VRの手引書 仮想現実への誘い方
VRフリークの皆様ごぎげんよう、毎日VRHMDを被っていますか?
今回は、そんな方々へ向けたVR普及のための作戦書になります。
「この素晴らしい技術を一人でも多くの方へ」をスローガンに、記事を書いて行きたいと思います、最後までお付き合い頂けると幸いです。
1.そもそも何故普及しないのか?
VRHMDを被った事がある人は重々承知な事かと思いますが、この技術は破壊的と称していい程に凄まじい技術です。
なのに、どうしてここまで流行っているようには見えないのか、これには幾つか理由があるように思います。
まずは値段です、以前に比べれば遥かにマシにはなったもののVRのハードルは依然として高く、現状最安値で楽しめると言われているOculus Quest 1台の値段は49800円(安いと思った人、無理もないけどあなたの金銭感覚は壊れています)PCVRに至ってはゼロから全てを揃えるとなるとRift Sがセール価格込みで43792円、それを動かすPCはBTOで買うのであれば大体10万近く、計15万前後程の出費になります。
5万円あれば、Nintendo Switch本体とリングフィットアドベンチャー、新作ソフト1本が買えてしまいます(それぞれ32978円、8778円、6578円、合計48334円)
VRという未知の分野の代物と分かりきって面白いゲーム機、正直言って前者を選ぶ人は少ないでしょう。
値段という点をクリアしたとしても、次にコンテンツの不足という難題が立ち塞がります。
昔から言われている事ですが、VRには所謂マリオのようなキラーコンテンツが無いと言われており、Beat SaberやSkyrimVR、VRchatがコンテンツとしては有力視されていますが社会現象になっている程流行っているとは言いづらく、そこに至るまでの動線が確保されているとも言い難いのが現状です。
かといってゲーム機のみならずDVDプレイヤーとしての価値が高かったPlayStation2のように、メディア再生機器として売り上げを伸ばすというのも現状のVRにおいては難しいです。
Oculus創業者であるパルマー・ラッキー氏が述べていたように、VRの普及については「継続的な利用」が最も重要です。
例えば、PlayStationVRは2019年3月時点で販売台数420万台を突破しており、世界で一番売れているVR機器にも関わらず評判をサッパリと聞きません。
個人差はあるかと思いますが、よく聞く感想は「最初こそ楽しんでやっていたけど、使わなくなった」という物が多いです。
後は、メディアなんかで取り上げられるVR機器を使っている様子は近未来を連想するようなナウい恰好なんてとても言えず、なんというべきか滑稽に見えるというのもひとつある気がします。
2.実際にやってみた
ではどうするか?
答えは至極単純なものでキラーコンテンツをVRでやらせればいい、です。
まずは下記tweetを見て欲しい。
具体的に何をやったのか説明しましょう。
まずVRchatに誘い、デスクトップモードにてアカウントを作成して3日間程体験してもらいました。
その後我が家へお越し頂き、VRHMDを実際に被ってVRchatを楽しんでもらいました。
結果、その日の内にVRHMDを購入、PCアップグレードもその週の内に終わらせて、今では元気にVRchatの世界を楽しんでいます。
こんな具合に兎に角体験してもらう事が一番重要です。
VRは凄まじい技術であることに間違いはないのですが文章や画像、動画ではとてもではありませんが説明できません。
VR技術を語る上でよく使う例え話なのですが、テレビを知らない人にテレビを説明するにはどうすれば良いでしょうか?
