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✨日本ダービー2024を血統から分析予想してみました✨

こんにちは!ゆみです🍎
さあ、今週は春の一大イベント、競馬の祭典、東京優駿(日本ダービー)です🐎日本の競馬に関わるすべての人が憧れる、最高の栄誉の舞台が今年もやってきました✨このレースを的中させると一年気持ちよく過ごせますし、外すと一年悔しい思いをして過ごすことになるので、私にとっても一番力が入るレースとなります😆何としても当てたいレースなので、一生懸命血統分析していきます!

【東京優駿(日本ダービー)】
2024年5月26日(日)15:40発走
東京競馬場 11R 芝2400m
イギリスの「ダービーステークス」を模範として1932年に創設されました。牡馬限定のイメージがありますが、牝馬も参戦可能です。皐月賞、菊花賞とともにクラシック競争に位置付けられています。このレースを優勝することは、日本の競馬に関わるすべてのホースマンが憧れる、最高の栄誉と言われています。距離は第1回から2400mとなります。「最も運のいい馬が勝つ」という不思議な格言がありますが、ポイントはオークスと同様、折り合いがついて最後の直線でしっかりと瞬発力を発揮できることと、そのために長い距離を走り切れる欧州的なスタミナの豊富さがポイントとなります🍎


天気予報

東京競馬場の当日の天気予報は金曜時点で晴れ🌞降水量もなく、良馬場での開催となりそうです!先週の高速馬場が継続されるようであれば、瞬発力があり時計を持っているスピード馬に有利で、重馬場を好むパワータイプの馬には不利なレースになりそうです。

馬場状態

Cコース1週目の開催。コース変わり1週目となるので、先週からのレースで内柵沿いにあるダメージは覆われる状態となり、最後の直線では内外の差はなくなる見込み。先行馬は前が止まらない内柵沿いで押し切りたく、後方馬は外から末脚で差し切る競馬をしたいところです。

【JRA発表】
今週からCコースを使用します。柵の移動により傷みはカバーされ、全体的に概ね良好な状態です。

コース・展開

【Sペース】
日本ダービーは東京競馬場2400mで開催されます。ジャパンカップなど、日本を代表するレースで使われる距離となります。
スタートはスタンド前の直線のちょうど半ばあたり。スタンド前を通過しながら先行争いし、1コーナーに向かいます。1コーナーまでは約350メートル。過去10年の勝ち馬は1コーナーを8番手以内で通過しており、序盤のポジション取りがカギになります。「ダービーポジション」を意識したいところ。ハイペースで逃げるのではないかと噂されていたメイショウタバルが出走取消となり、逃げ馬不在となったため、武豊ジョッキーの⑪シュガークンが逃げとなりそう。武豊ジョッキーの絶妙な逃げによって1000m通過61秒くらいのスローペースに落ちつき、道中レジェンドの豊ジョッキーに競りかけていく無謀な人はいないので、道中まくりをかけていく馬もいないのではないかと思います。バックストレッチには上り坂があり、ここでペースが緩んで馬群が固まります。3コーナーにかけては緩やかな下り。直線に入るとすぐ160メートルで2メートル上る坂があります。上り切ってから残り300メートルはほぼ平坦。最後の直線(525.9メートル)では瞬発力比べとなります。インコースを距離ロスなく走り、スタミナを温存することも重要な要素で、豊富なスタミナとともに最後の直線で瞬発力を出す必要もあり、スピードとスタミナを兼ね備えた能力が要求されるコースとなります。
スローペースからの最後の直線で瞬発力勝負となることが予想されるため、1コーナーに入る時にはある程度前目のポジション(10番手以内)にいることが勝利の条件となります。また、スローペースでの折り合いも必須となるので、かかり癖のある馬は道中スタミナをロスしてしまい、末脚を出すことが難しくなるため、折り合いの良さも今回は大きなポイントとなります。先団から中団にポジション取りし、道中しっかり脚をため、直線では切れる末脚を出せる馬を中心に狙っていきたいです。

レースのポイント

日本ダービー好走のために必要な能力は以下の通りです。

・折り合いの良さ
・先行力
・ラスト3ハロン33秒台の末脚

この観点から出走各馬を見ていきたいと思います!

