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研究レポートNo.52【辛抱の先に現れた逸材とは?】 

2020年──

私は悶々とした日々を過ごしていた。

新型コロナウイルスによるパンデミックは、BM達にとって最大の爪痕を残した。

『ソーシャルディスタンス』

人と人との適切な距離──

この言葉はとても綺麗だが、BMにとっては悪魔の言葉である。

ビンタとは、平手で頬を打つこと。

コロナ渦によって握手すらままならない状況で、ビンタなどもっての他だ。

聖域に行けばなんとか頂けるとは言え、こづかいの無い身である私には、街中で声を掛けてビンタをお願いするしかない。

しかし、それは事実上不可能となった── 

コロナ渦、コンプラの影響により、YouTubeでも街中で声を掛けてビンタを貰う動画は激減、アイドルの物販に至っては、中止もしくはマスクor手袋着用でビンタが行われるというカオス。

もはやビンタというコンテンツは衰退の一途を辿るしかないのか? 

それから約3年が経過した2023年10月──

コロナ渦が落ち着き、ビン活も少しづつ行えるようになった私に、最大のチャンスが訪れた。

『私、現役でバレーボールやってますよ』 

彼女の名はAちゃん、派遣社員としてやってきた二十歳のアスリート女子。

私が長年探し求めていた逸材である。

続く

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