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【3.5万文字オーバー】100カノアニメ化記念PVを大大大大大考察してみる

(下記リンクよりYouTubeに飛べます)

初めまして、またはいつもお世話になっております、Twitterにて100カノファンアートを書いたり騒いだりしているけむなわと申す者です。やみつきPVで人生がダメになった人です。ウソです。100カノのアニメをまだ見ていないのに「人生がダメになった」とか言えません言えません。むしろハッピーラッキー上がり調子です。

ハッピーラッキーなので100カノTVアニメ化記念PVの考察をしました。考察と言ってもものすごい難解なことをしたわけでもなく、使われている色・使われているカットの意図なんかを考えたぐらいです。
noteを使うのも初めてであればこういった考察をまとめるなんて作業も初めての者ですが、自分なりに頑張ってみますので読んでいただけると幸いです。
たまに追記・訂正編集してます。

【読むにあたっての注意】
ここでは原作の絵もPVの絵も一切掲載しません。
時たま見かける原作漫画を転載されている方にぶちぎれたりするつもりはないですが、私自身の信条として、無断転載なんかするとお天道様に顔向けできないということでここでは転載を行いません。ですのでPVを別画面で開けるような状態で読むのがベストになります。オススメはパソコンです。

転載をしない分ところどころ原作・PVを模した挿絵は入れますが全部分のリカバリーは行えません。

また、パソコン基準で改行やスペースなどを製作したのでスマホだとビックリするぐらい読みにくいと思います。今のこの感じがこの後3.5万文字分続きます。パソコンなりタブレットなり画面の大きい機器での閲覧をオススメします。たぶん目とか首とか身体に悪いです。

用法を守ってお楽しみください。

筆者はなんのお偉いさんでもなければ美術職の人でもない一般ピーポーです。若い若いドのつく素人です。

強いて書くなら心理学と映像制作を少々学んでいるくらいです。

100カノは唐音のツンデレ喪失編が最新話の頃に読み始めました。なのでそんなに古参でもなければ、Twitterの100カノ事情なんかに触れるようになったのもつい最近の新参のようなものです。なるべく拾える要素を拾ったつもりですが、パロディや現在公開されていないもののネタは拾えていない可能性が高いです。国語力もそんなに高くないです。う"ーなポイントがあれば指摘よろしくお願いします。早めに対応します。

コメント大歓迎!

なおこのPVは13巻の販促PVでもありますが、PVにはネタバレ防止のためか13巻中の絵は表紙絵の妹×百八先生とミニキャライラスト以外使われておらず、12巻までのもののみが使われています。ここの考察の中では最新話の情報まで書きますが、14巻以降登場の凛・数・第132話にて登場の新彼女はこの考察では扱わないことにしておきます。

ここではとんちき解釈やめちゃくちゃな破滅考察も平気でしますが、筆者なりの真剣勝負のつもりです。

この考察の中ではカットの使われた理由を考えるにあたって、絵と絵の比較をすることがあります。ですが、「どの絵にも好きな人がいる」の精神でけなすことは避けて、それぞれの良い点をアピールするように心がけます。

音楽に関する知識が義務教育レベルで終わっている上に音感などのセンスがないので音楽面の解説はここでは行えません。音楽は大好きなので悔しいです。もし音楽に思う節があれば【あとがき】まで読んでいただけると…

余計なことの方が多いと書いていて感じるぐらいには余計なことも大量に語ります!!!!!!!これは考察の皮を被った何かです!!!!!!!!!Let's GO 約3.5万文字!!!!

1. 駆け抜ける!! 0~20秒

1.TVアニメ化決定!!

アニメ化の発表とともにTwitterに挙げられたそれは
12巻の表紙=第100話「も掲載できて幸せな限りです本当にありがとうございますこれからも頑張ります」の扉絵からスタート。詩人ちゃんまでの彼女19人のドレス姿(個別。個別!?)でスタートを切りました。なぜでしょう?2つぐらい理由を考えてみます。

まず理由の1つは13巻までの範囲においてこの集合絵は最新のカラー集合絵になることにあると思います。
当然ながらアニメ化記念であるとともに13巻の販促でもあるこのPVは、14巻以降の内容を含むことができません。PVで見た凛ちゃん・数ちゃんがかわいかったから買ったのにいないじゃないか!はそりゃアウトですよね。

2つ目の理由はシンプルに12巻表紙の見栄えがとてもいいことにあると思います。100カノ公式はバレンタインデーイラストにてネタバレ防止版のイラストも公開していたので、そっちを使えばネタバレ的には大丈夫なはずです。ただ12巻表紙とバレンタインデーイラストを比べると12巻表紙の方がインパクトが強いですね。この「スタート」は初見さんを「掴む」ための部分でもあるのでカノが大々的にアピールされた絵の方が良いのではないでしょうか。一瞬にして「うわッ!多ッ!」と思わせるもビビーン!!と来させるにも、迫力のある12巻表紙は適しているのではないかな~と。

もちろんバレンタインデーイラストもすごくすごくいい絵です。適材適所なだけです。そもそもすんばらしい絵に優劣をつけるなんてことできません。

さぁここまでで開始2秒。書くのに20分くらいかかっております。
そして開始3秒、白ドレス・豊かな髪色で囲んだ12巻表紙のど真ん中にズーム!!「君のことが大大大大大好きな100人の彼女 アニメ化決定!」と衝撃の事実を伝えてきます。黒背景に白とピンクの文字とかなりわかりやすいですね。
躍動感ある文字のアニメーションもよく似合ってます。かわいい。

黒背景続きまして現れたるは記念すべき第1話「花園さんと院田さん」の1巻おまけページの恋愛の神。「100カノ」が生まれたまさにその瞬間なのでこのPVのスタートに出てくるのにピッタリですね。スペクタクルー--ッ!!!!
水色で描かれているのでこれまたピンクとも黒とも被らないようになっています。
この考察を見てくださっている方の大半は100カノガチ推し勢だと思うので不要な情報だと思いますが、神は単行本おまけでの登場が多いです。特に6巻・7巻のカバー裏は必見です。

運命の瞬間、恋の矢は放たれました。ドット絵(ピクセルアート)の描きおろしアニメーションでしょうか。ドット数は…またアニメ放映までに数えましょうか…にしてもピンクに白フレーム!わかりやすい!
この矢の着弾点もど真ん中です。展開のつながりが見えてきますね。

放たれた矢が大爆発!ハートがいっぱいだぁ~!!ここのハートの数はおそらく63個です。がしかし上も下も左も右も切れてるのでホントはもっともーっとあると思います。これを運命の人の数だけ、100個と言い切るのもありですが、彼女1人につき1つだけの愛というのは寂しい…というかそんなもんじゃないだろうと思うのです。3個くらいハートあっても…ん?


13巻の範囲までだから彼女は百八先生までの21人…確認できたハートは63個…63個÷21人=あら不思議美しく3で割り切れましたわぁ~!!

信憑性に欠ける情報ではありますが「3」は、恋愛において運命の出会いを引き寄せるエンジェルナンバーであったり、外見で直感的にアプローチをする傾向のあるソウルナンバーであったり、「第一印象」「内面」「確認」の3セットを示すものであったり…といろいろあるようです。
特に3セットの部分は、第1話にて神より告げられた「ビビーン!!」の「女は”その場ですぐに” 男は”時間をおいて”徐々に 相手を好きになる」という点と似ている部分もありますね。もしや意図的…ッ!?

破滅的考察はこれくらいにしておきたいところですがまだ開始5秒です。大体8分の1です。…頑張りましょう。


2.ビビーン!!ラッシュ

さてここからはお馴染みビビーン!!ラッシュです。このPVにおいて取り扱われているビビーン!!シーンの出典は順に(敬省略)
・第1話  「花園さんと院田さん」   → 花園羽香里・院田唐音
・第87話「毛樽井さん」       → 毛樽井亜愛子衣
・第6話  「栄逢さん」        → 栄逢凪乃
・第51話「知与ちゃん」       → 伊院知与
・第94話「水たまりで釣りをする少女」→ 中二詩人
・第45話「華暮さん」        → 華暮愛々
・第17話「羽香里のお母様」     → 花園羽々里
の8人のものですね。なぜこの8人のビビーンが選ばれたのでしょうか。
思いついた根拠を書いていきます。
ここではカノとカノの比較を行いますがPVに使われた・使われてないで下げるつもりは一切ありません。みんなちがってみんないい。


① ビビーン!!のコマのわかりやすさ・映えから選んだから
まず使われなかったビビーンから考えていきましょう。
原作での登場順から(敬省略)
・第3話    「好本さん」       →好本静
・第10話  「化学室にいた謎の先輩」 →薬膳楠莉
・第24話  「はらぺこの後輩」    →原賀胡桃
・第30話  「いつも笑顔のメイドさん」→銘戸芽衣
・第33話  「須藤さん」       →須藤育
・第39話  「美杉先輩」       →美杉美々美
・第57話  「ナディー先生」     →大和撫子(ナディー)
・第64話  「優敷さん」       →優敷山女
・第69話  「茂美さん」       →茂美紅葉 
・第74話  「野沢先生羽香里のお父さんのこと「パパ里」って呼んでるけど                       楠莉のお父さんの事も「パパ莉」って呼ぶのかな呼ばないか」
 第75話  「楠莉先輩のおばあさん」 →薬膳ヤク
・第81話  「剣道部の女騎士さん」  →土呂瀞騎士華
・第101話「妹は芽衣お姉様の妹」  →女井戸妹
・第108話「盆能寺先生はダメ人間」 →盆能寺百八
名だたるメンツが揃ってますね。一話一話思い出話をしたいところですが今は置いといてそれぞれのビビーン!!について考えていきましょう。


まず厳しながらPVの一瞬には適していないと思われるビビーン!!がいくつかあります。それはナディー先生・山女ちゃん・ヤクさん・百八先生のビビーン!!です。
ナディー先生のビビーン!!は吹き出しが大きく、隠れている部分が多くビビーン!!=一目惚れに肝心のお顔も見えません。山女ちゃんのビビーンも1ページ丸々俯瞰の構図で使っているのでお顔が見えません。百八先生はビビーンコマが小さいため見劣りする上に文字の主張が強いです。ヤクさんはオチに持ってきているため他とはそもそもモノが違っています。
これらはビビーンのコマだけPVで見せられても何がなんだかってとこです。逆に使われたビビーン!!はどれもわかりやすいですね。基本顔のドアップで何が起きてるかよくわかります。

しかし、ビビーンのときどんな顔してたのかなあとか想像できるのは他にはない良さですし、どれも良い表現だと思います。ナディー先生のはわわなポニテも腋も見れますし山女ちゃんはでっかい畑で頑張ってるんだなってわかります。百八先生はその前の丸々1ページのインパクトが強いですし(そもそもネタバレ防止の観点でPVには13巻のシーンを使えなさそう)、ヤクさんは漫画史に残る発想の勝利と言わざるを得ません。

もっともっと特別なオンリーワンなのです。

② 一目で100カノの幅の広さがわかる選出をしたから
さてことりあえず4人のビビーン!!を選択肢から外しましたがまだ9人のビビーン!!(静・楠莉・胡桃・芽衣・育・美々美・紅葉・騎士華・妹)がありますね。ここからは彼女の「属性」も踏まえて考えていきたいと思います。属性の豊かさが100カノの醍醐味の1つであると私は思っています。


まずスタートの羽香里・唐音。全てはここから始まった。故にここの2人は選ばれるのは最初から確定していたと思います。羽香里のむふふ属性には百八先生も参入してきましたが上の理由で百八先生は除外です。羽々里さんは後述。唐音のツンデレ属性は差異(ペコデレ)あれど胡桃・妹も持つものですね。そしてこの3人はこのあとビビーン!!とは別にソロで登場します。そのためツンデレ枠のビビーン!!は必須枠である唐音のみとしたのではないでしょうか。


