下界(パラレル)3
下界(パラレル)3
毎回とは限りませんが今作はエログロ描写や官能描写を多大に含みますので20才未満の閲覧はご遠慮してくださいね♪
なお現実と烈しく乖離している部分が多いですよ
「なんとか巻けた?」
後ろの席で加世がつぶやいている。
「楽勝」と月海。
佐世保署を出てから30分くらい経ったかもしれない。
褐色の美少女と少し大柄な眼鏡っ娘は決して広いとは言えないベッドの上で抱き合うようにして眠っていた。
そんな彼女達に折り重なるように観萌も眠っている。
あたし、椎は助手席で、もうすぐ来るであろう排卵期を気にしていた。
もしも、その期間に突入すればあたし、椎の「願望実現達成能力」は使えなくなる。
スーパーハイチューニングシビリアンはただのドン亀シビリアンに、あたしの容姿は身長がたったの123cmしかない貧相な幼女に戻ってしまう。
バックミラー越しに見える観萌の後頭部には紅い毛が肩まで生えていた。
「観萌が暴走したのは確かみたいね」
加世が不機嫌そうに言った。
「何ヶ月前の世界に私たちは飛ばされてしまったみたい」
加世は自分の左手にはめたスマートウォッチを見ながら呟いていた。
「しかもみんなスマホのマップアプリで確認して、ここは北九州じゃない、北関東よ、栃木県ね」
加世の言った通りみたいだ。
あたし達はは関東のとある施設、『さぬきがわ学園』の近くのコンビニ駐車場に車を停めていた。
あたし達は全員眠気に襲われて眠り込んでしまっていた。
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狭いアパートの中でわたしは擦り切れた畳の上に仰向けになって横たわっていた。
着ている服は・・・・・ない。
多分素っ裸、という奴だ。
なぜか私の腹上には大量の出血が、後頭部の下にも大量の出血と飛び散ったと思われる脳髄が擦り切れた畳の上にひろがっていた。
その時は多分、私がここで目を覚ます前までみていた悪夢の話だと思ったけど。
私は毎日、男の相手をさせられていた。
ノルマは1日12人の異形の男達、ツノが生えていたり、尻尾が生えていたり、背中に縦に背びれがいくつも生えていたり、鬼みたいな形相だったり。
そんな化け物を相手に毎日、朝から夕方までそこの施設の人間が言うところの交尾をさせられていた。
私の家族が住んでいる住所の私宛に軍事召集令状が届けられた。
その時はどんな戦場に送られるかと思ったがまさかこんな売春みたいな行為をさせられるとは夢にも思わなかった。
1日にこんなにも多種多様にわたる異形の生物の相手をさせられるとは思わなかったがみんなは意外と私たち人間との結合部分はほとんど変わりがなかったのかそれほど苦痛は感じなかった。
全く痛くないとかいえばウソにはなる、だが私の身体に負担がかかるようなことはほとんどなかった。
私には一対の男女によるいわゆる両親と私とふたつほど歳の離れた妹がいた気がする。
気がするというのはほとんど記憶から消去されてしまっていると思われるからだ。顔も名前もほとんど思い出せない状態だ。
自室に戻ってシャワーを浴びて身体をエアタオルで乾かしていると
私の雇用管理者である男が勝手に部屋に入って来た。
「今日もお勤めご苦労様、ご褒美に俺が癒してやろう」
彼はそういうと私の股間を開いて先頭の光る棒で股間の穴を押し広げながらそこから撮影されていると思われる画像を見て中を覗き込まれていた。
最初のうちは恥ずかしかったがだんだん慣れて来た。
「まあまあ、損傷とか性病の心配はないようだな」
男はそう言って私の片足を上げると太くて立派なものをねじ込んできた。私は思わず叫び声をあげてしまう。
さまざまな体位で数発ずつ注入されるとやがて彼は飽きたのか私の身体を床に放り投げた。
床は冷たく、硬かったので当然のことながら激しい痛みが走る。
「まあ明日もあいつらの性欲を満たす仕事に励んでもらう、よろしく頼むよ」
奴はそう言ったが私は耳元でないと聞こえないほど小さな声で皮肉を呟くのが精一杯だった。
「いえ、彼らは誰かさんと違って、私にはとても優しいですから」
それが奴の耳に入ったのかどうかはわからなかったが私のお腹に強烈な蹴りが入った。激痛が走り、私はそこを両手で庇ったがその上から何度も蹴りを入れられた。
