見出し画像

Vol.2-「令和2年7月豪雨での球磨川氾濫の水害被害」インタビュー “自宅への浸水と垂直避難”

前回は「令和2年7月豪雨での球磨川氾濫」の概要をお話ししました。今回は道野さんのご自宅が浸水して垂直避難されたときのエピソードです。

午前5時 2回目の浸水

「夜半からの雨がおさまり午前4時台に床下浸水をして、水が引いたので泥だしをしていたら午前5時台に一気に水が上がってきて、どんと。それまで祖母や近所の方々からも"大雨がくるとここまで水に浸かる”と聞いていたので分かってきてその家に住んでいたので、大事なものは事前に高いところに置いていたけども、今回の2回目の浸水は一気にどんと。」

「みなさん(時間的余裕はなかったので)、物を避難したりくるまを避難することはできず、まず自分の命を守る。周りの高齢者にも声をかけてとにかく高台に避難する。そのことで精いっぱいだったことを覚えています」

思い出も守る

水深が30cmになると歩行の自由を奪われるため避難所などへの避難はあきらめ、2階などへ垂直避難をするほうが安全です。これまで豪雨被害を数十年に一度受けている球磨川流域に暮らす道野さんは浸水被害の可能性に備え、大切なものはあらかじめ高い場所に置いておくなどの備えをされていました。しかしそれでも令和2年の豪雨では、一旦おさまったかに見えた浸水が再び起き、しかもその水かさはこれまで経験したことのない高さまで達したそうです。

まず命を守ることは最優先です。しかし水害後の復旧段階ではこれまで積み上げてきたものを失った悲しみやそのことからくる辛さと向き合うことになります。写真や思い出の品などの大切なものも守ることができたら、大きな心の支えになります。道野さまはお子様が大好きだったご自宅のくるまも水害で失われました。お子様がひどくがっかりされたので、水没した自家用車と全く同じ車種のくるまを買い直されたそうです。

「思い出の品」を改めて思い浮かべてみると、たくさんのものが思い出されました。その品々をどうすれば守れるのか、水害に遭う前に備えておきたいです。

インタビュー#3に続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?