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札幌のラッキー(2月)

ラッキーは札幌で可愛がられているキャバリア犬。

私のご主人様は札幌に住んでるコンピュータ技術者。
奥様は美人のどさんこ娘。
住まいは手稲山の麓のマンションの5階。
ベランダから手稲スキー場が見渡せる。
ご主人様はコンピュータ相手の仕事なので変則勤務。
通常の日中勤務や、夜中の勤務、休日出勤などがあり
いつも体調維持に気をつかっている。
私は神戸のラッキーのお母さんの娘です。
神戸のご主人様と札幌のご主人様は昔の仕事仲間。
このご縁で札幌に養子縁組が決定してやってきた。
今は6ヶ月のやんちゃ娘。
しかしご主人様と奥様に可愛がられている幸せ者。
この一年のハプニングを日記帳でご披露するね。
毎日がハッピーな自然流。

今日は2月6日の平日。ご主人様は変則勤務の休日だ。
昨日は一昨日の徹夜明けでお昼ごろから夕食まで
カーテンをしめて夢の中。
ご主人様の体調のいい時は寝る前に奥様と
ホットワインをちょっと飲んでからベットへ行く。
そのタイミングを逃さないで
サッといっしょにベットに行くと
私もいっしょに夢旅行に参加できる。
昨日はこの作戦が大成功。
ご主人様の腕枕で公園の中のすべり台で
遊んでいる夢をみちゃった。
夕食までのご主人様との夢旅行も終わった後は
楽しい夕食のお時間。ご主人様と奥様はあつあつ
キムチ鍋をふ~ふ~しながらパクパクパク。
あれ~奥様、私の分はどれかな?
毎日がハッピーな自然流。

私は奥様のひざの上でごそごそからだを動かして
「おなかへったよ」のアッピール。
奥様もやっと気づいてくれたみたい。
「は~い、ラッキーもご飯食べる?」と言いながら
私をひざからおろして台所でなにかゴソゴソゴソ。
持ってきてくれたのはあんまり好きじゃない
ダイエットドッグフードと大~好きなリンゴ角切り
がいっぱい入ったヨーグルト。ヨーグルトを先に
ペロリとたいらげてドッグフードを食べなかったら
ご主人様からダメダメコールがきちゃった。
「神戸のラッキー母さんは、好きな物ばっかり食べて
肥えちゃった」と聞いているからこれだけだよ。
しかたないか、食べちゃおっと。
毎日がハッピーな自然流。

一日の一番楽しい夕ご飯が終わりかけたころ
テレビを見ていたご主人様が奥様にご相談。
「そうか、明日から札幌雪祭りなんだ」
「明日は振替休暇日だから見にいこうか」。
奥様も即OKサインの笑顔でウンウンウン。
ところがその後ご主人様と奥様がちょっと困った顔
して私の方を・~・~・~・。
奥様が「ラッキー連れて行けるかな?」と思案顔。
ご主人様の主義で自家用車は持っていない。
ご主人様も困ったなあって感じで私を見つめている。
私もなんとなく危機感が伝わってきたのでここは
頑張らなくっちゃ。お母さんラッキーから引き継いだ
大きな瞳で「絶対連れて行って」と哀願。
毎日がハッピーな自然流。

「そうだ。手荷物サイズの入れ物に入れていけば
電車は大丈夫だろう」のご主人様の意見で即決OK。
「しかし、大通り公園会場だと人混みでラッキー
大丈夫かな?」の奥様の一言でまたまた思案顔。
またまた危険を察知したので床の上をぐるぐる
回って「絶対連れて行って」の猛烈アッピール。
「ラッキーのアッピールはすごいな。やっぱし
ラッキーの件で困っているのがわかるのかな」
「そうだ。真駒内会場だったら自衛隊の広い敷地で
開催されるから大丈夫だよ」とまたまたご主人様
からの助け舟。「そうね、真駒内会場は私も行った事
がないので行きたいわ」と奥様からも同意。
ヤッタ!これで雪祭りに行けるんだ。
毎日がハッピーな自然流。

さっそく、ご主人様と奥様が分担して明日の準備開始。
ご主人様はインターネットで明日の天気と雪祭り
会場の事前情報を収集だ。
奥様は夕ご飯の片付けを終わらせて電車移動用の
お家の作成を開始。6ヶ月の私は約4kg。
そこで行楽用の大型藤製バスケットの片側上部に
きれいな布を大きめに縫い付ける。
バスケットの中にはおもらし対策としてビニールを
敷く。その上にタオルを二つ折りにして3方を
縫い付けてその間にティッシュペーパーをいっぱい
入れたものを敷く。「テストしてみようか」と言って
ひょいっと籠の中に入れられちゃった。ちょっと狭い
けど我慢して愛嬌を振りまいておこうっと。
毎日がハッピーな自然流。