事実禍々しい彼らは奴よりは遥かに私に対する扱いは優しかった。
口から思わず血も混じった液体を吐いてしまった。
「貴様、我が施設を汚す気か?」
今度は側頭部に奴の右足が乗せられてじわじわと体重をかけられてゆき、頭蓋骨が砕けたような音が聞こえた。
『誰か、助けて』
そう心の中で叫んだ時私は既に息をしていなかった、はずだ。
ーところで『あつこ』の胎内には実験体生物との交配による受精卵はあったか?ー
どこからともなく声が聞こえて来た。
ーそれがあいつらの体液は『あつこ』の胎内にはほとんど残っていなかったようだな、妙なことに医師朝霧、貴様の体液が50cc以上は残っていたー
顔も姿も化け物の彼らは実際には私の生殖器に合うように自らのそれを変化させて、中には何も出さずにただ優しく抱いてくれていた紳士だった事を今になって知った。
それに引き換え奴は私を乱暴に扱い、何回も中に出してくれた。まるで私を専属の娼婦、いや、性奴隷のように扱っていた。
ー医師朝霧、『あつこ』の胎内、子宮内にはふたつの受精卵が着床していた。さらにいうなら片方は他の乳母と違い施設が用意して人工着床させたコピーされた受精卵とは全く別物の受精卵が着床していた。これがいかなる理由によるものか説明して頂きたいー
しばらく返事はなかった。
何か良い言い訳でも考えているのかもしれない。
ー正直に『あつこ』の裸体に性欲を抑えられなかったといえばいいのにねー
耳元で落ち着いた女性の声が聞こえた。
ー今あなたの身体を復元することは可能ですよ?でも今はその時ではないです、しばらく私の中でおやすみなさいー
その声を聞きながら私はうつらうつらと夢を見始めていた。
まあ良い、『あつこ』はとりあえず一命はとりとめた、代役を『あつこ』として仕立て上げて彼女を含む6人の少女にこの受精卵のコピーを着床させるとしようー
その男は彼が『あつこ』だと思い込んでいる少女の子宮内に本物の『あつこ』の子宮内膜に着床していた受精卵を慎重に剥がして取り出すと6個の受精卵に人工的に分離させて偽の『あつこ』を含む6人の少女の子宮内に着床させることに成功した。
彼らにとってその『あつこ』が本物であろうが偽物であろうがどうでも良いことだった。
もっともそれが後々、偽『あつこ』が産み落とす『ニナ』の運命、そしてこの研究所の運命でさえ大きく変えることになるとは彼らも気が付いてはいなかったようだ。
どちらにせよ彼らにとっては仮胎に過ぎなかった少女たちがその娘らを産み落とした後には必ず殺処分する気でいたのだから。
そして、産み落とされた彼女たち、赤子たちの身柄は別の6人の少女達にその世話を預けられる事になった。
そのひとり『ニ』こと『ニナ』が預けられることになっったのは『あつこ』の実妹である『かなえ』だったのはもはや単なる偶然とは言えないだろう。
ーその男、医師朝霧はなんの処罰も受けることなく施設の中で大きな顔をしていた。しばらくの間はおとなしくしていたようだったが監視室からモニター越しに『かなえ』の裸体を見ている間に再びかつて抑えていた性欲を抑えきれなくなっていたー
そして寝込みに入る前の彼女を襲い陵辱したのは施設のメンバーの間でも想定内だった。
だがまさかたまたまその現場に居合わせてその陵辱行為を目撃してしまった『ニナ』にまで手を出してしまったのは想定外だった。
まだ幼くて未熟で小さく薄かった『ニナ』の子宮は容易く破裂させられて腰の骨まで砕かれた彼女は命からがら『かなえ』の部屋から逃げ出していつもの白い大きな部屋で下半身から大量の血を流していてモニター越しに監視していた研究所の人間の殆どが彼女の死を確信していた。
なにしろ大人(とはいえハタチ前の『かなえ』でさえ2〜3日はベッドから起き上がれずには激しい痛みでのたうちまわっていたのだから。
もっとも医師朝霧の行動は研究所トップの判断で彼に対する精神及び肉体に対する改造によるものだった。故に医師朝霧の家政婦6人に対する性的暴行は予定調和だったがまだ当時、9才程だった『ニナ』に対して性的暴行を働く事は計画にない事だったはずだ。
