見出し画像

令和5年7月豪雨 秋田市での水害被害報告4(東通でのインタビュー)

2023年7月19日から20日にかけ現地にて豪雨の状況をお聞きした内容を報告します。今回は19日に秋田市東通(太平川付近)の秋田市東地区コミュニティーセンターにて水害被害のインタビューをさせていただいた内容です。

くるまを逃す

「19日、家の前まで水が来てから『危ないな』ということでちょっと高めのところに車を移動させに走りました。けれども量販店などの立体駐車場は早く動いた人がみんな使っててすでにもう入れないんですよね。なので近くにある学校や公園がちょっと高いので学校に運んだりしてたんですけど、行く途中の道路はすでに冠水してたので、くるまが水に浸かりながら走ってたりとかしてましたね。当然わたしのうちにも結構水が来たので近くでちょっとだけ高いところにくるまを逃がして何とか難を逃れました。けれどやっぱり行く途中、水深が深くなってしまってるところがありました。」

ハザードマップとくるまの避難ルート

「ハザードマップってありますけど、自宅の水没の深さとか避難所の場所を確認しておくようにとか言われてますけど、くるまを避難させる目線で見ることってないと思うんですよ。実際水害があって初めて『あの立体駐車場に持っていこう』とか『あの公園に』とかって考えるんですけど、どのルートを通れば冠水していないとかって前知識がないので、すごく時間がかかったり、目的地が定まらないままうろうろすることがあるんだと思います。もし前もってルートを確認していないのであれば、警戒レベル2くらいの水害になる前に避難させること。もし水害にならなかったとしてもそれはそれでよかったと受け止めることが大事なんだと思います。」

「この辺りは内水氾濫がおきて冠水したんですが、太平川も氾濫したので普通に川みたいな流れもありました。なのである程度くるまが流されないで留めておける工夫は必要かもしれないですね。今回の規模の水害は誰も想定していなかった地域なので、みなさんびっくりしたと思いますし、排水インフラ整備は簡単には進まないと思います。となると毎回浸水したような地域にお住まいの方々にとってはくるまをカバーして被害を受けないようにするようなものはあった方がいいんじゃないかなと思います。」

100年に1回の豪雨

「猿田川が今護岸工事もされていてるんですが、今回の大雨はそれを超える水の量で誰も想定していませんでした。インフラの整備で基準になる水量は過去の時間降水量が一つの参考になると思いますが、今回のように例年の1ヶ月分の雨が1日で降るような水量となると雨水の排水許容量が変わってしまうのかもしれないですね。河川整備の基本ってだいたい50年に1回ぐらいの大雨に備えるという基準でやってますけど最近100年に1回のが出てきてるのでそうすると50年に1回の整備が完成したとしても雨水の排水は間に合わないこともあると思うんですよね。河川整備って費やすお金と時間の規模が大きいですから、頑張って河川の整備をしていくということが本当にいいのかどうかというと、ちょっと分からなくなってきます。」

「ただ避難所に避難されている方は、あっという間に自宅に水が入ってしまった方で、当時どんどん浸水してくる水に恐怖感を感じて何も持たずに辛くも避難所に避難して来られた方々なんです。もちろん車の心配も大いにありますけど、実際にくるまの水没対策をする時間はなかったんじゃないかなと感じます。命を危険から守るので精一杯だったんじゃないかなと思います。」

路上に放置されている水没でレッカー待ちになってくるま

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?