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VRChatにおけるPCスペック検証

皆様ごきげんよう、VRChatは推奨スペックがなかなか厳しく、私を含めPC選びで悩む人が多いように思われます。
今回、新しくパーツを入手したので色々と検証をしてみたいと思い立ち、筆を取った次第です。
主にCPU、グラフィックボード、メモリの内、どれを重点的に強化していくのが一番コストパフォーマンスに優れているのかを検証していきたいと思います、最後までお付き合い頂ければ幸いです。

尚、この記事内の値段表記は全て税込み価格になっています。
また、検証がかなり長く読みづらいので、結果だけを知りたい方は適宜読み飛ばすか、目次から飛んで下さい。

【注意】
完全に主観による評価になります。
記事を参考にVRHMDやPCパーツ等を買った際、問題が発生しても当方責任を負いかねますのでご了承の程お願いします。
また、当記事内にて検証に使用したアバターやワールド作者へ問題を提起する意図は無いという事も重ねてご了承下さい。

2020年7月14日現在のVR環境

検証に移る前に、まずは前提として私が普段使いしているVR環境を述べておく事にします。


PCスペック(自作PC)
CPU:AMD Ryzen 5 1600
マザーボード:ASrock AB350M Pro4
メモリ:メーカー不詳 DDR4-2133 8GB×4
グラフィックボード:GIGABYTE GTX 1080 G1 Gaming 8G
CPUクーラー:Cooler Master TX3 EVO
電源:SILVERSTONE SST-ST85F-G
起動用SSD: SAMSUNG 970 EVO Plus MZ-V7S500B/IT
編集用SSD(主にUnity):WESTERN DIGITAL WD Blue 3D NAND SATA WDS500G2B0A
保存用HDD:メーカー不詳 3TB
ケース:メーカー不詳 ジャンク品
ドライブ:メーカー不詳 DVDスーパーマルチドライブ ジャンク品
OS:windows10 Pro
ルーター:ELECOM WRC-1167GST2

VR機器
VRHMD:Valve index フルキット
ベースステーション:HTC Base Station 2.0×2
トラッカー:HTC VIVEトラッカー(2018)×3
トラッカー固定具:Rebuff Reality TrackBelt+TrackStrap モバイルバッテリー搭載のため改造

回線
enひかり NTT光コラボレーションモデル IPv6オプション加入

補足事項
オーバークロック設定等はせず、全て定格にて起動


今回の検証においてはこの内、CPUがRyzen 5 3600Xに、グラフィックボードがZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 SUPER MINI へ変更になります。

検証条件

今回はどのパーツを重点的に強化していくとコスパが良いのか検証をするために、各種ワールドにてFPSの比較検証を行います。
windows10標準搭載のタスクマネージャにて各種パフォーマンスも検証します。

各種条件は以下の通りとなります。

・使用VRHMDはvalve indexフルキット+トラッカーx3で統一
・SteamVR内部解像度設定は100%で固定
・リフレッシュレートは120Hzで固定
・使用アバターは改造等を加えていないミーシェver1.03で統一
・Discodeやchrome等、常駐しているソフトウェアはそのまま起動、何を起動しているのかは多いので割愛
・ワールドオプション設定は全てデフォルトで統一
・検証人数は1人のみ


注意点として、ことVRにおいては向いている方向によって処理がリアルタイムで変わるため、検証結果に多少のブレが生じる事をご了承下さい。

ゲーム内FPSについてですが、個人的な感覚では60以上は軽い、40~60でそれなり、30~40で少し重い、30以下は不愉快を覚えるレベルで重いです。


以下、テストに使用するワールドと条件になります。

VRChat標準ホームワールド
リスポーン地点、ミラー表示状態にて別計測

TIMES SQUARE NYE 2020
リスポーン地点にて計測

JAPAN SHRINE
リスポーン地点、ミラー表示状態にて別計測
ミラーはHEAVYミラー、LIGHTミラー使用にて更に別計測

VKET3 NEOSHIBUYA-DAY ネオ渋谷-DAY
街全体が見渡せるよう、ハチ公前にて計測

ANOTHER MOON
リスポーン地点にて計測

また、VR VISION TEST LABにて解像度や文字の読みやすさを検証していこうと思います。

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ワールド内部実験期待値表、SS(内部解像度設定)は今回においては100%固定なので、あくまで参考程度ですね。