にもかかわらず誰もそれを止めようとしなかったのは研究所所長が『ニナ』の特異性に気づいていたからかも知れない
それゆえに絶望視されていた『ニナ』が急速に回復したのは研究所の技師達にとっては好奇の対象でしかなかった。
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私は狭いアパートの中で目を覚まして周りを見回した。
『なぜ、私はここにいるのだろうか?』
私は部屋の隅にあった白い三段の箱の一番上の引き出しを開けるといくつかあるうちの下着の上下セットを取り出して着用した。
ポロシャツと薄地のミニスカート。それらを着込むと私は玄関を少し開けて外を覗き込んだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー❣️
ーあの後の調べでは医師朝霧が『かなえ』に注入した精液に含まれていた精子によって受精させられた卵子は受精卵となって着床していたようです、そこまでは想定内だったのですがまさか『ニナ』にまで手を出してしまった事は私にとっても想定外でしたー
誰かの声が聞こえてきた。
その時、私、『あつこ』は『かなえ』の意識下の中にいたと思う。
いやその時はすでに『かなえ』自身も己の肉体を喪失していて誰かの身体に寄生していただけかも知れない。
そしてその何者かの身体の胎の中に着床していた胎芽に操られるがままにネグレストと化した『かなえ』も同様に自身の胎内に植え付けられていた胎芽に操られていた『ニナ』によって斧で頭蓋骨を割られて絶命した、はずだった。
それが今、このボロアパートの一室で目を覚ましているのだから驚きだ。
ところで私が今宿っているこの身体の主は今までどのような人生を送って来たのだろうか?
そう考えた時に私の中で少しずつではあったがその記憶が蘇り始めていた。
私に与えられたコードネームはイチゴ、またはストロベリー、与えられる任務はどこからともなく私のスマホのSMに送り込まれてくる。
「ウォーターキラー」、それが私達に与えられた称号だった。
一見、普通の子供がお小遣いで買えそうな引き金式のおもちゃの水鉄砲、それさえも私達の手にかかれば立派な殺傷兵器になってしまう。
もっとものその射程距離は数メートルほどしかない。
殺傷兵器として使うには対象の身体に密着して撃つしかない。
しかし私たち専用に与えられた特製のウォーターガンを使えば話は別だ。
至近距離、10cm程度の距離なら防弾チョッキとか身につけていない限り心臓や肺、など内臓ごと人体と衣服を貫いてしまう威力を持っている。それは私がトリガーにかけられる圧力が人外的に強いせいもあるのだけど普通ならトリガーがポキっと折れてしまうよね?
でもそうはならないのが不思議なところらしい。
トリガーに加えられる力は一種の念動力に近いものなのかはわからなかったが実際に私専用に与えられたウォーターガンには更にさまざまな工夫と強化が施されていたらしい。
例えばトリガーにかかる人差し指の圧力が数十トンを超えても破損、つまり折れないような強度を保たれているらしい。
という事はウォータータンクやシリンダー、ノズルに対しても同様な強化が施されているという事だ。
私のスマホにSMが送り込まれて来た。今日の仕事内容みたいだ。
それを読んでいる最中に背後から声をかけられた。
「おはよう、越後ちゃん」
同級生の男子、同じ中学に通っている1学年先輩、中学3年生の橋上透くんだ。
「あの先輩、私ごときの名前を正しく覚えてくれとは言いませんがせめて時代劇の悪徳商人みたいな間違え方をするのだけはやめていただけませんか?」
私はかなり露骨に嫌な顔をして抗議したつもりだった。
しかし彼はお構いなく続けた。
「君って家族がいないって噂を聞いたことがあるけど本当なの?」
いきなり触れられたくない話題を振られた。
一応私には組織があてがった2人の男女がいる。
父親は野崎滝夫、母親は岡田百合という名になっている。
姓が異なるのは夫婦別姓ということで理解していただきたい。
「でも君の両親って、君とは全然似ていないね、なぜなのかな?」
いきなり核心を突いてきた。
「私って母の連れ後で今の父親と再婚する前の父親に似ているからなんだ」
