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[EURO2024]決勝T1回戦イングランドvsスロバキア


EURO2024決勝T1回戦
イングランド2−1スロバキア

イングランドのSYSTEM

選手交代:トリッピアー→パーマー、メイヌー→エゼ、フォーデン→トニー、ケイン→コナー・ギャラガー、ベリンガム→コンサ

得点者:90分+5ベリンガム、91分ケイン

スロバキアのSYSTEM

選手交代:ハラスリン→スソロヴ、ストレレツ→ボジェニーク、クツカ→べロ、ドゥダ→ベーネス、シュランツ→ギェンベール、ペカリーク→トゥプタ

得点者:25分シュランツ

グループリーグではピリッとした試合内容ではなかったイングランド。ROUND16の相手はスロバキア。

で、レビュー
スロバキアはイングランドのビルドアップに対してGKまでは追わないが高い位置からプレスをかけてくる。ボール非保持時442の守備ブロックを結成し2トップはCMFへのパスコースを消す立ち位置からスタートしボール保持のCBには近い方の2トップの一角が寄せて牽制をかけもう一方は残ってCMFへのパスコースを消す立ち位置を維持させる。よって中央のパスコースを消してサイドへと追いやるのがスロバキアの守備の狙いなのだろう。中央を封鎖されると出口となるのは外のSBでCBからSBへボールを出すとスロバキアのSHは縦にパスを出させないような立ち位置を取る。右からの出口の場合は右SBウォーカーがロングボールを直接右SHサカへと入れるわけだがそこは左SBハンツコが前を向かせないようにアプローチしてくる。

イングランドのSYSTEMは4231。ボールポゼッション時は左SHフォーデンが内側のレーンへ移動し左の大外は左SBトリッピアーが攻め上がり幅取り。なので最終ラインは可変式3バック化しビルドアップをこなす。右SBウォーカーが右に開いてる時は2CB間にGKピックフォードが入って戻しパスを受ければフィードを前線に入れる。ライスとメイヌーのCMFはどちらか一方が可変式3バックの手前に位置取りサポートするから3+1の形となる。HOベリンガムとCFケインはグループリーグでは下がって攻撃の組み立てに加わることが多かったがこの試合は下がりすぎずに高い位置をキープする。ベリンガムが右へと流れることが多かったのは右SHサカを右ワイドに張らす為でスロバキアのストロングはSBの攻撃参加にあるので押し下げたかったのだろう。サカはボールを引き出しに下りてくる傾向があるのでベリンガムがウォーカーの縦のパスコースを作りサカに繋ぐ為のパイプ役となるのだ。逆に左はかなりトリッピアーが高い位置に張るから時折ライスが左SBの位置まで下りて左の大外の出口となる。

先制点はスロバキア。イングランドはスロバキアの2CBに対し2トップがマンツーマン気味にプレスをかける。だがボール保持中の右CBヴァヴロが右サイドへ流れながらプレスから逃れようとするとロングボールを入れる。ここでグエイと競り合うクツカが頭で落とすとCFストレレツがボールを収めてタメを作りスプリントしてくるシュランツへとパスが入りGKとの1vs1を決められる。CFストレレツに頻繁にボールを収められてイングランドのCBは劣勢だったしストレレツをグエイ、ストーンズどちらがマークに付くのか迷いが見られていたのでシュランツにスプリントを許したのが失点の原因ではある。この中のストレレツにボールが収まったとこでオフザボールでゴール前にスプリントしてくる右シュランツ、左ハラスリンがフリーだった状況を作られたのは不味かっただろう。ストレレツのポストから左右を使われるからだ。

イングランドはスロバキアのソリッドな守備ブロックに苦戦。押し込まれるとリトリートして541のブロックを作ってスペースを消してくるしボールを中からサイドへと展開されるとスライドもしっかりして対応していた。前半と後半で見られた決定的チャンスは左サイドから。グループリーグでは左サイドに閉塞感があったが徐々に左の攻撃が良くなっている。前半は右タッチライン際のベリンガムが逆サイへパスを出せば左SHフォーデンが内側へと入って守備網を中に引っ張って左のスペースに飛び出したトリッピアーがシュート。後半は右サカの対角線パスをCFケインが受けると左のスペースに抜け出したトリッピアーが折り返すとフォーデンが決めたがこれはオフサイドとなった。イングランドの右から左と幅を使う攻撃はできていたように思う。後半途中トリッピアーを交代させたので左SBにサカを置く。とはいえ守備時は左SBの位置に下がってブロックを結成しても攻撃時はWBのような立ち位置となり攻撃参加する。サカがビルドアップに下りないのはライスが左に下がってビルドアップのサポートに加わってるからだろう。あと右ワイドに入ったパーマーは内側へと切れ込んでクロスを入れたりとチャンスメイカーになっていた。流れの中ではゴールできなかったが同点に追いついたのは後半アディショナルタイム。ウォーカーのロングスローをゴール前でグエイが頭でそらすとベリンガムがバイシクルでスーパーゴールを決める。イングランドらしいセットプレーからのゴールだった。

延長前半91分にイングランド逆転ゴール。またもやセットプレーの流れからで右サイドのFKをパーマーが蹴ればエゼがシュートミス。これをトニーが頭で折り返すとポジショニング絶妙だったケインが頭で決めている。後半終盤くらいからケイン、トニー、ベリンガム、パーマー、エゼ、サカのファイヤーフォーメーションで超攻撃的となり守備時はサカ、エゼがサイドに下がって532のようなブロックを敷いてスロバキアの攻撃を防ぐ。

そんな感じでイングランドがベスト8進出
サウスゲイト監督のクビが繋がった。
準々決勝はイタリア撃破のスイスと激突。

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