「自分を許す心理学」を読んだ感想

現在、精神的に不安定で何に対してもやる気が起きない、でも将来のためにやらなければと自分を追い込んでしまう状況になってしまっていた。
さすがに今の状況はまずいと思い、あまり信じてはいなかったのだがカウンセリングを受けることにした。
3回カウンセリングを受けたが、人に話すだけでだいぶ楽になることが分かった。その中で自分の今の状況を認められていない。自分を認めるところから、自分を許すところから始めようということになった。
最初に聞いたときはなるほどなあと思ったけど、よくよく考えたら許してからどうしたらいいのかが分からなかったため本書を読んでみた。

何かの行動をやろうと思ってもなかなか行動に移せないのは、その行動が本当に自分のやりたいことではなく、それをやることによって他者からの評価を上げたいという欲望からやろうとしている行動だからである。
現実の自分の状況に即した判断をすることができない。
自分の目指すこう生きなければいけない、そうしないと失ってしまうと思っているが、そう生きなくても失わないかもしれない。失うと思っていても失わないものが本当に大切なものなのかもしれない。

冒頭のわずか数ページで自分の今の状況をズバリと言い立てられて、俄然この本に興味が沸いた。
自分では自分の人生に必要なこと、自身の能力・給料を上げて、健康的な生活をし将来のためにお金を貯める。他人の評価は関係なく自分がそうしたいと思っていた。
裏を返せば上記のことができなければ自分の将来が危ういと考えていたのかもしれない。
”自分には価値がないと感じつつ、心の底では自分は認められる存在でありたいと思っている。この心の底の矛盾した願望と感じ方の衝突、葛藤が人を神経症的にしていく。”
まさに自分のことだった。まず自分という存在の価値を自分自身で認められなければ認められる存在にはなりえないということだと思う。

”自分の心のなかにある敵意を他人のなかに感じとる。 実際には、他人はこちらに敵意などもっていない。しかし自らの敵意を抑圧したがゆえに、かえって他人のなかに敵意を感じてしまう。 ”
”敵意のある他人に受け入れてもらうためには自分は完全でなければならない。”
これも当てはまっていた。他人から敵意を感じてるとはあまり思っていないが、想像上の他人から何か言われる想像をして、それになんと言って対抗するかをよく考える。これは抑圧した敵意を頭の中で勝手に想像しているのではないかと思った。

”神経症味の人がぐっすり眠りたいというとき、それは眠りを楽しみたい、眠りたいということが動機ではない。あくまでも明日「 もっと働くために」 眠りたいのである。ぐっすりと眠れなければ、 翌日の仕事にさしつかえる から眠りたいのである。”
当てはまっていた。明日やろうとしていることと睡眠時間を逆算して寝ようとしていたが、眠くなったから寝ようとしたことは一度も無いかもしてない。眠くなるのは昼間だけ、夜更かししても寝ようとするのは具合が悪くなるから、夜10時くらいに眠いから寝ることはない。日中にやりたいことを一生懸命やっていたら眠くなるのだろうか。夜スマホやパソコンを観なければよいのだろうか。これから生活を変えて試してみるしかないのかもしれない。

  ”解決は、自分へ完全を強要した人から心理的に独立することである。そして完全を期待され、その期待を内面化してしまったことを自覚し、その内面化を自ら突き崩すことである。”
強要されたわけでも期待されていたわけでもないと思うが、両親を困らせないようにしようとは考えていたかもしれない。完全になろうとしてきたことは今までなかったが、今になって思うようになったのは自分ひとりの時間が増えてきたからだろうか。
両親からどう思われるか、周りの人からどう評価されるかは度外視してとるべき行動を考える時が来たということかも。
これに関連しているかは微妙だが、どう評価されるかを勝手に予想して、それに反論して頭の中でぐるぐる口論することは多い。最初の他人からの評価を考えなければ無駄に頭のリソースを使うこともなくなるだろう。

”自分 で 自分 を 軽蔑 し て しまっ た 者 は、 欠点、 弱点 が ある 自分 を、 他人 が 受け入れ て くれる と いう こと が 信じ られ ない。 自分 を 軽蔑 し て しまっ た 者 は、 自分 が 欠点 の ある 自分 を 受け入れ て い ない ので ある から、 他人 が、 自分 には 弱点 が ある けれど、 それ にも かかわら ず 愛し て くれる と いう こと が 信じ られ なく て 当然 かも しれ ない。”
自分は恋人にそんなところがあっても大丈夫と言っているけれど、自分の弱点は破局の決定打になるのではないかと恐れて言えない。まさにそのことを言い表している内容だ。そして、自分は相手の弱点を抱擁できますよというアピールをして完璧感を演出しているのかもしれない。改めて考えると酷い裏切りだ。相手は打ち明けてくれているのに、自分は相手を騙す。受け入れてもらうためにはまず自分から打ち明けるべきだ。

”人間 は 自分 の 気持ち を 犠牲 になど し なく ても 人 に 好か れる。 自分 の 考え を 述べ、 相手 の いう こと に 反対 し ても 好か れる。 傷つい た とき 怒っ ても 好か れる。”
これが真理なんだと思う。身近な人が感情をあらわにして話しているのを幼少期は不快に思っていたから、自分は人に好かれるために自分の感情をなるべく出さないようにしてきた。
あの人たちの感情の吐露の仕方、相手が間違っていただけで、自分が本当に好かれたい人にはちゃんと感情を出すべきなんだと思う。それが今の精神的な問題の解決にもつながるのだと思う。



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