そういうと私はセーラー服のズボンのポケットの中からカード入れを取り出すとその中から一枚の写真を探し出して見せた。もちろんそれはいうまでもなく私の顔を大人の男に見えるようにモーフィングしたいわば合成写真に過ぎなかったのだがどうやら我が先輩、橋上透くんは信じてくれたようだった。
「今日はテスト週間で授業も早く終わったけでお茶しない」
と彼はいきなり誘いこんできた。
ショーウインドウにうつる自分と彼の姿を見比べると私たちはどう見てもアンバランスなカップルと言わざるをえない。
彼、橋上透くんはどう見てもイケメンの部類に入るし身長も180cm以上あって学生服の上からは華奢には見えるけれど実は脱いだらスゴイんですよの部類に入ると思う。
そんな彼からお誘いを受けたら断らない女子はまずいないだろう。
しかし今日の私には重大なミッションを課せられていた。
「ごめん、ちょっと急用があったりするから」
私がそういえば大抵の男子はすぐに「じゃあまた今度な」と言ってあきらめてくれる。
私の身長は140cm前後、胸から腹部、腰に至るまで特に目立った凹凸があるわけじゃなく、肩までもない髪の毛も縮れ気味で、肌の色だって決して色白とは言い難い。どちらかといえば褐色に近い。
「え〜?どうせ家に帰ってもすることがないんだろう?」
今日の橋上くんは結構しつこかった。
かと言って『今日は大物政治家の暗殺予定がありますから』なんて本当のことを言うわけにもゆかずに違う理由を考えていると私のスマホに新たな指令が入ってきた。
『今日のサバ〆は明日に延期、バミッテ佐世保店にて橋上透なる学生と待ち合わせ』
と表示されてすぐに消えた。
私が困惑していると妙にタイミング良く橋上くんは私に提案をしてきた。
「実はバミッテのお食事券が3,000円分あるんだけど今日の夕ご飯そこで一緒に食べて行かない?」
多少の不自然さを感じてはいたがマジモンで金が無かったのととここ2〜3日ろくに食事もとっていなかったので取り敢えず甘えることにした。
それにバミッテ佐世保店なら何回か行ったことがあるのでさほど用心する必要もないだろうと油断もしていた。
借りは明日に入る予定のサバ〆(暗殺の隠語)によってスマホに入る電子マネーで何かご馳走返しをすれば良いと甘い考えでいた。
「先輩は進学組ですかね」
私はさりげなく聞いた。
「まだ決めかねているんだ」
橋上先輩はそう言ったが成績は優秀な部類だし色々器用なので就職企業からもひくて数多で選択肢が多すぎて困っているのかも、ね。
「それで越後くんは就職するのか、進学を目指しているのか?」
私はその問いかけに対しては答えなかった。
まだランチタイムは終わっていない、私はロコモコランチにすることにした。
「先輩は?」
「越後はカロリー爆弾を選ぶのか?おれはサーロインステーキランチがいいよ」
彼はそう言うとコールボタンを押すとホールの若い男の子を呼んだ。いや、私たちよりははるかに年上なんだけど、私たちが注文したメニューをポータブル端末に打ち込むと水を2人のコップに注ぎ足してキッチンに向かって歩き始めた。
「俺は本当は沖縄出身なんだ、ここにも麦軍在日基地はある、だが非常発進の頻度も、訓練の過酷さもこことは比較にならないくらいだ、佐世保の坂の多さには閉口するが良い土地柄だよ」
彼はそう言うとコップの水を一口、飲んだ。
私も続いてそれを飲む。そんな私の目の前で、橋上先輩はテーブルの上にうつ伏せになって倒れていた。
私も急に意識がもうろうとし始めてテーブルの上に崩れ落ちてしまった。
気がつくと私は擦り切れた畳のある狭いアパートの一室で全裸にされて橋上先輩に馬乗りにされていた。
薬物に侵食されているのか身体の自由がきかない。
先輩とて同じだろう、虚な瞳をして私を犯し続けているように見える。
私の押し広げられた女の子自身は先輩の熱り立ったモノで何度も激しく突き上げられて中に熱い液体を解き放たれていた。
横から斜め上からフラッシュが焚かれて私と先輩の顔、そして私と先輩の結合部が相互に克明に撮影された。
「さしずめ記事の見出しは『沖縄島民は竹国の回し者か?内地の少女を陵辱する反日を許してはならぬ』ってところか?」
そう言った男は、見知らぬ顔ではなかった。