総合評価

それでは結論から!今回はこのような評価と馬券にしたいと思います🍎
◎軸馬
 ⑮ ジャスティンミラノ
〇相手
 ⑧ アーバンシック 
 ⑨ ダノンエアズロック
 ⑫ シックスペンス
☆抑え
 ② レガレイラ 
 ⑥ コスモキュランダ 
 ⑪ シュガークン
 ⑰ ショウナンラプンタ

馬券

三連複フォーメーション(15点)
  ⑮-⑧⑨⑫-②⑥⑧⑨⑪⑫⑰

ここから先は評価の詳細となります🐎
長文になるので、気になる部分だけ選んで読んでいただければm(__)m

血統、戦歴を踏まえた各馬評価

① サンライズアース(牡・3歳)

父 レイデオロ(欧州・キングマンボ系)
母父マンハッタンカフェ(日本・サンデーサイレンス系)
母母父 ヌレイエフ(欧州・ノーザンダンサー系)

【評価:×】
お父さんはレイデオロ。キングマンボ×シンボリクリスエスの配合で、欧州型ロベルト系の豊富なスタミナを活かし、日本ダービーを制しました。最優秀3歳牡馬、翌年には最優秀4歳牡馬を獲得しています。まだ種牡馬デビューして間もないのでデータは少ないですが、産駒は一転して未だ重賞勝ちはなく、馬場が渋ったレースやダート中距離を中心に好走するパワータイプの馬が出やすい傾向にあります。母父はマンハッタンカフェ。サンデーサイレンス系のドイツ名牝出身です。自身は3歳夏以降に成長し、長距離G1を3勝しました。産駒は幅広い適性距離を示し、1600m~3200mまで、G1馬を輩出しており、リーディングサイアーを取ったこともあります。血統的には、古馬になってからの成長力、パワーとスタミナを伝える役割を果たします。母母父はヌレイエフ。欧州型の血統で、パワーと加速力に優れます。血統構成としては、欧州系が強く出ており、瞬発力強化の要素を血統に一切入れない代わりに、古馬になってから重馬場や坂のある長距離コースで、豊富なパワー、スタミナを発揮していくタイプになります。
前走皐月賞では、出遅れから後方を追走し、最後の直線では外に膨れてしまうアクシデントがあり、凡走となりました。レース後のジョッキーインタビューでは、デムーロジョッキーは、「元気すぎるぐらいで、集中していなかったです。能力は高いのですが、まだ馬が子供であまり競馬を分かっていない感じです」とコメントしていました。まだ3戦しかしておらず、血統的にも晩成型、さらに血統のベクトルが欧州系に強く傾いており、ここでは適性が真逆となります。1枠1番の絶好枠を引けたとはいえ、私はこの馬が好走できる要素は見つけられませんでした。

② レガレイラ(牝・3歳)

父 スワーヴリチャード(日本・ハーツクライ系)
母父ハービンジャー(欧州・ダンチヒ系)
母母父 ダンスインザダーク(日本・サンデーサイレンス系)

