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AC6はアーマードコアではないよねという話


1.私のAC歴

 AC2AA、AC2、AC3、AC3SL、ACNX、ACLR、AC4、ACfaをHard含めてオールミッション・オールアリーナクリアしてます。Sランクは挑戦してません。なので強調したい部分として5シリーズとPSの初代シリーズをやってません。ただ借りてちょっとやったとかの理由でPSシリーズや5シリーズも操作感を触っています
 どうでもいいですけど私が一番最初にやったACって2AAだったんですよね。逆に運が良かったというか、これがAC2とかだったら、AAに手出した時に難しすぎて諦めてたんじゃないかなと。逆に最初からAAだったので「ACってこういう物(アナザーエイジ並みの超鬼畜死にゲーで強アセンブル必須の殺意ゲー)なんだ」って思って何も知らずにクリアしましたし、強アセンや強プレイを容赦なく使わないと勝てなかったし、ここでACやる上での基礎を学んだ気がします。
 ちなみにフロムのソウル系、SEKIRO、人間系ゲームは一切やった事がありません。フロムゲーはアーマードコアしかやった事がないです。
 …あ、ごめんエヴァーグレイスやった事あったわ。ホラー苦手すぎてクリア出来なかったからすっかり忘れてた。


2.AC6の良かった部分

 これはダントツストーリーだと思います。個人的には歴代のACシリーズで最も良いと感じました。ただこれは個人差がある部分で、今回のACは歴代シリーズに比べて特に人間味や人の思い、意思、優しさ等のポジティブな感情を色濃く感じる代物だったので、昔ながらのAC、つまり殺伐として感情がなく機械的でちょっと最後だけ感情がチラっと見える程度の、多くを語らない管理やシステムとの戦いを描写するストーリーが良かった、という人もいると思います。ただ私はこういう人間系ゲーム(≠旧ACシリーズ)みたいな人間味あるストーリーがACにあってもいいと思ってるので、個人的に好感触でした。
 ウォルターが友人や遺志を大切にして人の思いの為に動いてる部分、最後の感情とか、今までのACシリーズならありえなかったですよね。今までのACシリーズなら優しい奴は疑えとか、絶対裏があるし基本的に騙して悪いがされる世界だったので、特殊な形とは言えここまで優しさに溢れる人間味あるACは、初だったんじゃないでしょうか。


3.残念だった部分

 まぁ~…もう言い出すとキリないんですけどはっきり一つ挙げるなら「ターゲットアシスト」の存在です。何か一つ選べと言われたらもうダントツこれです。つかこれに苦言呈する為だけにこの記事書いてます

 そもそも旧来アーマードコアって、視点変更含めた機体の360度前後上下左右あらゆる方向への移動・カメラ操作を全てマニュアルで行わねばならず、その操作の為だけに8ボタン+ジャンプ上昇ボタンが割り振られている事が、難しさの特徴だったロボットシミュレータだったんですよね。

 今じゃスティック操作やFPSが主流になって特に珍しくもなくなりましたけど、アクションTPS・FPSもあまり台頭してないような1997年に、よりによって自機の360度前後上下左右なんていう自由度の高すぎる動きをさせて、それでポンポン小さな足場を飛び乗らせて探索させた挙句敵機を視界内に捕捉し続けて撃破しろなんて、滅茶苦茶なゲームはかなり斬新だったんじゃないかと思っています。

 とは言えスナイピングFPSほどのエイム力が求められるわけじゃなく(つかFPSは自機が高速回避移動したらエイム定まらないから)、結果、アーマードコアは、完全エイム不要の3Dアクションとも、超エイム重視のFPSともどっちつかずな、カメラ操作(サイティング)と自機の回避運動を、バランス良く両方そこそこに操作しなければならないゲームになったんですよね。
 カメラ操作一切不要の3Dアクションをアクション:エイム=95:5位の比率とするなら、FPSは10:90位の比率で、アーマードコアは50:50(シリーズによって変動)位の割合でした。この、適度なサイティングと自機の複雑な三次元機動の両立を求められる操作が、本当にACのたまらなく面白い部分でした。

 ACが新作を出さない間、多くのメーカーが「ACっぽいゲーム」を出しましたけど、その多くは、ロックオン固定で手動サイティング不要なアクションゲームでしかありませんでした。だから、この「手動のサイティングで目標を捕捉し続けなければならない」という部分こそが、ACのACたる所以だったと思っています。

