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札幌のラッキー(6月)

ラッキーは札幌で可愛がられているキャバリア犬。

私のご主人様は札幌に住んでるコンピュータ技術者。
奥様は美人のどさんこ娘。
住まいは手稲山の麓のマンションの5階。
ベランダから手稲スキー場が見渡せる。
ご主人様はコンピュータ相手の仕事なので変則勤務。
通常の日中勤務や、夜中の勤務、休日出勤などがあり
いつも体調維持に気をつかっている。
私は神戸のラッキーのお母さんの娘です。
神戸のご主人様と札幌のご主人様は昔の仕事仲間。
このご縁で札幌に養子縁組が決定してやってきた。
今は6ヶ月のやんちゃ娘。
しかしご主人様と奥様に可愛がられている幸せ者。
この一年のハプニングを日記帳でご披露するね。
毎日がハッピーな自然流。

今日は6月16日の日曜日。
ご主人様は昨晩の夜勤が終わって
朝の9時過ぎに帰ってきた。
いつも夜勤明けで帰ってくると
熱いシャワーを浴びてから朝食だ。
今日の朝食はベジタブルサンドと
ダブル目玉焼きとカフェオーレだ。
私はすでに朝ごはんは食べたけど
ご主人様のいすの傍にピッタリと寄り添って
100万ボルトの瞳作戦でおねだり攻撃開始。
いつもは無視作戦で迎撃されるんだけど
今日はニコニコしながらサンドイッチのパンや
目玉焼きの白味の部分をいっぱい振舞ってくれる。
どうしたのかな。会社でいいことがあったのかな。
ともかくいただける時はきっちりいただきま~す。
毎日がハッピーな自然流。

朝食が終わったら先ずはカーテンを閉めて
暗くした和室でおやすみだ。
奥様はご主人様が寝床に入ったら
いつもどおりテキパキと食事の後片付けや
洗濯・掃除をお昼までにすませちゃった。
私はいつも以上にご主人様から
おこぼれをもらっちゃったので
ソファーの片隅で夢の中でのお食事継続中。
お食事の夢も見飽きたころに
何か鼻レーダーをくすぐるよ。
え~、最近の夢は匂いもついたのかな。
ともかく確認の為に薄目を開けて
今度は本物のレーダーで360度チェック!
なんと奥様がテーブルで英国式の
ティータイム作戦をこっそり実行中。
これはえらいこっちゃ。
奥様からもおこぼれもらわなくっちゃ。
毎日がハッピーな自然流。

食べ物がかかった時の私は身が軽いよ。
ピョンと跳ね起きてソファーからジャン~プ。
奥様のいすの傍にぴったり寄り添っておすわり。
奥様もご主人様同様にニコニコしながら
チーズとクラッカーを大盤振る舞いだ。
いったいどうなったのかな。
訳はわからないけどこういう変化は大歓迎。
しかし、今までのダイエットがパアッになっちゃって
神戸のラッキー母さんのように
ファットビッグドッグになっちゃうかも。
その後は噛み噛み棒をゲットできたので
忍者スタイルで噛み噛み棒をくわえて
私の指定席のソファの隅に直行。
歯磨きを兼ねてガリガリガリ。
いつもこんな生活だったら最高だ。
毎日がハッピーな自然流。

そうこうしているうちにご主人様が起きてきた。
いつものようにトイレ・洗面所経由で食卓へ。
奥様が「あなた、十分寝れました?」と聞くと
「バッチリ熟睡できたから爽快爽快」
とのお返事が返ってきた。
奥様と同じく英国式のティータイムで
アフタヌーンを楽しんでいる。
奥様はレモンティーだけど
ご主人様はミルクたっぷりのティーだ。
「そろそろ明日からの旅行用のレンタカーを
取りにいかなくっちゃ」と言いながら
パジャマからいつものジーンズに着替えだした。
ヤッター、明日から旅行に行くんだ。
私が着替え中のご主人様のまわりを
ピョンピョン跳ね回りながら
グルグル右回りの喜びサインを放出。
毎日がハッピーな自然流。

私の姿を見てご主人様と奥様が困ったサイン。
ご主人様が
「ラッキー、今度の旅行ではラッキーは
お留守番なんだよ。ごめんね」と天の声。
ショック。今回はお留守番なんだ。
しかし、ご主人様のご命令とあればしかたないか。
しょんぼりしながらソファーの隅の指定場所で
テレビでも見ていようっと。
「ラッキー、明日からは江別のお母さんが留守番役
で来てくれるからさびしくはないよ」と奥様からの
慰めのお声がかかってきた。
そうか、私から見たら江別のおばあちゃんが
来てくれるんだ。
ご主人様と奥様の次に大好きな
おばあちゃんが来てくれるんだったらOKだよ。
毎日がハッピーな自然流。