お次はあー子。ギャル属性ですが唐音はもう出ているので完全にソロですね。令和ギャルだけあって新しさを感じさせます。血圧低めのギャルでありながらも黄色のカラーは若さとエネルギーも感じさせます。


お次は凪乃。クールビューティー属性ですね。ここは美杉先輩でもいいように思えますが、ここはゆるふわギャルのあー子との対比のための凪乃の青色で冷たい視線なのだと思います。本来凪乃のビビーン!!カットは「恋太郎の方に振り向いて目を開かせる」ものなのですが、わざわざその前の「行くだけ時間の無駄」のカットに稲妻背景=ビビーン!!の表現を足しているということはそういった意図があるのだと思います。

この本来のビビーン!!カットと違うカットを使う手法は考察殺しの戦術です。これが許されれば上で除外した4人も使えるようになります。ただこれを解禁して積極利用することは原作の否定になりかねませんし、膨大な数から選ぶことになるので時間・労力的に損になると思います。そのためかはわかりませんが、凪乃のこのカット以外でこの手法は使われていないので上4人の除外は変わらないことにします。


お次は知与ちゃん。メガネ・ロリ・委員長とよく考えると属性多いですね。ロリは楠莉先輩に静ちゃんに紅葉ちゃんと強豪揃いですが、知与ちゃんには「親族」のやばさ、話題性があります。
また、逆に楠莉先輩と静ちゃんと紅葉ちゃんはこの後にソロでの出番を持っています。それぞれが薬・本・揉で独自の属性を持っているからこそロリ枠のビビーン!!は知与ちゃんになったのではないでしょうか。


お次は詩人です。不思議ちゃん属性なのか常識人属性なのか測りかねていますがかわいいのは確かです。最近はナディー先生に並びギャップ萌え枠のようにも感じます。
僕っ娘というポジションでは育とも重なる点がありますが、育との差別化ポイントはメタい話ビビーン!!カットのコマの比率でしょうか。

YouTube動画の標準の縦横比は16:9で横に長いものが主流です(9:16の縦長も当然ある)。今回のPVはTwitterにプロモーションとして流すのもあってか横長の形式になっており、縦長のコマでビビーン!!が構成されている場合は部分カットをしなければいけません。ちょうど前の知与ちゃんの下半分が削られているのがわかりやすい例です。
つまり、縦の長さを活かして動作(バットを振る構え)を示している育の場合も部分カットをしなければなりません。「ビビーン!!」の文字も圧縮するとなると恋太郎のコマ占有率もありなかなか見辛くなることが予想されます。そうなると正方形寄りの構図である詩人のビビーン!!に軍配が上がるのです。
また、ファミリーでも少ない緑色の含有率があると踏んでいます。上の理由で山女ちゃんを候補から除外したとき、13巻範囲外の数もいないここでは詩人のみが緑を含有することになります。「この100カノには幅広いカノが揃っているんだぞ~!」って部分において色の多様性はめちゃ大事だと思います。
そんなことすぐにわからないって?
失ってから気づく緑のよさがあるといえるね…

緑で目を休めよう!


お次は愛々ちゃん。メカクレ属性ですね。むふふ属性はまた違うような気がします。メカクレこそソロですが目に着目すれば芽衣さんが自然と出てきます(無理矢理)。正直ここに関してはすごい感情的な話なのですが、愛々ちゃんのビビーン!!シーンはすごいロマンチックだと思います。
また、芽衣さんのビビーン!!シーンをカラーで出すとなったとき、芽衣さんの目をどうするか問題があると思います。単色で表現して「虹色の目」というアイデンティティをないがしろにしないためにもここは愛々ちゃんが選出されたのだと思っています。


ラストは羽々里さん。もう何も書かなくてもいいような気はしますが書きます。いろいろありますがファミリーきっての奇人枠ですね。だからこそ馴染むのが早かった。奇人と言えば育・騎士華でしょうか。全員放送コードギリギリですね。ただ育はこの後に野球編のカットがあるように存在そのものは案外う"ーじゃないような気もしますし、騎士華先輩も元は…理由づくりに困りますね…。
ただインパクト的な意味では羽々里さんビビーン!!が最も強いのではないでしょうか。羽々里さんが「絡むと」2人のヤバさが天元突破してしまうわけなので…そうでもないな…
大人な雰囲気のある人とのビビーン!!は上記の通りに、ナディー先生・百八先生・ヤクさんを除けば羽々里さんしかないので大人枠としての選局ととれます。


再三再四書きますがPVに選ばれなかったビビーン!!にも工夫は凝らされていて優劣をつけるようなものではありません。自分の「好き」をぜひ大事にしてくださいね。私は育が大好きです。(突然の告白)


3.動いてる!?動いてるよ!?

運命の人は100人!!なんか動きが激しくなってきましたよ!?
百八先生もにっこりのスロットだああああああ!!!!!!!!
はい、100 KANO SLOT です。

左レーンがメガネ・ハート・星
メガネは上フレームがついているので知与ちゃんイメージでしょうか。
星は誰…?考えてみたら天体系に興味のある彼女はいないんですね。ただこの後に星の演出が原作から追加されている彼女がいるのでおそらくその者なのではないかと…。いやでも星=星条旗はいえても星=アメリカではなくない…?(アメーリカパトロールを見ながら)

中央レーンがカトラリー(ナイフ・フォーク)・ハート・フラスコ
カトラリーは食の胡桃イメージでしょうか。品行方正の点で行けば花園家もマッチしてないこともないですね。
フラスコは薬膳家でしょう。普段楠莉先輩が持ち歩いてるのは試験管ですが家にドデカイのがあるので…。

右レーンが本・ハート。花?野菜?
本は静ちゃんですね。なかなか厚みのある本なので愛読書の「王冠恋物語」(サークレットラブストーリー)でしょうか。
花だとするなら花園家なんだと思うのですが花に対する知識がまるでないので特にいえることがありません。それとも野菜で山女ちゃん?ここら辺怪しいです。いろんな解釈ができる中でも、羽香里と山女ちゃんの2人が思い浮かぶのはなんかイイですね。

そしてハートが3つ揃ったところで!100KANO FEVER!
何が起こるんだあああああああああああ!?!?!?!?!?!!!!?
動いでるうううううううううううううう???!?!?!?!??!??

ここからは主に背景の色の考察をしていきます。ただそれだけだと味気ないので、筆者的思い出の表紙組活躍回をピックアップしていきます。

さぁまず1巻表紙組
品よく計算高めな女の子  花園 羽香里
パワフルなツンデレガール 院田 唐音

なんやかんや全員この矢印なのがいいよね。

目を開くアニメーションがあります。
背景カラーはピンク。ピンクには恋愛のイメージやかわいいことを想起させる効果があります。羽香里も唐音もかわいいの極みなのでピッタリな色です。「かわいい」なんて言ってしまえば全員かわいいので特徴がないように思えますが、羽香里のむふふなかわいさや唐音のツンの先のキュンとするデレは固有の良さだと思います。
王道の2人ですね。めちゃくちゃデレる羽香里とツンデレの唐音のいろいろな対比はいつになっても良いものです。100カノの醍醐味として彼女同士のコンビが成立する良さがあるのはご存じの通りだと思いますが、やはりこの2人はトップクラスに強い関係性を感じますね。

第1話から続くコンビとして多く絡みが見られますが、筆者としては特に2人がメインに活躍する
羽香里奪還編ラストの第19話「この命にかえても」の唐音から羽香里へ、
唐音ツンデレ喪失編の第49話「取り戻せツンデレ」の羽香里から唐音へ、
という構図がかなり胸熱なのでオススメしたいところ。

続いて2巻表紙組
静かすぎる文学少女  好本 静
クールで知的で効率型 栄逢 凪乃

指動いた!!指動いたよねえ!!!!
背景カラーは水色。清潔や繊細さ、冷たさを感じさせる色ですね。また、金髪にピンクの前の組のかわいさからうってかわって、銀髪に群青とクールな印象も与えます。
割と健全ななかよし関係の2人ですね。羽香里とは別ベクトルの、ウサギのようなかわいいを持つ静ちゃんと、クールビューティーを極める凪乃の対比もまた美しいです。両者良さをリスペクト…?しているのも美しいですわ。

第38話「カラオケ・クライシス」での「……好本静…私はあなたのことがー--」から人数的な消去法でない関わりが増えてきたように思えます。
第91話「装備回」では美々美先輩×静ちゃんにほわほわ…とした感情を抱いたり、焼き肉回でも静ちゃんを通して「工程を楽しむ」ことの良さに気付いたりと、凪乃は日々新たな感情に目覚めていますね。
ちなみに第38話から第41話まで毎話ちょっとした静×凪乃があるのでもし心が疲れてきたら5巻を読むのをオススメします。

続いて3巻表紙組…?
薬が大好きな十八歳or八歳 薬膳 楠莉

2人で作ったハートが動くアニメーションがあります。
背景カラーは朱色。これまた前の組と違った色合いです。朱色のような赤色系統には情熱や興奮などを想起させる効果があります。薬に対しても恋太郎にしても、情熱と豊かな感情を持って挑む楠莉先輩にピッタリのカラーではないでしょうか。
初登場からしばらくはよく変身していましたが、最近は知与ちゃん関連でもないとなかなか変身しないようになりましたね。その分水着やメイド服を想像する楽しさがあり悪いモノでもないとも思います。心の持ち様。

扉絵をパジャマで飾る第29話「ペン太郎の大冒険」では華麗なる変身バンクを見れるとともに精神年齢ジェットコースターを起こしていることが判明しました。第75話「楠莉先輩のおばあさん」曰く未成年で発達途中の脳に影響を及ぼしちゃったからだとか。みんなも成人年齢18歳になったってお酒飲んじゃいけないぞ。肝臓の処理機能的に20歳からじゃないとダメなのだ。
第36話「君のホームランに誓う」では18歳から8歳への変身解除を完全に操れているような描写も。すごいぜ楠莉先輩。
そういえばCOMIC ZINでの13巻特典が楠莉先輩イラストカードですが、野澤先生がTwitterに挙げていた大人楠莉先輩版のイラストカードはいつか…

続いて4巻表紙組
二十九歳で羽香里の母 花園 羽々里
スーパーハラペコ女子 原賀 胡桃

胡桃がアンパンを懐から出すアニメーションがあります。かわいい。
背景カラーは1巻表紙組とはまた違った濃い目のピンク。羽香里より破壊力のある高いむふふパワーを感じさせます。また近頃は見れないですが、食べてる時の胡桃の顔がすんごくかわいいのも濃い目のピンクの持つかわいいのイメージにマッチしています。
今でこそ更新されていますが、かつて最年長最年少だったコンビです。羽々里さんの母性と胡桃の若さがマッチしています。需要と供給、定期的に食べる食べられるの関係になりますね。

なお第44話「君の牛タンを食べたい」では生野菜以下・化け物という胡桃からの見え方が出てきています。しゃーない。
その一方で第106話「恋太郎ファミリーの焼き肉デート」では羽々里さんに感謝する胡桃というレアケースも見られ、その時羽々里さんは…
ちなみに第53話「ニチアサはだいたいこれ」での羽々里さんの心情描写(イマジネーション)では胡桃が羽々里に抱き着いています。「抱き着かせている」の方が正しいかもですが。

一旦区切りの5巻表紙組
尽くしたがりのメイドさん 銘戸 芽衣
キツい♡のが大好き     須藤 育

腕が上がったよ!??!うぎゃあ動いでる!!!!あわわわわああわわ!!??!?!?!?
背景カラーは薄めのオレンジ。2人の活力を感じさせるような生き生きとした色ですね。理由はさておき体を張ることになれば率先して動く育と、主人・ファミリーのためならなんでもしてしまう芽衣さん両者ともにフィジカルおばけなのでピッタリだと思います。
さてこの2人は筆者が一番好きなコンビです。初めて買った単行本は5巻でした。思い出話をするとすごいことになるので抑えます。

第88話「ようこそ恋太郎ファミリー商店街」では恐怖のケツバッテリーが見れます。続く第89話「修行回 feat.特にする必要のない2人」では・・・ああああああああ!!!!!!!!ぐぎゃああああああ!!!!!!!
一見するとヤバいやつとヤバいやつのコンビにしか見えないようでなかなかいいんですよこれが!!!第99話「彼の 皆の 想いを繋いで」で羽々里様にリミッター外されて爆走する芽衣さんのバトンを受け取るのは育なんですよ!!!もう!そういう!ことじゃないですか!!!!!!!!!!!!!
12巻の表紙でも手つないでるし!!!!!!!わああっわわあわ!!!!!
ああああああ第120話!第127話!!!んぐぉうぎゃぉぅえー---ん!!!!