 だって、言っちゃ悪いけど、歴代ACの高難易度ミッションと言われてるラスジナ、専属レイヴン消去、ナインボール、セラフ、ソウルアーミー、カーパルスHardとか、こういうの、もしAC6のターゲットアシスト(完全固定ロックオン)があったら全部雑魚ですよ?それ位、アーマードコアの難易度を担保してたのはサイティングなわけです。

 ぶっちゃけ、近距離で縦横無尽に空中を動き続ける敵を常時手動のサイティングで捕捉し続けなきゃならないという縛りがないなら、ミサイル回避も狙撃回避もやりたい放題だし、何一つ難しくないですよこのゲーム。

 ターゲットアシストと言いますけど、何が起きても強制的にロック対象を画面中心に据え続ける機能なので、「アシスト」じゃなく完全なエイムBOTでありロックオン機能です。こんな機能をFPSやTPSに実装したらバランス崩壊して大問題になりますよ。上位勢がパッドばかりになってると批判されてるApexだってこんな酷い機能ついてないんでしょう。

 AC6のターゲットアシスト(完全ロックオン)については殆どデメリットなく一切のサイティングとエイムが不要になる強力すぎる代物なので、他のTPSだったら大炎上してるような代物です。こんなものを実装した時点で、これはアーマードコア(TPS)じゃなくSEKIRO(シューティング要素のない単なる3Dアクション)なんです。人間が絶対不可能な反応速度で三次元高速機動する相手を、近接状態でも一切遅延なくカメラ追従するのは流石に駄目でしょゲームとして…。

 最近同じく問題視されたものだとスト6のモダンタイプがありますが、あれにはきちんと「必殺技のダメージが80%になる上に強弱固定になる」「一部の必殺技がコマンドで出せなくなる」「通常攻撃の半分が使えなくなる」「クラシックのコンボの多くが使えなくなる」等のデメリットが付随しています。
 
その結果、スト6の上位勢はほぼクラシック、またはコマンド入力ありのモダンであり、結局本当にコマンド入力を一切してないのなんてモダンリリー位のもんです。AC6みたいに上位勢全員アシストONみたいな異常な状況にはなっておらず、一部の層から不満は出ても、ある程度全体的にバランスは取れてるように思われます。
 キャラによってモダン適性も全然違うし、そもそもコマンドやコンボの難易度も全然違うので、「このキャラはモダンが強い」「このキャラはクラシックじゃないとほぼ無理」「このキャラはクラシック必須だけど比較的簡単」みたいに色々なバリエーションが新たな戦略として生まれてるんですけど、AC6のタゲアシは1mmたりともゲームとして深さがないです。単純にゲーム性を破壊しただけです。

 スト6は今じわじわと大きく盛り上がっており、歴戦のプロゲーマーが有名配信者にコーチングする等、旧プレイヤーと新規勢との間でリスペクトがきちんと生まれているのに、AC6は旧サイティングに適応できなかったプレイヤーがサイティング好きのレイヴンを「老害」呼ばわりしまくっているという、終わりに終わった界隈になっています。大きく盛り上がっているスト6と、一瞬話題になって消えたAC6とで、どこに差があったのか、本当にシンプルに旧シリーズの技術を積み上げてきた人間を蔑ろにしたからですよ。
 スト6の初動売上ってAC6より遥かに低いのに、ここまで右肩上がりに盛り上がってるんですよ?
 プロゲーマー達は謙虚に「コマンド緩和は仕方ない事」と余裕を見せた発言してましたけど、それはきちんとコマンド入力に大きなアドバンテージがあり、旧プレイヤーのテクニックにきちんと「リスペクト」があったからです。これがAC6みたいに一切のコマンド廃止、コマンド入力に一切のメリット無し、通常攻撃もコンボも全部ワンボタン、完全スマブラ化までやってたら、旧格ゲーマー達を老害呼ばわりするリスペクトのない世界に必ずなってましたよ。AC6のように。
 ちなみにスト6の今回のストーリーモード(アバターモード、ワールドツアー)はそこそこ力が入って作られてますけど、当然オフラインストーリーでもモダン操作にはデメリットがついてます。