ご主人様は旅行用のレンタカーを取りに行くついでに
そのレンタカーで江別のおばあちゃんを迎えに出かけていった。
奥様は明日からの1泊2日の旅行準備を開始。
といってもご主人様と奥様はできるだけ
手荷物は少なくするタイプなので
大きなバックパッカーとデイパック2個で完了だ。
大きなバックパッカーは、私がアルバータロッジに旅行した時の
移動用犬小屋として使ったやつだ。
奥様がだいたいの準備を済ませたタイミングで
ご主人様とおばあちゃんが入ってきた。
これから2日間お相手してもらわないといけないので
尻尾を目一杯振っておばあちゃんにご挨拶。
おばあちゃんも「ラッキー、よろしくね」と
頭がくしゃくしゃになるほど撫ぜ撫ぜされちゃった。
毎日がハッピーな自然流。

今晩の夕食は、いつもより一人増えて3人+一匹で
わいわいがやがや楽しい雰囲気が溢れている。
私から見たら3世代4人家族と思っているけどね。
ごはんが済んだら奥様とおばあちゃんが後片付け。
ご主人様は奥様がセットしてくれた
旅行準備の最終チェック。
私はお邪魔虫にならないように
毎度おなじみのソファーの一等地でテレビ観賞をしたり
ご主人様の旅行準備の進行具合を確認。
おっと、ご主人様がなんとMacノートを
ソフトケースに入れてデイパックに入れちゃった。
当然、デジカメも持参するので
きっと旅行先からデジカメで撮った風景を
神戸のラッキーのご主人様に送るのかも。
本当にマメなご主人様だ。
毎日がハッピーな自然流。

旅行準備や後片付けが終了して寝床の準備も完了。
後はお風呂に入って寝るだけだ。
さっそく寝床の状況を確認。
すると、いつもはお布団が2つなのに
今日はおばあちゃんの分を足して3つだ。
いつもの2つの場合は間に割り込んで寝るんだけど
今日はどこで寝るのかな。
まあいいか。お布団の上ならどこでもOK。
ともかく真ん中の布団のど真ん中で寝た振りしていようっと。
寝た振りしていたら自然とまぶたが握手しちゃって
本格的に夢の中に吸い込まれちゃった。
そうこうしていると急に大地震がやってきた。
ハッと目を覚ますと奥様とおばあちゃんの間の谷間で
おばあちゃんの左腕の下敷きになっているよ。
毎日がハッピーな自然流。

大地震やらジャンボジェット級の
ご主人様のいびきに耐えて
やっと17日の月曜日がやってきた。
お目覚めはおばあちゃん、奥様、私、ご主人様の順番だ。
さっそく、おばあちゃんと奥様で朝ごはんの用意。
私は台所の入り口で二人の様子をうかがうと
奥様はおばあちゃんに食器の場所や
食料品の置き場所を教えながら
和気あいあいで準備作業を進行中。
ボケッと見ている視線が奥様の視線とハイタッチ。
奥様は急に思い出したように
「お母さん、一番大切な連絡事項を忘れていたわ。
ラッキーのご飯のレシピー」と言いながら
リビングのテーブルの上に
ダイエットフード、計量カップ、玄米フレーク、
噛み噛み棒、ビーフジャーキーを並べてメモ開始。
毎日がハッピーな自然流。

よかった。奥様はきっちり忘れていたんだ。
おばあちゃんはさすが年の功。
台所の設備に慣れちゃうと
あとはテキパキと和風朝食を作っちゃった。
奥様が私の食事のメモが完了した時には
食卓のテーブルの上には
バッチリ和風朝食が並んでいる。
「お母さん、助かっちゃった。
後はラッキーの食事のメモを
ごはんの後で説明しま~す」とニコニコ顔。
そこにご主人様が起きてきていつもどおり
トイレ・洗面所・新聞受けのフルコースを
一周してから食卓に到着。
私の今日の朝食は奥様からいただいた。
今日の晩と明日の朝はおばあちゃんからだ。
奥様のメモ大丈夫かな?
わからなかったらおばあちゃんも年の功で
対応してくれると思うけどね。
毎日がハッピーな自然流。

