見出し画像

「豪雨の予感」第24話(水害被害ストーリー)

愛子の自宅は第二寝屋川沿いに立つ3階建である。自宅の南側の部屋からは眼下に第二寝屋川がみえる。増えていく水の量も具に確認することができる。今はそこに架かる上城見橋の橋桁を増水した川の水面が掠めている

みおのスマホに着信が鳴った、愛子からの連絡である。
「お母さん電話!愛ちゃんから」
「ごめん、すぐいくから健斗代わりに電話でてくれる?」
「オッケー。もしもし愛ちゃん?」
「健斗?お母さんと一緒なんや、今いえなん?雨すごない?いえは大丈夫??」
「うん、お母さんと一緒で今いえにおる。いえも大丈夫やで。愛ちゃんは大丈夫?」
「こっちも大丈夫、友だちもみんな学校で避難してる、ってゆうか電車は運転見合わせしてるから帰られへんねんけどな。そのあたり雨は凄ないん?」
「めちゃめちゃ降ってる。10時ごろに帰ってきたんやけど帰り道、通学路にあるマンホールからゴボゴボ茶色い水が溢れ出てて、赤色のレンガの通学路はくるぶしくらいまで冠水してた。学校の運動場も冠水してたし、飼育小屋が水没しそうやったから避難させてきた」
「そうなんや、うちに帰ってくるの大変やったんやな、お母さんは?」
「かわるな、お母さんー」

「学校どんなかんじ?え、そうなんや、天守閣がそんなに!佳奈ちゃんは大丈夫?」
「うん、佳奈ちゃんは相変わらず元気で仲良くしてるし、おうちは真田山やから、学校とおんなじで上町台地の上やから大丈夫やって」
「そっか、よかったな」

「お母さん、いまお母さんが震災に遭ったときに思ってたって言ってた『備えとかなあかんよ』ていうのよくわかったし、家族や友だちの大切さとか電気がついてトイレが普通にできるとかのありがたさ実感してる気がするねん。それにいつもお母さんが災害に遭ったときのことを話ししてくれてたから慌てずに落ち着いていれるんやと思う。ありがとう」

第25話に続く
(このストーリーは実話を下にしたフィクションです。一部実在する名称を使用しています)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?