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札幌のラッキー(7月)

ラッキーは札幌で可愛がられているキャバリア犬。

私のご主人様は札幌に住んでるコンピュータ技術者。
奥様は美人のどさんこ娘。
住まいは手稲山の麓のマンションの5階。
ベランダから手稲スキー場が見渡せる。
ご主人様はコンピュータ相手の仕事なので変則勤務。
通常の日中勤務や、夜中の勤務、休日出勤などがあり
いつも体調維持に気をつかっている。
私は神戸のラッキーのお母さんの娘です。
神戸のご主人様と札幌のご主人様は昔の仕事仲間。
このご縁で札幌に養子縁組が決定してやってきた。
今は6ヶ月のやんちゃ娘。
しかしご主人様と奥様に可愛がられている幸せ者。
この一年のハプニングを日記帳でご披露するね。
毎日がハッピーな自然流。

今日は7月11日の木曜日。
今晩は神戸のラッキー母さんのご主人様(ケン)が
出張で札幌に来ているので
我が家にやって来るんだって。
私は小さかったのでケンおじさんを覚えていない。
しかし楽しみだなあ。
ご主人様の今日の予定は小樽のお仕事が終わったら
札幌駅でケンおじさんと待ち合わせして
お家に帰ってくる。
奥様はご主人様を送り出してから
いつもどおり食事の片付けが終わったらちょっとご休憩。
今日のご休憩のおつまみは何だろうな。
私はいつもの事なので奥様のいすの横に
ぴったしSP状態でお座り中。
しかし今日はお茶を飲んだらすぐにお掃除開始。
残念ながらおこぼれ無し。
毎日がハッピーな自然流。

お掃除とくれば私の出番。
掃除機のノズルを追っかけて奥様との鬼ごっこ。
今日も奥様はすばやい動きで私の鬼をかわしていく。
丁度そのとき奥様のポケットの携帯電話が
ピーッ・ピーッと鳴ったので
奥様の行動がストップ。
このタイミングで掃除機のノズルにタッチ。
タッチした後奥様を見上げると
何か楽しげにうなずいている。
携帯電話を切った後奥様は私にむかって
「ご主人様から、今晩はケンさんのために
上にぎりと焼酎を買ってきてとの連絡だったよ。
そうそう、ラッキーにも鳥ジャーキーを買ってもいいよって。よかったね」
さ~て、鬼ごっこの試合再開。
毎日がハッピーな自然流。

鬼ごっこサービス付きのお掃除も終了。
次のいつもの行動は天気の良い日は洗濯だ。
今日は快晴。
洗濯指数も100の洗濯日和。
奥様も洗濯機にお風呂の残り湯をポンプでくみ出し開始。
この間に洗濯物を色物と普通の物とより分けて準備完了。
私はまだまだ寂しがり屋。
奥様のSP状態継続中。
ついでに私もお仕事のお手伝いをしようっと。
より分けた洗濯物に爆発物がないか鼻レーダーでチェック。
もしもご主人様のポケットに
飲み屋の請求書や名刺のような爆発物があったら
こっそり除いてあげないと。
しかし、ご主人様は品行方性で
理想の旦那様(?)だから過去に1件も無し。
ひょっとしたら超A型の繊細さの成せる技かも。
毎日がハッピーな自然流。

洗濯も無事完了してベランダに洗濯物を干しに行く。
当然私も洗濯物を持った奥様の後を
トコトコついてベランダへ。
北海道の7月のベランダから見えるお外の景色は清々しい。
街路樹も手稲山も緑々して
青空と白い雲と緑がヨーロッパのどこかの国旗のように
視界一杯に広がっている。
その上、手稲山からやって来るそよ風も
私のトレードマークの垂れ耳を心地よくなびかせてくれる。
奥様は私が気持ちよくお外を眺めている間に
物干し竿を雑巾できれいにぬぐってから
洗濯物を干しだした。
私は洗濯物を干している作業の間は
何もする事がないので
素敵な景色の鑑賞をしたり
下の歩道を歩いていく人たちを見て時間つぶし。
毎日がハッピーな自然流。