取り乱しました。また芽衣さん×育だけを布教するだけの記事を書くと思います。ちなみに第46話「鬼キュン!校内かくれんぼ」ではここまでのコンビ全員の成分を摂取することができます。オススメ。

さてもうちっとだけこの項は続くんじゃぞ。


ツンデレトリオのターン!!スキ 大好き LOVE 好!!

14巻表紙はツンデレトリオなのかはたまた…

第1話「花園さんと院田さん」よりジュースを受け取ってデレる唐音!作中初めての唐音のデレであるとともに恋太郎がツンデレに歓喜する思い出のシーンですね。目と肩がビクビク動いています。めちゃくちゃかわいいね。

第27話「決着!フードファイトフェスティバル」よりキスの味を知る胡桃!作中初めての恋太郎と胡桃のキスですね。目と口に当てた手が微かに動いています。めちゃくちゃかわいいね。

第102話「妹の妹妹メイドレッスン」よりお姉さまの妹であることを誇る妹!ん~????前2人の微かな動きがウソのように跳ねます。謙虚のけの字もない自慢っぷりです。めちゃくちゃかわいいね。

ツンもデレも王道の唐音、大胆の胡桃、爆発の妹だと勝手に認識していますがみんなめちゃくちゃかわいいのは不変ですね。
さてここで妹は連結パーツになっています。妹を出すことで芽衣さんにつなげられツンデレパートからの転換ができるのです。

ということで芽衣さんとうじょん"か"わ"い"い"
第31話「1日ご主人様体験♥」
より犬耳芽衣さんさんです。PVにおいて妹との「逆」が特徴的なカットだと思います。箇条書きで挙げていくと

妹は右に大きく登場、芽衣さんは左にこじんまりと登場
妹は口を大きく開いて高らかに、芽衣さんは口を閉じておとなしく
・妹は大きく跳ねるアニメーションつき、芽衣さんは困惑の汗?
(漫画的表現)をぴょぴょいと発するアニメーションだけ
・妹の周りは文字=自我でいっぱい、芽衣さんの周りは特になし=謙虚

のような感じになかなか真逆のカットとなっています。両者ずっとそんなわけはなく、ビビーン!!前のように前に自我をもって出てくることのなかった頃の妹があれば、照れたり自我で動く芽衣さんもいるわけでこのカットを選んだことには意図があると考えていいと思います。

極端な表現を含みます。PV推奨。

さてここで犬耳芽衣さんが召喚されたことにより、かわいい分野や動物分野への展開ができるようになり…第3話「好本さん」よりぴょこぴょこ静ちゃんの登場だああああ!!ファミリーの小動物枠つながりでしょうね。小動物的かわいさ以外には(小さい体で)一生懸命頑張る点のつながりもあるにはあるでしょう。本棚など背景を赤で描き静ちゃんの青をわかりやすくしているようです。

最初からわかりやすい色の話ばかりですが、この色の工夫がすごい大事だと筆者は思います。なぜなら、丁寧な色使いから、PVの作者さんは原作のキャラクターを最大限活かそう・アピールしようとしているのがよくわかるからです。そこに敬意を払いたい、それだけです。(筆者は少しだけ心理学を学んでいる程度のド素人です)

にしても、かわいすぎるうううううううううううと叫ぶのは第84話「みんな昔はベイビーだったリターンズ」より皆のママになってあげられないことを嘆く恋太郎。嘆く恋太郎。歓喜の表情でのかわいすぎるうううではなく、嘆く、泣き叫ぶ恋太郎でかわいすぎるうううをするなかなかの決断です。
この後も迫真の表情が出てくるのですが「両目を閉じて下方向に絶叫する」のはこのカットのみになります。この後もキュン顔やダビデ恋太郎が出てきますが表情の似通らない選局になっており、恋太郎の迫真の表情のレパートリーの多さを実感するものになっています。
原作をそのまま使うわけではなく改変して使う、というやり方がこの後も見られますが、見ていけば原作リスペクトの塊だったりするので安心してご覧ください。

ここまで読んでいただきありがとうございます。お茶を飲んだり、目を休めたり、適度な休憩を取りつつこの後も読んでいただけると幸いです。

かわいい改め世界のかーいーの化身。

さてクソデカかわいすぎるうううにより画面が埋まり曲もゆったりと雰囲気が変わっていきます。ここから場面は切り替わりー--美しい世界へと変わっていくのですわー--美々美先輩による美しさ指南(多分)ー--


2. かわいすぎる! 20~24秒

100カノって何?
疲れ果てた人にとって、彼女は栄養ドリンクです。
一週間を突っ走る人にとって、彼女はゴールテープです。
ヤンジャンアプリでコインを貯める人にとって、彼女はイオンモールです。
100カノが考えるなら、私は同意します。
100カノが挙がったら、読んでる。
100カノに100万人のファンがいるとしたら、私もその1人です。
100カノに10人のファンがいるとしたら、私もその1人です。
100カノのファンが1人だけだとしたら、それは私です。
100カノにファンがいなくなったら、私は存在しません。
全世界が100カノに反対するなら、私は全世界に反対します。
100カノを最後の一息まで愛します。


100カノに限らず世の中のあらゆるものは誰かの生きがいになる可能性があります。
そこにどう、何を見出すか。
かっこよさ?
エロ・グロ?
ギャグセンス?
かわいさ?
私の場合は100カノに癒しを求め、癒しの下に活力を得るのです。尊さの中に生き、尊さの下で苦難に立ち向かう決意をするのです。

ツンデレトリオ、かわいいWと来てここからは100カノのアイデンティティ、独自の良さを展開していきます。まずはかわいいがいっぱい。


ということで第41話「美々美先輩による美しさ指南(多分)」の神々しい扉絵です。楽園(パライソ)。
原作では扉絵の下の方にいた天使静ちゃんと天使楠莉先輩が斜め上に昇っていくアニメーションが追加されています。相変わらず天使楠莉先輩はピザを食べていますね。めちゃくちゃかわいい。さらに天から羽が舞い落ちていく演出も増えています。そして流れのままに天へと昇る「かわいすぎるうううううううううううううう…」…
原作とは背景も違うものとなっており、美々美先輩に後光が射す様子と雲少々だったものから、PVは背景全面が金色の雲になっています。そのかわり原作以上に美々美先輩の白さ明るさは強調されて、下4人の陰影も強くなっています。これまた良アレンジ。
アニメーションをつけるとなると、背景とアニメーションでの良さのつぶしあいが発生してしまうことがあるので良い判断だと思います。
ちなみにPVには映っていないですが、原作の胡桃がめちゃくちゃイイです。刺さる人にはすごく刺さるでしょう。

さてこのカットが選ばれた理由には、美々美先輩の主役シーンを作ることの必要性にあります。詳しくは終盤に解説しますが、このPVは原作の「負け彼女(ヒロイン)0」をリスペクトしていると思われる点があります。この考えに準拠したとき、序盤ビビーン!!シーンも終盤キスシーンも使われない美々美先輩をどこかで立てる必要があるのです。

何より、ビビーン!!シーンとキスシーンでは美々美先輩最大の武器である美しさはフル活用しにくいと思います。彼女の持つ個性を全面に押し出すとなったとき、すぐ後に出てくる騎士華先輩・紅葉ちゃんのように極端にアピールしないとインフレの波に押し負けます。
第41話の扉絵なら一目で美しい神聖な世界…と見せつけることができますし、美々美先輩が最上にいることも視聴者への印象付けにつながります。
最上の美々美先輩は覚えれてもその下4人、誰がどの順に並んでいたか言えますか?最上かそれ以外か、かなり大事な差だと思います。

かなり極端な表現を含みます。PV推奨。

あらかわいいラッコちゃん。第67話「ラッコ鍋相撲大会(深刻なラッコへの風評被害)」よりラッコに扮したカノ達ですね。美しいから再びかわいいにシフト。ピンクも再展開します。
さて最初にカメラインしたのは楠莉先輩を抱く美々美先輩。第46話でもほぼそのままの形で見れます。この2人はメイク関係や先輩枠としての絡みが多いですね。自信家で謙虚な姿勢を見せないような美々美先輩ですが、第41話にて楠莉先輩のことは「楠莉先輩」としっかり敬称で呼んでいたりします。心まで美しいですねホントに。

お次に来たのは胡桃を抱く山女ちゃん。胡桃は何か食べていますがたぶんホタテでしょうか。正しく需要と供給がマッチしている2人ですね。正しくない需要と供給はご想像にお任せします。2人の直接的な絡みはあまり見られませんが
第65話「山女ちゃんの園芸部ツアー」では畑に感動する胡桃、
第95話「吟遊詩人はなんでも知っている」では芽衣さんとともにポテサラを胡桃に供給する山女ちゃん→ぎゅ…っが見れます。めちゃかわ。

最後は実の娘である羽香里を抱く羽々里さん。しかめっ面の羽香里とよだれ出っぱなしの羽々里さん。もしかしてここまでのラッコ絵は花園家のスタジオで撮ったものだったりするのでしょうか…。実の親子なので原作での関わりは数知れず、そしてその大体が拒絶。それでも
第28話「みんな昔はベイビーだった」
第70話「紅葉ちゃんのもみもみフェスティバル」
第84話「みんな昔はベイビーだったリターンズ」
第99話「彼の 皆の 想いを繋いで」
などでは羽香里から母への敬意や、羽々里さんから娘への愛情などの親子愛が見れる上に、
第83話「恋太郎ファミリーVSチャレンジラーメン」では仲良く親子2人でチャレンジクソ高ラーメンを購入してすすり、
第120話「恋太郎ファミリーの日常」でも仲良くパフェを半分こで食べていたりなどなんやかんや仲良く見えます。「実の親も彼女」の衝撃だけで終わらせるのではなく、その設定を最大限生かしていく原作のセンスが光っていると常々思いますね。

なんかちいさくてかわいいしコスパがいいですね。アニメにするとわかりやすく映える動きですし、画面切り替えにおいても優秀です。仲いい感じの2人と来て拒絶顔の羽香里というオチまでついていてすばらしい。アニメでもCM明けなり場面転換で使われそうです。
深読みしすぎな話にはなるのですが、原作のところどころに見られる同ヤンジャンにて連載していた「ゴールデンカムイ」要素の暗示のようにも思えます。ラッコ肉だったり「やりやがった!」だったり「金塊を探している脱獄囚のおじさん」だったりもう本家そのままのネタが多いですね。ゴールデンカムイもめちゃくちゃおもしろいのでオススメです。グロが強い部分もありますが100カノのノリがいける人ならいけると思います。
ただこればっかりはマジで考えすぎです。さすがにこれを意図してラッコを入れようとはならないと思います。意図する意味が思い浮かびません。

