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札幌のラッキー(11月)

ラッキーは札幌で可愛がられているキャバリア犬。

私のご主人様は札幌に住んでるコンピュータ技術者。
奥様は美人のどさんこ娘。
住まいは手稲山の麓のマンションの5階。
ベランダから手稲スキー場が見渡せる。
ご主人様はコンピュータ相手の仕事なので変則勤務。
通常の日中勤務や、夜中の勤務、休日出勤などがあり
いつも体調維持に気をつかっている。
私は神戸のラッキーのお母さんの娘です。
神戸のご主人様と札幌のご主人様は昔の仕事仲間。
このご縁で札幌に養子縁組が決定してやってきた。
今は6ヶ月のやんちゃ娘。
しかし、ご主人様と奥様に可愛がられている幸せ者。
この一年のハプニングを日記帳でご披露するね。
毎日がハッピーな自然流。

今日は11月21日の木曜日。
ご主人様は夜勤と通常勤務の切替休日だ。
いつものように朝早く帰ってきてお風呂に入った後
朝ごはんと梅酒のお湯割りを1杯飲んでご就寝。
札幌はすでに冬モード。
寝室は暖房をしっかり入れて
厚手のカーテンを閉めて
ちょっとハーブの香りを効かせて
安眠環境バッチリを奥様が演出。
それと、お布団は木下藤吉郎よろしく
私が本皮毛皮で暖めておいたので
薄着の好きなご主人様も即夢の中へ直進だ。
ときどき、私もご主人様の布団に
ちゃっかり侵入してキーウィー入りヨーグルトを
お腹一杯食べている夢を見ることがあるよ。
ご主人様の見ている夢は
ヨーグルトじゃないと思うけどね。
毎日がハッピーな自然流。

いつもの夜勤明けの午前中は
ご主人様の安眠を考えて
奥様はテレビを見ながら編物や読書で
時間をつぶしている。
そうそう、天気が良ければ
私と公園でデートしたりしてくれる。
しかし、今日はご主人様がご就寝したら
さっそくお洗濯やお掃除を開始しはじめた。
私としたら、午前中からお掃除中の掃除機との
バトルロイヤルが出来るのでうれしいけどね。
午前中に掃除も洗濯も完了して
奥様はティータイム兼ランチ用のホットケーキを作り出した。
ボールに卵とミルクとホットケーキミックスを入れてシャッフル。
後はフライパンで焼いて出来上がり。
当然、私は奥様の足元に
ベッタリ貼付状態で存在感をアッピール。
毎日がハッピーな自然流。

ホットケーキの焼きあがり時間を
私の鼻レーダーがイージス艦よろしく1分前にキャッチ。
イージス艦の管制塔(脳)からの指示に従って
奥様の足元から食卓に先回りしてお座りOK。
奥様はこの行動を見てちょっと呆れ顔。
「ラッキーの腹時計は正確ね。
どうして焼きあがり時間がわかっちゃうのかしら」と独り言。
予定どおり1分後にお皿に乗ったホットケーキが
食卓にやってきた。
奥様はこれを6個にカットして
蜂蜜をたっぷりかけてパクッ。
いつもどおり100万ボルトの瞳作戦で
アッピールしたけど無視。
やっぱし、コマーシャルのように
タイ式ボクシングしかだめだ。
エイッ!「超速」キックでアッピール。
毎日がハッピーな自然流。

ホットケーキ争奪作戦も
いつものように1/6だけゲットして戦果はドロー。
これだけではお腹の虫が起きちゃったので
もう止まりません。
「超速」キック連発でかりんとう6個もゲット。
この満足感が「お眠むDNA」の
スイッチを入れちゃったので
ソファーの端っこの一等地でスヤスヤ。
本当はグ~グ~と大きないびきを掻いて爆睡。
しばらくすると何かお部屋の中が
ざわざわしている感じがしたので
薄目を開けて視覚レーダーで探索すると
なんと江別のおばあちゃんが
奥様とご主人様と談笑中。
これは私とした事が大失敗。
さっそく飛び起きて
おばあちゃんの足元にお座りして
尻尾を目一杯振ってご歓迎のサイン。
毎日がハッピーな自然流。