【評価:
皐月賞に続き、日本ダービーにチャレンジすることとなった牝馬です。皐月賞6着からの巻き返しはあるのか、世代上位の牡馬の中、牝馬にして優勝することができるのか、今回は大変注目されています。お父さんはスワーヴリチャード。ハーツクライ産駒で、自身は日本ダービー2着、大阪杯や重馬場のジャパンカップを勝ちました。種牡馬としてデビューしたばかりですが、すでに重賞勝ちも出ており、先が楽しみな血統です。まだ産駒のデータは多くないですが、お父さんの能力を受け継ぐとすると、東京競馬場のような長い直線での瞬発力と良い脚を長く使えるスタミナに強みがあると思われます。母父はハービンジャー。海外G1で活躍した経歴を持ち、産駒にはペルシアンナイト、ディアドラ、ブラストワンピースなど、マイル~長距離までの幅広い距離のG1馬がいます。好走する馬の多くは母父がサンデーサイレンス系かキングマンボ系であり、日本の主力血統と高い親和性を示します。狭くて小回りのコースは向かない一方、東京のような広いコースは適性を示し、外を回して差し切るスタイルを得意とします。母母父ダンスインザダークは、サンデーサイレンス系ながら菊花賞の勝ち馬を3頭も出しているステイヤー血統で、スタミナ強化の要素を加えます。血統構成としては、東京の中長距離をターゲットとし、豊富なスタミナを活かし、外から差し切る戦法が得意な馬となります。
前走皐月賞では、ゲート裏でテンションが上がってしまった分、スタートをうまく出ることができず、他馬に入られてしまい、ズルズルと後方の位置取りになってしまいました。3コーナーから外を選んで回ってきましたが、苦しい伸びで6着となりました。道中リラックスして走ることができたのは収穫でしたが、位置取りやスタート前の消耗があったための差だったのかもしれません。それでもタイトな流れの中で追走し、メンバー一位の末脚33.9秒を出せたのは能力の高さを証明したレースでした。他の過去レースも見てみますと、出遅れてから中団~後方を追走し、メンバー最速の上がりを出して差す競馬をしています。ここでは1枠2番に入ってしまいましたので、ある程度先団~中団に位置を取り、内柵沿いをぴったり追走しながらロスなく回り、直線では自慢の末脚を繰り出してくれたら優勝まである可能性があります。一方、仮に皐月賞のように発走前にテンションが上がってしまい、スタートを失敗して後方になってしまうと凡走の可能性が高くなってしまいます。その意味では、スタート前の状態、スタートで出遅れないことが勝負の結果を左右することになりますので、発走直前まで状態を見極める必要があります。現時点での評価が大変難しい一頭で、直前の状態次第で評価が〇にも×にもなります。。血統的にも東京コースは合いますし、ルメールさんの鞍上に戻ることも追い風になるので抑えておきたいですが、少なくとも軸にするにはギャンブル性が高い一頭ではないかと思います。現時点の評価では抑えまでとしておきます。

③ ジューンテイク(牡・3歳)

父 キズナ(日本・サンデーサイレンス系)
母父 シンボリクリスエス(欧州・ロベルト系)
母母父 サンデーサイレンス(日本・サンデーサイレンス系)

【評価:×
お父さんはキズナ。ディープインパクトの子として期待され、日本ダービーを制覇、凱旋門賞も4着に健闘した馬で、代表産駒にはエリザベス女王杯を制したアカイイトはじめ、ソングライン、ディープボンドなどがいます。キズナ産駒の面白いところは、牝馬は短距離向きの瞬発力がある馬、牡馬は長距離向きのスタミナがある馬を出すところで、性別により適性が異なる点です。この馬は牡馬なので、長距離向きの体力のあるタイプと考えられます。母父は欧州ロベルト系のシンボリクリスエス。日本ダービーは2着でしたが、天皇賞秋、有馬記念、ジャパンカップに勝っており、パワーとスタミナに合わせ、スピードの持続力も伝えていく血統となります。代表産駒にはエピファネイアがいます。母父としてはレイデオロがおり、こちらもダービー馬。母母父はサンデーサイレンスが入っており、サンデーサイレンス3×3の構成することでためて伸びる瞬発力の源泉としています。極限までサンデーサイレンスの血を濃くしており、血統構成としては2200m以上をターゲットとし、瞬発力で切れ味を発揮するタイプであることが読み取れます。
前走の京都新聞杯は、1枠1番を活かしながら先行し、折り合いに苦労しながらではありますがギリギリ我慢でき、直線で抜け出してからは上がり1位(33.6秒)の勝利となりました。着差以上に強い競馬をしており、長距離適性を見せてくれたと思います。このレースによって、この馬が持つ豊富なスタミナから2400mは問題ないことを証明し、さらに33秒台の末脚は東京コースでも通用するレベルにあると思います。心配なのは、5/4に走ったばかりで中2週での過密ローテであることと、スタートが苦手で出遅れ癖があること。今回は3番の枠に入ってしまったことは痛恨で、ポジションを取りにいくとかかり気味になってしまうので直線で失速します。後方から行くとなると前が壁になってうまく馬群をさばいて上がってくることが難しいです。前走で及第点のスタートを決めてくれた藤岡佑介ジョッキーからテン乗りでG1勝利経験のない岩田望ジョッキーに乗り替わりになることも不利に働きます。血統や能力的には抑えておきたい一頭ではありながら、馬券内に入るには展開面での課題があり、ここでは難しいと判断します。