 特にアシストの有無で深刻なのは攻撃面よりも防御面・回避面で、アシストONだと視線が敵に追従するおかげで、方向キーを一方方向に入れ続けるだけで人力不可能な超高速旋回を含んだ複雑な回避動作が自動で発生し、ストーリーミッションには事実上これによる回避を前提としたボスが存在します(レイヴンの火、3週目ラスボスの近接攻撃、車輪野郎等)。
 敵機を視界で追うのはサイティング技術で埋められるけど、アシストON状態の超高速旋回回避は人力では出来ません。
 端的に、スト6のモダン操作とAC6のタゲアシは、デメリットの有無で大きな差がついてるんですよ。


3.1.ターゲットアシストOFFの恩恵が小さすぎる事

 ただまぁ、サイティングTPSの本質を一切没却するようなターゲットアシストが実装されてしまった理由も、理解できなくはないです。なぜなら売れないし、多くのフロムファンが求めてるのはアーマードコアじゃなくSEKIROだからです。

 上に書いたように、旧来のアーマードコアは、そこそこのサイティング(エイミング)とそこそこの三次元的回避運動の、両方を求められるゲームでした。このFPSとも3Dアクションともつかない中途半端なゲームを求めてる人が、少なすぎるんです。しかもロボットゲーで。

 だから、完全に旧アーマードコアのサイティング派を切り捨ててSEKIROタイプの単なる3Dアクションに舵を切ったのも、分からなくはない。なので、ターゲットアシストON状態でオールミッションクリアが可能なバランスに仕上げた事は、仕方がないと思う。

 ただねえ、ターゲットアシストOFFにする恩恵があまりにも小さすぎる。結果あらゆる場面・あらゆるプレイヤーにとって常時ターゲットアシストONの方が強く、しかもターゲットアシストONしか想定されてない難易度バランスでゲームが作られてるので、『ターゲットアシスト常時ONでもクリアできるゲーム』じゃなく『ターゲットアシストをONにしないとクリアできないゲーム』になってるわけです。これはあまりにも酷い。エイムBOTが強すぎて手動サイティングを切る事がプレイヤースキルとして語られるゲーム、聞いた事ないですよ。エイムBOTを有効にしないとクリアできないゲームって時点で、厳しい言葉を使えばTPSの面汚しじゃないですか。

 「何でターゲットアシスト入れないんですか?」とか「ターゲットアシストという新機能を使いこなす事こそがプレイヤースキルでしょ?」とか平然と言われてるのが本当に不愉快。サイティングの面白さを求めて10年アーマードコアを待ったのに、100%固定の視点追従だったらアーマードコアじゃないでしょ。

 どこの攻略解説見ても「手動サイティングはやめましょう」みたく書かれてる時点で、シューティング要素ゼロですよこのゲーム。

 一応、ターゲットアシストOFFにすると照準追従性能が上がるらしいですけど、その性能はFCSを換装する事でも上げられる(しかもFCS換装の機体負荷はほぼゼロ)し、そもそもAC6をやっていてターゲットアシストOFF状態なみの照準追従性能が必要になる場面が一か所たりともない。というかアシスト切っても殆ど追従上がらないのでACサイズの相手だとミスしまくる。アシストONと何が違うん?って感じ。何なら手動サイティングだと画面がガクガク動くのに、アシストなら常時滑らかに敵が視界中央に固定し続けるから、ブレが少なくてアシストONの方が命中率が明らかに高いほどです。ふざけてますよ流石に。

 大体、高い照準追従性能が必要になる相手(小型の超高速機動機)は手動サイティングが苦手とする相手なので、苦手な相手にアドバンテージ付けましたと言われても何の意味もない。それは手動サイティングの弱点を少しだけ改善しただけで、ターゲットアシストに対する強みを作ったとは全く言えない。

 そもそも現状猛威を振るってるカーラミサイルとかの強武器はミサイルであり、ミサイルに照準追従性能低下は一切関係がない。酷すぎる。

 もっと直接的に常時ターゲットアシストOFFが有利になるような強化補正、機体速度が上がるとか、消費ENが下がるとか、EN回復遅延が下がるとか、Wトリガー乱射時の集弾性が上がるとか、連射性能が上がるとか、ボタンおしっぱでもチャージor単発撃ち連発してくれるとか、もっと言うならもう直接的に威力と衝撃が上乗せされるとか、衝撃安定性能が1.5倍になるとか、そういうのなら分かるけど、「超小型の超高機動相手にちょっとだけ当たりやすいですよ」と言われても普通は「何言ってんの?」って話になります。