ご主人様の調査では明日は晴れ。真駒内会場は
犬同伴OK。ヤッタ!これで準備完了だ。
今晩はこれにて作業終了。明日が待ち遠しいな。
おっと、移動籠の中で今からじっとしていると
毎日入れられるかもしれないから飛び出そうっと。
居間でテレビを見ている奥様の膝上おねだりすると
OKサインとともにヒョイと抱き上げてくれた。
膝上でうとうとしているとご主人様がお風呂から
あがってきた。これから奥様のお風呂タイム。
このままずっと膝上で明日の楽しい夢を見たいけど
お邪魔虫して明日連れていってくれなくなると
大変だからいつもどおり居間のテレビの前の
所定の位置で早く寝よっと。おやすみ。
毎日がハッピーな自然流。

いよいよ雪祭り会場に行く朝がやってきた。
今日もご主人様は早起きしてマンション入り口の
ラッセルに飛び出した。いつもだったら私もおねだり
同行するんだけど昨日はうれしくて遅くに寝たので
今日はパス。もう一度うたた寝タイムに突入だ。
うとうとしているとご主人様が戻ってきた。
奥様は朝食とお弁当作りに大忙し。
いつもどおりコーヒーの香りがプ~ンと漂ってきた。
この香りがくると「ラッキー起きなさい」という
体内目覚まし時計のDNAが自動的に働くように
なっている。大きなあくびと手足のストレッチも
なにも考えなくても勝手に脳が指示をだしちゃうよ。
これさえなければいくらでも寝られるんだけどな。
毎日がハッピーな自然流。

ご主人様と奥様はミルクたっぷりのカフェオーレと
ブルーベリージャムのトーストとゆで卵。
私はいつもどおりのダイエットドッグフードと
本場のミルク。どうしてもドッグフードが食べれない
時はクッキーをひとつ砕いてまぶしてくれる。
こうしてもらうとドッグフードのにおいが和らいで
おいしく食べれるんだ。
もちろん今日はそのままパクパク食べたよ。
さあて朝食が済んだのでいよいよ雪祭りに出発だ。
私は駅まではいつもどおり奥様の横にぴったり
寄り添って尻尾をピンとアンテナのようにたてて
ちょこちょことピッチ走法でついていく。
反対側はご主人様。ばっちり奥様と手をつないでね。
毎日がハッピーな自然流。

手稲駅に到着したので私はいよいよ移動籠に
はいらなくっちゃ。おっとその前にいっぱいトイレ
をしておかないと。駅の横の広っぱでいっぱい
済ましたので先ずは大丈夫。
駅の改札口のおじさんが私の入った移動籠を見て
微笑んでくれた。私も愛嬌を振ろうとして尻尾を
振ろうとしたけれど残念ながらそのスペース無し。
私のかわりに奥様がきっちり笑顔を返してくれた。
札幌駅までは快速で約10分。
今日は平日なので奥様もご主人様も座れたので
私の移動籠は奥様の膝の上。
電車の中の暖かい温度と適当な揺れで即夢の中。
奥様もご主人様もこっくり状態で札幌へ。
毎日がハッピーな自然流。

札幌駅から地下鉄の「さっぽろ」駅までは地下街を
歩いて約5分。この間はご主人様が移動籠係。
私は移動籠に入ったままの楽チンコースで到着だ。
これから真駒内までは約20分かかるので
ご主人様につれられて人間用のトイレに行って
用をたすことに。そんなにうまく出るかな?
トイレの前までは移動籠に入ったままやってきて
トイレの前で出してもらうとやっぱし急におしっこ
がしたくなってきた。
いつものおしっこサインのぐるぐる回りを始めると
ご主人様があわてて抱えてトイレに直行。
ぎりぎりセーフで便器でおしっこを始めてしたよ。
やっぱし広い原っぱでする方が快適だ。
毎日がハッピーな自然流。

またまた移動籠に入って地下鉄で真駒内まで直行だ。
地下鉄も空いていてまたまた奥様の膝上の移動籠
の中で熟睡しちゃった。
そうこうしている内に頭をなぜなぜしながら
奥様から「ラッキーもうすぐよ」の掛け声がかかった。
地下鉄のはずなのにお外の景色が見えるんだ。
あれ~、まだ夢の中なのかな?
ちょっと目をつむって頭をブルブル振ってみた。
ゆっくり目を開けてもやっぱしお外を走ってる。
考えている内に真駒内駅に到着だ。
駅から真駒内会場までは札幌と同じく
ご主人様が移動籠の運び屋だ。
私はお殿様になった気分で楽チン楽チン。
毎日がハッピーな自然流。

