見出し画像

37暇話5・農業機械

上の画像は、懇意にしている農機会社が一度試しに使ってみて欲しいという事で、デモンストレーション用の農耕トラクターを貸してくれた。巷で使用する農業者が少ないメーカー製であるが、性能は最高であった。電脳制御で楽ちんは良いのだが、動くのが不思議な45年経過のクボタユーザーの私は、その価格を聞いてビックリした。作業の仕上がりは45年経過のクボタとは変わらないが、余計な神経や小細工的操作をしなくても、機械任せでボーッとしていても、仕上がりがきれいにできる。欲しいけど、買ってもいつまで続ける事ができるか分からない状態での購入は無謀と思い、現行機の高性能を体験させていただいただけでありがたく、購入の件はお断りをさせていただいた。結果、それで良かったのである。その後、私は病気になって、長期的に治療に専念していて、農産事業が満足にできていない実際がある。

《道路交通法改正》
数年前まで、農耕トラクターに作業機を取り付けての公道走行は違反であった。この事を知る方々は少ないであろうし、私自身もへっちゃらで、作業機(耕運ロータリー等)を車体後部にヒッチした状態で圃場間移動するにあたっての公道走行が道路交通法違反である事は知らなかった。
しかし、最近の少し以前であるが、道路交通法の農耕車に関する法令の変更が有り、作業機を取り付けたままでも公道を走行できるようになった。その代わりと言うべきか、明確化を行ったというべきか、作業機の全幅が1700mmを越えれば大型特殊免許が必要となった。これを知る農業者は少なくて、ある地域では、警察の取り締まりで、農業者が無免許運転で検挙されて、同時に所持する免許が取り消しになる事が発生したようである。また、農耕用トラクターの保安基準も明確化されて、特に後部からの視認性改良に努める内容に変更された。できていなければ、整備不良車両の運転での検挙の対象となる。
そもそも、農耕トラクターは安定性に於いて十分ではなく、運動性や制動力も満足なモノではなく、運転者に対する乗員防護の仕組みは皆無である。
実際に、農道で脱輪して転覆した車体の下敷きでの死亡事故や、道路幅の確認を見誤って後退中に脱輪してしまい、そのまま、急斜面を滑り落ちて河川へ転落した事故で、活躍中の農業法人代表者が再起不能の重体事故の例を私は知る。

法令に関しては、上記ヤンマーディーゼルのサイトが詳細で分りやすいので、農耕トラクターを使用する農業者や購入を考えている新規就農者は一読が適当で、理解が必要であろう。

《農業機械士・大型特殊免許(農耕車限定)》
私はどうせならと思い、京都府立農業大学校で開催された、農業機械士資格取得講座を受講し、同時に行われる大型特殊自動車(農耕車限定)免許の取得を目指す事にした。農業機械士資格取得講座内容は機械を取り扱う上での安全管理が中心で、次に機械の構造と整備が講座の内容であった。大型特殊自動車(農耕車限定)運転免許は、れっきとした自動車運転免許で京都府公安委員会の運転免許試験を受ける。だから、運転免許試験場で実際に試験官の審査を受けるのである。試験に使用する農耕トラクターは京都府立農業大学校が準備をしてその農耕トラクターで試験場場内の大型特殊自動車の試験コースを走行して乗車から下車までを試験を行う。要は、完璧なキープレフト走行と全ての動作に於いて全ての方向への大げさすぎるほどの安全確認動作と早い目早い目の進路変更指示灯点滅行為、メリハリのある過減速が合格の要の様な気がした。おかげさまで、1回で合格ができたし、安く短期間で天下御免の農耕車を運転できる免許を取得する事ができた。その昔、なかなか合格しなくて、途中で挫折した大型二種免許を受験した時の試験用走行動作をしたから、合格ができたようにも思っている。

上の画像は、某所見付けたトラクターである。趣が、なぁ~んかすごい!
今では珍しい2WDで、現役当時は、牛馬が動力の主たるモノであったはずで、
耕運機すら農家には高額で普及していない日本で、乗用トラクターを使えるのは、
相当なお金持ちの農家でしか所有できなかった省力機械だったのだろう。
で、この赤い娘は、たぶん、外人(なぜ右ハンドル?)。
コレクションとして輸入したのかもしれない。

《盗んだ奴は、絶対に許さん!》
お気に入りのディーゼルエンジンと揚水ポンプの組み合わせを盗まれた。
この組み合わせは、茄子栽培に於いて、畝間潅水に粘り強く一定の水量を弱くもなく強くも無くの水量と水圧で大活躍だったのであるが、少しその場を離れた隙に盗まれてしまった。そんな奴が居る事と、重た過ぎるエンジンとポンプのセットを持ち上げるのには相当の力が要るので、簡単ではないはずだという私の考えは盗人にはそうではなかったようだ。また、置き場所も車が入りにくい場所なので複数人での犯行であろうと容易に予測ができた。
そんな自分の油断が残念で、悔しかった。

始動には体力とコツが必要で、軽いリコイルスタートのようにはいかない。
独特の歯切れの良い軽快なリズムを刻む排気音が、長閑な圃場の風景にマッチしていた。
上の画像はその性能を示すプレート。ヤンマーの拠点店へ一度、部品発注をかけたら、
供給が可能であり、色々な部品在庫がまだ十分に有ると聞いたので、大切にする事を
決心した経緯が有る。良質のディーぜルエンジンオイルを定期交換していれば、
性能悪化した変調の様子を見せない、産業エンジンのタフさを改めて知った。
動かす力のヤンマーディーゼルが他社よりも高価なのも頷ける。

今回はここまで。
ではまた次回。
次回は、農作業道具に付いて記述します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?