尚、スクリーンショットの撮影はVRChatのカメラではメニュー画面が描画されない関係上、SteamVRの機能を用いて行っています。
パフォーマンスについてはデスクトップ内のタスクマネージャを撮影しました。


比較をする各種構成は下記の通りになります。

① CPU:AMD Ryzen 5 1600
  グラフィックボード:GeForce GTX 1080
  メモリ:DDR4-2133 8GB×4

② CPU:AMD Ryzen 5 1600
  グラフィックボード:GeForce GTX 1080
  メモリ:DDR4-2133 8GB×2

③ CPU:AMD Ryzen 5 1600
  グラフィックボード: GeForce RTX 2070 SUPER
  メモリ:DDR4-2133 8GB×4

④ CPU:AMD Ryzen 5 1600
  グラフィックボード:GeForce RTX 2070 SUPER
  メモリ:DDR4-2133 8GB×2

⑤ CPU:AMD Ryzen 5 3600X
  グラフィックボード:GeForce GTX 1080
  メモリ:DDR4-2133 8GB×4

⑥ CPU:AMD Ryzen 5 3600X
  グラフィックボード:GeForce GTX 1080
  メモリ:DDR4-2133 8GB×2

⑦ CPU:AMD Ryzen 5 3600X
  グラフィックボード:GeForce RTX 2070 SUPER
  メモリ:DDR4-2133 8GB×4

⑧ CPU:AMD Ryzen 5 1600
  グラフィックボード:GeForce RTX 2070 SUPER
  メモリ:DDR4-2133 8GB×2


普段は①の構成で遊んでいます。
使っている感想としては、Oculus Rift Sを動かす分には特に不満は無し、valve indexは動く事には動くのですが、鏡を表示した際多少重くなる等不便に思える時があります。

検証①

私が普段使っている構成です、Oculus Rift Sを動かす分には不満無く動きますが、indexを動かすには若干力不足感があります。
割と普通に動きますが、要所要所で快適とは言い難いといった所でしょうか?
一応、valveが出している推奨スペック(クアッドコア以上のCPU、GTX1070以上のグラフィックボード、メモリ8GB以上)は満たしていますが、indexをVRChatにおいて動かす上ではあまりオススメできる構成とも言えないです。

VRCHAT HOME

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FPSは120前後をキープ、流石に軽さ重点で作られているようです。
パフォーマンスにおいても無理なく動いているように思えます。

VRCHAT HOME+ミラー

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VRCHAT HOME+ミラー

ミラーの前に立つとFPSが一気に60前後まで下がりました。
やはりというべきか、ミラー処理は重いようです。
GPU使用率が上がった所を見る限りでは、ミラーを使う上ではGPUに負荷がかかるようです。

TIMES SQUARE NYE 2020

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重いです、FPSは20~30程、快適とは言い難いですね。
ミラーを使わずこの状態なのは結構キツイ、動的オブジェクトや描画の重い物が視界に多く入っているせいかもしれません。
不思議な事にGPUがあまり仕事をしてくれません、その分CPUに負荷がかかっているように見受けられます。
恐らく、GPUがうまく動いてくれないが故のFPSの低さなのでしょう。

JAPAN SHRINE

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FPSはそれなり、CPUとGPUがかなり頑張っているように思えます。

