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[EURO2024]準決勝オランダvsイングランド



EURO2024準決勝
オランダ1−2イングランド

イングランドのSYSTEM

選手交代:トリッピアー→ショー、ケイン→ワトキンス、フォーデン→パーマー、サカ→コンサ、メイヌー→コナー・ギャラガー

得点者:18分ケイン、90分ワトキンス

オランダのSYSTEM

選手交代:デパイ→フェールマン、マレン→ベグホルスト、シモンズ→ブロビー、ダンフリース→ザークツィー

得点者:7分シモンズ

準々決勝でスイスをPK戦の末撃破したイングランドとトルコに逆転勝ちしたオランダが決勝をかけベスト4で激突。

で、レビュー
イングランドは準々決勝スイス戦と同じく3421のSYSTEM。オランダのビルドアップは右SBダンフリースを押し上げて可変的3バックとなる右肩上がりだが試合開始早々のオランダの形を見ていくと右SBダンフリースが下がり気味の位置で4バックを結成していた(最初だけで時間が進むとダンフリースを高い位置に押し上げて後方3枚でビルドアップに戻す)これはイングランドが前線3枚でプレスをかけ3バックにハメ込みにいくので+1をもたらして4枚で数的優位を作り出口を確保する為だろう。そしてオランダの中盤が逆三角形だったのはCMF2枚だとイングランドのCMFライス、メイヌーにハメ込まれてビルドアップが潤滑油しないのでラインデルスとシモンズのIHにスハウテンのアンカー気味にしてどっちが監視するのか迷いを生じさせる、守備のズレを生ませる狙いがある。なのでイングランドは右WBサカがインサイドに絞って中盤で+1を作りメイヌーが高い位置に出てスハウテンにプレスをかけても3vs3でケアできる状態を作る。サカは内側へ絞ってシモンズを監視し左の大外に張るガクポにはウォーカーがアプローチする守備の形となる。

先制点はオランダ。ライスからボールを奪ったシモンズがイングランドのDFとMF間から右足ミドルを決めるゴラッソ。
イングランドのSYSTEMは3421でボール非保持時はWBを下げて541の守備ブロックを作り攻撃時はサイドに開くWBを使う。右はサカの突破とサカが内側へとレーン移動すればウォーカーが攻め上がるユニットで左サイドは左WBトリッピアーがかなり高い位置に張る。トリッピアーがワイドに張れるのも左CBグエイが大外に開いてボールを運んだりCMFライスが左へと下りたりビルドアップのサポートに加わるからでトリッピアーが高い位置に張り右SBダンフリースをピン留めしてその背後に位置取るベリンガムがフリーでボールを受けれるようになる。問題は左サイドからのファイナルサードへの突破は逆足のトリッピアーのみで左足は使い慣れていないのでクロスは精度がない。右だとサカがレーン移動するとウォーカーが攻め上がるが左はグエイはWBを追い越すオーバーラップがないので奥行き作れないし左からの崩しは皆無。攻撃の起点は右サカを起点にオーバーロードで守備ブロックをボールサイドへと引っ張り左トリッピアーへとアイソレーションする形があるが左の得点力は期待できないのがウィークポイントでもある。

同点ゴールはケインがダンフリースの足と接触してもらったPKをケインが決める。このPKを獲得する起点となったのはCFケインの楔を受けるアクションで右サカへと展開したとこからだった。このオランダ戦ではケインの楔を受けるアクションからフォーデンやベリンガム、サカが裏へと抜ける動きが出ていた。あと1トップ2シャドーの特性を活かしてケインが下がるとフォーデンが背後を狙うポジションチェンジでフォーデンが位置取りで最終ラインをピン留めすればケインのシュートコースを空ける。右だとウォーカーがインナーラップで最終ラインを押し下げてケインのシュートコースを作ったりと裏を狙う動きでケインのシュートコースを空けるメカニズムがある。
イングランドではケインがポイントを作るようにオランダではデパイがポイントを作る。デパイの中盤へ下がってボールを受ける動きにイングランドの最終ラインは食いつかないのでここでポイントを作られ周りに追い越されると対応が難しくなる。オランダの攻撃デパイが中盤へ下りるアクションでギャップを作り右に流れたシモンズがボールを受けて右SHマーレンが右から中央へ侵入してスルーパスを受けるポジションチェンジは厄介な崩しだった。デパイが負傷して前半途中に交代したのはイングランドにとってよかったか。

後半オランダは守備を修正してきた。その為中盤のベリンガム、フォーデン、メイヌー、ライスにしっかりとマンツーマン気味にマークをつけられ攻撃が停滞。攻撃の起点となるサカにもボールが入らず。ただ左WBにショーが入ったことでベリンガムやフォーデンにボールが入れば中央のボール回しから左のショーを使いクロスという形ができる。あとライスかメイヌーが最終ラインへ下がってビルドアップに加わることで守備のズレを生み出そうとしていた。
逆転ゴールは後半終了間際で右サイドでボールを受けたパーマーが斜めのパスをボックスへ入れると反応したワトキンスが受けてDFデ・フライを背負いなが角度のないところから右足シュートでゴール左隅に突き刺している。ケインを交代させた時は賭けに出たかと思ったがサウスゲイト監督の交代策ズバリ的中

そんな感じで悲願の初制覇を狙うイングランドが決勝進出。相手はスペイン。もうシルバーコレクターは嫌だ。今度こそチャンピオンになる。

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