その顔には見覚えはなかったがその言葉遣いにはクセがあった。
いつも私にサバ〆の仕事に関するSMを送ってくる人物だ。
まさかこんなゲスな男だったとは想定外もいいところだったが。
「よし、証拠動画も十分だろう、これで島民の中に竹国のスパイが紛れ込んでいることが拡散できる」
そう言うとその男は画像処理を施した上でグループ送信をして満足気にポケットにそのスマホをしまい込んだ。
間違いなくそれは数分も経たないうちにSNSやメールで数十万単位で拡散されてしまうだろう。
「さてと、きみ達にはもう一仕事してもらわねばならないな」
男はそう言うと私の左手に口紅型拳銃を握らせた。
殺傷能力は拳銃に比べたら非力そのものだが相手の身体に密着させて撃てば十分に殺傷能力はある。
「そうだな、ストロベリー、君はさしずめ軟国のスパイで橋上君をハニートラップに仕掛けたと言う設定はどうだろうか?」
男のひとりが言った。
「いや、こんな幼女体型に惑わされるような竹国スパイなんていないだろ」
ニヤニヤ笑ながら角刈り三白眼の男が言った。
「じゃあ橋上透は救いようがないロリコンという事で」
そして橋上先輩の右手にはマカロフのコピー拳銃が握られていた。
やはり彼も私と同様に体を自由に動かせないようだ。
「じゃあこれが君にとって我々との、いや人生における最後の仕事だ、さようなら」
男がそう言うと私は口紅型拳銃を橋上先輩の胸元に、そして橋上先輩に握られたマカロフは私の喘ぎながら大きく開かれた口の中に深く突っ込まれていた。
「日本に送り込まれた両国のスパイ同士の抗争、憲法を変えない限りこの国の治安は守れない、そんな見出しでどうだろうか?」
そんな声を聞きながら私は口紅型拳銃を発射していた。
と同時に橋上先輩も私の口の奥深くに銃口を突っ込んだマカロフの引き金を弾いたのが見えた。
頭が爆破されたような衝撃が走って私は死を覚悟した。
はずだった。
そして気がついたらボロアパートの擦り切れた畳の上で血まみれになって倒れていたと言うことだ。
シャワーを浴びてすっきりして部屋の中にあった白い箱の引き出しの中にあった適当な引き出した下着と服を着て慎重に外を見回した私の視界に見覚えのある男が入り込んだ。
ひとりは私がサバ〆(暗殺の隠語)の契約で付き合っていた男、そしてもうひとりは橋上透先輩だった。
確か私の記憶では彼は口紅型拳銃とは言え密着状態から心臓に直撃を受けた筈だった。
心臓に穴を開けられるほどの威力はないだろうけれど少なくとも心停止くらいになる衝撃は与えられたはずだと思っていた。
いや、それよりも本来は敵対しているはずの彼らが親しげにしている光景の方が不自然と言えた。
彼らは最初から私を落とし入れるために連んでいたというのだろうか?
私は勘付かれないように尾行をした、少なくともそのつもりだった。
電信柱などの物陰に隠れながら尾行していたつもりだったが突然に彼らの姿が私の視界から消えていた。
その直後に私は背後から首を締め上げられた。
腹に一撃を喰らったが相手の姿が見えたわけじゃない。
実態はあるが視覚的には見えない透明な存在だと理解するのに数分必要とした。
私は見えない相手に衣服を脱がされてそいつらに公衆の面前で何度もレイプされた。
その間に少なくとも2〜30人ほどの人が私を見ながら通り過ぎて行った筈だったが誰も救いの手を差し出そうとするものはいなかった。
もしかして側から見たら誰がどう見ても痴女が1人で身悶えしながら喘ぎ声を出しているようにしか見えないからだろうか。
いや、もしかしたら私自身も他人からは見えない存在になっていたのかも知れなかった。
私自身も私の身体に何をされているのかほとんど理解できないでいた。
ただ一つだけ確かなことは彼らは私の胎の中にとんでもない置き土産をひとつ残して行ってくれたことだけだった気がする。
私は混乱する頭でもといたボロアパートの擦り切れた畳の上に倒れ込んだ。
畳の上に飛び散った血液や脳髄の匂いも気にならなかった。
それだけ私の頭はイカれていたのかも知れない。
いや、多分橋上先輩が私の胎の中に残していった何者かに私は完全に支配されていたのかも知れない。