JAPAN SHRINE+HEAVYミラー

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JAPAN SHRINE+HEAVYミラー

FPSは変わらずですが、GPUに対して更に負荷がかかっているようです。

JAPAN SHRINE+LIGHTミラー

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JAPAN SHRINE+LIGHTミラー

FPSは変わらずですが、描画するものが無くなったせいか、CPUとGPU共々一気に処理が軽くなりました。

VKET3 NEOSHIBUYA-DAY ネオ渋谷-DAY

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VKET3 NEOSHIBUYA-DAY ネオ渋谷-DAY

FPSの数値は50前後とまぁまぁ、これ位であれば許容範囲です。
GPUが結構頑張ってはいますが、性能を引き出しきれていないように思えます。

ANOTHER MOON

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FPSは120をキープしており快適です、全く問題なく動きます。
刮目すべきはGPU使用率、性能を引き出し切っているように思えます。
恐らく、GPU稼働率が高いが故のFPS数値なのでしょう。

VR VISION TEST LAB

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スクリーンショットでは潰れて見辛いですが、LV18まで読む事ができました。
内部解像度200%のOculus Rift Sより文字視認性は上のようです。
流石はindexといった所ですね。

検証②

この構成は普段使っている構成からメモリをデチューンした形になります。
Oculus Rift SやOculus Linkで繋いだQuestが快適に動くのがこのラインとよく言われていますね(4コア8スレッド以上のCPU、GTX 1660 SUPER以上のグラフィックボード、メモリ16GBが必要と言われています)

VRCHAT HOME

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メモリ使用量が倍近くになりましたが、それ以外に変わりません。
分かりやすい結果になったと思います。

VRCHAT HOME+ミラー

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VRCHAT HOME+ミラー

ミラーを表示した際もメモリの使用量が倍になった位で、大きな違いは見られません。

TIMES SQUARE NYE 2020

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メモリをデチューンする前の構成と比べFPSが20前後となり、5~10程の低下が見られました。
明らかにメモリが足を引っ張っています、CPU使用率やGPUについてはあまり変わりないように思えます。
メモリは使用量が100%行かず、余裕があるように見えても実際は動作に影響を与えているという事が証明できたように思えます。

JAPAN SHRINE

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検証をしていたらワールドが夜になってしまいましたが、結果に影響は出ない、筈。
GPUが稼働率99%、いっぱいいっぱいのようです。
メモリもかなりの負荷がかかっており、32GB構成の倍近く動いています。
それ故か動作が不安定で、少しでも下を向こうものならFPSが40前後まで低下しました。

JAPAN SHRINE+HEAVYミラー

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JAPAN SHRINE+HEAVYミラー

FPSが20程低下しました。
GPU稼働率がいっぱいになってしまったので、余裕を持たせる事を犠牲にFPSが下がったように思えます。
明らかにメモリが影響しているように思えますね、メモリ使用量も倍近くになっていますが、100%にならずとも動作に影響が出るようです。

JAPAN SHRINE+LIGHTミラー

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JAPAN SHRINE+LIGHTミラー

FPSの低下は特に見られません、描写する物がほぼ無いおかげでしょう。
メモリ使用量は倍近く増加、かなり負荷がかかっているようです。

VKET3 NEOSHIBUYA-DAY ネオ渋谷-DAY

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VKET3 NEOSHIBUYA-DAY ネオ渋谷-DAY

FPSは40~45といった所で、平均5程下がりました。
CPU使用率、メモリ使用率共々倍近く増加しておりますが、何故かGPU使用率のみ下がっています
GPUの処理をCPUに投げた形になっているのかもしれません、何れにせよメモリ数値を下げる事によりFPSに悪影響が出ています。

ANOTHER MOON

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FPSは120をキープ、快適です。
メモリ使用率は微増しましたが、元が軽いワールドという事もあり体感する程悪影響は無い模様です。

VR VISION TEST LAB

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LV15までなら辛うじて読めますが、LV16は怪しいです。
LV18に関しては最早読むことが不可能です。