さて…最大限のくっ殺案件が起こっていますが騎士華先輩は大丈夫なのでしょうか。訴訟すれば先輩は勝てると思います。
とろとろだ!!!!な騎士華先輩は初登場回にして衝撃を与えた第81話「剣道部の女騎士さん」のものです。見開きでこのページが出てきた時のヤンジャン本誌勢が羨ましいところですね。口と体が全体的にふわふわと動くアニメーション付きです。「とろ♡」のオノマトペにもアニメーションが付いていますね。
手前の恋太郎に敢えて白と黒以外の色を塗らないことで画面右のとろとろっぷりが強調されています。
それはそうとめちゃくちゃかわいいですね。違和感のない程度に赤面・とろとろしているのが着色の上手さを感じさせます。

さぁかわいいゾーンラストは第69話「茂見さん」よりまさかのまさか3日連続でアトムってる恋太郎の背中を揉みほぐす紅葉ちゃんです。揉みほぐすのにあたって足と腕が上下するアニメーションがついています。「もみ」のオノマトペにもアニメーションがついています。前の画面よりピンクが弱めなのはここでかわいいゾーンが終わるからでしょうか。

対比中毒者なのであらゆるものに対比を見出したがるのですが、このカットには「恋太郎が施す(なでる)側」と「恋太郎が施される(揉まれる)側」の対比が行われているのだと思います。騎士華先輩と紅葉ちゃんの関わりが少ない分なかなか気づきにくいポイントなのでよく盛り込んだなと感服しています。捉え方によっては施した分「女騎士の弾力」「彼女が幸せだと俺も幸せ」で騎士華先輩から癒しの矢印が出ているともとれます。

幸!幸!



またこれは完全なる筆者の主観100%なのですが、騎士華先輩のとろとろも紅葉ちゃんの揉みも既刊で公開されているものの中での最上級を選んだのだと思います。何が起こってるかわかりやすいですし、オーバーリアクションなのでシンプルに面白いですよねこのカット。考察中も毎回とろとろ騎士華先輩で笑いました。

さぁここから盛り上がって参ります!!!
彼女100人幸せに出来ないで、何が彼氏だ!
第65話「山女ちゃんの園芸部ツアー」
より萌えシチュにキュン顔をする恋太郎。ただ原作では見切れている左部分の髪などがPVでは加筆されているのでレアな絵になっています。

さて数あるキュン顔の中でなぜこの回のものを選んだのか。右向き左向きの対比としても左キュン顔は大量にあります。そうした中、他の回のキュン顔を比較しているとこの回のキュン顔の特徴が見えてきました。
それは眉・口角の上がりっぷりと線画の暴れっぷりです。
たとえば第67話「ラッコ鍋相撲大会(深刻なラッコへの風評被害)」での静ちゃんに対する左キュン顔と比較するとわかりやすいですね。

一通り見たところ第65話の恋太郎のキュン顔の眉と口角の上がりっぷりは歴代キュン顔の中でも最強級です。
何より躍動感があります。
第101話「妹は芽衣お姉様の妹」でもなかなかに口を開いた恋太郎を見れますが、第65話ほどの傾きがないので迫力の点で第65話が勝ります。第105話「ヤクVS騎士華VS恋太郎」でも口角上がり目のキュン顔が見れますが、輪郭線は安定して細いため躍動感の点で第65話が勝ります。

第65話のものは上位帯に相当します。

完全に主観ですがこの第65話キュン顔はこの状態から頭突きしてきてもおかしくないようなエネルギーを感じます。そうでもない?いずれにせよこのキュン顔は他のキュン顔の中でも上位の存在と言えると思います。

なおここでは全てを過去のものとした第114話「ツンデレ色のデート」は13巻までの単行本にはギリギリ未収録ということで、PVには使えない範囲として比較から除外します。この回を入れた瞬間環境が変わるのは確定です。ちなみにツンデレトリオの爆発枠こと妹(まい)も上位帯に位置する実力者と言えるほどのキュン顔の使い手だったりします。









3. 突き抜ける!! 24秒~32秒

1.うわやっぱり動いてる!!わあああ!!!!

やはり動いています。みんな動いています。これがアニメか…
ということで再び表紙組解説ゾーンです。ここから先ほどの表紙組ゾーンより進むスピードが変化していきます。


さぁまず6巻表紙組
美しさを体現する美女   美杉 美々美
極度の恥ずかしがり屋さん 華暮 愛々
 

美々美先輩の口が少し開くアニメーションが付いています。愛々ちゃんの方も少し開くアニメーションがあるのかもしれませんが筆者のよわよわな目では確認できませんでした。
背景カラーは黄色。「キケン!」看板なんかにも使われる、人の注目を集める色です。もちろん輝かしいイメージを想起させる効果も持ちます。

さてこの2人はお互いの良さを尊敬しあう、まるでバトルもののコンビのような絡みが特徴的だと思います。関わりが増え始めたのはやはり
第55話「皆大好き修行回」からでしょう。いつか雉根田兎留々が
「ミスディレクションビューティーフロー」を超える技を持って再挑戦してくる日はあるのでしょうか。こっちはこっちで「揉ミスディレクションビューティーフロー」に進化していますが…。(第82話「女騎士の入学試験もしくは鬼滅のラスボス戦のようななにか」参照)
第58話「ナディー先生の自由の時間」では愛々ちゃんが美々美先輩の服(を模した服)を着るアツい展開も。愛々ちゃんが消えるまでがお約束。
第77話「恋太郎ファミリーの温泉デート」も推したいですね。美々美先輩が上級生として美しくかっこいいのに加え、愛々ちゃんの成長も感じられます。
完璧に余談ですが最近
「美々美先輩×凪乃 ・ 凪乃×愛々ちゃん ・ 愛々ちゃん×美々美先輩」になってるの良くない?仲良し三角関係まで形成しているぞこの漫画は…

しあわせトライアングル!

お次は7巻表紙組
乱れを正すしっかり者 伊院 知与
アメリカンな国語教師 大和 撫子(ナディー)

ナディー先生の口が開くアニメーションが付いています。
背景カラーは赤色寄りのピンク。秩序と混沌みたいな2人には合わないようで、両者が奥に秘める感情が出ているのだと思います。ピンクには優しいイメージを想起させる効果がありますが、ここでは「甘え」を表現したいのではないかと解釈しているのです。
伊院家の1人娘として父のためにも自分の背丈以上に頑張る知与ちゃんと、厳格な家庭に束縛されながら育ってきて今は絶縁状態の撫子ことナディー先生。そんな2人が心から甘えられる場所は恋太郎ファミリーの中だけ。なんてところでしょうか。筆者の言語化能力の限界ッ…
さてそんな2人の関係は第77話「ナディー先生はアメーリカパトロール」抜きには語れないでしょう。「ゴーイング知与ウェイで行くデース!」、知与ちゃんの丁度2倍くらいの人生を生きてきた先輩としての名言ですね。
第118話「さらばナディー語よエターナルに」にて、知与ちゃんがナディー先生の言葉を思い返したときにこの名言が出でいるのを見て筆者は尊さの荒波に揉まれました。
装備回第91話、運動会第99話、そしてヤバかった第130話など語りたいことが芽衣さん×育レベルにあるのでとりあえずこのくらいに

お次は9巻表紙組
心も体も大きい女の子 優敷 山女
最上のマッサージャー 茂美 紅葉

テンポの加速によりアニメーションは体全体がちょいと動くだけに。
背景カラーはピンク寄りの紫。強すぎない紫には、興奮を落ち着かせる効果や疲労回復などの効果があります。不思議さを想起させる効果もあるので行動が予測できない紅葉ちゃんにピッタリの色ですね。また、紫の持つ才能を高める効果は山女ちゃんの恵まれた体格を、ミステリアス…というより神秘的なイメージは動物と話せる・仲良くできるという天性の能力にマッチしています。

さてこの2人は体格差コンビであるとともに需要と供給コンビですね。
2人の出会いは第70話「紅葉ちゃんのもみもみフェスティバル」、
紅葉ちゃんにとってそれは
「今まで巡り会った事のないような揉みがい…揉み応え…!」であり遠慮なく全力を出せる、高揚感と全能感を感じる相手との出会いでした。
そして扉絵をパジャマで飾る第91話「装備回」にて2人は事実上の永久機関を完成させノーベル賞へ…まではまでは行っていませんがいずれ受賞するでしょう。じゃなきゃノーベルがおかしい。
なお第117話「バイオレンスの果てに」でも「ちびっこゾンビ砲」という合体技を披露しあの騎士華先輩を撃破していました。ノーベル賞総なめ。

お次は10巻表紙組
薬で八歳になったおばあちゃん 薬膳 ヤク
誇り高き甘えん坊       土呂瀞 騎士華

腕のアニメーションがかっこいいですね。
背景カラーはピンク。よわよわな筆者の目では1巻表紙組と違いがないように見えます。ですが、この2人におけるピンクは恋愛のイメージよりも可愛さや幸福感、何より甘えのイメージが目的だと思います。7巻表紙組よりシンプルでわかりやすいダイレクトな甘えです。甘え「られる」ヤクさんと甘え「る」騎士華先輩。ヤクさんは騎士華先輩と楠莉先輩の受け皿になるだけでなくファミリー全体の受け皿になっていますし、騎士華先輩の甘えっぷりは明らかに度を越しているのでこのピンクが丁度いいですね。

これまた需要と供給のフィットした2人の関係は
第93話「皆が眼鏡かけたお顔ドアップで見るだけの回」の1幕からスタート。それまでヤクさんが「あの」羽々里さんを甘やかすのを見てとろとろになりかけながら耐えて…いた?ところからばぁばの優しさを知ることに。
そして第105話「ヤクVS騎士華VS恋太郎」にてヤクさんを甘えさせようとするも…うん…。
同105話にて、甘える関係だけでなく「騎士のあるべき姿」としてヤクさんのことを尊敬している面も見えたので今後の進展が楽しみだったりします。

お次は11巻表紙組
かわいいものラブなギャル 毛樽井 亜愛子衣
吟遊詩人的中二病     中二 詩人

うわあ詩人があー子の腕を上げた!!はわわ立体感!!なアニメーションですね。
背景カラーは紫寄りのピンク。ミステリアスな詩人に美的センスの神がかったあー子。かわいいにおいてあー子に言うことはもう何もないですが、詩人は奥にひそめたかわいいの波動がもうとんでもないですね。

さて新しめの2人の関わりがアツかった回と言えばやはり
第111話「あえて言うならギャルと吟遊詩人の二重奏ーーかな」ですね。
一体この回のおまけで何人が尊の領域に至ったのでしょうか。この回にて思い切った行動をするあー子(めちゃくちゃかわいい)とそれに感情を露わにする詩人(めちゃくちゃかわいい)という破壊力の極みみたいな関わりが新たに生まれました。
第117話「バイオレンスの果てに」で早速その関わりが…ああわわわわわわ