④ ビザンチンドリーム(牡・3歳)

父 エピファネイア(欧州・ロベルト系)
母父 ジャングルポケット(欧州・トニービン系)
母母父 フレンチデピュティ(米国・ヴァイスリージェント系)

【評価:×
お父さんはエピファネイア。エピファネイアの母は日米オークスに勝利したシーザリオで、兄弟にはリオンディーズ、サートゥルナーリアがいます。日本ダービー2着、菊花賞、ジャパンカップ1着と、中長距離G1で結果を残し、産駒にはデアリングタクト、エフフォーリアなど。最近のG1でも血統表に出てくることが多く、オークス2着のステレンボッシもエピファネイア産駒でした。豊富なスタミナの源泉、欧州系ロベルト一族の出身で、母シーザリオから日本馬場適性やスピードを受け継ぐため、中長距離においてスタミナと瞬発力を高いレベルで発揮します。母父はジャングルポケット。欧州系トニービン一族の出身で、日本ダービー、ジャパンカップを勝っています。東京競馬場のG1は特に得意とする血統で、足をためて最後の直線で瞬発力を繰り出す能力は抜群です。母母父フレンチデピュティは、古馬まで活躍できる成長力、スピード持続力を伝えます。血統構成としては、豊富なスタミナで中長距離をターゲットとし、特に東京競馬場のような長い直線のコースで瞬発力の良い末脚で差し切る馬となっています。
これまで出走した3レースでは、すべて大きく出遅れて最後方から追走する形になっています。前走皐月賞は最後の直線で不利があったため度外視としても、その他2レースではメンバー最速の末脚を出しているとはいえ33秒台後半は、最後方から出す末脚としては少し寂しい数字です。血統的に大得意な東京競馬場になるので得意条件での上がり目は期待できますが、最後方から大外を回す形に限られる当馬を強く推すことは難しいです。内枠の4番に入ったことも、外に持ち出すにも難しく、直線で馬群を割って上がるにも難しい枠となるので、この馬にとっては不運でした。血統が合っている分ここでは抑えたい気持ちがあるのですが、スタートと瞬発力不足の課題、枠順の課題からここでは見送りたいと思います。うーん、狙ってみたい穴馬として考えていたのですが・・・運がない。。

⑤ ダノンデサイル(牡・3歳)

父 エピファネイア(欧州・ロベルト系)
母父 Congrats(米国・A.P.Indy系)
母母父 Foresty(米国・ストームキャット系)

【評価:×
お父さんはエピファネイア。エピファネイアの母は日米オークスに勝利したシーザリオで、兄弟にはリオンディーズ、サートゥルナーリアがいます。日本ダービー2着、菊花賞、ジャパンカップ1着と、中長距離G1で結果を残し、産駒にはデアリングタクト、エフフォーリアなど。最近のG1でも血統表に出てくることが多く、オークス2着のステレンボッシもエピファネイア産駒です。豊富なスタミナの源泉、欧州系ロベルト一族の出身で、母シーザリオから日本馬場適性やスピードを受け継ぐため、中長距離においてスタミナと瞬発力を高いレベルで発揮します。母父は米国A.P.Indy系で、馬格とスピード持続力を伝えます。母母父には米国ストームキャット系を入れ、加速力、スピードの絶対値を強化します。血統構成としては、中距離(特に2000m)をターゲットとし、瞬発力の血統要素を徹底して入れ込み、切れの良い末脚を強化した馬となっています。
前走皐月賞は発走直前のアクシデントで中止となりましたが大事には至らず、今回は調子を整えて出走できそうで一安心です。その前のレースなどを見てみますと、スタートしてから馬のリズムに任せるように無理せず促し、中団のポジションを確保し、最後の直線では切れの良い末脚を発揮する競馬をしていました。メンバー1,2位の上がりを安定して使うことができます。一方、馬格のある馬で、血統的には2000mをターゲットとして瞬発力強化に特化している分、欧州的なスタミナ要素が不足しており、長距離向きではないことから距離適性に若干疑問があります。また、陣営は、クラシックに挑戦するもののまだ成長は先でじっくり育てたいという意向があり、また前走のアクシデントから無理はさせたくないこと、1月の京成杯以来久々のレースとなりハイレベルなメンバーとの競馬は初めてとなることなどを考慮すると、何としてでも勝ちにきている馬がたくさんいる中で、この馬はどこまでポテンシャルが通用するかチャレンジする意味合いでの出走となることが推定されます。レースがゆったりとした流れで瞬発力勝負になると馬券内まで好走する可能性はありますが、積極的に評価することはできず、抑えておきたい一頭ではありますが、他馬との比較の上で馬券に入れるか判断していきます。

