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ロンドンオリンピック 陸上男子100m 決勝の凄さ

世界の短距離の試合を数々動画で観てきた私だが、
その中でも一番好きなレースがある。
タイトルの通り、2012年に開催された
ロンドン五輪の男子100mの決勝だ。

[100mのレジェンド5人]
100m競争のWikipediaを見れば分かるが、
世界の100m自己ベストランキングでは、
ジャスティンガトリン選手が2015年に
生涯の自己ベストとなる9秒74を記録してからは、
1位から5位のメンバーは2022年現在まで
変わっていない。近年にも有力な選手は
数多く出てきており、6位以下のメンバーは
度々変わっているのにも関わらずである。

歴代1位 ウサインボルト(ジャマイカ)
9秒58 世界記録  

歴代2位タイ ヨハン・ブレーク(ジャマイカ)9秒69 
歴代2位タイ タイソン・ゲイ (米国)         9秒69
歴代4位  アサファ・パウエル(ジャマイカ)9秒72
歴代5位 ジャスティン・ガトリン(米国)      9秒74

この5人は自己ベストだけではなく、
公認で9秒7台以下のタイムを出した回数でも
歴代でTOP5に当たる。

最多    ウサイン・ボルト   12回
2番目   アサファ・パウエル   8回
3番目タイ タイソン・ゲイ     7回
3番目タイ   ジャスティン・ガトリン 7回
5番目   ヨハン・ブレーク    4回

これらの理由から、この5人は100mの選手の中でも
レジェンド」と
インターネット界や陸上界で言われる事がある。

[5強が集まった伝説のレース]
なんとロンドン五輪の100m決勝では
この5人が全員揃ったのだ、しかも3〜7レーンで
レジェンドが連続して並んでいるのである。

個人的にではあるが、
この試合の日本での実況も好きである。
「ブレーク良いスタートを切った!
           そしてパウエルも良いスタートだ!
                           ボルトが遅れている!
                                ガトリンが出てきた!
                                         そしてゲイも良い!」
といった感じである。
この年以降の世界大会の決勝ではボルトとガトリンの一騎打ちが暫く続いた為、
「ボルトか?ガトリンか?」
という実況になったが、
この時は有力選手が多い為、10秒足らずという
短い時間の中、きっちりレジェンド5人の
名前を出して的確に、
そして忙しく、勢い良く実況している様は
レースの更なる盛り上がりにも
大きく貢献していて、
さすがプロの実況者だと感じた。

レースをサイドカメラから映したスロー映像を
見ると分かるのだが、中盤まではやはり
レジェンド5人が横並びで
他の選手よりも一つ前をリードして走っている。
世界大会や五輪の短距離の動画を何度も見ている
自分からすれば、その様子は圧巻であった。

フィニッシュの様子 https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcTWTuzeIBjo2mGlKOGZekd5REHLCUPQrIby9w&usqp=CAUより


[史上最強最速の100mレース]
結果はウサインボルトが9秒63の五輪記録更新且つ
生涯のセカンドベストを出して優勝した。
ヨハンブレークが9秒75の銀メダル、
ジャスティンガトリンが9秒79で銅メダル、
4着のタイソンゲイは9秒80であった。

歴代の100mでは、世界陸上や
五輪の決勝で、9秒9を切ってもメダルが
取れないという事は殆ど無かった。

しかしこの試合は9秒79というタイムでやっと3位の
銅メダル、
更に9秒80というタイムでメダルを取れないという
前代未聞の事態となった。
しかも8人中7人が9秒台という、追い風1.5m
好条件であったとはいえ、100m競争の
歴史の中でもこれほどメンバーが豪華で
レベルが高いレースは、後にも先にも
観られないのではないか。

[奇跡]
あくまで2022年現在の時点であるが、TOP5が
同じ時代に揃っていて、尚且つ5人全員が
全盛期またはそれに近い状態で、
五輪の決勝という
これ以上無い大舞台で共に走るという豪華レースが
実現できたのは奇跡であるし、
私もこの様なもの凄いレースを
生きている内に観れた事を幸せに思う。

残念な点を挙げるなら、アサファパウエル選手が
スタートで躓いた影響で、終盤で脚を痛め
失速してしまったが故に、
レジェンド5人の
1位.2位.3位.4位.5位でのフィニッシュや
8人全員が9秒台とはならなかった事と、

タイソンゲイ選手が後にドーピング陽性反応を
出してしまい、この大会での記録も順位も
剥奪されてしまった事である。
もしこれらの点が無ければ、更に伝説のレースに
なっていただろう。

[余談]
このように、ロンドン五輪の100mは
とてもレベルが高かったが、その中には
現在の100m日本記録保持者である山縣亮太選手が
出場しており、当時の自己ベストを予選で記録し
準決勝に進出している。

決勝進出はならなかったが、
身体能力がどうしても黒人には劣る日本人で
あるにも関わらず、
更に20才という若さで、
歴代で見ても100mのレベルがトップクラスの
この年に、五輪という大舞台で
自己ベストを出し準決勝進出という、
世界に食らいつけた結果を成し遂げ、
そして現在に至るまで自己ベストを
更新し続けている彼を、
個人的には心から尊敬且つ称賛したいと思う。

[余談その2]
先に挙げたウサインボルト選手と
ヨハンブレーク選手は、
当時の練習パートナーであり
とても仲が良いそうだ。

この2人は同じくロンドン五輪の200m決勝でも
共に走り、
ボルトが金メダル、
ブレークが銀メダルを獲得している。

普段一緒に練習していて仲も良いパートナーと、
五輪という世界一を決める大舞台でメダルを争う
ライバルとして一緒に走る。

これは本人達からしても
観ている側からしても、
凄い熱く感極まる事ではないかと
個人的には思った。 
この気持ちを上手くは言い表せないが、
昔に観たスポーツ番組で、いつも一緒に
練習しているフェンシング選手の姉妹が、
全国大会の決勝で当たり、最後まで接戦を
繰り広げた試合を観た時の心の昂りを
思い出した。

[最後に]
この記事を読んでくれた際には、
是非先に挙げたレースを見て欲しい。
(下記リンク参照)

100mは陸上、もといオリンピック、
もといスポーツというジャンルの
一番の花形競技と言っても過言ではない。
その中での一番レベルが高いレースと名高い
この試合を見る事で、
「走る」という行為を昔からずっと続けてきた
人間ならば、
例え陸上競技やスポーツにあまり興味が無くとも、
言葉に表せない感動や
何か得られるものがあるかもしれない。

参考文献

100m競争
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/100%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB%E7%AB%B6%E8%B5%B0

ロンドンオリンピックの100m競争
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/2012%E5%B9%B4%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%B3%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AE%E9%99%B8%E4%B8%8A%E7%AB%B6%E6%8A%80%E3%83%BB%E7%94%B7%E5%AD%90100m

ロンドンオリンピック100m決勝動画
https://youtu.be/21CgGwRp69Y
五輪100m サイドカメラの映像
https://youtu.be/px7AKhjK2Jw

最上画像 https://youtu.be/MbeE0iU2adoより

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