最後は最新13巻表紙組
芽衣を大好きな妹メイド 女井戸 妹
煩悩に正直な倫理の先生 盆能寺 百八

百八先生が妹の腕を手前に引くアニメーションと百八先生の口が開くアニメーションがありますね。
背景カラーは薄めのピンク。愛のイメージが目的なのでしょうか。妹は第114話「ツンデレ色のデート」にて見せた「嫌い」の先の爆発的な「好き」を持ち、百八先生は初対面であれほどのことを申し込むくらいには愛欲が強い人です。ただ恋太郎への愛なら濃いピンクでもいいのではないかと筆者は思い、ほかの要因を探してみました。
結論から書くと「家族愛」なのではないかと思います。一方的とはいえ妹は芽衣さんにとてつもない敬愛の念を抱いていますし、百八さんはあの性格にして実家に仕送りを続ける優しさを持ち合わせています。どちらの愛も、妹メイドを自称しまくる妹(まい)と、テント暮らしをする百八先生を形成する大事な要素なのでこれを優先したのではないかと。恋愛感情なら百八先生がいる時点でホントはどえらいピンクになると思います。

さて新しめの2人は既刊での関わりが出てくる回こそまだですが
第120話「恋太郎ファミリーの日常」の一幕にて百八先生の世話をする妹の姿が見られます。13巻のカバーイラスト裏表や衝撃的なパジャマ姿を見るに、百八先生のめちゃくちゃっぷりに妹が付き合っていくコンビになっていくのでしょうか。酔ってる人とドジっ子ってかなり危ないような…


2.世界よ、これが100カノだ

ぎゃああああああああ!!!!育がかっこいいよおおおおおおおおおお!!!!アニメ最高!!アニメ最高!!100カノ最高!!100カノ最高!!万歳!!万歳!!
育推しの筆者はお空様へ出向なさいました。
さてここからのシーンでは、100カノがラブコメとして持つオリジナリティを見せつけるカットが続いていると思います。
世界よ、これがJapanese”100KANO”だ。


まず第36話「君のホームランに誓う」より、暴君竜の大砲(ティラノ・キャノン)ー全力投弾(フルバースト)の球威がなす風圧によって、服が少林サッカーみたいに破けながら葛藤する育。ガチのマジで大好きなシーンです。
このカットには100カノの持つ少年漫画的なアツさがにじみ出ています。

まず、絵面がめちゃくちゃかっこいいですね。原作の絵の気合の入りっぷりはもちろん、動く集中線演出や暴君竜の大砲ー全力投弾とバットの間に、オレンジの炎と白煙的な演出が加わることで迫力が凄まじいものになっています。「少年漫画的なアツさ」と言えばアイドル編や運動会編なども激アツカットが盛りだくさんですが、バットとボールに集中線を当てられる=目線を誘導しやすいこのカットが選ばれたのだと思います。

そして、原作既読者のみがわかることですが、このカットは育にとってかなりしんどいカットですよね。
超(スーパー)アイヤ人になった唐音でないと打てないような暴君竜の大砲をファウルになりながらも打ちまくり、体は疲労困憊。全力投弾を前に思い出す、つい数イニング前の腕を壊す耐えられないような痛み。部の存続のためにも、ここまで共に戦ってきたファミリーのためにも、何としても打たなければならないこの瞬間。しかし思い起こされるホームランの悲劇。育の目に涙が浮かぶのも無理はない、かなりしんどい場面ですね。

ここだけ見ると本当にそういう野球漫画の1幕です。まるで〇ラベースのような、リアリティもクソもないチート野郎共同士のクソアツい野球が見れるのは100カノだけ!と書いたらおかしいように見えますが、実際これだけアツいシーンを他に何個も大真面目に作っているのは100カノのアイデンティティだと思います。ラブコメ100カノ以外にあんまり読んだことないんだけど…ね。


次に第30話「いつも笑顔のメイドさん」扉絵より薬を持つかわいい楠莉先輩と、同話より「ぶっかけると皮膚がただれて滅茶苦茶痛てー薬」を持つ楠莉先輩先輩です。かわいい顔してどえらいモノ持ってるような描写ですね…
PVでは原作のような薬解説の吹き出しを入れることができないので、暗闇の恐怖を想起させ不安感をあおる黒色のもやが背景に使われてヤバそうに見えます。「ブショァァ…」という表現の深緑もここでは腐敗のイメージを感じさせます。白の集中線にオレンジと燃え滾るような前のカットとこれまた大違いです。生を感じさせる肌色とかわいいピンクに対して周りが恐怖的なイメージばかりですね。

ほぼ同じカットの入る第12話「キスゾンビ♥パニック」との差別化点はオノマトペの位置とおどろおどろしさで、よりはっきり・恐ろしく見える第30話のカットが選ばれたのだと思います。第12話ではコマが小さい都合上オノマトペの「ブシュゥゥゥ」を手に重ねる形になっていますが、第30話ではコマが大きくオノマトペの「ブショァァ…」は手に重ならなくなっています。あとは推測の域を出ませんが、第12話のカットでは情報として余計なものになってしまうコルクがカットインしてきたり、小指より下が見切れているのもポイントかもしれません。

このカットには、「恐ろしいけど笑える・かわいい」という100カノの特徴を示す意図があると思います。ただ、ここは筆者の言語化能力が追い付いていないのでもっと適した表現があると思います。
倫理観無視の薬以外にも、たとえば第61話「はじめてのおつ回」に出てくる恋愛モンスターはもう異形の怪物そのものです。ですがスレスレのラインで踏みとどまるため(降参した相手にそれ以上の手は出さない)笑えるところに収まっていると思います。第73話「恋話、聞いてイイですか?」でのモンスター彼氏は怪しい部分もありますがおまけを見るに多分大丈夫なはず…。

あー子周りのギャルなどの一部の悪意ある行いや、中村先生が自重するレベルの芽衣さんの過去編のように笑えないビターなものがないこともないですが、ハッピーエンドに持ち込まれているので消化不良にもなりにくいですね。悪いことをした人は何らかの形で成敗され改心するか、ビターな辛い過去を抱えていても今ファミリーにて幸せに過ごせている…というようにビターな展開だけで終わらないのがこの作品の良い部分でしょう。

消化不良の点から飛躍するなら中村先生の「新しいキャラを出すときのこだわり・自分ルール」という点が思い浮かびます。ヤングジャンプ新人大賞の第9回審査員として受けたインタビューの中で以下のようなやりとりがありました。

――魅力あるキャラクターにするために気を付けていること、魅力あるキャラクターを描くために練習したことなどがあればお聞かせください。

中:そのキャラの言動が「見る人によっては不快じゃないかな」と常に疑うようにしています。

引用:https://youngjump.jp/comic_award/interview/008/index2.html より

――新しいキャラを出す時にこだわっていること、「自分ルール」などはありますか?

中:キャラの個性・インパクトと、性別としての魅力、それからできるだけ多くの人に嫌われない努力、でしょうか。

引用:https://youngjump.jp/comic_award/interview/008/index2.html より

キャラ作りをするにあたって、常に「読者の不快感」と向き合っているからこそ消化不良のない作品になっているのではないかと思います。


シリアスな話、重厚感のある話ももちろん持ち合わせているのが100カノの良いとkアイアムアメーリカパトロールデース!!!!(ギッコンギッコン)
とんだ暴れロデオデース(ズシャァァァァ)

一体誰なんだ!?!??!!?

第71話「ナディー先生はアメーリカパトロール」より知与ちゃんと阿古枯・真根須の前に現れた謎のアメーリカパトロールを名乗るヤベー奴ですね

爆速で2往復するアニメーションが付いています。動きのバカバカしさを強調するためか原作にあった大量の「ギッコン」はナシに。かわりに星が6個確認できます。星のレイアウトは3つあり、ロデオが端っこに着いたときに切り替わっています。星=星条旗は言えど、星=アメリカではないのでは…?ですがナディー先生のあべこべなアメリカ知識の表現としては正しいととれます。正しいとも言えるし正しくないとも言えるね。

色は白背景に茶色風味のかかった謎のアメーリカパトロールとシンプルなもの。茶色には緊張感を和らげる効果や温もり(木造建築とかがわかりやすい)を想起させる効果がありますが、ここでは単純にカウボーイの服の色が茶色なのをそのまま使っているだけだと思います。知与ちゃんの緊張を解いたという原作を尊重するのもアリ…というかそれが考察で出すべき答えだと思いますが、なんかこれに関しては考えたら負けな気がします。

このあべこべさやフリーダムっぷりが強いカットは100カノの「ヤバさ」の一言に尽きます。ファミリーにおいて存在そのものがヤバい羽々里さんにヤクさん、「え…!? いいの…!?」と両先生に言わしめた騎士華先輩などを代表にキャラクター全員がヤバいのは言うまでもなく、展開そのものもヤバければ作品そのものの存在がヤバいですね。そう考えるとこのカットはまだマシな方でPVとして広い世界に流せるカットだということです。にしてもヤバいものはヤバいんですが。


4. デンデン!!! 32秒~37秒

ここからいよいよ終盤戦!ビートも最高潮!尊い集合絵ラー--ッシュ!!
さてここからは文字と背景の演出が動くのみになります。PVの最後にここまでのことを集合絵とともにまとめに来る感じですね。

キュン cute
第102話「妹の妹妹メイドレッスン」
より2ページ目扉絵の一同と1ページ目の紹介される妹(まい)。妹を新たに中心に配置することで、
妹(まい)がその妹(いもうと)メイドを引き連れているといった風に見えてきます。複雑だこりゃ。
背景色は薄めの茶色。メイドコスの落ち着いた空気感が合っています。外来のメイドコスということでレトロな英字新聞のような色合いとも感じます。
PVで顔まではっきり見えるカノは敬称略で左から
騎士華・詩人・山女・ヤク・妹・ナディー・紅葉・愛々・知与・美々美
の10人。
妹(まい)がカットインできるような集合絵がないのでここに上手く落とし込んだ感じですね。元から妹がいたように見えてきます。

さてこの妹を編集で追加する工夫から、このPVは原作の「負け彼女(ヒロイン)0」を踏襲していると筆者は読み取りました。
まず、なぜ第102話メイド回のカットを持ってきたかを考えるところから始めましょう。このPVではネタバレ防止のためか表紙絵とミニキャラ以外13巻の内容を使っておらず、12巻終盤の第101話「妹は芽衣お姉様の妹」から登場する妹の登場回は限られます。メイド服での姿しかまだ登場していなかったということで、このPVでの集合絵ラッシュに参加させるならこの第102話に盛り込むしか馴染む方法がなかったのです。
しかしなぜ集合絵に盛り込むまでして妹を登場させようとしたのか。そこが「負け彼女0」の考え方につながります。

このPVでは彼女全員にメインとなれる活躍の場が与えられているのです。誰かが出すぎていることもなく、上手いこと割り振られているのです。

例えば愛々ちゃん。ビビーン!!とキスシーンという100カノを代表する花形2つで登場する愛々ちゃんはそれ以上個人での登場をしません。
逆にビビーン!!にもキスシーンにも登場しないナディー先生はアメーリカパトロールでヤベー奴代表を担当するとともに豪勢なアニメーションまでもらっています。

どの彼女も「ビビーン!!」・「ソロ」・「キス」のどれか1つは確保していて、2つ確保している彼女は集合絵では身を引いているといった感じです。(身を引くというより、1つだけ確保の彼女が中心・メインに来る感じ。運動会編の端で見切れる育=2つ持ち・中心のヤクさん=1つ持ちがわかりやすい)

このように考えたとき、ビビーン!!をツンデレ代表の唐音に任せ、キスシーンは13巻にお預けの妹の登場はツンデレトリオとしてのワンカットのみになってしまいます。ですが前述の通り妹が登場している集合絵はありません。詩人までの彼女達が12巻表紙絵と第100話の扉絵(後述)で確実に登場する中、妹だけ集合絵に一枚も参加できないのは「負け」、差そのものですね。
いやしかしそれは100カノが単行本裏でずっと書いてきた「負け彼女0の純情ハーレムラブコメディ」に反する!!きっとPVの作者さんはそう考えたのではないでしょうか。20人もの彼女の全員を活かす原作へのリスペクトが感じられるポイントでした。