検証③

CPUが足を引っ張りそうな構成です。
VRChatを快適に動かすという一点においてはこちらがコストパフォーマンスに優れているのではないかと予想しております、普段使っていてCPU使用率が100%になった事はありませんし。
CPUが動作に如何にして影響を与えているのかが測れそうです。

VRCHAT HOME

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120FPSをキープ、①と比べるとCPU、GPU使用率とも若干下がりましたが誤差程度かもしれません。

VRCHAT HOME+ミラー

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VRCHAT HOME+ミラー

①と比べFPSが40程上昇しました。
やはりというべきか、GPUを変えるのは効果が大きいようです。
それでも120FPSになっていないのは、何かしらが足を引っ張っているからかもしれません。

TIMES SQUARE NYE 2020

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①と比べ5FPS程上昇しましたが、正直誤差です。
どういう訳だかGPUがほとんど仕事をしません。

JAPAN SHRINE

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①と比べFPSこそ変わりませんが、CPU使用率が10%程低下、GPU使用率も20%程下がり、かなり処理に余裕が出ているように思えます。

JAPAN SHRINE+HEAVYミラー

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JAPAN SHRINE+HEAVYミラー

こちらもFPSは変わりませんが、①ではギリギリだったGPU使用率も20%程低下しました。

JAPAN SHRINE+LIGHTミラー

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JAPAN SHRINE+LIGHTミラー

①と比べFPSが40程上昇しました。
GPU使用率も10%程余裕が出ているようです。

VKET3 NEOSHIBUYA-DAY ネオ渋谷-DAY

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VKET3 NEOSHIBUYA-DAY ネオ渋谷-DAY

①と比べFPSは50前後とほぼ変わらず、CPU使用率は20%程上昇し、一方でGPU使用率は20%程下がりました。
CPUが足を引っ張っていそうな気がします。

ANOTHER MOON

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120FPSをキープ、①と比べGPU使用率は20%程下がりました。

VR VISION TEST LAB

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LV15まで読めました、ほぼ②と変わりません。

検証④

グラフィックボードのみRTX2070 SUPERにした構成です、なかなか尖っています。
ここまでするならメモリを増強した方がいいとは思いますが、今回は検証なのであえて挑みます。

VRCHAT HOME

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120FPSをキープ、③と比べメモリ使用率が倍近くなりましたが、それ以外特に変わりないように思えます。

VRCHAT HOME+ミラー

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VRCHAT HOME+ミラー

③と比べ10FPS程低下しました。
メモリ使用率も倍に、足を引っ張っているように思えます。

TIMES SQUARE NYE 2020

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③と比べメモリ使用率が倍近くになった事以外はそれほど変わりません。

JAPAN SHRINE

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③と比べFPSは変わらず、メモリ使用量のみ20%近く増加。

JAPAN SHRINE+HEAVYミラー

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JAPAN SHRINE+HEAVYミラー

③と比べメモリ使用率が20%程増加、GPU使用率も10%程上がっていますが、誤差かもしれません。

JAPAN SHRINE+LIGHTミラー

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JAPAN SHRINE+LIGHTミラー

③と比べFPSが40程下がりました。
メモリ使用率も20%程増加、明らかに足を引っ張っています。

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VKET3 NEOSHIBUYA-DAY ネオ渋谷-DAY

③と比べFPSはほぼ変わらず、メモリ使用率が20%程増加。

ANOTHER MOON

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120FPSをキープ、メモリ使用率は倍近く上がりました。

VR VISION TEST LAB

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LV15まで読めました、②③とほぼ変わらない結果です。
たまたま①が上手く読めただけな気がします。

検証⑤

CPUをRyzen 5 3600Xにした構成です。
一般的なPCであれば購入の優先順位はCPU>GPUなのですが、今回に関してはゲームを動かす事が前提なので、状況が異なります。
ことゲームを動かす上ではあまりCPUから買い替えるという話は聞きませんが、どの程度影響を与えるのか検証の価値はあると思えます。

