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異世界体験談:現実と非現実の狭間で

皆さん、こんばんは! 海田陽介です。本日のブログでは、異世界体験談をお届けしたいと思います。これらの話は、もしかしたら本当に起こったかもしれない話です。それでは、さっそく始めましょう。

歩美さんの不思議な体験

まず一つ目の話は、歩美(仮名)さんの子供の頃の体験談になります。歩美さんは小学校低学年の頃、仲の良い友達数人と家の近所の公園で遊ぶのが日課のようになっていました。そしてその日も歩美さんは友達数人で公園に遊びに出かけました。

その公園には大きな滑り台があり、歩美さんと友達数人はその滑り台で遊ぶことになりました。まず最初に歩美さんが滑り台を滑ることになりました。

歩美さんは滑り台を滑り降りると、続いて滑り台を降りてくる友達の姿を確認しようと後ろを振り返ってみたのですが、そこで奇妙なことが起こりました。

というのも、さっきまでそこにいたはずの友達の姿がどこにも見当たらなくなってしまっていたのです。

歩美さんは最初、友達数人が悪戯をしてどこかに隠れているのだろうと思いました。だから、公園中を探し回ったのですが、しかし、結局友達の姿が見つかることはありませんでした。

歩美さんはきっと友達は自分に意地悪をして先に家に帰ってしまったのだと思い、悲しい気持ちになりながら家に帰りました。

すると、奇妙なことが起こりました。というのも、それまで放任主義だったはずのお母さんが突然、教育ママのように変わっており、歩美さんに対して今までどこで遊んでいたのかと怒鳴りつけてきたのです。さらに信じられないことに、歩美さんには二つ年の離れた妹がいたはずなのに、その妹が最初から存在しないことになっていたのです。

更に異変はこれだけに留まらず、その後、歩美さんが小学校に行くと、そこには知らない人がいたり、それまで仲が良かった友達がまるでそうではなくなっていり、逆にあまり仲の良くなかったひとが親し気に声をかけてくるようになったのです。

当時、歩美さんはまだ子供だったので、自分の身に一体何が起こったのかわからなかったのですが、しかし、今日ではこう考えているそうです。あのとき、滑り台を滑り降りた瞬間、自分はそれまでいた世界から僅かに異なる異世界へ来てしまったのだ、と。

健司さんの屋上体験

続いては健司(仮名)さんの話です。健司さんの体験談も歩美さんの話と似ていて、小学生の頃に起こりました。当時、健司さんには仲の良い友達がいて、昼休みになるといつも一緒に遊んでいました。

そしてあるとき、その友達の一人が、屋上へ出られる扉の鍵がかかっていないことに気づき、そこへ遊びに行こうという話になりました。本当は危険なので先生たちからは屋上へ行ってはいけないと言われていたのですが、そのとき、健司さんたちは冒険心から屋上に出てみることにしたのです。

健司さんたちが屋上に出てみると、その中央部には、何か陽炎のようなものが存在していました。空間の一部がぐねぐねとうねって見えるのです。興味を惹かれた健司さんたちはその陽炎のようなものに近づいていきました。そのうちに、ジャンケンで負けた人が陽炎の中に入ろうという話なりました。ジャンケンの結果、正人(仮名)さんという人が陽炎の中に入ることになったのですが、驚くべきことが起こりました。というのも、陽炎の中に入った瞬間、正人さんの身体は完全に消えてしまったのです。

その光景を見て怖くなった健司さんともう一人の友達は慌てて屋上から元の教室へ逃げ帰りました。そして少し落ち着いてから健司さんたちが再び屋上に戻ってみると、さっきまで存在していた陽炎のようなものは消え去っていました。反面、以前として正人さんの姿はどこにも見当たらないままでした。

この事態に健司さんと友達は震え上がることになりました。というのも、ことの詳細がバレたら、先生に怒られるのはもちろんのこと、正人さんの両親からなんといわれるかわからないからです。

