれやれ大丈夫みたい。
鼻を突き出して確認すると相手も鼻を突き出してくれた。
これで仁義完了。
奥様はホームページで確認済みなので
「ポロちゃん、よろしくね」と喉のあたりを上手くなぜなぜ。
そうか、ポロっていうのか。シャツみたな名前だね。
おばさんが奥様に「わんちゃんのお名前は?」と
聞かれて「ラッキーです。よろしく」ってあいさつ。
人間様の方も仁義完了。
「ラッキーちゃん。今日と明日は貸しきりだからゆっくりくつろいで」
とおばさんから頭なぜなぜしてもらっちゃった。
毎日がハッピーな自然流。

私達は、さっそくお部屋に案内してもらって
ご主人様と奥様と私は全員ストレッチを兼ねて
川の字になって一休み。
なにせ、スキーやスノボーを目的に来たんじゃないので
ゲレンデに飛び出す必要はな~し。
30分ぐらいたったら先ずはご主人様が起きてきて
ご愛用のデジカメで早速窓からの風景を撮影。
奥様は枕を抱え込んでムニャムニャ熟睡中。
私も前足を目一杯伸ばして
その間に顔を埋めてムニャムニャ熟睡中。
ご主人様は風景を一通り撮影終了すると
記念に奥様と私の寝姿もバッチリ撮影。
レディの寝姿を無断で撮影するなんてダメよ。
しかし、ご主人様なので許しちゃおうっと。
毎日がハッピーな自然流。

それから、お昼近くまでご主人様はどこかへお出かけ。
一瞬私もついて行こうかなと思ったけど
眠気が探検するより勝っちゃったのでそのままフリーズ。
ご主人様が帰ってきた音で奥様も私も起床。
「このあたりをブラブラしてきたのでお腹がすいちゃった。
お昼食べに行こうか」と奥様を勧誘。
奥様は寝ていただけだけど「お昼」と聞いて即OK。
ペンションをでたところに
同じオーナーがやっている「カレー小屋」がある。
お昼はここに決定。
またまた木製の階段を登ってドアを開けると
オフホワイトの明るい壁と大きな木の格子の窓と
天井から吊っているいっぱいのドライハーブの香りで
一気に南インドの料理屋さんにきたみたい。
毎日がハッピーな自然流。

今日は快晴。窓越しに青空をバックにして
頭には真っ白な雪帽子をかぶった
羊蹄山が飛込んでくる。
私達は一等地の窓際のテーブルに着いた。
オーナーが注文を取りにやってきた。
ご主人様は「コロッケカリー」奥様は「チキンカリー」をご注文。
注文を済ませると
ご主人様はさっそくカメラマンに変身だ。
窓を少し開けて羊蹄山をパチリ。
こんどは入り口の方から奥様と私をパチリ。
奥様が私を抱いているポーズもパチリ。
今度は奥様がカメラウーマンに変身だ。
同じようにご主人様や私を題材にパチリ。
混んでいる都会のお店ではちょっと無理な撮影会。
毎日がハッピーな自然流。

撮影会が終了してご主人様と奥様は
窓越しに見える青空のキャンバスに
描かれた蝦夷富士の勇姿を見ていると
マスターが注文したカレーを運んできてくれた。
カレーはスープカレータイプで注文のコロッケと
チキンはバターライスの上にドカンとのっている。
スープカレーはアツアツで猫舌のご主人様と
奥様はふうふうしながらすすっている。
私はぐっと我慢して奥様の足元で伏せしてたけど
お鼻の前をプ~ンとよぎって行くチキンの香りに
負けちゃった。
え~い!前足キックを奥様のいすに一蹴。
「そうね。我慢できるわけがないわね」と苦笑い。
毎日がハッピーな自然流。

奥様は手提げ袋からいつもつかっている銀色のお皿と
ダイエットフーズの袋をとりだして
いつもより少なめの量を入れて私の前にセット。
私も食べようかなとお皿の中に
鼻を突っ込んでみたけどやっぱし食べたくない。
もう一度奥様のいすを前足キックで不満を伝達。
奥様が困っているとマスターがやってきた。
「このワンチャンにチキンをあげても大丈夫ですか」
と天の声。
奥様が返事に困っているとご主人様が
「チキンのかけらでもあれば少しいただけますか」
と神のご返事。
マスターはお皿を持ってキッチンに引っ込んで
しばらくすると蒸したチキンがいっぱい
お皿に盛って帰ってきた。万歳!
毎日がハッピーな自然流。