VRCHAT HOME

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120FPSをキープ、①と比べ各使用率もあまり差はないように思えます。

VRCHAT HOME+ミラー

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VRCHAT HOME+ミラー

こちらも同じく、①と比べFPS、使用率共々あまり差を見られません。

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①と比べ5FPS程上がりました、誤差かもしれませんが。

JAPAN SHRINE

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①と比べFPSは変わらずですが、CPU使用率が20%程下がり余裕が出ているように見えます。

JAPAN SHRINE+HEAVYミラー

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JAPAN SHRINE+HEAVYミラー

こちらも①と比べCPU使用率が10%程減少しました。

JAPAN SHRINE+LIGHTミラー

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JAPAN SHRINE+LIGHTミラー

①とFPS、使用率共々ほぼ変わりありません。
LIGHTミラーとHEAVYミラーでは処理に違いがあるようです。

VKET3 NEOSHIBUYA-DAY ネオ渋谷-DAY

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VKET3 NEOSHIBUYA-DAY ネオ渋谷-DAY

①と比べ10FPS程上昇しました。
CPU使用率は15%程上昇、多少なりともCPUはFPSに影響を与えるようです。

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FPS、CPU使用率とも①と大差ありませんでした。

VR VISION TEST LAB

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LV15まで読めました、コメントする事は特にありません。

検証⑥

CPUを優先して他を犠牲にした構成です、ビジネス用PCにおいてはこの形が正解なんじゃないかと思えます。
ゲームにおいてパフォーマンスをどの程度牽引してくれるのかは未知数です。

VRCHAT HOME

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120FPSをキープ、⑤と比べメモリ使用量が倍になりました。

VRCHAT HOME+ミラー

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VRCHAT HOME+ミラー

こちらも同じく、⑤と比べメモリ使用率が倍増しました。

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⑤と比べメモリ使用率が倍増、FPSは変わらずです。

JAPAN SHRINE

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⑤と比べFPSは変わらず、メモリ使用率が倍増しました。

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JAPAN SHRINE+HEAVYミラー

⑤と比べFPSは変わりませんが、CPU使用率が10%程上昇、GPU使用率も30%程上昇、メモリ使用率も倍近く上昇しました。
恐らく、足りないメモリをGPUがカバーしている形になっていると思われます。

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JAPAN SHRINE+LIGHTミラー

⑤と比べメモリ使用率が倍近く上昇、それ以外は大きく変わりありません。

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⑤と比べメモリ使用率が倍近く上昇しました。

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⑤と比べメモリ使用率が倍近く上昇。

VR VISION TEST LAB

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LV15まで読めました。

検証⑦

パーツを一新した、今後のメインとなる構成です。
可能であればメモリも64GBにしたいのですが、予算の問題でちょっと厳しい。
これ以上を望むと単価が一気に上がるので、コスパがいいのはこの辺がラインかなぁと思えますね。

検証時期が若干ズレてしまったため、こちらの検証のみVRChatのBuildが946ではなく956でやっていますが、実験に大きく影響は出ない、筈です。

VRCHAT HOME

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①と比べFPSに変動は無し、各種使用率も大きく違いはありません。

VRCHAT HOME+ミラー

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VRCHAT HOME+ミラー

①と比べFPSが60程、③と比べ20程上昇しました。
ミラーを出して120FPSをキープするにはCPU、GPU共にパワーが必要なようです。
③と比較してCPU使用率は10%程下がりました、性能を引き出し切れているように思えます。

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FPSは⑤と変わらず、相変わらず低いままで快適とは言えません。

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①と比べFPSは変わりませんが、CPU、GPU使用率共々10%程低下し、余裕が出たように思えます。

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JAPAN SHRINE+HEAVYミラー

①と比べFPSは変わりませんが、CPU、GPU使用率が10%程減少しました。

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JAPAN SHRINE+LIGHTミラー

③と比べFPSが40程減少しました。
理由は不明、各種使用率はCPUが10%、GPUが20%程下がりました。

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VKET3 NEOSHIBUYA-DAY ネオ渋谷-DAY

