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[CL準々決勝2ndIeg]マンチェスターシティvsレアルマドリード


2023−2024UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝2ndIeg
マンチェスターシティ1(3PK4)1レアルマドリード
(イングランド)       (スペイン)

シティのSYSTEM

選手交代:グリーリッシュ→ドク、ハーランド→アルバレス、デブライネ→コヴァチッチ、アカンジ→ストーンズ

得点者:76分デブライネ

レアルのSYSTEM


選手交代:クロース→モドリッチ、ロドリゴ→ブラヒム・ディアス、ヴィニシウス→ルカス・バスケス、カルバハル→ミリトン

得点者:12分ロドリゴ

前年王者と前々回王者が激突。1stIegで3−3の壮絶な打ち合いをしたシティとレアル。2ndIegの舞台はエティハド。またハイレベルな試合が展開されることだろう。

で、早速レビュー
シティはビルドアップ時アカンジを1列前に押し上げてCMF化し偽CBを担わせるので3+2となる。これに対してのレアルはボール非保持時424SYSTEMへと可変する。前4枚で防波堤を作りベリンガムとヴィニシウスでロドリ、アカンジを監視、右ウォーカー、左グヴァルディオルにボールが入ればそれぞれSHのバルベルデ、ロドリゴがケアにいく。そして3+2の背後に立ち位置を取るデブライネ、ベルナルド・シウバにはクロース、カマヴィンガが見張る、ベルナルド・シウバが左の外側へと下りてこればそこは右SBカルバハルが寄せてくる。レアルの狙いとはビルドアップの起点となるロドリにボールを入れさせないように中央を前線4枚で封鎖して外へ追いやりビルドアップを抑えることにある。相手がパスコースを塞いでこようがソリッドな守備ブロックで固めてこようがポジショナルプレーでスペースを見出し前進するのがシティのサッカーであるがまずシティは3+2なのでシティのビルドアップ隊vsレアルの前線守備隊のゾーン間で5vs4の数的優位を作れる。中CBルベン・ディアスがフリーマンとなり出所に前線4枚がケアする形である。ベリンガムとヴィニシウスの中央ゾーンにギャップを作る為にロドリが最終ラインへ下りて3バックから4バックへと可変しアカンジと縦関係となり位置的優位をもたらしフリーでパスを受けるスペースを生み出す。アカンジのCMF化は効果があり積極的に攻撃に加わりアクセントになっていた。デブライネが裏抜けからポケットでパスを引き出しチャンスメイクできるのも右大外レーンに張るフォーデンの繋ぎパスをアカンジがデブライネへ縦パスを入れれるからだ。ここ本来ならアカンジのパス出しはデブライネの役割だがアカンジの攻撃参加で+1を作れるのでデブライネはポケットへの侵入とチャンスメイクに特化することができる。

CMFのロドリとアカンジは逆の形もありロドリが攻め上がるとアカンジは背後に位置取りバランスを取る。次は左サイドだが左WGグリーリッシュのスタートポジションは左の大外レーンからで内側へと入るとベルナルド・シウバが左ワイドに流れるこのユニットによるポジションチェンジで守備のズレを生み出そうとする。戻しパスを受ける繋ぎ役としては背後に位置取る左SBグヴァルディオルがハーフスペース寄り。グヴァルディオルはポケットへの侵入は殆どないのでグリーリッシュが内側、ベルナルド・シウバがワイドに張る場合ロドリがポケットへと侵入する。ロドリもアカンジもボールサイドで攻撃のアクセントとなる+1をもたらす効果があった。
シティがゲームのイニシアチブを握りポゼッションでリードしていたが先制点はレアルだった。右SBカルバハルがロングボールを入れると前線でベリンガムか収めて右サイドのバルベルデへと展開。バルベルデのパスからポケットへ侵入したヴィニシウスが折り返す。これをファーのロドリゴがダイレクトで合わせるがGKエデルソンが一度は防ぐもそのこぼれを自ら押し込んでいる。この失点の原因はまずロングボールを入れたカルバハルに左SBグヴァルディオルが前へ出てプレスをかけにいったので左にスペースができてバルベルデがフリー。ここはロドリが左へ流れてケアしていたがポケットへ侵入したヴィニシウスにはルベン・ディアスがスライドして対応するので守備のズレが生まれる。

先制したレアルはこのままいけばベスト4進出が決まるのでリトリートからコンパクトでソリッドな守備ブロックを敷く。442の守備ブロックだが左WGグリーリッシュへボールが入ると右SHバルベルデが最終ラインへ下がって5バックとなりここにCMFカマヴィンガがサポートに入り2vs1の数的優位を作られ守備をされる。攻撃はボールを奪えばカウンターを仕掛ける。左ロドリゴが突破すると連動するようにカマヴィンガがフリーランでシティの守備のオーバーロードを誘う。すると右のバルベルデが空くので右に展開して右を使う。シティの前線守備はレアルのカウンターを塞ぐ為にビルドアップの段階から潰しにいっていた。クロース、カマヴィンガにはデブライネ、ベルナルド・シウバが監視、CFハーランドは戻しパスを受けるGKルニンにもプレスをかける、右CBリュディガーにボール入ればベルナルド・シウバ、右SBカルバハルにはグリーリッシュが寄せて牽制をかける。ベルナルド・シウバがリュディガーに寄せるのでカマヴィンガにはロドリがケアに入るようにマークの受け渡しをしっかりこなしている。失点は守備のズレが生まれたものでカルバハルにグヴァルディオルが前へ出てプレスをかけたのでその裏のスペースを使われた。

レアルの守備はソリッドで固い。シティの攻撃に自陣ゴール前に9枚入ってたほどガチガチに守っていた。シティは外→中→裏のスペースと守備のズレを生んでから裏という崩しをする。左サイドからの攻撃が前半は多かった印象だが後半はベルナルド・シウバが右サイドに入ったことで右でもタメを作れデブライネがポケットへ侵入からチャンスメイクなど左右のWGのタメからポケットという攻撃でレアル守備陣の背後を狙っていた。動きでスペースを作るメカニズムも徹底されデブライネが裏へ動くことでクロースを下げることができそのできたスペースにアカンジが入ってきてボールを受ける。
後半途中グリーリッシュに代えてドクを投入。縦の仕掛け得意な典型的なWGタイプを左サイドに置くとようやくレアル守備陣をこじ開ける。ドクの仕掛けから低いクロスを入れるとリュディガーがクリアミス。このこぼれ球をデブライネが至近距離から押し込んでいる。グリーリッシュはどっちかと言うとタメて周りの押し上げを引き出すのが巧みだがドクは縦の仕掛けで打開するタイプでタイプが異なるWG起用てレアルの守備は戸惑いがあったのも確かだろう。
シティが押し込みレアルは防戦一方。レアルは後半カウンターもさせてもらえずシティのネガティブトランジションによる帰陣の速さでチャンスを作らせなかった。あのレアルにリスペクトされているシティ。20年前だとCLに出場することすら夢のまた夢だったシティが今やレアルをも凌駕する巨大なチームとなっている。延長でも決着がつかずPK戦で負けたが確かなのはシティは確実に世界最強チームとなっている。あのレアルでもPK戦でシティを破るのがやっとだった。

そんな感じで連覇の野望はここでおしまい
CLは敗退したがまだプレミア、FACUPと2冠取れる可能性ある。でもやはりCL連覇はしたかったよ。


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