真駒内会場は自衛隊の中の運動場が会場だ。
入り口には自衛官が門番をしている。
手稲駅の改札口のおじさんと同じように
私を見てニコッと微笑んでくれた。
いつもはきびしくチェックしてるんだけど
今日からの雪祭り期間中はほんわか自衛官に変身。
広場に入ったので移動籠から解放だ。
さっそく3点シートのような紐を着けてもらって
周りを探索開始。あれ~、ご主人様の腕枕で見た
夢の中に出てきた滑り台がいっぱいあるよ。
小学生の団体がどの滑り台も並んでいる。
私も滑り台で滑ってみたいな。何はともかく
ご主人様を引っ張って滑り台に突進だ。
毎日がハッピーな自然流。

滑り台は雪をお水で固めて作っているんだって。
整理を担当している自衛官の方にご主人様が
「大人もすべれるのですか?」と聞いてみると
大人はだめなんだって。
しかたがないので小学生がいっぱい滑っている
滑り台の横でご主人様にだっこされて見ていると
小学生のお姉ちゃんが「かわいい犬、なんて言うの」
と声をかけられた。ご主人様が「キャバリア犬で
ラッキーって言うんだよ」と説明。
「抱っこさせてくれる?」と言ったのでご主人様
がそのお姉ちゃんに私を抱っこさせてあげた。
私も目いっぱいに愛嬌をふるとお姉ちゃんも
頭をなぜなぜしてくれた。
毎日がハッピーな自然流。

お姉ちゃんに私を抱っこしてもらっている間に
ご主人様はちゃっかり滑り台をバックに奥様の
ポートレートを自慢のデジカメで激写。
今度は奥様がカメラマンでご主人様を激写。
そうこうしている間に抱っこしてくれている
お姉ちゃんの滑り台の順番が回ってきた。
「おじさんラッキーを抱っこしたまま滑ってい
い?」とご主人様に聞いている。
私もトレードマークの大きな瞳でご主人様に
「OK」のテレパシーを大量に発信。
ご主人様は「そうやね、安全のためにこの移動籠
に入れてならいいよ」と許可サイン。
やった!夢の中の滑り台がすべれるんだ。
毎日がハッピーな自然流。

さあて、移動籠に入れてもらってお姉ちゃんの
おなかの前に抱えてもらった格好でいざ出発。
滑り台は結構長いんだけどみんなが滑っているので
底はツルツル状態。お姉ちゃんは私の移動籠を両手で
しっかりかかえていないといけないので、ブレーキは
両足を「ハ」の字にしてスピードコントロール。
しかし、あっという間にご主人様と奥様が待っている
場所に到着だ。お姉ちゃんは笑顔いっぱいで私の
入った移動籠をご主人様に返しながら「ありがとう」
とペコッとお辞儀。お姉ちゃんはお友達のところへ
走っていってうれしそうに滑り台の感想を
しゃべっている。私も滑り台が滑れたので大満足。
しかし、もっともっと滑れたら最高なんだけど。
毎日がハッピーな自然流。

奥様に移動籠から出してもらって、今度は奥様と
私のツーショットをご主人様に撮ってもらう。
今度はご主人様の番にチェンジしようとしたところ
へあのお姉ちゃんが走ってやってきた。
「おじさん、友達みんながラッキーを抱っこして
滑り台を滑りたいので頼んできて」とご相談。
奥様からも「移動籠に入れた状態だったら大丈夫」と
援護射撃。この援護射撃でご主人様からOKサイン。
またまた移動籠に入って滑り台に挑戦だ。
滑り台のところに行くとお友達がいっぱいだ。
さっそくお姉ちゃんが籠の持ち方とブレーキのかけ
方をお友達にご伝授だ。まるで体操の先生のよう。
お姉ちゃんも鼻高々でうれしそう。
毎日がハッピーな自然流。

お友達の数だけいっぱい滑り台を滑っちゃった。
お友達の最後の子が滑り終わったところで、お姉ちゃ
んとお友達のみんなから頭をなぜなぜしながら
お礼を言われちゃった。こちらこそ「ありがとう」。
そろそろおなかが空いてきた。
ご主人様も奥様も同じ状態だったみたいで、
滑り台の反対側のお日様が当たる場所に
ビニールシートをしいてランチタイム。
ご主人様と奥様は手作りサンドウィッチとホット
ミルク。私はリンゴの角切り入りヨーグルト。
私は移動籠に入っていた時間が結構長かったので
手足を目いっぱい伸ばしてストレッチしたまま
お昼寝タイムに直行。冬のお日様の下って最高。
毎日がハッピーな自然流。

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