朝ごはんが終わってご主人様と奥様が旅行に出発。
1階の車までおばあちゃんと一緒にお見送り。
真っ赤な車で出発したご主人様と奥様を見送った後
急にトイレがしたくなっちゃった。
おばあちゃんトイレサインわかってくれるかな?
と思いながら草むらの方に強引に紐を引っ張ると
「ラッキー、トイレかい。いつもするところへ行っていいよ」
と一発OK返事。
玄関先では絶対にしてはいけないとしつけられているので
いつもの草むらまで急いでいってスッキリさわやか。
おばあちゃんもしっかりウンチ袋とテッシュ持参で
私のトイレの後始末完了。
この調子だと楽しい二日間になりそうだ。
毎日がハッピーな自然流。

トイレが済んだのでついでに散歩を要求してみよう。
公園の方に行こうとすると
「ラッキー、散歩かい。散歩なら一度部屋に帰らないと。
だって、かぎかけてこなかったからね」といわれちゃった。
そうだね。ご主人様と奥様がいない時に
泥棒に入られたら大変だからね。
了解サインの尻尾を目一杯振って
おばあちゃんをエレベーターまで先導。
まるで、皇室の車の前を
白バイが先導しているように
ゆっくりおばあちゃんのスピードにあわせてね。
部屋についたらさっそくおばあちゃんに
散歩の催促のサインの玄関ドアをガリガリガリ。
「うわさどおりラッキーの要求はすごいね。さっそくいこうかね」
とおばあちゃんもあきれ顔。
毎日がハッピーな自然流。

さっそく、おばあちゃんは財布とかぎと
散歩用の一式が入っているビニール袋をもって再出発。
ラッキーの先導で近くの稲積公園まで散歩開始。
近くのスーパーの前を通り過ぎると
結構大きな稲積公園に到着だ。
今日は6月にしては暖かで
公園についたらのどが乾いちゃった。
この公園はご主人様や奥様と結構来たことがあったので
お水を飲めるところやトイレをしていいところは
バッチリ知っている。
先ずはおばあちゃんを水飲み場に誘導だ。
水飲み場についたら
勘のいいおばあちゃんはOKサインで
私の為に水をちょろちょろ出してくれたので
首をちょっとかしげて長い舌で上手に
冷たいお水をゲット完了。
満足・満足。
毎日がハッピーな自然流。

のどの渇きも潤したので次は公園内を散歩だ。
おばあちゃんは初めてなので
ゆっくり公園の外周コースをご案内。
外周にはライラックの木がいっぱい植えてあって
今日はちょっと風があるので
まるで桜の花びらが風で舞うように
ライラックの白や紫や薄黄色のライラックの花びらが舞っている。
ライラックの花吹雪を浴びながらのおばあちゃんとのデート。
おばあちゃんもなんとなく満足げの顔をしているよ。
外周を小一時間かけて散歩終了。
木陰のベンチで一休み。
おばあちゃんはきっちりおかきの小袋をポケットから取り出して
ポリポリ食べ出した。
私の鼻レーダーはイージス艦よりすごいから
この匂いをバッチリキャッチ。
毎日がハッピーな自然流。

おばあちゃんの正面にお座りして
100万ボルトの瞳作戦で
「ほしいな」のテレパシーを発信。
最近のご主人様や奥様は
このテレパシー作戦も効果半減状態。
しかし、おばあちゃんにはバッチリ。
「おうおう、ラッキーもほしいんだね。
しかし、お母さんからダイエントフード以外
やらないでといわれてるんだけど」とちょっと思案中。
ここでテレパシーを緩めると
奥様メモが勝ってしまうので
パワーアップでテレパシー発信。
おばあちゃんもさすがに降参。
のりが巻いているおかきをひとつゲット。
ヤッター。奥様メモに勝ってしまった。
おばあちゃんもあきらめたみたいで
なんと5つもおかきをもらっちゃった。
毎日がハッピーな自然流。

小袋のおかきがなくなったので
そろそろ帰ることに決定。
帰りはおばあちゃんも道を覚えたので
おばあちゃんの先導でゆっくりご帰還だ。
帰りしにスーパーでお昼と夜用のお惣菜と
お寿司と鍋焼きうどんを買ってかえった。
今日は先月みたいに黒色のラブラドールが現われ
なかったのでやれやれ。
おばあちゃんのお昼は鍋焼きうどんを食べてお仕舞。
私は奥様のレシピーどおり
ダイエットフード1/2カップと玄米フレーク一つまみ。
私のお昼ご飯はあっと言う間にお仕舞だ。
フウフウしながら食べている
おばあちゃんの鍋焼きうどんを狙ってみたけど
今回は私の負け。
毎日がハッピーな自然流。