私の前に置かれたお皿にガバッと鼻を突っ込んで
ダイエットフードと蒸しチキンをがつがつ。
奥様が「どうして、ラッキーが蒸しチキンを欲し
がったのかよくわかりましたね」と
マスターにご質問。
マスターはニコニコしながら
「な~に、私のところのポロもダイエットフード
だけだと食べないけど蒸しチキンを混ぜたら
ガツガツ食べるんでね」と種明かし。
マスターもラッキーの食べっぷりを見て
「やっぱし食べっぷりのいいお客さんを見ていると
うれしくなっちゃいます」と私の頭をぐりぐり。
「私たちもマスターにほめてもらえるようにいただこう」と
ご主人様が奥様にウインク。
毎日がハッピーな自然流。

おいしい昼食をおなかいっぱい食べて全員満足顔。
ご主人様と奥様は食後のコーヒーを楽しんでいる。
マスターが私の空のお皿をまたまたキッチンに
持って行ったかと思うと
すぐに何かを入れたお皿を持ってきてくれた。
マスターが奥様に「勝手に自家製のヨーグルトを
入れてきたんだけどラッキーにいいかな」とお伺い。
奥様は
「すごいですね。ラッキーのダイエットフードの食事のあとは
ヨーグルトをいつも与えているんですよ。うれしいわ」と大賛成。
奥様のお許しがでたのでマスターが私の前に
ヨーグルトがいっぱい入ったお皿を置いてくれた。
私もお礼の「ワン」の返礼とともに鼻をつっこんだ。
毎日がハッピーな自然流。

ご主人様も奥様も私もみ~んなお腹一杯。
お支払いはご主人様にお任せして
奥様と私はお先にお外へ。
カリー小屋のデッキから見る羊蹄山は雄大そのもの。
奥様はさっそくご主人様ご愛用のデジカメでパチリ。
ご主人様がお支払いを済ませてやってきた。
さっそくご主人様も撮影会に参加するのかなと見ていると
ニコニコしながら見ているだけ。
奥様も「あなたもカメラマンする?」と言うと
「みんながダウンしている時に撮影完了したから
羊蹄山の撮影は今のお腹のように満足・満足」と
ちょっとでっぱりだしたお腹を手のひらでポンポン
叩いた後青空の中の羊蹄山を見ていたよ。
毎日がハッピーな自然流。

カリー小屋のデッキでのんびりしていると
カリー小屋の窓が開いてマスターの顔がニュ~と
飛び出してきた。
「みなさん、これからスキー場に行くの?」と問合せ。
ご主人様は「スキーはしないんだけど何か雪遊び
できるものがありますか?」と逆に問合せ。
「そうですね。(チュービング)というものが
ありますよ。大きな浮き袋を使ってゲレンデの
なだらかなところを滑るんです。
これがけっこう面白いですよ。ただし自分の
滑るぶんだけ歩いてのぼらないとダメですけどね」
「それと、スキー場に行くんでしたら私の四駆で
送りますよ」とありがたいお言葉が返ってきた。
毎日がハッピーな自然流。

奥様はご主人様にうなずいてOKサイン。
「それじゃお言葉に甘えてお願いします。
いまから着替えてきますので30分後でお願いします」と
ご主人様がご回答。
マスターからもOKサインをもらったので
さっそく着替えるためにロッジにリターン。
ロッジに戻ってご主人様は上下銀色の宇宙服
みたいなスキーウェアに衣替え。
奥様はかわいく花柄のサロペットに身を包む。
さ~て、私はどうなるのかな?
奥様は私の散歩用レインコートを取出して
着せてくれた。しかし、
「ラッキーは天然の毛皮を着ているからいらないね」
と言いながら脱がされちゃった。
毎日がハッピーな自然流。

着替えをすませてロッジの前に出ると
すでに四駆がディーゼルエンジン独特の
カタカタと言う音を含んだアイドリング音を
奏でながら待っている。
私はロッジの前でいつものようにトイレを済ませて
四駆の後席に奥様と一緒に座らせてもらう。
ご主人様は運転席の横に乗りこんで出発。
ちょっと走るとそこはすでに雪の道。
道路の周りは残雪がいたるところで残っている。
四駆独特の四足で踏ん張っているような力で
坂道を登りきると真っ白なゲレンデに到着だ。
奥様にだっこされて四駆からゲレンデに無事に着地。
マスターは「帰りたくなったら電話してください」
と伝言を残して下って行った。
毎日がハッピーな自然流。