⑥ コスモキュランダ(牡・3歳)

父 アルアイン(日本・ディープインパクト系)
母父 サザンイメージ(米国・ヘイロー系)
母母父 Zabeel(欧州・サーゲイロード系)

【評価:
お父さんはアルアイン。ディープインパクト×米国型A.P.Indy系の配合を持つ馬で、皐月賞、大阪杯を勝利しました。まだ種牡馬としてデビューしたてでデータは多くはありませんが、本人はパワフルな馬で、馬場が渋った場合やハイペースのスタミナ消耗戦を得意とし、直線が短く坂があるコースを好んだので、ディープ産駒の中でも米国型に近く、パワー、スタミナタイプとなります。母父は米国型ヘイロー系。サンデーサイレンスを経由しないヘイロー系はパワー、スタミナを伝える役割となります。母母父はサーゲイロード系のZabeel。オセアニア史上最高の種牡馬として大成功を収めたサートリストラムの産駒で、オーストラリアのリーディングサイアーを2度獲得し、母父として宝塚記念2着のワーザーを輩出しました。欧州に高い適性を示し、豊富なスタミナを伝えます。血統構成としては、スタミナとパワーに勝り、馬場が渋ったり坂があるコース(中山、阪神)をターゲットとし、先行して押し切る競馬を得意としそうな配合ですが、米国系のスピード強化の要素を欠く分、瞬発力が不足していることが気がかりです。
過去レースを見てみますと、前走皐月賞では中団に位置し、勝負どころでスムーズに外に出し、坂を力強く駆け上がりの2着となりました。切れる末脚はない分、長く良い脚を使えるタイプで、出遅れ癖はありますが、綺麗なスタートを決め、好位でスムーズに運ぶことができます。ここでは切れ味がない分、先行して押し切る戦略を選択すると思います。重馬場になり、パワー、スタミナ比べに持ち込むのが理想的ですが、良馬場になるとどうしても瞬発力を欠くので、この舞台では皐月賞ほどの好走は難しいように思います。抑え評価までとします。

⑦ ミスタージーティー(牡・3歳)

父 ドゥラメンテ(欧州・キングマンボ系)
母父 サドラーズウェルズ(欧州・ノーザンダンサー系)
母母父 Irish River(欧州・リバーマン系)

【評価:×】
お父さんはドゥラメンテ。タイトルホルダーやスターズオンアースを代表産駒に持ち、ディープインパクトにも匹敵するポテンシャルがありましたが、わずか5世代の産駒を残しただけで残念ながら早世してしまいました。2000m、2400mといった中長距離を得意とし、スタミナ、スピードともに高いレベルにあり、東京2400mは守備範囲だと思います。母父は欧州系サドラーズウェルズ、母母父も欧州系のリバーマン系となっており、スタミナ、パワー強化に特化した配合となっています。重馬場で急坂のあるコース、ハイペースのスタミナ消耗戦をターゲットとした血統構成となっており、逆に良馬場の東京コースで瞬発力勝負となれば血統的には真逆の方向性となります。当日の馬場や展開が極端に向けばチャンスはあるかもしれませんが、良馬場でミドルペースに落ち着きそうなので、ここでは難しいです。また、欧州系の血が濃く晩成型となるので、3歳春のクラシックではまだ馬体や気性が幼い可能性があります。
前走皐月賞では5番手で先行し、中団のインにつけて絶好のコース取りをしましたが、ハイペースであったこともあり、最後の坂で失速し、伸びきれずに10着となりました。今回は距離は持ちますし、近走はかかり癖や気性難な部分も改善してきており、だいぶ良くなってきている一方、良馬場となった場合に瞬発力がないことが致命的です。皐月賞は急坂があり、直線の短い中山で、ハイペースという、この馬に向いた展開であったにも関わらず、好走できなかったことは成長はまだ先で力負けしてしまった結果だったのではないかと思います。評価できそうな要素は私には見つけられませんでした。