「ラッキー、こんにちは。
今晩はラッキーのお家に泊めてもらうよ」
と頭をなぜなぜしながら挨拶してくれた。
私はちぎれるくらい尻尾を大きく振って
大歓迎のサイン。
それからお膝の上をアッピールするために
おばあちゃんの足をトントンと軽~くキック。
おばあちゃんは
「ごめんよ、ラッキー。
今日はラッキーの大好物の
かりんとうは買ってこなかったね。
明日一緒にスーパーに買いに行こうね」
と大きな勘違い。
しかたないので、
もう一度トントンと軽~くキックすると
「お母さん、ラッキーは
お母さんの膝の上に上がりたいのよ。
だって、さっきのキックとぜんぜん違んだもの」
と奥様が通訳。
さすが、奥様。
私の気持ちをバッチリ把握しちゃってる。
毎日がハッピーな自然流。

私の希望が通じておばあちゃんの膝上ゲット。
膝の上でまたまたウトウトしていると
玄関のチャイムがピンポ~ンと
来客を知らせてくれた。
ご主人様が玄関にむかったので
私もおばあちゃんの膝上から
床にジャンプして玄関に突進。
玄関に到着すると
ご主人様と同年齢のおじさんが
ご主人様とニコニコしながら話している。
ちょっと立ち話をした後
ご主人様の後について
おじさんが居間に入ったので
私も急遽居間に逆戻り。
居間では奥様とおばあちゃんと挨拶した後
ご主人様と何か打ち合わせを開始した。
私もこの打ち合わせに参加しようと
ご主人様とおじさんの間から
「ビクターの犬」のポーズで参加しちゃった。
毎日がハッピーな自然流。

何かわからない打ち合わせが終わったら
今度は二人でパソコンを居間に運んできた。
運んできたパソコンは
ご主人様ご自慢のIMACじゃなくて
WINDOWSパソコンだ。
このWINDOWSパソコンは
今日来ているおじさんから
安価にわけてもらったものなんだって。
このパソコンをセットした後
ご主人様が作った資料を基に
おじさんがパソコンを操作してなにやら
カラフルな画面をいっぱい作っているよ。
私はまたまた「ビクターの犬」状態で
おじさんが作っているパソコン画面を
首をかしげてフリーズ状態。
ご主人様も私の横で同じように首をかしげて
おじさんが作っている画面を覗き込んでいる。
毎日がハッピーな自然流。

大部分が完成したところで
ご主人様ご自慢の
デジカメとスキャナーとIMACで作成した
イメージデータの入ったCDーROMから画像を取り込んで
今まで作った文章画面の中に貼り付けて完成。
これがパワーポイントと言うソフトで作成した
プレゼンテーション資料。
何に使うかって?
なんと、ご主人様の提案が「三浦・青木賞」の
最終審査にノミネートされたので
明日これを使って発表するんだって。
なにせ、ご主人様は根っからのMACファン。
だから、最終審査にノミネートされたのは
めちゃめちゃうれしいんだけど
発表はWINDOWSの
パワーポイントが指定されちゃったので
おじさんに応援を依頼したんだって。
毎日がハッピーな自然流。

おじさんは忙しいところを駆けつけてくれたので
後は修正の方法をご主人様に伝授して
急いで帰っちゃった。
ご主人様は忘れない内に
文書の追加や削除、修正をやってみて
やれやれという顔。
その後、夕ごはんまで
何度も一人でぶつぶつつぶやきながら
発表の練習を繰り返していた。
私は最初のうちはご主人様のそばで
半分コックリコックリしながらお相手していたけど
やっぱしお眠DNAが活性化してきて
ご主人様のぶつぶつが念仏に聞こえ出したら
一気にヨーグルトを食べている
いつもの夢の世界へワ~プ。
ちょと寝たかなと思ったら
すぐに鼻レーダーがいい匂いをキャッチ。
これは本当に夕ごはんのサイン。
起きなくっちゃ。
毎日がハッピーな自然流。

