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パワーすぽっと

この世で一番好きな本屋、MARUZEN&ジュンク堂渋谷店の閉店を知ったときは放心状態になった。
広いワンフロア、重厚感ある本棚がずらっと並んでいて図書館みたいな本屋。
ここで何冊も本を買ってきたし、友人と自費制作で作った雑誌を初めて販売してくれたのがこのお店だった。
いろんなジャンルの棚をわたり歩いて、本を選んでいるだけで不思議と元気が出てくる。自分にとってここはパワースポットだった。

できるだけ、紙の本はこの渋谷店で買おう。
とくに土日の夕方はレジは大行列で、20分近く並ぶ。「これだけ売り上げがあれば大丈夫だろう。こんなに本を買う人がいるなんて希望だな」と、思いながら、微力すぎるけど売り上げ貢献をする気持ちで自分もレジによく並んでいた。

東急百貨店本店の営業終了にともなった閉店なので仕方ない。
とはいえ、自分にとっては大事な充電場所を失って困ってしまう。

大型書店なら他にもまだ東京にはたくさんあるじゃないと言われるかも知れないけど、なぜかジュンク堂渋谷店のように同じようにワクワクしない。
ワンフロアが広くないとか、昔より店内に活気がなくなってしまったお店とか、色々な要因があり充電作用が生まれない。

なんとか新しい充電場所を探しているうちに、今は二子玉川の蔦屋書店が新しいパワースポットとして通っている。
二子玉川、今まであまり縁のない街だったけど最近は行く頻度がぐんとあがった。

紙の本はできるだけ、二子玉川で買う。
スタバでコーヒー飲みながら、さまざまな本を物色する時間が至福のとき。
どうか、この場所が突然なくなったりしないように。

本屋ではAmazonでは、出会いづらい本と出会える。ずらっと並ぶの本のなかから、潜在意識が欲している言葉を探す。宝探しのよう。これが大型書店の醍醐味。

たくさんの本棚から今の自分に必要な本にたまたま巡り合ったときは、タロットカードを引く感覚とすごく似ている。
直感で吸い寄せられたベストな本。その一冊が人生観に大きな影響を与えることがある。
Kindleで買う頻度も上がっているけど、やっぱり紙でも買わないと。

今渋谷のスクランブル交差点から、東急百貨店の方を見ると、建物がなくなっていて、すぽっと穴ができたように空が見える。
それを見るたび、胸が切ない気持ちで締めつけられるが、今までたくさんパワーをチャージしてくれてありがとうという感謝も同時に湧いてくるのだった。

【本日のタロット】
本日のタロットは、カップの10。
最近個人的によく引くカード。
小アルカナ10は最後の数字。
満たされた先に虹が見えて、また新しいサイクルへと突入していく流れ。

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