夕方の散歩はマンションの周りを一周しておしまい。
だっておばあちゃんを
朝晩引っ張りまわす訳にはいかないもんね。
しかし、いつもの癖がでちゃって
匂いを嗅いだりしながらのブラブラ散歩なので
結構時間がかかっちゃった。
トイレもきっちりしたので
ルンルンで夕方の散歩も終了してご帰還。
夕食は、おばあちゃんはお寿司とお惣菜のリッチバージョン。
私もダイエトフード2/3カップと
キウイー入りヨーグルトのデザート付き。
その上、おばあちゃんからのおかきのプレゼント。
おばあちゃんは夕食を済ますと寝床の準備を開始。
今度はおばあちゃんの布団だけ。
あっと言う間に完了だ。
後はお風呂の用意をして本日は閉店。
毎日がハッピーな自然流。

昨日の晩は、最初の内は
おばあちゃんの布団の中で寝たと思ったんだけど
朝目がさめると、おばあちゃんの足元の
掛け布団の上で寝ていた。
そこまでの工程は不明です。
私が起きるとすぐにおばあちゃんも起きてきた。
奥様がやるように
おばあちゃんもカーテンを開けたけど
いつものようなパッと明るい太陽の日の光が飛び込んでこない。
おばあちゃんが
「ラッキー、今日は雨だよ。散歩無しでいいだろ」
と頭をなぜなぜしながら言っている。
雨なら仕方ないね。
散歩中止とわかったら、急にトイレがしたくなっちゃった。
くるくる回りでおばあちゃんにアッピールしたら
サッとベランダに通じるドアを開けてくれた。やれやれ。
毎日がハッピーな自然流。

私の朝ごはんは昨日と同じレシピー。
おばあちゃんは梅干と納豆と焼き海苔であつあつご飯。
私はやっぱし不満足なので、昨日と同じように
100万ボルトの瞳作戦を使ってみたけど
さすがに今日は無視作戦で第一回戦は私の負け。
しかたがないので、おばあちゃんの足キック作戦を
しようとしたけれど、なぜかおばあちゃんの足がない。
ひょっとしたらおばあちゃんは幽霊だったのかも。
大きな瞳をパチパチしてから良く見てみると
おばあちゃんはいすの上で正座して食べている。
どおりで足がないはずだ。
しかたがないので奥の手作戦だ。
おばあちゃんのすわっているいすに向かってキック。
この作戦は失敗だ。
私の足が痛いだけだった。
毎日がハッピーな自然流。

最後の最後の作戦は「ワン」と汽笛一声。
さすがにおばあちゃんは
「しかたないね。お母さんから最後の作戦で攻めてきたら
ビーフジャーキーをあげてくださいと
メモにあったからあげるね。ただし1本だけだよ」
とビーフジャーキーをゲット。
本当に久しぶりのビーフジャーキーだったから
最高においしかった。
でも、この後いくらおねだりしてもでてこない。
きっと残りのビーフジャーキーもテーブルの上で
正座している幽霊ジャーキーなんだろうな。
しかたないや。後はお昼までいつものように
ソファーの隅でウトウト冬眠作戦でおなかが
すかないようにしようっと。
おばあちゃんも朝のテレビ番組を見ながら
「おたべ人形」状態だ。
毎日がハッピーな自然流。

今日のお昼は、雨が降っているので
おばあちゃんは昨日余分に買っていた即席ラーメンで
簡単に終了。
私はダイエットフードカップ1/2と
玄米フレーク少々の定番メニューでお仕舞。
またまた、食後のうたた寝で時を過ごしていると
急にテレビ台の中から「パチ」という音とともに
何かが動く音がしだした。
心配になったのでおばあちゃんは
ご主人様の携帯電話にご一報。
電話がつながって様子を説明した後
急におばあちゃんが笑って電話を切った。
「ラッキー、お父さんが今日のワールドカップの
日本・トルコ戦を予約設定してたんだって。
逆に電源切らないでと頼まれちゃった」とご解説。
いやいや留守番も気を使いますね。
毎日がハッピーな自然流。

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