奥様は洗濯物を干す作業を無事完了して
別の雑巾でベランダのてすりをお掃除だ。
最近は平和の鳩君達がやってきて
てすりに糞をするので困ってしまう。
ほっておくと、硬くなって取れにくくなるのと
糞の酸でてすりが錆びてくるんだって。
その後はベランダに置いているお花の手入れと
最後にベランダの水洗いで作業完了。
おっと、今日はモーニングデートしていないので
トイレがしたくなっちゃった。
奥様の水洗いの前にしてあげないと
二重手間になっちゃうよ。
急いでベランダの中央で
ぐるぐる回りの準備運動の後
おしっことウンチをいっぱいしちゃった。
奥様も水洗いの前だったので
ニコニコしながら後始末してくれたよ。
毎日がハッピーな自然流。

いつもの午前中の一連の作業を終了。
きっとこの後はティータイム。
予定通り奥様は食卓に着いて
クラッカーにチーズをのっけたのをパクリ。
ドリンクは英国流にミルクティー。
当然私は100万ボルトの瞳作戦で
SPのご褒美を要求。
奥様もなれたもので
クラッカーの上にヨーグルトをのっけたものを
サッと鼻先にだしてくれた。
ヤッタ~、大きな口を思い切り開けてパクリ。
やっぱし私も英国生まれの血をひいたキャバリアン。
ティータイムのお菓子は
ヨーグルトのトッピングクラッカーが最高。
これをアッと言う間に食べ終えて
もっと欲しいサインを奥様に送ったら
「どうせ今晩はケンさんにおねだりしてしまうから
おやつタイムはおしまい」
毎日がハッピーな自然流。

さ~て、ティータイムが終了すると
お昼までは奥様はテレビを見たり音楽を聴いたり
何かお勉強をしたりして時間をつぶす。
私は早く大きく成る為にお昼寝タイム。
だって、「寝る子は育つ」って言うんでしょ。
ましてや、私はお犬様。
ドッグイヤーといって
人間よりも数倍のスピードで
大きくなっていくんだもの。
お昼ごはんは奥様はいつも軽~く済ましている。
奥様も最近はちょっとグラマーになりつつあるので
服に体を合わせるためにだって。
私も最近はちょっとグラマー状態になりつつあるので
食べる量を減らさないといけないんだけど
残念ながら基準となる自前の毛皮はフリーサイズ。
毎日がハッピーな自然流。

お昼ごはんが終了したので
これから今晩のごちそうの材料をゲットするために
近くのスーパーに行く。
今日はモーニングデートしていないので
お買い物を兼ねて、アフタヌーンデートのお散歩開始。
先月、江別のおばあちゃんと行った
稲積公園経由の遠回りコースで
からだに溜まった脂肪をちょっとは燃焼できたかな。
今日のスーパーのドリンクコーナーは
平日の夏休み前なのでお孫さんを連れた
おじいちゃんやおばあちゃんばっかりだ。
この調子だったら、苦手な大型犬
なかでも真っ黒なラブちゃんはこない。
しかし、気を抜けないやんちゃ坊主が居るかもしれないので
安眠はできなかったけど何もハプニングなしで
奥様とランデブー完了。
毎日がハッピーな自然流。

お家に帰ったら
ケンおじさんとご主人様が帰ってくるまで
夢を見て楽しもうっと。
当然、夢は今晩のご馳走をみんなで
パクパクしているおいしい夢だよ。
奥様は洗濯物を取り込んで
お部屋の中で洗濯物を整理した後
定番のテレビを見てから
今晩のごはんの準備にとりかかった。
肴もお湯割り用のポットも
予定の6時までに完了して手持ちぶたさの感。
しかたないな。私がちょっとお相手したげようかな。
先ずはおトイレサインのベランダのドアをガリガリ。
奥様はいつものようにドアを開けてくれた。
私もいつものように3回ほど右回りした後おしっこ。
奥様は、わたしのおしっこ完了後
タイミングよくバケツのお水を使って
ベランダの水洗便所の清掃。
毎日がハッピーな自然流。