それ以降私は羞恥心というものを失い普段自分の室内や先輩の部屋では裸体で行動をしても羞恥心というものを全く感じなくなったのは事実だからだ。
いや、正しくは何者かに思考を操られて自分で物事を考える能力を奪い取られていたのかも知れない。
もっとも彼らから与えられた任務の最中はそんな姿で暗殺対象の要人に近づこうものなら不審者としてたちどころに抑え込まれてしまうので何らかの衣服は着用していたようだったが。
その日も私は何の感情もなく脱ぎ捨てられていた下着とポロシャツ、薄地のミニスカートを履いて肩にはそこに置いてあった全長が40cmほどありそうな長めのポーチをかけて何もなかったように歩き出していた。
私の右手には何故か全長が30㎝ほどあるウオーターガンが握られていた。タンクの水量は恐らくは500ccくらいだろう。
ただしエアタンクやポンプによる加圧式ではなく単に引き金を引いた分しか水が飛び出さない一般的に言う引き金式の水鉄砲というやつだ。
しばらく歩いていたら目の前からテレビかネットで見覚えのある女性が歩いてくるのが見えた。
名前や地位は知らない、私が殺めて仕舞えば皆等しく一体の遺体になってしまうからどうでも良い事だった。
どこかで見覚えがあったのかはハッキリとは思い出せなかったが今はそんなことはどうでも良い。
彼女は護衛付きで大きな建物から出てくるところだった。
そんな彼女が私のウオーターガンを見るなり言った。
「水鉄砲か、懐かしいねえ、私も子供の時はよく遊んだものだよ」
彼女はそう言いながら近づいてきた。
紺色のスーツはいかにも簡易とはいえ防弾仕様にはなっていた。
がさらにその下には左右両肺及び心臓から消化器系までカバー出来るほどの立派な防弾チョッキを着込んでいた。
「しかしどうせ遊ぶなら加圧式に限るよ、飛距離も勢いも全然違うからね」
そう言ってその人物は私の頭を優しく撫でてくれた。
それはそれで良い、ただ彼女の最大の失態は不用心に私に近づきすぎたことだった。
私は彼女の豊満な胸の狭間にそのどう見ても玩具にしか見えないウオーターガンの銃口を突きつけて思いっきり引き金を引きながら円を描くようにその位置を移動させていた。
彼女の胸から勢いよく水が四散したと思った次の瞬間、彼女の背中から間欠泉のような勢いで水柱が噴き出していた。
彼女は背中からも胸からも大量の出血をしながらその場に崩れ落ちるようにしてしゃがみ込んで後ろに仰向けになって倒れた。
私の目の前の風景がその次の瞬間に切り替わってその女が先ほどの建物の中で誰かと話をしているところを横目で見ながら私はその場を後にした。
少し離れた喫茶店の前で私はそのウォーターガンをポーチの中にしまった。
喫茶店のドアを開けると橋上透先輩が先に席に座って私の顔を見るなり意味ありげな笑みを浮かべていた。
「反日議員の始末、ご苦労さん」
彼はそういうと座っていた回転椅子を120度近く回転させて私はそんな彼の膝の上に向かい合わせになって乗った。
他にも男子高校生らしき客は数人いたがお構いなしだった。
私は彼の膝の上で抱きつくと唇を重ね合わせて息を荒げながら自分の薄手のミニスカートの裾を捲り上げていた。
彼の股間にある立派なものが話私の股間の下着越しに刺激を与えてきて思わず息を荒げてしまった。
他の高校生らしき視線は少し気になったがやがて店の中にその人数分の女子中学生が次々に入ってくると店の店員は入口の掛け札を「close」にして中からカギをかけた。
その瞬間から女子中学生達は全裸になり、同様に男子高校生達も全裸となった。
もちろん私も橋上先輩も同様だ。再び私は裸同士になった彼と熱い抱擁を交わしてディープキスをすると熱い唾液をその口の中に流し込んだ。
ただそれだけで私の股間は熱くなりサラサラの液体を流し始めていた。彼の熱い肉棒も同様にパンパンに膨れ上がってヌルッとした液を先頭部から染み出しながら私の穴を求めていた。
「ただいま入った情報によりますと今日、たった今野党系の議員が立て続けに5人何者かに襲われていずれも心肺停止状態にあるという情報が入ってきました」
店内に映し出されていたテレビの緊張したアナウンサーは動揺を隠し切れないのか原稿を読む手が震えていた。
私は橋上先輩の太くて硬い棒を自分の穴に差し込むとゆっくり腰を振りながらそれを奥深くに達するまで続けた。
