俳優とは、演じることが仕事だと思っていませんか?

何を重視して映画を観ますか?
僕はストーリーを重視していました。
例えば、映画の宣伝で良くあるのが
10万人が涙した、あの小説がついに映画化。

この宣伝をみて、ストーリーに期待を膨らませて
泣くき満々で映画館へ。

で、見終わった後、言うほどでもなかったな、、
ということがあったり、、。

この映画面白かったか?
やっぱり、あの小説を2時間の映画にするのは
ちょっと無理があったんじゃないか?
みたいなことがあります。

しかし、単純にストーリが面白い、面白くないで
映画の面白さを語ってはいけなかったんです!!!

偉そうに言ってしまいましたが、
10年くらいこの業界に関わっていますが、
恥ずかしながら全く知りませんでした。
意識もしていなかった。

俳優が感じている感情を感じることが、
映画の楽しみなんだということを。
感覚を使って楽しむのが映画なんだと。

好きな俳優さんから度々話に聞くフレーズ
『感情を撮ってもらえてるのかな、、。』
『ちゃんと感情が写っているかな、、。』
『何回もNG出す監督いるでしょ、
 そうすると、演じる方も焦ったり、
 どう演じていいかわからなくなって
 開き直って堂々としたり、
 出来なくて悲しくなったり
 なんかしら感情が動くでしょう。
 監督はそれを狙って、何回もNG出したりするわけ。
 感情が大事なんだよ。』と
ただ、そう言われてもただ観る側としては実感がないままいたんです。

ところが、先日、演技のワークショップに立ち会う機会あって
その時の講師が第一線で活躍している映画監督でした。
その監督からの話をきいて、すごく理解できた。
撮影するシーンは短い、そこに至るまでのこと
当然全部は書かれていない。

でも人は必ずその場に至るまで過去がある。
その過去を踏まえて、それを演じる。
例えば、デートの待ち合わせで彼女が来るのを待っているシーン。
昨日仕事で成果を出して、
彼女とのデートの待ち合わせにいるのと、
昨日仕事でミスをして凹んでいる状態で
彼女との待ち合わせにいるのでは
全く違った感情がある。単純な例なので、
ここまでを表現することはないだろうが、
そこに至るまでの過去がありそこに感情があることは
わかってもらえるかなと思います。

これを創造し表現するのが俳優であり、
これを撮るのが撮影スタッフの仕事なのだろう。

ストーリーばかり観ていたが
人の表情、仕草1つ、そこにどういう
感情があるのかそれを感じたり、
追いかけていくのが映画なんだと。

ストーリー以外で感情が反応する映画がある。
スクリーンの向こう側の創造された人物の
感情に観てるこちらも反応する。

この生身の人間を創造することが俳優の仕事。
この生身ってなんだろう?何を創造するのだろう?
そう感情であり、感情からくる振る舞いなんだろうと思う。


そんな感情が映し出されていると思う
おすすめ映画を3つ紹介します。

1.『2つ目の窓』
  https://www.youtube.com/watch?v=HpOjbvDa6bA
2.『泣き虫しょったんの奇跡』
  https://www.youtube.com/watch?v=wejXEkMgItk
3.『ケンとカズ』
  https://www.youtube.com/watch?v=6myTSKfZYxg

俳優が創造した人物にその感情に否応なしに反応する。
どれも素晴らしく、好きな作品です。
ゴールデンウィークに是非観てみて下さい^^



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