さ~て、次はなにをしてあげようかな。
そうだ。ちょっとお腹がすいたので
晩御飯を要求してみよう。
台所の冷蔵庫の下の方を
前足キックでガリガリガリ。
今日の奥様はご機嫌なんだけど
このサインにだけは
「もうすぐケンさんがいらっしゃるので
その時にいっぱいご馳走をラッキーにもあげるからね」
とダメダメサイン。
今回はちょっとだけ我慢してみよう。
しかし、早くケンおじさんが来てくれないと
きっと冷蔵庫にキック再開状態になっちゃうよ。
奥様にだっこ状態でテレビを見ていると
待望の「ピンポ~ン」。
ケンおじさんとご主人様のお帰りだ。
奥様のだっこ状態から
ソファーの上にホップ、ステップでフロアーに
ジャンプとして玄関にダッシュ。
毎日がハッピーな自然流。

奥様がドアを開けると
ご主人様の後ろから知らないおじさんが
ヌ~ッと入ってきた。
奥様がニコニコしながら「こんばんは」とご挨拶。
私も「いらっしゃい印」のしっぽを目一杯振ってみた。
ケンおじさんがしゃがんで
「ラッキー。大きくなったな。
神戸のラッキー母さんからよろしくって」
と頭をなぜなぜしてくれた。
私がおとなしく頭をなぜなぜしてもらっていると
「へ~、ラッキーは素直に頭をなぜさせてくれるんだ。
神戸のラッキー母さんは
頭をなぜられるのが大嫌いなんだ」
と言いながら今度はだっこして
頭をなぜなぜしてくれた。
私は「早くおろしてもらって
ご馳走食べたいんだけどな」とアッピール。
毎日がハッピーな自然流。

ケンおじさんは
半そでのYシャツの上に
ウインドブレーカーを羽織った
セミラフな格好でやってきた。
ご主人様が奥様に
「ケンさんは明日早くから仕事場に行かないとダメなので
今日は泊まれないんだって」と奥様にご説明。
奥様はちょっと残念な様子だったけど
「お仕事じゃしかたないわね。
それじゃ、さっそくご飯を食べながら
いっぱいお話しましょう」
と台所から肴やつまみとともに
ケンさんの大好きな焼酎と
ポットを食卓に持ってきて並べ出した。
ご主人様はジャージーに着替えて準備完了。
ケンさんもご主人様の隣に座って準備完了。
奥様もお酒の準備が済んで準備完了。
当然、私も奥様の足元でお座りして準備完了。
毎日がハッピーな自然流。

さっそく、焼酎お湯割りをご主人様が調合。
ケンさんの配合は6:4
奥様の配合は7:3
ご主人様は8:2。
私は未成年なので無~し。
ご主人様の音頭で「乾~杯」。
ケンさんはグイッとお湯割を半分ほど一気に飲んでフ~ッ。
ご主人様はあんまりお酒が強くないので
ゆっくり楽しんでいる。
奥様はケンさんとご主人様の中間ぐらいかな。
それぞれのスタイルでアルコールを楽しんでいる。
「7月といっても、北海道の夜はちょっと冷え冷え。
やはり、お湯割りは最高やね」とケンさんはご機嫌。
この言葉を聞いてご主人様が
「寒いと言えば、今日ケンさんと札幌駅前の
ユニクロに行ったんだよ」とケンさんにウインク。
毎日がハッピーな自然流。