先ずは、奥様の先導で喫茶店に直行だ。
足もとの雪はふわふわかと思っていたけど硬くて冷たいよ。
新雪のように足がブスブスと入る事はないけれど
マンションの前の駐輪場のスラロームのように
ツルツル滑りそうになっちゃうよ。
私もさっきの四駆と同じく四足駆動と爪スパイク
タイヤでなんとか喫茶店に無事到着。
奥様はニ輪駆動なので
1回目のイエローカードをもらっちゃった。
ご主人様は超A型の特性を生かして
カード無しで無事にゴール。
さっき、お昼を食べたばかりなのに
奥様はさっそくソフトクリームをご注文。
さすがにご主人様は注文なし。
私は奥様のおっちょこちょいの気性を祈って
足元でスタンバイ。
毎日がハッピーな自然流。

今回はおっちょこちょいの神様が現れなかったので
残念ながらおこぼれ無し。
奥様と私のソフトクリームバトルの試合の間に
ご主人様は店員さんに
「チュービング」の事を取材完了。
ソフトクリームバトルが奥様の完勝で
終了したのを確認してご主人様から出発の合図。
さ~て、いよいよ「チュービング」にトライ。
半日借切りで2つゲット。
先ずは初物好きの奥様がトライ。
私はチューブを座布団がわりに座っている
ご主人様にだっこされて先ずは見学だ。
奥様はソフトクリームパワーで
大きなチューブを引きずりながら上って行く。
やっぱし、奥様パワーはすごい。
毎日がハッピーな自然流。

ゲレンデのリフト乗り場に着くと
大きなチューブを平らに置いて
でっかいお尻をチューブの真ん中にセットしてスタート。
傾斜はなだらかなんだけど結構スピードが出て
私の方にグングン近づいてきた。
キャー!という悲鳴とともに
奥様はチューブごとご主人様のチューブと大衝突。
私もご主人様も奥様もみんな一緒に
3回転半のウルトラCで全員雪まみれ。
今度は超A型のご主人様の順番だ。
奥様と同じ場所からヨーイドン。
ご主人様のスタイルはチューブに腹ばいになった
スーパーマンスタイル。
超A型のご主人様は奥様の二の舞にならないように
後ろ足でブレーキをかけながらの安全走行。
毎日がハッピーな自然流。

ご主人様は安全走行で無事到着。
今度は奥様とご主人様のランデブー走行。
当然私はご主人様の安全号に乗車することに決定。
またまたリフト乗り場の下までチューブを引張って上って行く。
ご主人様は私を抱えて上がっているので大変。
出発点にたどり着いたら汗びっしょり。
私はご主人様の銀色スーツ型リフトで楽チンコース。
今度は奥様もスーパーウーマンスタイルでスタート。
ご主人様は私を抱っこしているので浮き輪スタイル
のように腰から下はチューブの中に入れて出発。
今度は前輪フットブレーキで速度を制御しながら
安全運転で集合場所に到着。
奥様は3回転半のウルトラCにまたまた挑戦して
着地失敗雪まみれ。
毎日がハッピーな自然流。

今度は奥様とご主人様のチューブを手ぬぐいでしばって
タンデムシートに大変身。
今度は奥様も浮き輪スタイルで超安全走行にお付き合い。
私は奥様が抱っこしてくれている。
さ~て、いよいよ出発だ。今度はご主人様が舵と
ブレーキをがっちりコントロールしているので
安全スピードで着地成功だ。
しかし、奥様はちょっとつまらなそう。
ご主人様もお茶目な奥様が大好きだから
タンデム走行は今回でお終い。
こんどはカメラマンに大変身。
奥様の変幻自在の楽しみ方を自慢のデジカメに蓄積。
私も写真を撮ってもらうのでウルトラC覚悟で
奥様号に乗っかったけどスタート直前で転落。
毎日がハッピーな自然流。

さすがに奥様パワーも電池切れ。
今度は奥様がカメラウーマンに変身。
照れ屋のご主人様は
被写体になる時は決まって私と一緒。
ご主人様は安全号なので大抵は最後まで
乗車できていたけど
やっぱし時には放り出されちゃった。
私はつなぎの本皮レーシングスーツを
まとっているので怪我無しでレース終了。
奥様もご主人様もちょっと飽きてきたので
チューブをいすがわりにしてティータイム。
奥様の魔法のプチリュックからビスケットと
チョコレートがでてきたよ。
しかし、ビスケットはボロボロ、チョコレートはぺっちゃんこ。
奥様のウルトラCの結果がこんなところに出てきた。
毎日がハッピーな自然流。