⑧ アーバンシック(牡・3歳)

父 スワーヴリチャード(日本・ハーツクライ系)
母父 ハービンジャー(欧州・ダンチヒ系)
母母父 ダンスインザダーク(日本・サンデーサイレンス系)

【評価:〇】
お父さんはスワーヴリチャード。ハーツクライ産駒で、自身は日本ダービー2着、大阪杯や重馬場のジャパンカップを勝ちました。種牡馬としてデビューしたばかりですが、すでに重賞勝ちも出ており、先が楽しみな血統です。まだ産駒のデータは多くないですが、お父さんの能力を受け継ぐとすると、東京競馬場のような長い直線での瞬発力と良い脚を長く使えるスタミナに強みがあると思われます。母父はハービンジャー。海外G1で活躍した経歴を持ち、産駒にはペルシアンナイト、ディアドラ、ブラストワンピースなど、マイル~長距離までの幅広い距離のG1馬がいます。好走する馬の多くは母父がサンデーサイレンス系かキングマンボ系であり、日本の主力血統と高い親和性を示し、狭くて小回りのコースは基本的に向きませんが、広いコースでの競り合いで大外から堂々と差し切るスタイルを得意とします。母母父ダンスインザダークは、サンデーサイレンス系ながら菊花賞の勝ち馬を3頭も出しているステイヤー血統で、スタミナ強化の要素を加えます。血統構成としては、東京の中長距離向きの構成で、豊富なスタミナを活かしながら、大外から競り合い、差し切る戦法が得意な馬になります。
前走皐月賞では、スタートをうまく切れず、後方からの競馬となってしまいました。横山武ジョッキーはレース後コメントで、もう2列くらい前が欲しかったとコメントしていましたので、中団くらいに位置するイメージをしていたことが伺えます。道中は我慢が効いたので、直線に入ってからは外目に出し、末脚を発揮しての4着となりました。血統面から得意ではない中山コースにおいてもよく走ったと思いますし、コース取りの差での4着でしたので、勝ち馬との力差は皐月賞ではまだ明らかになっていないと考えています。また、他の過去レースを見てみますと、必ず出遅れて最後方を追走する形となりますが、その分末脚はメンバー上位のものがあり、東京競馬場のコースでは33秒台前半を出せるポテンシャルを持っていると思われます。血統的に得意の東京コースに変わることもこの馬にとっては有利に働きます。少し心配なのは、スローペースとなれば後方の位置取りは不利となるので、勝ち切るには難しい可能性がありますが、高い評価をしていきたい一頭です。

⑨ ダノンエアズロック(牡・3歳)

父 モーリス(欧州・ロベルト系)
母父 Fastnet Rock(欧州・デインヒル系)
母母父 ストラヴィンスキー(欧州・ヌレイエフ系)

【評価:〇】
お父さんはモーリス。古馬になってからマイルG1に5勝、天皇賞秋に勝利した馬です。産駒には、ピクシーナイト(スプリンターズステークス)やジャックドール(大阪杯)、ジェラルディーナ(エリザベス女王杯)がいます。距離はスプリント戦から中距離まで配合によってはこなすので、2400mもギリギリ守備範囲といったところでしょうか。特徴としては、馬場が渋った場合やハイペースのスタミナ消耗戦を得意とし、直線が短く坂があるコースを好む傾向にあります。母父は欧州型のFastnet Rock。オーストラリアのG1スプリンター。産駒は欧米でG1馬を輩出しており、オーストラリアではマイル以下の距離で活躍する馬が多く、2度リーディングサイアーを取った実績があります。血統面では、スピード能力、特に瞬発力を強化します。母母父は欧州型ヌレイエフ系のストラヴィンスキー。イギリスのスプリントG1を連勝した馬で、スピード能力を伝えます。血統配合としては、1200~1600mをターゲットに、スプリンターの一流血統をふんだんに入れ込むことで、徹底的に瞬発力、スピード能力を強化した馬となります。
過去レースは、意外にも1800~2000mの中距離を中心に使われています。東京コースで3勝。前走プリンシパルSではモレイラジョッキーを背に、中団から良い差し足を伸ばしての勝利となりました。大外枠からのスタートで前に馬を置きにくい道中でしたが、かかることなく大人しい一面を見せ、最後の直線では他馬が全く相手にならないほどの末脚を見せての1着となりました。このレースは7~8分のデキであったと陣営からコメントがありましたが、この勝ち方はG1の風格を感じさせるものでした。モーリス産駒であることを考えると東京2400mはベストな距離ではありませんが、折り合いが良く、オーストラリアのスプリントG1馬×イギリスのスプリントG1馬の血統に裏付けされる瞬発力で、最速32.7秒、前走33.4秒の末脚を出せる能力は他馬の追随を許さず、また日本ダービーでの好走ポイントに合致しており、評価しなければいけない一頭です。スローペースとなるのであれば、展開の利も期待できそうです♪