今日はおばあちゃんがきているので
手巻き寿司だ。
私以外は、お刺身や卵焼き
きゅうりなどを焼き海苔+酢飯の上にのせてパクパク。
私はいつものようにダイエットドッグフードに
玄米フレークをトッピングしてもらったものをパクパク。
これでは足らないので
いつもは奥様にキック催促で
ヨーグルトか果物をゲットするんだけど
今日はあま~いおばあちゃんをターゲットと設定。
おばあちゃんに100万ボルトの瞳作戦をしかけると
予想どおり細く切った卵焼きをすんなりゲット。
続いて、瞳パワー継続で細く切った焼き豚をゲット。
調子にのって瞳パワーを送ると
さすがにおばあちゃんも奥様に困ったサインの目配せ。
奥様からサッとリンゴが出てきてバトル終了。
毎日がハッピーな自然流。

リンゴをかじっているとご主人様が軽い悲鳴。
どうしたのかなと思って見上げると
ほっぺたを左手でさすっている。
奥様も「あなた、どうしたの」
と心配そうに見ているよ。
「ちょっとあせって噛んだら
舌の横っちょも一緒に噛んじゃった。
でも、ちょっとだけだから大丈夫」
とご主人様のご返答。
私でなくてよかった。
私が噛んだら歯磨き粉のコマーシャルと
同じになっちゃうから。
だって
「あなたはリンゴをかじって血がでましたか」
になっちゃうもの。
きっと、ご主人様が手巻き寿司じゃなくて
リンゴをかじっていた時だったら
神戸のケンさんみたいに
この駄洒落を言っていたかもね。
毎日がハッピーな自然流。

ちょっとしたハプニングがあったけど
楽しい夕食も終わっちゃった。
さ~て、みんなはこれからどうするのかな。
奥様とおばあちゃんは夕食の片付けをして
奥様はお風呂の用意。
おばあちゃんはソファーに座ってテレビ観賞。
ご主人様はパソコンに向かって最後の練習。
当然私はおばあちゃんの横に座って
テレビの観賞してる振りして実はウトウト。
しばらくすると奥様から
「あなた、お風呂沸いたわよ。先に入って」
と合図。
「ちょっと待って。もう一度練習したら入るよ。
そうだ、一度みんな観客になってもらって
聞いてもらおうかな」
とご主人様からのお願いコール。
みんなってきっと私も入っているのかな。
観客は一匹でも多い方がいいもんね。
毎日がハッピーな自然流。

それでは、二人+一匹の観客を前にして
ご主人様の発表練習の始まりだ。
本番発表は持ち時間10分なので
タイムキーパー役の奥様が目覚まし時計を持って
1分前に手を上げることを決めてスタート。
ご主人様は結構発表は得意。
上手にゆったりと話をしていく。
聞く側もストレスを感じることなく
内容を把握できる。
そうこうしていると奥様の右手がさっとあがった。
とたんにご主人様の話し方が
ちょっと速目にシフトアップして
ぎりぎり10分で終了。
「あなた、もうちょっと中間部分を短くしては?
全体で9分ぐらいにしておいた方が無難と思うけど」
とアドバイス。
「そうだね、話を伸ばすのは可能だけど
短くすると早口になっちゃうからな」と納得。
毎日がハッピーな自然流。

1回のリハーサルがついつい3回になっちゃった。
やっと納得できる仕上がりになったので
みんなお風呂に入って就寝。
私はいつもはご主人様と奥様の間で寝るんだけど
今日はおばあちゃんのお布団にもぐり込んじゃった。
おばあちゃんも私の体温の暖かさが大好きなんで
朝まで抱っこ状態されちゃった。
今日はいよいよ発表の日だ。
奥様はご主人様と一緒に
発表会場のホテルに行くんだって。
会場は犬はダメなので
私のお留守番相手のために
おばあちゃんが来てくれたんだ。
ご主人様と奥様が出て行った後
「ラッキー、もしもご主人様が不合格だった時は
癒し系のラッキーの出番だよ」
と頭を撫ぜ撫ぜ。
「任せなさい。私が面倒みましょう」
と尻尾でご返答。
毎日がハッピーな自然流。

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