萌っ!! 萌
第65話「山女ちゃんの園芸部ツアー」より萌えシチュにキュン顔をする恋太郎。同じキュン顔なので詳しくは第3項後半の謎のキュン顔ランクバトルをご覧ください。見ても特に詳しく書いてないけど。
背景色は強めのピンク。キュン顔が上位帯のものであるとともにピンクで示される愛の強さを感じます。

ほのぼの piece
第65話「山女ちゃんの園芸部ツアー」より園芸部のお野菜様をお食べになる絵画のようなおカノ様達。
背景色は緑で平和を感じさせるため、「ほのぼの」とも「piece」とも合っています。草木の緑としても平和としてもまた、山女ちゃんの持つトマトに色をつけることでアクセントが効いています。熟しきった赤色に白色の光を大胆に添えることで、野菜の新鮮さや潤いを感じさせます。
PVで顔まではっきり見えるカノは敬称略で左から
芽衣・羽々里・楠莉・山女・胡桃・知与・羽香里 の7人。
実年齢としても体格差としても幅が広い彼女が集まっているカットです。

我々の感覚は麻痺しているので忘れがちですが、ハーレムものの漫画なのに彼女同士の仲が良いのは100カノの醍醐味にして尊さの根源ですね。年齢や体、能力でカーストが構成されるなんてことはなく、むしろそれぞれの武器を分かち合って幸せへ…すばらしいですね。

尊っ!!
第37話「好き好き大好き♥」より楠莉先輩の唐突な大好きの思いを受け取り「はあゥふうッッッ!!!!」と涙を流す恋太郎。涙に重なっていたオノマトペの「ブワッ!!」を無くし、ふざけた量の涙がわかりやすくなっています。
また、愛の溢れるような赤寄りピンクの背景に対しても涙の水色がわかりやすいですね。濃いピンクに同化しないように肌は白、見やすさとして「尊っ!!」の文字をオレンジにするなど色の工夫がたくさん見られます。

このカットの良さは、コマを大きく使っていて解像度が高めであること、貴重なキュン顔以外のふざけた量の涙という変化球であることでしょう。第37話は9人からの愛の再告白ということで恋太郎の反応も多いですが、はっきり表情が見えるのはこの楠莉先輩への反応と凪乃への反応しかありません。他の反応は顔を手で隠していたり文字だけになっています。だからこそ第37話最後の伝説の「アレ」が映えるようになっているのですよね。

メラメラ メラメラ FIRE!
第98話「恋太郎ファミリーVS木雷杉町アスリート軍団」より愛する彼氏に応えんとするマジ顔のカノ達。
ほのぼの緑の平和なイメージと、メラメラ赤の持つ情熱や闘争のイメージが対照的です。「ほのぼの」は飛び出てくる演出であることに対して、「メラメラ」・「FIRE」の文字が出てくるときに爆発する、赤がはじけるような演出があるのも特徴的です。
PVである程度の顔が確認できるカノは敬称略で下から
唐音・育・ヤク・紅葉・楠莉 の5人。
野球編の育に続き激アツシーンですね。PVにはないですが、何かを長々と語るわけでないにも関わらず、唐音の「勝つわよ…!!」だけで全員の思いが伝わってくる演出に当時も震えたし今も震えます。これぞファミリー。
さてこのシーンは前述した育のものと合致する点が多いですが、こちらでは引き締まった顔や出で立ちの強調が主になっていると思います。集中線フレームもなく、シンプルに全体の絵を見せつけてくるこのカットは前の2カットと全く違う真面目な表情ですね。開眼しているヤクさんが強そうです。

燃っ!!燃っ!
第41話「美々美先輩の美しさ指南(多分)」より画風が変わるほどはわわなカノ達の美しさのあまり、彫刻という絵ですらない姿になった恋太郎。恋太郎が人としての原型を留められなくなることはド級のはわわに触れたときのみで、特にこの彫刻形態に移行するのは現状この回のみです。
このカットをここで使う理由を私は3説見出しました。

彫刻形態のおかしさをここで出すことでさらに視聴者を混乱の渦に巻き込む意図がまず1説。派手な彩度の高い色を背景に使用しているので、見る側の印象にも残りやすいようになっています。

運動会編のアツさと屈強な体つきをした彫刻恋太郎をつなげた2説。

そして3説は、恋太郎彫刻の元ネタになるミケランジェロ作「ダビデ」=元ネタでしょうか。原作においては男らしい彫刻と言えばダビデ像がわかりやすい、ということでオチに使われていると解釈しているのですが、運動会編山場の「勝つわよ…!!」の後のシーンに使っているということは以下のことが考えられていてもおかしくないと思います。

・ダビデとは旧約聖書(キリスト教の聖典)においてイスラエル王国の二代目の統治者。つまり国の偉大なる父といえる存在(太字部分は筆者の勝手な解釈。旧約聖書には書いていない。)
恋太郎はファミリーのまとめ役でありいつか家長、父となるもの(たぶん)。
また、番外編「おとぎの国の恋太郎ファミリー」にてレンタロミオ王子の存在の確認されています。
つまりダビデ=恋太郎が言えます。異論は認めません。

・この像のモチーフはそのダビデが巨人ゴリアテとの戦いに臨み、岩石を投げつけようと狙いを定めている場面。
ゴリアテはダビデの属していたイスラエル軍の敵陣営、ペリシテ軍の巨漢の戦士です。旧約聖書では、イスラエル王国の神であるヤハウェを嘲笑するゴリアテと、それをイスラエルの王国の神の戦い方で打ち負かさんとするダビデという1幕を見ることができます。

なんということでしょう。これは恋太郎をダビデとしたとき、運動会編の「恋太郎にとって愛して止まない彼女達を侮辱した木雷杉町の町長と、それを彼女の強さの証明で打ち負かさんとした恋太郎」という構図に重なります。

スペクタクルーッ!!!!

ダビデがゴリアテに打ち勝つ旧約聖書と違い、最終的に決着をつけるのこそ恋太郎の彼女達になりますが、ここまで同じ構図であればもう何も必要ないでしょう。美しすぎる。本当にこれを意図してここに彫刻恋太郎カットを入れたのであればPVの作者さん(後述)はとんでもない知識人であり100カノ考察ガチ勢です。心より敬意を表します。

さて、恋太郎の原型消失は第128話「なんか小さくてかわいい回」」のとろけて人の形を失った恋太郎(と羽々里)にも見られます。第102話「妹の妹妹メイドレッスン」では目がとろけていた(本人には自覚ナシ)だけだったので、やはりそう簡単には原型を失わないようです。

新手のクリーチャーかなんかか?
YES. 彼は恋愛モンスター。

幸 happy
第100話「も連載できて幸せな限りです本当にありがとうございますこれからも頑張ります」
よりいつもの屋上の幸せな様子。野澤先生のツイートでは
「羽々里さんがみんなのイメージクッキーを持ってきて振舞っている・羽香里と芽衣さんお茶の用意をしている」(部分変更)という設定のようです。
色はピンクの文字・枠線と全体に主張の少ないグレー。この後の黒背景につなげる狙いもあれば、原作の洗練された絵を立てる意図もあるのではないかととれます。
多少の見切れはあるものの詩人までの彼女、
羽香里・唐音・静・凪乃・楠莉・羽々里・胡桃・芽衣・育・美々美・愛々・
知与・ナディー・山女・紅葉・ヤク・騎士華・亜愛子衣・詩人 の19人全員が揃った尊さの境地にあるような最高の絵ですね。なによりこの扉絵だけ 他と違い恋太郎がいます。地味にレアです。最高。

このカットの考察は、この考察の初っ端に書いた12巻表紙の話と同じようになります。一瞬にして絵のかわいさが伝わる良カットといったところですね。特筆するとしたら、恋太郎ファミリーのホームグラウンドである「屋上」での風景であることでしょうか。ずっと変わることなく恋太郎ファミリーの拠点となっている屋上は、100カノを語る上で無視してはいけない大事な要素だと思います。具体的な理由は言語化できないんですけど…その思い出の場所というか憩いの場というか…いいじゃないですかああいうの。

LOVE 愛
ここ原作を知っていればめちゃくちゃおもしろポイント。考察の醍醐味。
第25話「開幕!フードファイトフェスティバル」
より愛の光を放つ恋太郎…

ではなくよそい手によってお米の味が違ってどれもおいしいことを熱弁する恋太郎。確認できるだけでも20杯分はお米ソロで食べている彼女達好き好き大好きモンスター。なんなら大盛りにしている楠莉先輩もいる模様…
ということでお米の丸々上ににピンクのハートをかぶせて、あたかもそういうシーンだったかのように見せる高等テクニックです。
ハートには達筆でLOVEと書かれています。

背景の黒は暗闇を想起させる色ですね。このカットでは暗闇というより奥底、恋太郎の心の奥底を示しているのではないかと解釈しています。つまり、心の奥底から放たれるLOVEの光は恋太郎の持つ運命の規模、あふれる程の愛を表現しているのだと思うのです。ラブコメの既成概念の上で踊り狂いはちゃめちゃしてきた最後の最後に、ラブコメとして最も大事であろう「LOVE」を強調するのです。どれだけ彼女同士が仲良くなろうと話がはちゃめちゃになれど恋太郎から彼女の、彼女から恋太郎への愛は絶対なのです。
ということで最高の純愛、キスラッシュに参ります。


5. 尊!!!!!! 37秒~42秒

さてここまで約2万文字ちょっと読み進めていただき誠にありがとうございますとともに誠にお疲れ様です。お茶休憩を挟むなり遠い場所を見るなり体を休めてくださいね。

何色でも映えるあー子はすごい!


ここからはラスト、キスシーン考察に移ります。

キスシーンの出典は以下の通りです。(敬省略)
・第7話  「AI少女の無意義な日」        →栄逢凪乃
・第13話「そんな先輩が好きだから」      →薬膳楠莉
・第65話「山女ちゃんの園芸部ツアー」     →優敷山女
・第32話「ぬれぬれメイドパーティー」     →銘戸芽衣
・第46話「鬼キュン!校内かくれんぼ」     →華暮愛々
・第75話「楠莉先輩のおばあさん」       →薬膳ヤク
・第79話「みんな昔はJKだった」        →花園羽々里
・第5話  「その実、もっといちゃいちゃ回」   →花園羽香里・好本静
・第60話「ボーイッシュな彼女」        →須藤育
・第70話「紅葉ちゃんのもみもみフェスティバル」→茂美紅葉
・第91話「装備回」       →あー子までの17人(ヤクさんを除く)

の11人のものですね。最後のは一旦置いときましょう。

正直に申し上げると、なぜこれらのカットが選ばれたのかの決定打は私の中で見つかりませんでした。なにせキスシーンは一話一話の核にもオチにもなる名シーンばかりで、1つ1つ照らし合わせるとそれぞれの良さがダンシングパーリナイして考察がまとまらなかったのです。ですがそれぞれに思う節があるのでそこを書いていきたいと思います。

いつも通り色の考察からしていきましょう。
全カット背景の色は薄めのピンクです。恋のイメージに始まり安らぎや幸福感、優しさやときめき…ここまで書いてきましたがやはりラブにはかかせない色ですね。薄めのピンクなので主張が激しくなく原作の絵が立ちます。また、画面端にはぼかしがかかっているので原作の絵が比較的くっきり見えます。
不変の薄いピンクに対し、キスをする2人の色は一瞬のカットで変化しまくります。変化しまくる、と書いても白系統かピンク系統の色かに二分されますが全部同じ色というわけではないのです。
ここで考えなければならないのが色がピンクの彼女とピンクじゃない彼女の違いです。そして、なぜそのピンクじゃない色にしたのかという理由です。
そのピンクじゃない色の彼女は次の5人。
順番に凪乃でグレー、山女で白、ヤクさんで薄めの茶色、静ちゃんで青みがかった紫、育でグレー、といった風になっています。