ご主人様は喫茶店の入り口に置いている自動販売機から
アツアツのホットミルクティーを2個買ってきた。
プルトップを引っ張りあけると
プ~ンと紅茶の香りを含んだ湯気が
私の鼻レーダーを刺激。
もうたまりません。得意の前足キックでアッピール。
奥様はにこにこしながら私の銀色の器に
粉々になったビスケットを入れて
その上からホットミルクティとおまけに雪を入れてくれた。
あせっている私の待ち時間短縮に雪の塊が大貢献。
奥様はぺちゃんこのチョコレートとぼろぼろの
ビスケットを頬張りながら
「まるでスイスにいるみたいで最高」と大満足。
ご主人様はいつもの様に
ニコニコしながら奥様の笑顔を見ているよ。
毎日がハッピーな自然流。

ティータイムも終了したので
これからチュービングに再トライ。
今度はお互いがカメラマン・ウーマンになって大撮影大会。
被写体としては、やっぱし奥様が一番、私が二番。
だって何がおこるかわからない可能性は
この順番なんだもの。
奥様のウルトラC難度の失敗作品はしょっちゅうだけど
時には華麗なウルトラD難度のすべりをする事もあるので
カメラマンのご主人様も気を抜けるときはな~し。
私も身軽さを生かしてウルトラB難度の
後方スライディングと半ひねり着地を決めることもあったよ。
ご主人様が被写体の場合は
奥様カメラウーマンは楽勝。
だってハプニングはまずはないもんね。
毎日がハッピーな自然流。

大撮影大会も終了。そろそろ引き上げる時間。
ご主人様が「そろそろペンションに帰ろうか」と
声をかけると、奥様はちょっと思案した後
「ねえ、このチュービングを持ってリフトに乗れない
かな?」とお問い合わせ。
ご主人様もちょっと呆れ顔で
「そりゃ無理だよ」とダメダメサイン。
奥様も「やっぱし無理だよね。それじゃ、最後に
目いっぱい上ってくるからここで待っていて」と言って
スタスタゲレンデを上っていく。
20分ほど頑張ってリフトの鉄柱5本目までクリア。
さすがに疲れたのかチュービングをイス代わりに
座り込んじゃった。
私とご主人様はこれからの奥様の華麗なすべりを
期待と不安をもって待っている。
毎日がハッピーな自然流。

しばらく休憩した後、出発準備を開始しだした。
ご主人様も世紀の一瞬をデジカメに収めようと準備OK。
今回の奥様のスタイルは
安全第一の浮き輪スタイルでいくようだ。
さ~て、いよいよ出発。両足でブレーキをかけながら
わりかし急なスロープを上手に滑ってくる。
リフトに乗っているスキーヤー達も
ゲレンデで滑っていたスキーヤーも
みんな奥様を見ているよ。
なんとか無事にいつものスタート位置にやってきた。
奥様もホッとして両手でピースサインを私達にだしたとたん
バランスを崩してまたまたウルトタCの
3回転半着地失敗で雪だるま。
ご主人様はこの一瞬をバッチリデジカメにキャッチ。
毎日がハッピーな自然流。

奥様の華麗なる挑戦も終了していよいよ帰宅。
帰りはペンションに電話すれば迎えにきてくれるけど
そんなに遠くなかったので
ぶらぶら歩いて帰ることにした。
帰りのフォーメーションはいつものフラット3。
奥様の左側が私。右側はご主人様でスタート。
しかし、道幅がそんなに広くないので
今回は変則フォーメーション。
私が先頭。2番目は奥様。アンカーがご主人様の
小・中・大のシリアル3フォーメーション。
しかし、先頭の私がまっすぐ一定のスピードで
歩かないので途中から奥様と順番を交代して
デコボココンビでペンションに無事到着。
毎日がハッピーな自然流。

ペンションのカウベルをチリ~ンと鳴らして
ホールに到着するとポロがお出迎え。
さっそく鼻を突き出してご挨拶。
ポロも同じしぐさでご返答。
ポロは私と同じような大きさだけど
パーツはよく見ると異なっている。
私のトレードマークの耳は垂れ下がっているけど
ポロはピンとたっている。
私は長毛だけどポロは短毛。
足の長さは私の勝ち。
こんなに容姿が違っているんだけど
何故か意気投合。
ポロが「ついてきな」と尻尾で合図してくれたので
ついて行くとポロが一番お気に入りのホールの
ストーブの前の一頭地を私に貸してくれた。
ポロがご主人様のような気性でキャバリアンだったら
きっと一目ぼれしてるかも。
旅行って最高!
毎日がハッピーな自然流。

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