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Vol.11-「令和2年7月豪雨での球磨川氾濫の水害被害」インタビュー ”自助と共助”

前回は「想定外」に備えておくについてお話ししました。今回は自助と共助、地名の由来についてです

自助と共助

「道路が使えないことも想定するし、橋が流されたら渡れないということも想定しておく。“自助”ということを言われていますけど、100%の人ができるわけではないので、できる人が自助で備えておいてその備えを“共助”ということでみんなで助け合ってという流れを作っていく必要がある。地方であればあるほど少子高齢化でパワーが少ない、消防団さえもなかなか組織できないので外部の方に入ってもらわなくちゃいけない。そのためには自分のモバイルスマホとか電源は確保しておかないといけない。結局は情報発信力が強いところに支援は集まるので。そこの地区に情報発信力があるかどうかということはやっぱり大事なことだと痛感しています。」

国道や橋梁が使えなくなる前提で、普段使わない山道を使えるようにしておく。バッテリーは地区ごとに分散して水没しない場所に備えておくなど、水害被害と1ヶ月間の停電を経験され、たくさんのボランティアに支援していただいたからこその道野さんの思いだと感じました。

地名の由来

地名には歴史が刻まれていると昔からいいますよね。気をつけなさいという先人からのメッセージなんです。それにお堂とかお寺・神社も災害に遭いにくいところ安全なところに作られています。何百年も前から残ってきたことろで、先人の知恵というか、その土地の災害の歴史を知ること、あるいはハザードマップをつくるだけでなく想定外で最悪の状況を前提にした避難訓練をしなくちゃいけない。あるいは学校とか病院とか公共施設を巻き込んでおくことも大切ですし、地方でどういう風に災害に対応できるのかというのは情報発信力がキーになってくるんだろうなとは思っています。」

情報発信力をもつということ

被災したときから動画を撮って残しています。まず何よりも動画を撮って全国に被災の状況を発信する、そして後世にも残そうと考えました。妻と二人でバッテリーがなくなるまで繰り返し撮影して、自衛隊の方が来られた時にスマホに充電させていただいて、”今こういう状況ですよ”と情報発信をしました。そうするといろんなマスコミメディアの方に生放送で電話をつないでいただけることになり、坂本町の当時の状況を伝えることができました。」

「今災害から3年が経とうとしていますが、坂本町では当時どんなことが起きたのかを皆さんから聞いて写真を集めているんですよね。何月何日何時、どの場所から撮ったというジオタグ(※)をつくっていっています。」

※ジオタグ:ジオタグとは、写真や動画、SNSの投稿などのメディアに追加できる、位置情報(緯度、経度)を示すメタデータのことです。ジオタグはスマートフォンやデジタルカメラなどのGPSを活用したもので、データのファイル保存やネットワークで送受信する際に、付加情報として位置情報が追加されます。撮影後にジオタグの後付けも可能。

インタビュー#12につづく

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