しかし、結局その心配は杞憂に終わることになりました。というのも、正人さんという存在は、最初から存在しなかったことになってしまっていたのです。確かにあったはずの正人さんの机も荷物も全てなくなっており、健司さんたちが正人さんのことを先生に話しても、先生たちはぽかんとした表情を浮かべるだけでした。ふたりが一体なんの話をしているのか全くわからないというふうに。

でも、健司さんともう一人の友達は、今でもはっきりと正人さんのことを覚えており、あのとき、正人さんには悪いことをしてしまったと後悔の念を感じ続けているそうです。

景子さんの奇妙な電車体験



続いては景子(仮名)さんの話です。景子さんの話もこれまで紹介してきた二人の話に通じるところがあります。ただし、これは景子さんが大人になってから、比較的最近体験した話になります。

景子さんは仕事が終わった後、いつものように電車に乗りました。景子さんが乗車した電車は終電間際の時間帯ということもあってか、乗客はかなり少なく、片手で数えられる程度の人しか乗っていませんでした。

景子さんの乗る電車は最初のうちはいつも通り動いていたのですが、ある駅を通り過ぎてから全く駅に停車しなくなってしまいました。ずっと十分以上も走り続けているのです。

なお、景子さんがいつも使用している電車の駅と駅の間隔は短く、長くても三分程度ものです。だから、「これは一体どうなっているの?」と思い、景子さんがなんとなく窓の外に目を向けると、そこにはあり得ない光景が広がっていました。

というのも、そこには海と海岸線が広がっていたのです。もちろん、景子さんがいつも使っている電車がそのような場所を通過するはずはありません。

景子さんはあり得ない光景に思考停止状態になりましたが、しかし、不思議なことに、その後、五分ほどすると、電車は駅に停車し、そこはいつも通りの駅でした。

景子さんはきっと夢でも見ていたのだろうと自分を無理に納得させ、その後、無事に家に帰り着きました。しかし、しばらく経ってから奇妙なことに気が付きました。

というのも、全く知らない人物が景子さんに対して親し気な感じで電話をかけてきたのです。その人物は「明美」と名乗り、景子さんとは中学校時代からの友人であると述べました。

しかし、景子さんは明美さんのことを全く知らなかったので、正直にそのことを告げました。すると、明美さんは「そんなことを言うなんて、ほんとに信じられない‼」と怒って、電話を切ってしまったそうです。

電話が切れたあと、景子さんは、もしかしたら、明美さんは本当のことを言っているのだろうか気になり、自分のスマートフォンや、古いアルバムを確かめることにしました。

すると、信じられないことが明らかになりました。というのも、確かに明美さんの連絡先や、明美さんと景子さんがにっこりと笑って一緒に写っている写真がたくさん存在していたのです。つまり、景子さんに電話をかけてきた明美さんという人物は、べつにデタラメを述べていたわけでなかったのです。

一方で、景子さんには相変わらず明美さんに関する記憶はなく、かといって、自分が記憶喪失になっているとも思えず、戸惑うことになってしまいました。

そして今日ではこう考えているそうです。この前電車がなかなか駅に停車しなかったとき、自分は元いた世界とは微妙に違う世界に迷い込んでしまったのではないか、と。

異世界への入り口はどこにでも

いかがでしたか? これらの話が真実であるかどうかはわかりませんが、もし本当だとしたら、我々が日常生活を送っている何気ない場所に異世界への入り口はそれとなく存在していることになりそうです。

そして案外、私たちも異世界に迷い込んでしまっているのかもしれません。今いる世界と、以前いた世界の違いがあまりにも微小であるため、そうとは気が付いていないだけで―――。

最後に宣伝です。僕はこのような話をもとに小説を書いています。このような話が好きな方は、ぜひこの機会に読んでみてください! それでは、また次のブログでお会いしましょう!

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