 例えば、ターゲットアシストが一切使えなくなる代わりに全ての機体性能が向上するOSチューニングとか、そういうのを実装してれば事足りた話じゃないの?それなら戦闘中にアシストON/OFF出来ないからバトルバランス調整も難しくないしさ。既に対戦はアシストのせいでゲーム崩壊してるのでアシスト無効にしてくれって言われてるよね。でも私は対人興味ないので、オフラインミッションでもアシストしか考慮されてないの普通にTPSとしておかしいと思う。

 世界中探して、たった一人でもいいから「ターゲットアシストOFFで、ONの時より強くなる動きが出来てる」プレイヤーがいるなら教えてほしいです。ターゲットアシストOFFで強いプレイヤーはONにしたらもっと強いのであって、OFFの方が強くなる状況が一つたりとも想定できないので。

 これについて「ターゲットアシストが強すぎるなら調整すればいい」って擁護してる人いますけど私は否定的です。まず正直、対人ゲーでもないAC6でそんな細やかな調整がしてもらえるとは全く思えない。仮に対人向けにちょっとだけ調整されたとしてもオフラインミッションには殆ど影響がない。

 私みたいに「ターゲットアシストOFFの恩恵を強めてほしい」なんていう全体の1%以下の旧作レイヴンの声が通るとも思えない。なぜならプレイヤーの99%以上を占めるソウル系ゲームのプレイヤーはこのターゲットアシスト優遇のTPSとして崩壊したゲームバランスを望んでるからです。事実、大多数のプレイヤーは既に「じゃぁターゲットアシストONにすればいいじゃん」って言ってますよね

 そもそも、現状のターゲットアシストは強すぎて、ナーフしない限りはアシストOFFの強化補正を余程滅茶苦茶に引き上げないとオフラインミッションですらバランスが取れません。今からアシストOFF時に全機体性能が1.5倍になる位の補正かけるんですか?それ位やらないとバランス取れない程にターゲットアシストは強すぎるわけですけど、出来るわけないですよね。だから詰んでるんですよ。一方アシストをナーフする調整だとオフラインストーリーすらクリアできない人が続出するし、そもそもナーフ調整はやるべきじゃないと思ってるし炎上するのでやってくれるわけがないんです。TPSとして完全に破綻するほど強力な無制限エイムBOTを実装した時点で、詰んでるんですよこのゲーム。

 面白くないんですって、一切サイティングが要らないゲームは。別に鬼畜ゲーがやりたいわけじゃなく手動でサイティングする方が面白いし手動でサイティングしないのはアーマードコアじゃないからアシスト切ってるだけなんです。なのに何で、アシストONの超絶ヌルゲーをクリアしてる人達に比べて、我々がこんなに辛酸をなめなきゃいけないのか。我々はただ、「アーマードコアを」プレイする為にアシスト切ってるだけなのに。

 なのに嫌ならアーマードコアやめろ、エイムがやりたきゃFPSでもやってろと言われるのは火を見るより明らかなわけです。アシストに頼ってる分際でイキんないでほしい。

 AC6の難易度バランス・ゲームバランスについて、ツイッターでもYoutubeのコメントでも、そこら中で批判の声に「文句言ってるのは新しい物に対応できない老害!」と暴言吐いて封殺してる様子が見られますけど、ゲームプレイヤー界隈として端的に終わってるし、少なくともアシスト入れてるような人達がその発言をするのはおかしい。だってそもそもアシスト入れたら難しくないじゃんこのゲーム。

 ゲーム業界全体としてみれば、サイティングと三次元的回避運動の両方が同時に要求される旧アーマードコアは異端も異端で、こうなるから、一切サイティング不要の単なる3Dアクションに舵を切るのは慎重になってほしかったのに。

 元々TPS要素があるからアーマードコアだったはずなのに、フロムが一切TPS要素のないアクションであるソウル系SEKIRO系の人間ゲームを出しすぎた結果、TPS要素を望んでる旧式のAC乗りがむしろ異端児として「老害」とか思われなきゃいけないの、おかしすぎじゃないですかね。もはやフロムプレイヤーの大多数派となってしまったサイティングできないのにイキるような人々に、そんなに便宜を図らないといけなかったの?

