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医師「働き方改革」日誌

有名な文豪がオスカー・ワイルドが書いた「幸福の王子」を選んだという。何年か前に曽野綾子氏が訳した「幸福の王子」を訳者ご本人から頂いた(ご主人の故三浦朱門氏の主治医だったご縁で何度かお会いしたりお食事をご一緒したりしたことがある)。有名な作品なので内容はここでは触れないが、曽野綾子氏の「あとがき」が素晴らしい。

「幸福の王子」は王子とツバメの究極の自己犠牲愛の物語であり、最後には自分の命さえ与える。曽野綾子氏は「あとがき」のなかで、「人間はものを得ようとする時、必ず対価を払う、平和と愛は最大のものだから、その分だけ、ただならぬ対価が必要だということは当然」と書いている。ここで言う「対価」は金品に換算するような形ある下品な対価ではなく、それこそ「ただならぬ対価」なのであろう。このあたりの思い切りの良い書き方がさすが曽野綾子氏である。

もしも無人島に1冊だけ本を持っていけるとしたら、僕は曽野綾子訳の「幸福の王子」を持っていく。


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