夜中のできごと
娘が保育園に通っていた頃のことです。
その頃、私たち家族は畳の上に布団を敷いて、川の字になって寝ていました。
たしと主人の間に娘を挟む形です。
あの夜、あまりにもうるさくて目が覚めてしまいました。
背中の向こうから鳥がさえずっているようなピピピピチチチチという音が聞こえていたんです。
鳥で例えるなら3羽ほど。
でも、我が家で鳥は飼っていませんでしたし、背中の向こうにいるのは主人と娘だけのはずです。
振り向いて確認するようなことはしたくなかったのでそのまま寝ようとしましたが、煩くて煩くて、眠れません。
だから、私、思いきって声をかけました。
音が聞こえる方に背を向けたまま
「誰?」
と。
鳥のさえずりのような音はピタリと止みました。
そろそろと振り返って見ると、主人と娘が引っ付いてくぅくぅ眠っていました。
もちろん、他には誰もいません>
一度だけでした。
あれはなんだったのかと時々思い出しては考えます。
家の裏手に墓地があったので、誰か見に来ていたのかな、とか、ご先祖さまが見に来ていたのかな、とか、通りすがりだったのかな、とか。
真実はわかりません。
分かる日も来ないと思います。
でも、私は、ご先祖さまだと思っています。
長男にやっと子供が出来た。
そのことを喜んでいてくれたのではないかと、そう思えてならないのです。
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