 後述のようにブーストキックがほぼターゲットアシスト前提の専用攻撃手段になってしまってる事なども考えると、ターゲットアシストOFF状態に対して相当強い性能上昇修正をかけないとバランスが取れません。



3.2.開発はAC6をソウルライクにはしないと言ってたはずである事

 いっそもうアーマードコアは作りませんとか、作ったとしてもSEKIROやソウルみたいなゲームになりますって言ってなら分かります。でもほかならぬ開発自身が、AC6をソウルライクにはしないって言ってたじゃないですか。

 フロムははっきりと機体を「自由に動かせる」事が「ソウルライクでない」アーマードコアの特徴と述べており、普通に考えればこれは「自力でサイティングする事」つまりTPS要素のある旧来のアーマードコアを指しているとしか読めません。カメラ操作を一切せずただ完全ロックオンに任せて三次元的回避操作「だけ」をやるなら、SEKIROでいくらでも出来るし、アーマードコアの操作方法の特徴だとは全く言えません。この時点で、開発側の定義からしても、現状のAC6は単なるSEKIRO・ソウルライクな3Dアクションであり、アーマードコアではないはずです。

 だって、完全視点固定でサイティングもエイミングも不要で自キャラを上下左右前後に動かすだけの方が常時圧倒的有利になるなら、動きの自由度はSEKIROと同等か、それ以下じゃないですか。何をもってこれが、旧アーマードコアを特徴づけるほどの操作自由度だと述べたんですか。

 他にも、フロムはインタビューで、アシストOFFなら照準追従が上がるので、熟練の傭兵ならOFF状態でスーパープレイを見せてくれるはずだ、とかアシストOFFに恩恵があるかのような事を明言してるわけですよ。

 でもどう考えてもおかしいんですよ。現状のターゲットアシストのデメリットの小ささだと、最低限キーマウで敵機を一生マウス追従する位のエイム力がアシストOFFの前提になりますけど、フロムソフトウェアは、AC6以前に、一度たりともキーマウプレイ可能なアーマードコアをリリースしてないんです。その「熟練の傭兵」達は全員パッドでアーマードコアをやってたはずなので、少なくとも、パッドのエイム力程度でも十分にターゲットアシストOFFの強みが出る位、アシストOFFの恩恵が大きくなる調整・設定をしないといけなかったんです。

 非常に厳しい言い方をしますけど、ターゲットアシストOFFのメリットをここまで小さくした開発陣は、今までフロムが一度たりともマウスでプレイできるアーマードコアをリリースしていない事を、知らなかったのでは?と思わざるを得ないです。


3.3.エイムBOTがあるのに、ノンターゲットの強力な攻撃技がある事

 さらに輪をかけて酷いのが、ターゲットアシストという超強力なエイムBOTがあるのに、ブーストキック、アサルトアーマーといった強力なノンターゲット攻撃スキルが存在する事です。

 ターゲットアシストOFFだと特にブーストキックを当てるのは困難を極めますけど、ターゲットアシストONだと常時強制的に自機が敵機を追従するようになるので、静止してる相手になら簡単にブーストキックが当たるようになります。事実上、ブーストキックはターゲットアシストON時の専用スキルだと言わざるを得ません。ACVの時は大幅にゲームスピードが落ちたのでノンターゲットのブーストチャージも当たりましたけど、ゲームスピードが上がったAC6でブーストキックを安全に当てるには、エイムBOT(ターゲットアシスト)使わないとほぼ無理です。アシストOFFでブーストキックミスったら、敵の後ろにすっ飛んで通り過ぎてしまいますからね。

 完全ノーロックの非アシストキックと、完全追従ロックのアシストキックが同等だと言えるようにするなら、アシストOFFのキックは威力と衝撃力1.5倍くらいにしてくれないと同価値にならないとおもうんですが。

 更に、AC6で実装された「スタッガー」の概念も悪い方に働いてて、しかもブーストキックは衝撃が高すぎてスタッガーを延長できると言われてるので、スタッガーの時のみ、両手が射撃武器で埋まっててもキックで大幅なダメージとスタッガーを上乗せできるターゲットアシストは、あまりにも強すぎるわけです。