先輩のその立派な棒の先からそれは飛び出して私の胎の中に元々棲んでいるそれを見つけると強く抱き合っているのを感じた。
私がさらに腰を上下に振ると先輩の硬くて太く、長い肉棒は激しく脈打ちながら熱い液体を噴き出して私の胎の中に流れ込んでゆくのを感じた。
それを私の腹の中の2匹のそれはそれを甘美な表情を浮かべながら飲み干しているような気がした。
「たった今、全員の死亡確認が取れたと警察発表がありました、ただいずれも殺害方法及び凶器らしきものが見つかっておらず、それらしきものは大量の水と思われる液体とウオーターカッターで切り取られたとしか言いようがない切り口による切断面とのことです」
「犯人は永久に見つからないよね」
私は含み笑いを顔に浮かべながら言った。
「見事だよ、犯行直後に必要最小限である数分前の時間帯の数十メートル先の空間に転移する、どんな名探偵でもイチゴが犯人だとは思うまい」
橋上先輩はそういうと店内に設置されたテレビのニュース画面を観て『ニヤリ』と笑った。
「他の奴らは数日、いや数年前まで飛んで、しかも移動先も数キロ、数十Km先にしか飛べないたただのクズばかりだ、見ろよ奴らのパートナー、女子中学生達の容姿を、もう女子高校生を名乗ることさえ許せないほど老けた連中もいるぜ」
「その点お前は最小限の時間逆行と移動距離で済ませている、そんなお前なら何度でも作戦を遂行してくれると思っていたよ」
橋上先輩はそう言うと私の腰を強く引き寄せて何度も激しく腰を振った。
そのたびに私の胎の中にいる2匹の生物は強く抱きしめあって先輩が私の中に何度も出す液体を飲み干しているのを感じた。
「そこで早速で申し訳ないが今日はもう一仕事頼まれてくれないか?」
先輩はそう言いながら私の右乳首にい吸い付いた。
思わず声に出してしまったがそんなことはここではお構いなしだ。
何故ならこの店の中にいるほぼ全員がやっていることだから。
「それで、、、何をして欲しいの?」
私が甘い声でそう言うと橋上先輩は歯一枚の写真を見せた。正直言ってその時の私は少し驚いた表情をしてしまったかもしれない。
そこには少しぽっちゃりとしたメガネをかけた女の子が写っていたからだ。
「どうやらこの小娘は今、我々の支配下にはないらしい、面倒なことになる前に、イチゴ、おまえに始末して欲しい」
橋上先輩がそう言った瞬間、急に何もかもがバカらしくなったかのような笑いが込み上げてきた。
「どうもおかしいと思っていたんだ」
まさか自分でもその一枚の写真が私の判断能力を取り返してくれるとは思ってもいなかった。
「先輩は私の事を一度も『イチゴ』なんて読んだ事ないですよね、ちゃんとモノホンの先輩と同じ呼び方で呼んでいただけないですか?」
私がそう言うとその橋上先輩はいきなり突き飛ばすと仰向けに倒したまま羽交締めにした。
「おまえの中にいるそれはおまえを生かすも殺すも自由自在なのだよ」
「馬鹿にしんといて、今の私は死んだのも同じ、もう一度聞くよ、橋上透先輩がいつも私を何と呼んでいた?」
私がそう言った瞬間、偽橋上先輩は私の下半身を押さえて、他の4人の男子高校生が私の両肩と頭を押さえつけていた。
「奴はちゃんとお前が撃った口紅型拳銃で心臓を射抜かれて死んだよ、まさか頭ごと吹っ飛ばしたはずのイチゴ君が何事もなかったかのように生き返ったのは想定外だったがね」
橋上先輩の顔をした男がそう言うと女子中学生の1人が私に馬乗りになってウォーターガンの銃口を私の胸に突きつけて引き金を弾きながら言った。「さようなら」と
ウォーターガンというよりはウォーターカッターほど細く収束された圧力が吹きつけられて私の右肺から心臓の左上部にかけて凄まじいまでの水圧の水流が背骨まで貫通するように切断した。
もちろん水の量も凄いが、噴き出した出血の量もハンパじゃない。
「だから我々は他の女子中学生と同様、内面から壊すことにしたんだよ、だがお前もまさか我々、寄生体の支配から逃れるとは全くもって想定外だったがね」
その女子中学生が消えると今度は私のまだ勢いよく血が噴き出している私の胸の上に別の女子中学生が馬乗りになってウォーターガンの銃口を首に当てると引き金を強く引きながら真横に位移動させた。
