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[PL第1節]チェルシーvsマンチェスターシティ


2024−2025イングランド・プレミアリーグ第1節

チェルシー0−2マンチェスターシティ

シティのSYSTEM

選手交代:サヴィーニョ→フォーデン

得点者:18分ハーランド、84分コヴァチッチ

チェルシーのSYSTEM

選手交代:ヌクンク→ペドロ・ネト、ニコラス・ジャクソン→グイゥ、ラビア→デューズバリー=ホール、ククレジャ→ヴェイガ

2024ー2025シーズン開幕。プレミア5連覇を狙うシティはかつてシティのアシスタントコーチとしてグアルディオラの右腕だったチェルシーと激突。いきなり師弟対決となる。

で、レビュー
シティはビルドアップ時3バック+アンカーのコヴァチッチという形でリコ・ルイスはCMFより1列前の立ち位置で攻撃に深さと奥行きをもたらす。ボールポゼッション時のSYSTEMは3151となりチェルシーはシティのビルドアップに対してニコラス・ジャクソンとエンソ・フェルナンデスが2トップ気味となり中ルベン・ディアスへはニコラス・ジャクソンが牽制をかけアンカーのコヴァチッチにはエンソ・フェルナンデスが監視する、3バックを結成する左右CBには右アカンジにはヌクンク、左グヴァルディオルにはパーマーが対応していた。ここで使うのがCB化して+1をもたらすGKエデルソンの守備のズレを生み出す飛ばしパスで左SHヌクンクの背後のスペースでリコ・ルイスか受けて前進を図るがチェルシーもここはしっかりと対応しておりCMFラビオがスライドから寄せにくる。攻撃のユニットは右であれば右ワイドに開くドクが幅を取ってチェルシーの左SBと左CBの距離を広げハーフスペースからポケットへとリコ・ルイスが侵入してパスを受ける。ここはラビオが下がって対応していたがドクが対峙するのは対人に強いククレジャなので右で2vs1の数的優位性をもたらす。シティがリコ・ルイスをCMFより1列前に使った狙いはそこにあるだろう。そして今季の変化はハーランドが2ライン(DF~MF)間に下がってワンクッションとなりサイドを使う形が増えたことだ。昨シーズンまでだとスペースがない中中央に張ってパスを待つ傾向があったが今季はハーランドがパスを引き出してサイドへと展開する中から外への攻撃ルートが確立されれば更に一段階レベルが上がる。

左は昨シーズンと違うのは左SBグヴァルディオルがタッチライン際に張らずにビルドアップ時3バック左に位置取っていること。左WGには新加入サヴィーニョを起用。このサヴィーニョは突破だけでなく左から内側へとレーン移動して中央のライン間でパスを受けるのも巧みでサヴィーニョが空けた左のスペースはデブライネがズレて幅を維持することでチェルシーの最終ラインを外側にも意識を向けさせるとベルナルド・シウバがポケットへ侵入してスルーパスを受ける攻撃でチェルシーの守備を崩しにいく。攻撃の起点は序盤は左より右が多かったが途中からサイドを入れ替える。つまり右だったドクを左、左のサヴィーニョを右へとチェンジする。すると左サイドからの縦の仕掛けが多くなる。先制点はその左サイドが起点となる。ボール保持中のグヴァルディオルに右SHパーマーが前から寄せようとするとその背後に位置取るドクがボールを受ける。ドクがフリーで受けれたのもデブライネがハーフスペースで右SBギュストを内側へ引き付けピン留めしているからでドクの対角線パスを最終ラインのギャップに位置取るベルナルド・シウバがフリックすると足元で受けたハーランドはコントロールが危うかったがそれでもしっかりとキープしてDFをかわしチップキックで流し込んでいる。チェルシーのCMFの守備範囲の広さを逆手に取り引き付けてバイタル中央を空ければドクが対角線パスを差し込んだのとベルナルド・シウバのフリックでコースを変えたおかげでハーランドに繋がったのだ。コースを変えなければDFにクリアされていただろう。

シティはこの先制点を見ても分かる通り右SHパーマーの背後に先制点の起点となったドクやデブライネが流れるメカニズム。ボール保持中のグヴァルディオルにパーマー、左に流れるデブライネにギュストが対応すればその背後を狙うドクがスペースを狙うように局地的に3vs2の数的優位を作って打開する。サヴィーニョも右に入ってから持ち味であるドリブルでチャンスを作っていた。
チェルシーの攻撃にも触れるとビルドアップ時の可変3バックにはシティはCF+左右WGがプレスをかけCMFにはベルナルド・シウバ、デブライネが監視して中央のパスコースを消しSHが下りてサポートにくればSBが前へ出てアプローチしたりとシティはマンツーマン気味にハメ込んでいく。シティはハイプレス時は433だがミドルゾーンまでボールを運ばれた時はラインを引いて4141の守備ブロックを作りスペースを埋める。このメリハリとした守備の使い分けがソリッドな守備を生み出す要因にもなっているが懸念されるのは1のコヴァチッチの脇でパスを受けられた場合であろう。チャンスを作られたのはカウンターからだった。ヌクンクやニコラス・ジャクソンが中盤に下りてボールを引き出しワンタッチでサイドへ展開→カウンター発動。縦パスを潰そうとアカンジが中盤へと釣り出されすぎたのが少し気にはなったが。トップ下起用のエンソ・フェルナンデスはプレスの密度が高いトップ下よりCMFで攻撃を組み立てる方がやりやそう。あと飛び出しからのフィニッシュにあまり絡めないのでトップ下は適任でないっぽい。

84分にはシティ追加点。チェルシーのクリアボールを拾うとコヴァチッチがドリブルでスルスルと持ち上がりニアへとそのまんまシュートを決めている。コヴァチッチは追い越してフィニッシュという形はないがミドルの精度は高い。ミドルでゴール量産できればシティの攻撃は更に脅威となる。

そんな感じで開幕節勝利。チェルシーの内容は悪くなかったがシティがその上をいっていた。
ハーランドはプレミア100試合出場91ゴール。とんでもない

次節はイプスウィッチ戦

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