 ここまでターゲットアシストON状態の方が全ての面で優遇されるシステムにして、本来TPS要素があるゲームだったはずのアーマードコアとして、何かおかしいと思わんかったのかな…。


3.4.ターゲットアシストOFFにする事に対し、何のリワードもない事

 フロムは「熟練の傭兵ならOFFでスーパープレイを」とか言ってますけど、アシストOFFにする事に何のリワードもなく、しかも動画見てもかなり詳しい人じゃないと「あっこの人アシストOFFだな」という事が分からないので、大多数の視聴者にとってはアシストONの動画の方が見栄えがいいしスーパープレイに見えてしまう状況で、何をもって、歴代のアーマードコアを支えてきた熟練プレイヤー達が、アシストOFFのスーパープレイを見せてくれるなんて思ったんでしょうか


 現状、ターゲットアシストを切る事には一切のメリットがなく、ただただマニアしか理解できない縛りプレイでしかない状態で、上手い人ならギリギリOFFでもクリアはできるけど…できるけどさ、

 悪い言い方しますよ?本当に、「この人アシストOFFじゃ絶対クリアできないだろうな」みたいな人がアシストONの超絶ヌルゲーでクリアして、歴戦のレイヴンがアシスト切って誰にも理解されない縛りプレイで死ぬほど苦労してクリアした挙句、動画撮ってもアシストONの人のがカメラ吸いつきブレード切りまくりキック当てまくり超絶スーパープレイに見えてしまう一方、アシストOFFの歴戦レイヴン達の動画は延々中距離射撃してるだけで見栄えも悪く見向きもされない、という現状が、あまりにも、あまりにも、歴代のアーマードコアをプレイしてきた人達に対して、これほど酷い仕打ちはないよ。

 挙句、アシストONでクリアしたような人々が、アシスト切ってるから苦労してたり難易度に文句言ってるような旧来のレイヴンに「文句言ってるのは老害!」とかわめいてんの。民度終わりすぎでしょマジで。アシスト切ってから物言ってほしい。

 私は最初から3週目まで全ミッションクリアに一切ターゲットアシストを使わなかった開発陣いわく「スーパープレイ」の一人らしいですけど、私のクリア動画が、スーパープレイに見えますか?ただ延々サテライトして延々中距離射撃して手動エイムして何時間もかけて倒してる私の動画が?絶対見えないですよ私から見ても。アシストで一生ロック吸いつきスタッガー近接コンボで瞬殺してる動画のがよっぽどスーパープレイに見えますもん。

 アシストOFFできちんと大幅に機体性能が上がるとか、クリア評価が上がるとか、何らかのリワード(報酬)があるならアシストOFFにするけどさ、現状、アシストONのが遥かに「上手そうに見える格好いい動画」になって、むしろアシストON維持するのが上手いプレイヤー、アシスト切るのは情弱で下手なプレイヤーみたく言われてるの、手動のサイティングを楽しんでた旧作プレイヤーに対して、流石に酷いですよ。

 「難易度が高すぎて自由度がなくダクソみたいになってる」という批判には、「手動でサイティングを楽しめないほど難しくなってしまっている」という感情も含まれてるんじゃないんですか。だってターゲットアシスト前提の難易度に設定したからこうなったんですよ?アシスト入れたら難しくないよこのゲーム。だとしたらアシストONにしてるような人達が、その批判に文句言うのはお門違いだよね。手動サイティング前提の難易度設計にしたらこんなに難しくならなかったんです。開発ははっきりと「ターゲットアシストで常時敵機を捕捉できる前提で難易度調整しました」って言ってるんだから。


 皆が平等に難しいなら納得できるんですよ。「本来のアーマードコア」を楽しみたくてターゲットアシスト切ってる旧来のレイヴンが死ぬほど理不尽な難易度を感じてて、SEKIRO化する事を何の疑問に思わずアシスト入れて数10倍位ヌルゲーになったAC6をクリアしてる人々が旧来のレイヴンを罵倒して煽りまくってるのが、普通に許せないしプレイヤーの民度として不健全極まりないんですよ。何度も言うけどアシスト入れてる分際でイキんないで下さいマジで。

 フロムは、何を思って、アシスト入れてる分際でイキって旧レイヴンを煽るような人々と、旧来のサイティングありのアーマードコアを楽しみたい人々を、住み分けさせず共存させようと思ったのか。一番共存させちゃいけない人達を合わせてるよね。

 端的に、開発が「サイティング」という技術の価値を低く設定しすぎたせいで、元々サイティングが苦手な事にコンプレックスがあった界隈や、価値の無くなったサイティングという技術を煽る事しか頭にない元々民度最悪だったフロムゲー界隈が重なって、アシストONにして旧レイヴンを煽りまくってる最低な状況が今のAC6なわけです。旧作でサイティング楽しんでた人々を何だと思ってるの?