頸動脈、頸静脈はもちろんの事、首の骨まで切断されて私の頭は転がり首の切断面からは見事にまだこんなにも血が残っていたかと思えるくらい大量の血を噴き出していた。
「ごめん、ここでまだ私、死ぬわけにはいかないんだ」
私はそう言いながら切り落とされた頭部を両手でつかみ首に当てるとそれはあっけなく、くっついた。
次の女子中学生が私の背中にウォーターガンの銃口を突きつけているのはわかっていた。
「死にたくなかったら引き金を引かない方がいいよ」
私は一応警告した、つもり、だった。
しかしその言葉は彼女の耳には届かなかったのか彼女は引き金を引いてしまった。
ウォーターガンの本体が爆発したかのように破裂して素っ裸だった彼女はほぼ全身にウォーターガンの破裂した破片が大量に突き刺さって血まみれになってすぐに消えた。
今度は私の目の前に現れた最後の女子中学生が私の口の中にウォーターガンの銃口を突っ込んでいた。
「まだ人生の4分の1も言っても言ってないのに何故そんなに死に急ぎたがる」
そういたつもりだったが彼女はすでに引き金を引いた後だった。
今度はウォーターガンの後方部が破裂して彼女の胸部は血まみれになっていた。
放っておけばそのまま命を落とすだろう、しかしいまの私にはそれよりも優先させたいことがあった。
時間の逆行と空間移動した先には写真の眼鏡をかけたなぜかとても懐かしい少女がピンチになっていた。
私はその大事な少女を襲っていた不届きな奴らを2人とも殴り飛ばして床に沈めていた。
それからすぐにパトカーのサイレンの音がして助かった、と思いきや何と手錠をかけられたのはその眼鏡っ娘と私の方だった。
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「おはよう」
観萌と名乗る少女は私と眼鏡っ娘を起こすと2人のほっぺたに挨拶のキスをした。
「もうあなた達は自分の過去の名前も関係も思い出せますよね?」
そう言いながら彼女の左手にぶら下げられていたのは干瓢でぐるぐる巻にして縛り付けられている体長25cm程の小人な4人というか4体の美少女だった。
「それって」
私の問いに彼女は非常に言いにくそうに答えてくれた。
「4匹ともあなたたちのお腹の中、はっきり言って子宮の中に2匹ずつ棲んで居たんだけどそれぞれ2匹のうち1匹は殿方のあそこにいつも生息していて性行為をする時だけ女性の子宮内に移動するみたいなんですよね」
それを聞いて私は思わず言ってしまった。
「すみません、ここで、吐いちゃっていいですか?」
「うん、それは掃除するだけだから別に構わないですよ、でもあなた達にはその後でこのすぐ近くにある『さぬきがわ学園』に侵入してやってほしいことがあります」
観萌はそういうと彼女が所有しているスマホに動画を表示した。
その中ではふたりの少女が9人の少年たちに暴行を受けて陵辱されている姿が映し出されていた。
「これから彼女達を救出して欲しいのですが、ひとりは見覚えのあるある娘でしょ?」
確かにそのうちのひとりは見覚えがある娘だった。
髪型こそ違うが青大きな白い建物の中で『かなえ』が『かなえ』の中の私と共に育て上げた『ニナ』だった。
『じゃあ私は歴史改竄に行ってくるからその間にグランマ達の世話もお願いね』
観萌はそう言うと私に微笑みかけた。
「本当は気になっているんでしょ?佐世保に残してきた4人の女子中学生と彼女達やあなたが殺めた野党女性議員達のことが」
それは気にならないと言えば嘘になる、しかしあの寄生体に操られていたとはいえもうどうにもならない事は分かりきっている。
「それを何とかしちゃうのが私、佐原観萌こと、又の名を『さとみちゃん』よろしくね」
そう言って差し出された彼女の左手と思わず私は握手をしてしっまったのはなぜだろうか?
実は彼女と会ったのは今回が初めてじゃないような気がしていた。「わかった!あんたあの時の偽『あつこ』でしょ!」
私が叫んだ時、観萌は少し微笑んだような気がした。
下界(パラレル)3 終わり
下界(パラレル)に4に続く
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