FPSは⑤と同じく60をキープ、GPU使用率は10%程下がりました。

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120FPSをキープ、極めて快適です。
①と比べメモリ使用率が15%程上昇、GPU使用率が10%程減少ました。

VR VISION TEST LAB

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LV15まで(ry

検証⑧

メモリが若干足りない構成、BTOなんかでよく見かけます。
VRChatにおいてはどういう訳だかメモリをバカスカ食うので、かなりボトルネックになりそうな気がします。

VRCHAT HOME

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⑦と比べFPSは変わらず、メモリ使用量が20%程上がりました。

VRCHAT HOME+ミラー

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⑦と比べFPSは変わらず、CPU、メモリ使用率は10%程上昇しましたが、GPU使用率は大きく下がり50%程減りました。

TIMES SQUARE NYE 2020

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⑦と比べてメモリ使用率が20%上昇しました。

JAPAN SHRINE

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⑦と比べメモリ使用率が20%程上昇。

JAPAN SHRINE+HEAVYミラー

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JAPAN SHRINE+HEAVYミラー

⑦と比べメモリ使用率とGPU使用率が10%程上昇しました。

JAPAN SHRINE+LIGHTミラー

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JAPAN SHRINE+LIGHTミラー

⑦と比べどういう訳かFPSが60程上昇、CPU使用率、メモリ使用率は10%程上昇、GPU使用率は30%程上昇しました。
⑦は何らかの理由でGPUが上手く動かなかったものと思われます。

VKET3 NEOSHIBUYA-DAY ネオ渋谷-DAY

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VKET3 NEOSHIBUYA-DAY ネオ渋谷-DAY

⑦と比べメモリ使用率が20%程上昇しました。

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⑦と比べメモリ使用率が10%程上昇。

VR VISION TEST LAB

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LV15まで読めました。
恐らく①がたまたま上手く読めただけで、殆ど結果は変わっていないと思います。

検証まとめ

・メモリ、CPU、GPUはFPSに影響を及ぼし、特にGPUを良くすると大きく数値が上がる
・ワールドによりどのパーツを強化するとFPSが伸びるのかに違いがある
・どんなに強化してもFPSが伸びないワールドもある
・ミラーを用いる際はGPUに大きく負荷がかかる
・パーツの良し悪しは解像度に影響を及ぼさない

検証結果から考案するPCパーツ強化順

大前提として、Oculus Rift SやOculus Questが問題なく使えると言われている最低限のスペック

4コア8スレッド以上のCPU
GTX 1660 SUPER以上のグラフィックボード
メモリ16GB

この3つはクリアするようにしましょう、足りていない場合はそこを補うのが先です。

その上で更に快適に動かしたい、もしくはindexやPimaxといった処理に負荷がかかるHMDを動かす上では

メモリ>GPU>CPU


この順番で強化していくと良いでしょう、以下理由を解説していきたいと思います。

メモリについて

VRChatはメモリをバカスカ食う事で有名で、16GBは無いと快適にVRを動かせません。
大体のマザーボードの拡張スロットは4つ、既に8GBが2枚刺さっており16GBと考えると、8GBを2枚足して32GBか、16GBを二枚足して48GBにするのが良いでしょう。

サンプルとして、下記商品を挙げておきます。

crucial製 DDR4 PC4-25600 8GB 2枚組 7780円、概ね8GB辺り4000円
crucial製 DDR4 PC4-25600 16GB 2枚組 14830円、概ね8GB辺り3750円