 今も、AC6は「ターゲットアシストのおかげで煩わしいサイティングから解放された!」と方々から大絶賛されてるわけですけど、それってつまりサイティングを楽しむゲームだった過去作ACどれも面白くなかったとDisってるに等しいですよね。過去作ACが嫌いだった人々に最適化されて絶賛されてるゲームの、どこがアーマードコアなんでしょうか。
 開発のみならず、「煩わしいサイティングにこだわるのはSEKIRO化に対応できない老害!」とか暴言吐きまくってAC6を絶賛してる方々、その「煩わしい」サイティングが楽しくて練習してた人々がいた事、ちょっとでも考えた事あるんでしょうか?

 一度生まれたものは簡単には死なないと言うけど、アシストOFFのクリアにリワードすら用意できず、旧作のサイティング派に最低限の便宜も図れない一方、旧サイティングが嫌いだったプレイヤーやSEKIROダクソプレイヤーには徹底的に便宜を図り、彼らが無双してイキれるようにゲームを作った実態に、アーマードコアは死んだんだと感じざるを得ませんでした。仮に全ミッションのアシストOFFクリアをトロフィーに加えてたら、彼らの何%がトロコン達成できたでしょうね?

 AC4でもオートサイティングが導入されましたが、結局オートサイトは弱体化され、自力でサイティングする事こそアーマードコアであるとしてACfaでは大した効果のない補助効果に引き下げられたんですが、今のフロムにそんな調整は無理でしょうね。

 正直ねえ、ターゲットアシストの類を実装しなかった、自力で敵機捕捉の必要があったデモンエクスマキナの方が、よっぽどアーマードコアでしたよ。これは、アーマードコアではなくSEKIROだよね。

 今となってはもう、デモンエクスマキナの次回作に期待する事、デモエクの次回作がAC6のような一切シューティング要素のない固定ロックオンつきの単なる爽快3Dアクションになってない事を、祈る事しか出来ません。

 私のサイティングはこんな感じですけど、ひたすらサテライトして、ある程度相手の動きに視線を追従するだけの、ノーマルACですよ。


他の不満点

 まぁ後は皆言ってるような事なので私が言及するまでもないかなとは思う。

  • スタッガーシステムのせいで機体の防御値に殆ど意味がない事

  • 加えて機体重量が軽いほど体幹回復スピードが上がる事や、体幹回復の条件が「一定時間ダメージを受けない」であるせいで、中~重二に比べ極端に軽二の耐久が高い事(まぁ重二が弱いのは殆どのACシリーズ毎度の事だけど)

  • スタッガーシステムや、チャージやキャノンが手武器でも硬直する仕様のせいでライフル等の殆どの中距離標準射撃武器が死んでる事

  • 中距離以上だと弾丸が弾かれて体幹削りができない関係で中距離射撃に何の価値もない事(結局手動サイティング困難な超近接戦闘で弾を打ち込むしかなくターゲットアシストしか全く考えていないバトルデザインになっている事)

  • それに加え、大幅強化されたブレホやターゲットアシストのせいで近接武器(ショットガン等含む)が強すぎること

  • 近接攻撃が強すぎる関係で、唯一近接の死角である上空に大したEN消費もせずホバリングしてチャージ・キャノンを構え無しで連射する四脚が強すぎること

  • また硬直もしないスタッガーしづらい挙句ブースト速度も高いタンクが強すぎる事。

  • ようは中距離から延々地味な射撃を垂れ流すAC3以降のW鳥の見栄えが悪すぎ、高速近接戦闘でブレード切りまくりの方が見栄えが良く視聴者が集まるからこういうデザインになったんだろうが、見栄えのために旧ACのプレイヤーを切り捨てる行為にしかなっていない事

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