箱や板のようなものに人が入っていて、動いたり喋ったり、踊ったりする。
説明として外れてはいないものの、何を言っているのか分からないと思います。
それと同じでまずは触れて体験してもらう、これは必須です。
一度でも体験して楽しんでもらえば、傍目からすれば10万だの15万だの正直狂っているような額をVR機器やPCに突っ込むのも理解してもらえると思います。
3.動線確保
まずは、VRchatに関しての簡単なフローチャートを見て頂きたいと思います。
多少雑な表になってしまいましたが、PCを持っているか否かが判断のポイントになります。
昔に比べればVRを動かす敷居は下がったものの、最初からVRを満足に動かせるスペックのPCを持っている人は少ないです。
なので、まずはデスクトップモードでVRchatを楽しんでもらい、しかる後にPCVRへ以降する。
PCそのものを買い替える予算が組めない、もしくは持っていないという人へはQuestを購入してもらう。
何れにしてもVRを体験してもらうというのが重要な要素になります。
4.プレゼントに最適
予算が組める人はamazon欲しい物リスト等からVR機器を直接贈りつけるというのも大変有効な手段です。
恐ろしい事に、VRchat上ではデスクトップモードの人にVRHMDを贈ったりトラッカーを贈ったりいう事がザラに行われています(VRが動くPCが贈られてきたという証言もあります)
手元にあれば人は使ってみたくなるもの、それが贈り物であれば尚更の事です。
VRHMDを持っていないのにトラッカーだけ送る、フルトラ化を促すためにトラッカーをあえて1個だけ送るという策士の方も居らっしゃるようです。
5.エロの力は偉大なり
技術は戦争とエロで進歩する、なんて言葉をご存知でしょうか?
18歳未満の方も当記事を読んでいると思いますので程々にしておきますが、R-18コンテンツの力というのは恐ろしいものがあります。
実際、2016年6月に行われたアダルトVRフェスタ01というイベントでは当初の予定を遥かに超える来場者が集まってしまい、入場規制が行われたという珍事が起きました。
歴史を振り返ってみると、ベータマックス対VHSのビデオ戦争にせよ、CDにせよ、ストリーミング配信でさえ最先端の技術とアダルトは切っても切り離せない関係にあります。
VRに関して言えば2015年当初よりカスタムメイド3D2というエロゲーが流行っており、スマホVRにおいてはアダルトVRが大人気でした(これを目当てにVRを買った人も多いのでは?)
当記事内での詳しい言及は控えておきますが、これらR-18コンテンツの力を借りて普及をするというのは選択として十分アリです。
6.メインコンテンツは人間
MMO全盛期を覚えている人には懐かしい話になるかもしれませんが、レベルカンストしてしまいやれる事が無く、アップデートも冴えない物ばかりで糞運営と嘆きながらも毎日ログインをしてギルドやグループのメンバーとチャットをする。
サービス終了、もしくは致命的な糞アプデが来た際にギルドメンバーと共にネトゲ難民となり移住先を探す。
かつてはこんな光景がよく見られました、SNSが無かった時代なのでやり取りはメール等でしたが、繋がりは強固なものだなぁと思ったものです。
ソーシャルVRについても同じ図式が当てはまり、本当に楽しいのはVRコンテンツではなく人と人との繋がりなんじゃないかと思います。
誤解を招かないように言っておきますと、VRに関してはそれそのものが凄まじい技術ですし、オフラインのVRゲームも大変楽しいものです。
VRとソーシャルの相性がとんでもなく良いと思えてならないのです。
察しの良い方は気が付いたかもしれませんが、ネットゲームを昔やっていた、.hackやソードアートオンラインのファンである、Twitter等SNSが大好きという人はかなり狙い目だと思います。
7.終わりに
ここまで読んで頂きありがとうございます。
しつこいようですが、兎に角VRを体験させるというのがVR普及における一番重要なポイントです。
VR機器を売っている代理店はこの点を承知のようで体験ブース等があったりします、それらを活用してみるのも良いでしょう(流石にVRchatはできないと思いますが・・・)
所感ですが、最近はVRHMD及びPCパーツの値段低下、VR及びアバター文化のメディア露出のおかげかVRchat内もかなり人口が増えてきており、まだまだこれから盛り上がっていくコンテンツなんだろうなと思えます。
最後に、新約聖書ルカによる福音書6章から有名な一節を引用してこの場を締めたいと思います。
「与えよ、さらば与えられん」
"Give and it shall be given unto you. Give and then you will be given"
与えられた物で沼の底に沈んでも、居心地さえ良ければ万々歳だと思います
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