ケンさんはちょっと苦笑いしながら
「札幌って7月でも寒いんですね」
と奥様に同意を求めている。
奥様もちょっと様子が理解できなくて
「そうですね。そういえば今週は
ちょっと平年より低いかな」とあいまいにお返事。
ご主人様がユニクロ事件をご解説。
「ケンさんは半そでYシャツだけで出張に来たんだって。
待ち合わせの札幌駅にちょっと早めに着いて
私を待っていると寒くて寒くて凍死寸前。
私を見つけたとたんに
《何か着る物を買いに行くから付いてきて!》と悲鳴。
しかたないので、ユニクロに飛び込んで
このウインドブレーカーを購入。
店員さんが丁寧に包みだしたら
《すぐに着るから値札だけはずしてくれ!》
とまたまた悲鳴」
毎日がハッピーな自然流。

奥様はこのご主人様の解説を聞いて
ケンさんの様子を想像してクスクス笑い出した。
ご主人様もニタニタ笑いながら
ケンさんに再度ウインク。
ケンさんも
「いや~、ミューヘン・札幌・ミルウォーキーとは
うまく言ったもんですね。
緯度が高いとお湯割り焼酎がうまくなるのですね。
アレ~ッ。お湯割り焼酎の宣伝じゃなかったっけ。
サッポロビールの宣伝だったっけ」
と話題を変えるのに必死。
奥様も「しかし、本当の寒さで良かったかも。
《すすきの》で怖いお店のお姉様に
さいふの紐を緩められて寒~い懐状態に
ならなくてよかったわね」とジョークでお返し。
なかなか奥様もやりますね。
これもケンさんとのメールで鍛えられた結果かな。
毎日がハッピーな自然流。

ところで、私はお酒の間は出番なし。
しかし、お腹の虫は時間どおりグウグウと鳴きだした。
奥様に早く私の状態を知らせなくっちゃ。
先ずはレベル1の100万ボルトの瞳作戦。
しかし、奥様はケンさんとご主人様との
3人バトルで盛り上がっていて
私のレベル1攻撃は無視。
しかたないな。
次はレベル2の奥様前足キック作戦。
さすがにレベル2作戦で
奥様も「ごめん、話に夢中になっていたので
ラッキーの晩御飯忘れていたわ」と言いながら
ダイエットドッグフード1/2に
鳥ジャーキーをトッピングした
ラッキー用ディナーをだしてくれたのでホッ。
お座り指令を無視してガツガツぼりぼり。
たまりませんね~。
毎日がハッピーな自然流。

ケンさんがこの様子を見ていて
「ラッキーはやっぱし神戸のラッキー母さんの子やね。
アッピールの方法や食べっぷりはそっくりですよ。
DNA鑑定せずに親子ってすぐにわかっちゃうな」と
へんなところで納得している。
それを聞いて奥様が
「ケンさん、まえにメールで神戸のラッキーは
ちょっぴりファットになりすぎたって書いてあったけど
そうしたらラッキーも気をつけないとだめですよね」
とちょっと不安顔。
「しかし、1歳までは今のようにガツガツ食べる
タイプの方が良いそうですよ。
1歳を超えたらダイエットドッグフードだけを与えて
塩気の多い私たちのおかずを与えなかれば大丈夫」
とのお返事。
毎日がハッピーな自然流。

私もお食事を済ませて一息
ちょっとうつらうつらしていると
お酒もお話も一段落したので
本日のディナーの上にぎりを食べ始めた。
これがまた良いにおい。
このにおいを私の鼻レーダーがすばやくキャッチ。
キャッチ情報が脳まで伝達されちゃったので
もう我慢できません。
今回はケンさんが一番ガードがあまそうなので
ケンさんにレベル2で攻撃。
ケンさんの足を軽~く左前足キック。
ケンさんは一瞬困った顔をしたけど
その後ニコッと笑って
たまご巻きのたまごをそっと鼻先に。
私もニコッと笑って「いただきます」。
たまごの甘い味がのどの奥をこそばせながら
お腹の中に伝わった。
やはり、ケンさんはラッキーの好物は知っていたよ。
毎日がハッピーな自然流。

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