どちらを買うかは財布と相談次第、といった所でしょうか。
実装数値は多いに越したことはありませんが、ひとまずは32GBあると安心です。

FPS以外でメモリから買う理由として、ワールドや不特定多数のアバター読み込み時はメモリをかなり食い、下手をするとそのままエラーで落ちてしまうといった事態が発生します(16GBで検証中、人が多いワールドに移動したら落ちました)
こういった事態を防ぐためにも、やはりメモリは早めに増強しておきたいです。

また、メモリはパーツ交換が特に容易で、BTOやメーカー製PCでもそこまで苦労せず取り換える事ができます。
初期不良や他パーツとの相性不良にさえ気を付ければ、PC自作初心者の方でも比較的楽に取り換える事ができるでしょう。

GPUについて

FPS向上の肝となるパーツで、VRの快適さを直接左右するパーツでもあります。
GTX 1660SUPERやGTX 1660Ti辺りから買い替えるのであれば、記事執筆時ではRTX2060 SUPERかRTX2070 SUPERがオススメです。

サンプルとして以下商品を挙げておきます。

ZOTAC GAMING GeForce RTX 2060 SUPER MINI ZT-T20610E-10M 43978円

ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 SUPER MINI ZT-T20710E-10M 62700円

どちらにするかは財布と相談といった所ですが、可能であればRTX2070 SUPERを選んでおく事をオススメしておきます。
GPUはVRの使い心地に直接影響を与えるので、良いものを揃えておくに越したことはありません。

また、VRChatにおいてはVRAMが稼げれば稼げる程良いと言われていますが、今回行った検証では8Gのまま変わらずでもFPSは向上しました。
VRAMの実装数値が変わらずとも、FPS向上はある程度見込めるようです。

重要なパーツなのに何故メモリよりも優先度が低いかと言われたら、価格が高いからです。
5万円あればOculus Rift SかOculus Questが買えてしまいます、そこに大金を突っ込むのであれば、メモリの方が手を出しやすいかと思います。

CPUについて

FPSに影響は与えるものの、正直そこまで大きな違いでもないので一番優先度は低くなるかなと思います。

4コア8スレッドあればRyzenでもintelでも、何でもいいです。

検証でも型落ちのRyzen 5 1600で割と十分に動いていた所を見るに問題は無いと思われます。
私は以前、intel core i7 4790kでOculus Rift Sを動かしていた時期がありましたが、全く問題無く快適に遊べました。
動画エンコードやUnityを使ったライトベイク等、CPUに負荷がかかる作業をやるのであれば良い物を購入してもいいかもしれません。

また、CPU交換はメモリやGPU交換に比べずっと難しく、PC自作初心者の方にオススメしづらいという点も見逃せません。

補足事項

PCパーツの中古購入を考えている方は、メモリとCPUについてはオススメできます。
この2つは中古での誤動作が少なく、割と長持ちする印象があります。
少なくとも私は中古購入で困った事はありません。
GPUの中古購入は当たり外れが多い印象です、新品で買うのが無難かと。

PCVRについては従来のPCゲームと異なり「動く」ではなく「快適に動く」を重要視した方が良いでしょう。
ちょっとしたチラつきや遅延があると目や三半規管への直接的なダメージとなってしまい、酔いや疲れに繋がります。

終わりに

ここまで読んで頂きありがとうございます。
本来であればこの記事は7月中に仕上げる予定でしたが、執筆途中のデータが何度も吹っ飛んでしまったり、やる気そのものが沸かなくなってしまったりで、結局2ヵ月近く経ってからの発表となってしまいました。
既にRTX3000シリーズの発売も予定されており、この検証データもいつまで役に立つのか正直分かりませんが、参考になったのであれば幸いです。

最後に、発明家でありAI開発の第一人者、レイ・カーツワイルの提唱した収穫加速の法則を引用して終わりたいと思います。


「秩序が指数関数的に成長すると、時間は指数関数的に速くなる」

「つまり、新たに大きな出来事が起きるまでの時間間隔は、時間の経過とともに短くなる」



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最近はVRHMDもそうですが、PCの性能も凄まじい速度で上がっていますね

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