[PL第20節]マンチェスターシティvsウエストハム~シティ完全復活?サヴィーニョとハーランドの新ホットライン誕生へ!!~
2024−2025イングランド・プレミアリーグ第20節
マンチェスターシティ4−1ウエストハム
シティのSYSTEM
選手交代:コヴァチッチ→ギュンドアン、アケ→ウォーカー、サヴィーニョ→マカティー、ハーランド→グリーリッシュ
得点者:10分OG、42分ハーランド、55分ハーランド、58分フォーデン
ウエストハムのSYSTEM
選手交代:トディボ→マヴロパノス、クドゥス→ルイス・ギジェルミ、エドソン・アルバレス→イングス
得点者:71分フュルクルク
ここからシーズン後半戦。2025年一発目の試合はウエストハム戦。こっからのシティの逆襲に期待したいところ。
で、レビュー
シティはリコ・ルイスが偽SBを担いCMF化するのでSYSTEMは325(3241)に可変する。これに対してウエストハムはシティのビルドアップ時は424でボールホルダーを追い込まず中盤のパスコースを消す守備にプライオリティを置きゾーンを下げると442でコンパクトな守備ブロックを敷いてくる。シティの右サイドはフォーデンとデブライネのユニットでポジションチェンジして大外レーンとハーフスペースを入れ替わる。ウエストハムはデブライネには左SBワン=ビサカがマンツーマン気味に監視し大外のフォーデンには左SHサマーフィルが対応する感じ。シティはフォーデンとデブライネが立ち位置で左SHー左SBをピン留めしといて左SBとCB間を広げるとリコ・ルイスが上手くポケットへと侵入してボールを引き出す。ハーフスペースはCMFエドソン・アルバレスがケアする立ち位置だが後追いとなりリコ・ルイスへの対応は後手を踏んでいた。
先制点はシティ。サイドからのクロスのこぼれを拾ったサヴィーニョがボックス左から角度がいシュート打つとDFに当たってディフレクトしそのままゴールに吸い込まれる。記録はオウンゴールとなったが利き足を同サイドに置いたメリットを上手く活かせており縦の仕掛けからのシュートが得点に繋がっている。サヴィーニョは右だと球離れが悪いし連係面が今一つな感じするが左だとプレーがシンプルで縦の仕掛けからクロスを入れるプレービジョンがある。
攻撃は良い時のシティに戻りつつありビルドアップ時CBのアケとアカンジがウエストハムのフュルクルク、パケタの前線2枚、そしてCMFのコヴァチッチとリコ・ルイスがCMFエドソン・アルバレス、ソーチェクをピン留めすることで背後のデブライネとベルナルド・シウバが浮く状況となりCBが前へと出て潰しに行けば次はハーランドや中央に絞るフォーデンがフリーとなるようにボールが行き来する中ピッチ上ではポジショナルプレーが展開され相手の立ち位置をポジショニングでピン留めして優位性を作り出しているのだ。着目したいのはハーランドの引き出しが増えたこと。ボックスタイプのハーランドはこれまでボックスでパスがくるのを待っていることが多かったがこの試合では中盤へ下りて楔となり次の展開へと進めたりと攻撃を作っていた。ハーランドが楔を引き出せるのもIHのデブライネとベルナルド・シウバの立ち位置がウエストハムのCMFを左右にピン留めしているから中央にパスコースが空いてハーランドへの楔が入った。
その楔が攻撃のスィッチとなりシティ追加点。まずデブライネが自陣右サイドに下りて出口となってボールを引き出す。ここで背後のリコ・ルイスをケアしていた左SHサマーフィルが遅れてプレスをかけにきたのでフリーのデブライネは縦につけれる余裕が生まれる。サマーフィルのマークから外れたリコ・ルイスがその縦パスをCMFエドソン・アルバレスの背後で受けるとCFハーランドへ楔を入れるとレイオフからフォーデンが左へと大きくサイドチェンジ。左サヴィーニョがスピードある突破からDFを交わして鋭いアーリークロス。これをファーのハーランドが頭で決めている。ビルドアップから右サイドを上手く前進してオーバーロード+アイソレーションで左突破からクロス、これをハーランドが決める形はまさに強いシティが蘇った感じがした。ビルドアップからの前進のとこも右サイドゾーンのリコす・ルイスの立ち位置が数的優位と守備のズレを作り出して前進できたしゴールをアシストしたサヴィーニョのクロスを入れるタイミングが良かった。ワンテンポ遅ければクロスをDFにクリアされていたかも知れないしDFを交わした後素早くクロスを入れたからDFの体勢は後ろ向きの状態となり対応を難しくさせた。
追加点に繋がるビルドアップの前進を引き出したのはデブライネが下がって出口になったからでデブライネだけでなくベルナルド・シウバもフォーデンも下がってボールを引き出したり局地的に数的優位を作ってフリーマン化していた。ウエストハムも途中から背後でフリーな状況を作らせないようにラインを高めにプレス。フュルクルクが前線からビルドアップへとプレスかけパケタと1列前に上がるエドソン・アルバレスがリコ・ルイスとコヴァチッチを監視してパスコースを消しせの背後でフリーマンとなりコースを作り出す立ち位置のベルナルド・シウバにはソーチェクが潰しにいったりと背後でボールを受けさせないような守備は見られた。だがシティが上手だった。
シティの3点目はビルドアップからの前進からフィニッシュまで繋いでいる。ビルドアップで左に開いたアカンジがドリブルでボールを運んでジョギング気味に寄せにくるパケタを剥がすと左から内側へ入ってたサヴィーニョへとパス。サヴィーニョが何故フリーでパスを受けれたのか?だがボールを運ぶアカンジにアングルが向くクドゥスの意識が引っ張られる、左の大外から上がる位置取りのグヴァルディオルへのパスコースをケアしようと右SBクファルが下がる、中央のベルナルド・シウバにはエドソン・アルバレスがついている。アカンジ、グヴァルディオル、ベルナルド・シウバの位置取りでピン留めした為にギャップができサヴィーニョがフリーでパスを引き出せた。ボールを運ぶサヴィーニョは右へ切れ込むと見せかけて中央へスルーパス。これをダイアゴナルに抜け出したハーランドが受けてチョンと浮かして流し込んでいる。
4点目は前線からのプレスでボール奪取に成功すると最後はフォーデンが決めている。
シティの守備面ではまだ改善は必要。ハイプレスの強度は絶不調の時よりは高くなってはいる。前線の守備の形は若干変化がありベルナルド・シウバ、デブライネが中央からプレスをかけて牽制しハーランドが右に流れて追い込もうとしていた。
問題は疑似カウンターを食らう。ハイプレスを剥がされればフィニッシュまで持っていかれるのが今のシティの不安要素。フィルターは効いていないし中盤は空洞化。守備でゾーン下げると4141。コヴァチッチは守備範囲広いが1人ではバイタルを守りきれないしリコ・ルイスがボール非保持時右SBの位置に戻るのでアンカーの脇を使われやすい。
ウエストハムはフュルクルクを起点に2列目以降が追い越す動きができていたし1点返されたのは左サイドのソーチェクの低いクロスを巧みなポジショニングのフュルクルクが決めたもの。その前にシティはパスミスしている。
そんな感じで10月以来の連勝。1失点したのはもったいなかった。
次節は第21節ブレントフォード戦