ここに挙げられた彼女たちのキスシーンの共通点を考えると…
あれ、挙がらないな…
となります。

凪乃の大胆なキスのやり方や山女ちゃんの身長差キス、横対面でなく手前と奥のヤクさん、育のお姫様抱っこキス…とあまりないキスシーンという点での分け方かと思いきや、静ちゃんのケースが紅葉ちゃんのケースと被ってしまうのです。彼女左・恋太郎右の構図も、彼女側が目を開いているという点でも紅葉ちゃんとの差をつけるポイントが出てきません。
ファーストキス統一でもなければ最初の方に書いた「属性」の共通でもありません。

はい、お手上げです。何が色を分け順番を決めたのか、筆者には解き明かすことができませんでした。潔くここで「一旦」負けを認めます。もしこの難題にぶち当たって答えを楽しみにしていた同業者の方がいたら本当に申し訳ないと思います。よろしければ一緒に考えませんか。

ただ負けを認めた上でできる考察は続けます。

まずピンクじゃない色を入れた理由について。ここには全部ピンクで表せられるほど単純じゃない、それぞれにそれぞれの個性的な恋があるという100カノの醍醐味を表現する意図があると考えました。

例えば凪乃とグレーは、AI少女の名を冠する凪乃にグレー、白系統の持つ無機物的なイメージがマッチしています。ここに使われているキスシーンは第7話、丁度凪乃の無機物的な心が溶かされたあのデート回のものなのでなおさらピッタリだと思います。
ヤクさんと薄めの茶色の組み合わせにも個性を感じます。なんというか渋いですよね。他の彼女達、なんなら実の孫もかわいらしいピンクであることが多いのも相まって異質に見えます。でもそれがいい。それこそが羽々里さんすら超える、深い渋みを愛するような年齢の彼女でいて恋ができるという100カノの良さでしょう。

色って大事!

実はヤクさんのカットだけ異常に切り替わるのが異常に速く、その姿形を初見で捉えることは至難の業と思われます。形こそ捉えられずとも、その一瞬映った全く別系統の色の存在は視聴者に何かを残すのではないでしょうか。サブリミナル効果とでもいうか。

突然ですが筆者は、100カノのキスシーンの特徴には「光」の存在が大きいと思っています。黒い髪の中の白や首筋の白、背景の屋上の夕焼けや朝のひざし、光演出系のスクリーントーン…それらの「光」がキスのロマンチックさを高めていると思っているのです。第72話「一寸凪乃師の王子様」の最後のキスシーンを見ていただければわかると思います。
何が言いたいかというと、これがPVでもしっかり表現されていることが嬉しかったということです。「原作リスペクトができている」ことはごく一般的なことのようでなかなかないので…。

それではキスシーンの考察に移ります。負けたとて抗います。
まず最初にファーストキス統一かと思いきや羽々里さんの部分でそうではないとわかりました。では何の統一か。見出してみると、彼女ソロでのキスシーンのみであるという共通点が見つかりました。
100カノでは定期的に全員とキスをしてハッピーエンド…という流れがオチや展開に使われますね。
第86話  「ポッキーゲームロワイヤル」
第54話  「恋太郎ファミリーの校内キス禁止令」
第107話「やみつきキャベツはあれの味」など見開き一面キス
のことです。このPVではその「全員でキス」のシーンからの引用がありません。どの回も2人デートの終わりやその彼女だけとのキスをしたシーンからの引用になっています。第5話の2人とのキスはまぁページ違うので…なんか別物というか…こういった部分でびみょ~に決定打になりかねています。

それはさておき、このように全員キスを使わず2人デートなどのカット(以降は「ソロキス」と書きます)のみを使っていることには考えられる理由が1つあります。
それは、ソロキスのシーンはコマを大きく使えるため、大胆なキスシーンが描かれていることです。ここでは第7話凪乃・第65話山女ちゃん・第75話ヤクさんのキスシーンがわかりやすい例です。山女ちゃんを例にとると、ソロキスでは体格差の表現が、腕まではっきりされているのに対し、全員キスでは頭の高さの差程度にとどまっています。前述した通り、ヤクさんの例なんかは横向き対面式のキスではなく、奥に恋太郎手前にヤクさんで構図がイレギュラーの塊であるとともに、手の絡め方も全員キスでは見れないものになっています。
この3人以外も横向き対面式のキスであることこそ変わりないですが表情の書き込みが違うと個人的に思います。全員キスは両者目を閉じてのものになっていますが、ソロキスでは片側の目が開いていることがあります。第13話楠莉先輩なんかは目に涙を浮かべていたりと、単純な「幸せ」の1言で表せるような感情ではないものを感じます。

この書き込みの違いなんかを考えるうちに筆者はあることに気付きました。

それは、彼女達にとって「恋太郎と出会えたから」という思い出ののコマを選んでいるのではないかということです。ソロキスは上にも書いた通り2人だけでのデートなど専用の過程やドラマがあったからこそ描かれるものであるため、全員キスとは違った特別な感情の下のものであると考えています。


例えば第7話「AI少女の無意義な日」では、凪乃が恋太郎とのデートを通して「失いたくないと心から思える程に’’価値のある’’何か」を得て、幸せな時間の意義を知りました。この出会いはそれまで美々美先輩との友情を切り捨てていたりした凪乃の人生にとって、大きな転換点になったと思います。そして恋太郎とのファーストキス。

はたまた第70話「紅葉ちゃんもみもみフェスティバル」では紅葉ちゃんが恋太郎、恋太郎ファミリーと出会ったことで、自分の全力を出せる山女ちゃんなど新たな出会いや経験を得ることになり、その最後が初めて知る「キスの感触」でした。ファーストキス。

一方、ファーストキスではない第79話「みんな、昔はJKだった」での羽々里さんですが、これはこれで思い出深い話になっています。なりたかった高校生の服を着てデート…恋太郎の行動力とエスコート力があったからこそできたことですね。何より終盤の「何度だって 今の羽々里さんと出会いたいから」は100点満点中12000点くらいの返しだと思います。そうして大人の羽々里さんの良さが再び出たところでのキスで終了…あぁ…

全員分書くと長い文がさらに長くなるのでここからは簡単に箇条書きで…
・第13話「そんな先輩が好きだから」 楠莉先輩
薬開発のせいで辞めていってしまった化学部員への後悔を乗り越え、大好きな薬作りへの決意を新たに。ファーストキス。

・第65話「山女ちゃんの園芸部ツアー」 山女ちゃん
ずっと気にしていた身長差を自分の良さ、「萌えシチュ」として肯定してくれる、おそらく親族以外の人での初の出会い。ファーストキス。

・第32話「ぬれぬれメイドパーティー」 芽衣さん
ファミリー(主に羽々里さん)を外側から支えてキスは見る(心眼)専だった立ち位置から、ファミリーの一員としてキスする側に。恋太郎が開眼させて芽衣さん自身の価値を第31話にて熱弁したからこそのキス…だと思います。ファーストキス。

・第46話「鬼キュン!校内かくれんぼ」 愛々ちゃん
かくれんぼとファミリーとの交流を通して、自分に一定の自信を持って相手と話せるように。6巻巻末おまけを見るに家族でもなしえなかった偉業を恋太郎は成し遂げたようです。ファーストキス。

・第75話「楠莉先輩のおばあさん」 ヤクさん
御年89歳のヤクさんの乙女心を再び点火したというとんでもない行い、恋太郎じゃないとできないね。考えを理解しようとするなんておこがましい話ったらありゃしないので考察終了!
初接吻本当否秘密多故考察不能!秘密多女性魅力的過!嗚呼神秘的!

・第5話「その実、もっといちゃいちゃ回」 羽香里・静ちゃん
主に静ちゃん。ファミリーに入ったからには「遠慮することなく本音を伝えること」(意訳)を唐音から教わり、自分の意思を出すことに。自分の思ってることを口に出すって難しいよね…大成長だね…ファーストキス。
羽香里もラッキースケベじゃなく明確に意思表示してキスに持ち込んでいるのは珍しいような。セカンダリーキス…だけどファーストキスが唐音との3人でのキスだったため、恋太郎とのソロでのファーストキスはここ。
唐音は…ツンデレトリオでソロ出演飾っていたのでここでは使わないことになったのだと思います。なおこの後の育・紅葉ちゃんもソロ出演はあった模様。ん~????

・第60話「ボーイッシュな彼女」 育
2人デートとなり、どうして自分はファミリーの他の子と違って男の子みたいなんだろうと悩んでいるところに恋太郎から「ありのままでボーイッシュな育が大好きだよ」の言葉。自分がボーイッシュであることの良さを認識することに。かわいすぎ。かっこよすぎ。ファーストキスは第36話。


さてここまでキスシーン考察を読んでくださっている100カノ愛好家の方、特に特定の彼女推しの方は疑問を持ったかもしれません。それで正解というかそこに私も詰まっています。ちなみに私は育推しです。
ということで私の叫びをどうぞ。

なんで!!なんで…!!第36話「君のホームランに誓う」のラストの育のキスじゃなく第60話の方を採用したんだ…ッ!!どっちも良すぎる!!どっちもめちゃくちゃすき!!第60話の顔近いカットも好きだし第36話の恋太郎の顔に手を大胆に当てるのもすんげぇ好き!!!!恋太郎と会えたからこその面でもどっちも大いに要素がある!!ぐあああ理由がみつからんぅ!!!!
あでも確かに構図だいぶ違うし組み込むなら第60話の方がいいのかもしれぐあああああなぜ芽衣さんの方は第47話「芽衣さんのプレゼント大作戦」の方のキスにならなかった!!頭の上がり具合が違うぐらいやで!?制服の違い!?でも育私服やぞ!?!?
というかナディー先生は!?騎士華先輩は!?美々美先輩は!?コマの大きさ的にもすごくいいぞ!?
ばちばちキスへの持って行き方がよかった詩人は!?胡桃は!?知与ちゃんは!?マジテンション上がりすぎたあー子は!?
ビビーン!!カットで使ったことで縛るなら凪乃とか羽々里さんとかナシやで!?
わからん!わからん!!わからん!!!
わかんないよ-------ッ!!!!!!

けむなわ敗北の巻。

前述した「決定打は見つかりませんでした」ということはここを解き明かすことができなかったということです。使われているカットについての説明はできても、数ある彼女のキスシーンからなぜそのカットを選んだのか、という点の説明ができないのです。さきほど楠莉先輩が試験管握ってるシーンの考察を第12話と第30話で~みたいな話をしたじゃないですか。あれができないのです。
ビビーン!!カットの方は納得のいく結論にたどり着けたのでよかったですが、ここが見つからないのが考察の敗北です。上に書いていないキスシーンもまだまだあるのでもうマジでわかりません。特に最後の方は音楽とともに進むのも加速していき、初見では誰なのか確認することもできなかったので意図なんかも測りかねます。
もし発見があれば、思う節があれば是非コメントなり送っていただければ検証します。私としても未解決キスシーンの謎とこの思いにどうにかケリはつけたいところです。

さてずっと放置していた第91話「装備回」の17人キスについて考察を少し。
まず原作では手前にて締めの言葉を担当していたヤクさんがいなくなっています。あとシンプルに外見が面白いですね。物理学を無視した見事な槍ができでいます。キスシーンすらめちゃくちゃにできるぞという意思を感じます。キスネタで盛大にふざけているのがここぐらいしかないというのもあるでしょうか。一発で何をしているのかがわかって面白い、というのはこのカットくらいだと思います。なによりコンパクト。
ただここ本当に一瞬なのでさすがに混乱させる意図しかないと思います。夜中にアレと出くわしたらビックリじゃ済みませんね。こわいこわい。

最後はミニキャラ彼女が積みあがっていきます。13巻までなのでここには百八先生もいます。ここも少し考察してみましょう。
落ちてくる順番はまとめてみたはみたんですが特に考えられることもなければ正確性にも欠けるのでここでは省略します。
ということでミニキャラ集合絵についてです。まず全体を見てみると1巻コンビ→2巻コンビ…といったような固い規則性はないことがわかります。唐音→羽香里→羽々里のような並びはあっても全員がよく絡む彼女同士で近くなっているというわけでもないようです。

ですがここで筆者は気づきました。
集合絵中央上部にご注目ください。明らかに赤色が強いですね。

羽香里 羽々里
  楠莉×2
  ヤク

ハート型だー------ッ!!!!!!!!

