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FOR KOGEI 2023「物質的想像力と物語の縁起ーマテリアル、データ、ファンタジー」−2:富岩水上ライン・中島閘門


そもそも、なんで市内の割と中途半端な位置から運河があって、しかも、神通川とほぼ並行してるんだろう??
と割と疑問に思っていた富岩運河・・・
乗船すると、まず、この運河の成り立ちについて詳しい解説がありました。
ビデオとか音声テープとかではなく、解説の方が肉声でいろいろ語ってくれるのがすごく新鮮でした。その時のお客さんとのやりとりとかでいろいろ変化球があるし、ただ聞いている・・・だけでは頭の中に入ってこなかっただろうなぁと思う。
やっぱり、面と向かって人が説明してくれるって大切なことだなぁと改めて思います。

蛇行が激しくたびたび氾濫し、市内に被害を及ぼしていた神通川の流れをまっすぐに・・・とする工事が行われ、その後に残ってしまった「廃川域」を、一部は土砂で埋め立てて駅や県庁周辺の商業用地・住宅用地として充て、木材運搬専用に水路整備が行われ、富岩運河が完成したと。戦後、トラック輸送が隆盛となった後も、運河はまちづくりの中に組み込まれ、オアシス的な親水広場として存続していった・・・と。

途中、中島閘門といって、水位差2.5mの調節のために「水のエレベーター」が作られている。いわゆる「パナマ運河」の縮小版みたいなもの・・・
パナマ運河まではなかなか行けないけど、この中島閘門と理屈は同じだから、擬似体験ができる・・・
これはなかなか、理屈では頭では分かっていても、実際に体験してみると、ほんと全然船が揺れないのにはびっくりした。いわゆる運河の中に門があって、小部屋みたいな区画があって、船が入ると水が抜かれていって、出口の方の水位と揃ったら、門が空いて、船が進んでいく・・・これがないと、まるで「保津川下り」みたいに流れが急になってしまい、こんな大きな船が通れない状態になってしまう・・・わけだ。船が揺れないだけに、外を向いてないと、水位が下がっていくとか、反対方向に向かうときは水位が上がっていくとか、全然分からない。

これは説明されないと全くわからない・・・すごい技術の粋を極めてるのに、全く体感がないってのは、おもしろいなぁ。

この中島閘門の操作室は小さな家で、かつてはいわゆる水門番がいて、宿泊したり滞在してたそうだ。お風呂とかもついていて住めるようになっているが、今は住居としては使われていない。
その和室の中に作品が置かれていた。
渡邊義紘の「折り葉」の作品・・・これ全部葉っぱなの??
須田悦弘さんの木彫の「葉っぱ」の作品を隣に置いてみたい衝動が・・・
これだけずら~っとあると壮観です。

この建物の外、船からも見えるところに上田バロンさんのキャラクター画が。これはコンピュータを使ったデジタルでのイラストだよね、イラストレーターとかのソフトを使ってる・・・思いっきりデジタルの自由自在な奔放な絵と、さっき見た1つ1つ手仕事の作品と・・・家の外と内で全く対照的な作品で、何か胸に刺さった。

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