運命!!!!

偶然かもしれませんがこれが偶然だと言うなら宇宙が生まれ私たちが出会った確率は………ってやつです。
ただ色合い的にも緑髪の2人が端に寄せられていたりとバランスは考えられていそうなので、意図してこの配置にしたのだと私は信じます。
また、配置の話でいけば左端の美々美先輩の後に隠れる愛々ちゃん(ミスディレクションビューティーフロー)、右端の芽衣お姉さまの前に出る妹(まい)、というのも意図されたものなのでしょうかね。
いずれにせよ…


ということで第8巻カバー裏面より「大好きだーーッ!!!!」と叫ぶ恋太郎です。初出こそ第63話「そして新たなステージへ」のものですがなかなかに違う絵になってきているので私としては分けたいところです。ちなみに公式LINEスタンプの「大好きだーーッ!!!!」は第63話の方です。ん~????

LINEスタンプのトップ画像としても表示されているこのカットは、いわば100カノの看板。ヤンジャンアプリやジャンプ+で100カノを開いたときに出てくるLINEスタンプ販促でもこのカットの存在感がすごいです。「大好きだーーッ!!!!」という文言がタイトルの「大大大大大好き」と合致している上に、初見さんでもなんとなくどんなタイプの漫画かの予想がつくと思えるくらいにはインパクトのある絵ですね。
ここでは「大好きだーーッ!!!!」を大胆に取っ払い「好」の一文字を大きくすしています。このシーンも一瞬なので一瞬の間に理解できるバカデカい愛が「好」でよく表されていますね。また、画質や素材の差かもしれませんが原作より色が少しだけ濃いような気がします。


最後は緞帳(どんちょう。赤いカーテンみたいなやつ)が閉まり13巻販促へ。赤と白は見やすい、良い!!
まるで舞台上の花嫁のような12巻表紙絵のロマンチックなドレス姿に始まり、舞台や劇の終わりを示す緞帳の閉幕で終わる…美しいですわ。なによりこのPVとにかく見る場所や入ってくる情報の量がよくあるPVより段違いに多いので、一本の重厚な劇を見た後のように…思えたりしませんか?なんとなく。なんとなくです。
そこまでドタバタのはちゃめちゃであったところから音も動きもなくなり数秒余韻を残すだけ…ってのがもうなんかそれっぽくないですか?
劇っぽいかどうかの話は置いといてもこの数秒の余韻が気持ちいいのは確かです。100カノの豊富なオチがある中、これで締めるのがたまりません。


そういえばバカデカい「好」といえば第114話「ツンデレ色のデート」にても見られましたが、作者さんはそこに影響を受けたりしたのでしょうかね。ここまで見てきて作者さんは一体どういった方なんだ…ということを最後に解説していきます。

6. 終わりに

【作者さんについて】

牛丼 | whitepuzzle @gyudon_mp4 (リンクよりTwitterに飛べます)
牛丼さんは映像プロダクション「whitepuzzle」所属の映像ディレクターでCM・PV・MVの制作に携わっているようです。下に引用したINFOを見るに、牛丼さんはwhitepuzzleのリーダー的立ち位置と思われます。
映像ディレクターは映像制作における総指揮の立場にあり、企画からシナリオ作成、撮影に編集とその仕事は多岐にわたります。マネジメント力に企画力、演出力に編集技術と必要な力も多いです。

ここまでの考察でどこまでが意図されたことなのかは知る由もありませんが、他の作品などの実績を見るに生半可なものでないのは確かですし、マジな考えの下にあると思います。名だたるジャンプ作品のPVを任されているので、信頼を得れるほどの仕事ができるすごいチームなのでしょう。

筆者は100カノ以外にも有名なヒロアカとか呪術廻戦とか鬼滅あたりも全然読むので、それらのPVも見てみたのですが震えましたね…。とにかく原作の絵の魅せ方が上手い。100カノPVも美しさ指南パートで3拍子になってまた4拍子に戻ってクライマックスへ!!!…って緩急がついていたのがすきすきポイントなんですけど他の作品でもたまらん緩急や魅せ方がありました。

whitepuzzle(ホワイトパズル)は、マンガ、ノベル、アニメ、ゲームなどエンターテインメントに特化したプロモーション映像を制作する映像プロダクションです。

2014年にフリーランスとしてgyudonが立ち上げて以来、現在に至るまでメンバーと共に多種多様な映像を制作して来ました。

現在はnanogram Inc.に所属しています

引用:https://www.whitepuzzle.jp/info より

また、現在whitepuzzleの所属するnanogram Inc.の会社方針は以下の通りになっています。なんというかこういった原作を愛してくれるような企業にアニメ化記念PVを作っていただいて感動しています。嬉しいですね。

視聴者の心に残る広告。作品をもっと知りたい、触れてみたい。
   そんな映像をご用意できることが私達の喜びです。

引用:https://www.nanogram.co.jp/service より

ちなみに牛丼さんは毎回担当したPVのことをツイートしているのですが、100カノPVのいいね数・リツイート数・表示回数は他作品のものよりなかなか多くなっています。(考察編集時で52RT・186いいね・4.8万表示)
野澤先生が引用ツイートしていたのも大きいとはいえ、PV製作の方にまで敬意を払える100カノ界隈の精神を感じました。

【あとがき】

完走した感想・野望語りが主になります。

ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。ここまで稚拙で読みにくい文章だったと思います。今こうしてこのあとがき文まで読み進めていることに頭が上がりません。また、本当にノリと勢いでめちゃくちゃな考察を続けただけですが、何か1つでも「なるほどなぁ」と思った点があったなら筆者としてそれ以上の幸せはありません。

さてここからはあとがきに添えて今回の一連の考察作業を通しての筆者の思いを書いていきます。
まずノリと勢いで書こうとした作品としてはよくやった方だと思います。やはり好きなことしてるときが一番楽しいというか、好きなことは続けられるものですね。考察すればするほど新たな良さが見つかり飽きることなく最後までやり遂げることができました。ダビデ=恋太郎と運動会と旧約聖書のつながりを発見したのは原作の先生方とPV作者さんと自分くらいではないのでしょうか。仮に原作の先生方とPV作者さんがそういう意図を持っていなかったとしても私はこれを信じ続けます。だってすごいもん。

また、考察を進めると100カノの良さを再認識できたことが嬉しい収穫です。単行本の時点でかなり読み込んだつもりだったのですが、まだ新しい工夫や発見が見つかることに原作の本気っぷりを再認識させられました。
これはファンアートを描いていても思うことなのですが、クリエイターの視点で100カノを読むと、毎回「先生方はすごい」という点にたどり着きます。1回限りの服やキャラにまで力を入れる野澤先生はもちろん、原作の中村先生の構成力や魅せ方はとても高い技術のものだと思います。昔、ギャグ漫画のコツみたいなもので、「1ページにつき1つ笑いをとる(ボケとツッコミを入れる)」というのを見たことがあります。できてるんですよねこれが。しかもちゃんとおもしろいしなんなら1ページ1ボケに収まらない。例えば、筆者は野球編に脳みそをやられている人間なので野球編を推しますが、第34話「恋太郎監督の熱血愛指導」なんかは本当に全ページボケまみれです。
結論として何が言いたいかというと「なんでも作品制作をしてみると原作へのリスペクトが高まる、もっと尊敬できて好きになれる」ということです。専用のTwitterアカウントを開いて、100カノ推し活を今もこうしてしている筆者の尊敬心は止まるところを知りません。クリエイターとして何かしてみると見えてくる世界は違ってきます。もっとも今この【あとがき】の文章まで読んでくださっている方は、自分の思いを行動に移す熱心な100カノ愛好家だと思うので必要のない文言かもしれませんが。
ただ、そんな方には新たな分野への挑戦を勧めたいと思います。作品制作となるとファンアート・小説あたりが主流になっていますが、もっといろいろな形式があっていいと思います。それこそ、#100カノファンイートというタグのような料理も良いと思いますし、イメージソングや動画制作といった活動ももっと盛んになればいいなと思います。

白状すると筆者はもっといろいろな活動を見たいのです。

ダビデ恋太郎の彫刻とかマジで作ってみませんか。
旧約聖書、西洋絵画風に描いた運動会編とかいかがですか。
オリジナルのアクスタとか作ってみませんか。
コラボカフェみたいなイメージ料理とか作ってみませんか。
やろうと思えば彼女の数だけできることは出てきます。
そしてその全て、誰かに需要があります。

欲を抑えて書くなら、社会人から中学生まで、なんなら小学生にもいるであろう読者の活動の輪がもっと広がってほしいと思うのです。アニメが放映されたらきっと新規の方がなだれ込んでくるでしょう。その時に新規の方が好きなことを堂々と見せられる環境が整っていれば、きっとそれ以上にすばらしいことはないと思うのです。

古参でもないやつが自分の欲で大層なことを語りましたが、何か響いたなら嬉しいです。この界隈ならきっとできると信じています。なぜなら、筆者はTwitterアカウントを開設してすぐ反応をいただけてフォローもしていただいたときから、ずっとこの界隈の居心地の良さを感じているからです。実はこのアカウントはいわゆるサブ垢ポジにあり、別の界隈にて出鼻をくじかれまくった本垢の思い出の下にあります(本垢とこのアカウントは双方干渉しないつもりです)。そのためこの界隈に来てどうなるかが心配でしたが、今こうして生き生きと過ごさせてもらっています。私の知る100カノ界隈はすごいです。これは断言できます。

最後に一つここまで読んでくださった100カノ愛好家のあなたに1つお願いがあります。どうか私の成し遂げることができなかった音楽面の解説をしていただきたいのです。音楽は大好きなので勉強に励んでいるのですが、天性の音感もクソもない私に採譜や曲に込められた意匠の読み取りは不可能だと思います。悔しいです。ここまで3万文字書いて音楽にだけ手も足も出ないのが悔しくて悔しくてしかたがないのです。
「文章書くの苦手!まとめられる自信ない!」、わかります。ここまで私はずっとそれに立ち向かってきて今なお思いは改まってません。ですが0より1です。それがあるだけで救われる私という者がいます。あなたのもたらすほんの些細な音楽考察で音楽無知の私たちの世界は広がるのです。文章にまとめなくとも箇条書きなんかでいいんです。あなたのその行動が私に響きます。

改めまして100カノアニメ化おめでとうございます。
制作に携わる全ての人に感謝。
そしてこれからもこの界隈を盛り上げて行きましょう。
全編けむなわでお送りいたしました。
























ところで芽衣さん×育がめちゃくちゃアツい話いつします!?!?!?!?

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