⑩ サンライズジパング(牡・3歳)

父 キズナ(日本・サンデーサイレンス系)
母父 Zoffany(欧州・デインヒル系)
母母父 Exit to Nowhere(欧州・リバーマン系)

【評価:×】
お父さんはキズナ。ディープインパクトの子として期待され、日本ダービーを制覇、凱旋門賞も4着に健闘した馬で、代表産駒にはエリザベス女王杯を制したアカイイトはじめ、ソングライン、ディープボンドなどがいます。キズナ産駒の面白いところは、牝馬は短距離向きの瞬発力がある馬、牡馬は長距離向きのスタミナがある馬を出すところで、性別により適性が異なる点です。この馬は牡馬なので、長距離向きの体力のあるタイプと考えられます。母父は欧州デインヒル系。重い馬場向きのスタミナ、パワーを強化するとともに成長力を伝え、2歳戦から活躍できる素地を作ります。母母父は欧州リバーマン系。マリアライトがこの血を持っており、稍重の宝塚記念(阪神2200m)でキタサンブラック、ドゥラメンテを破って優勝したイメージからも、急坂のあるコースで力強いパワーを見せる血統となります。血統の仕上がりとしては、瞬発力を捨て、パワーとスタミナに特化した超欧州指向の馬で、不良馬場や凱旋門賞などの欧州のレースを狙った血統構成であることが読み取れます。少なくとも日本ダービーとは真逆の適性です。
過去レースを見てみますと、ダートの中距離を使われてきたり、重馬場の京都芝2000mで勝ったりと、実績は血統そのものを反映している傾向にあり、また末脚は35秒を切ったことがなく、日本ダービーの適性に限って言えば、瞬発力が著しく不足します。前走皐月賞のジョッキーコメントで菅原明ジョッキーは、前バランスで走る馬なので、今日のような馬場(良馬場)は合わなかったと述べています。とにかくパワー、スタミナに特化した馬で、ここでの好走はよほど雨が降らない限りは難しいと思います。

⑪ シュガークン(牡・3歳)

父 ドゥラメンテ(欧州・キングマンボ系)
母父 サクラバクシンオー(欧州・プリンスリーギフト系)
母母父 ジャッジアンジェルーチ(米国・ボールドルーラー系)

【評価:
お父さんはドゥラメンテ。タイトルホルダーやスターズオンアースを代表産駒に持ち、ディープインパクトにも匹敵するポテンシャルがありましたが、わずか5世代の産駒だけで残念ながら亡くなってしまいました。2000m、2400mといった中長距離を得意とし、スタミナ、スピードともに高いレベルにあります。東京2400mは守備範囲です。母父サクラバクシンオーは、1400m以下の距離で11勝したスプリンターで、産駒には高いスピードと持続力を伝えます。G1を7勝したキタサンブラックの母の父としても知られており、ドゥラメンテ×サクラバクシンオーの配合はキタサンブラックと同じ血統の方向性となります。母母父は米国型ボールドルーラー系で、ダート向きのパワーとスピード持続力を伝える血統です。血統構成としては、スタミナとパワーを豊富に持ちながら、サクラバクシンオー譲りのスピードの高さも合わせ持つため、中長距離において先行しても差しでも好走しそうです。目指すところは第2のキタサンブラックといったところでしょうか。
過去レースを見てみますと、逃げ先行スタイルで重馬場、良馬場問わず押し切る競馬で3連勝してきました。前走青葉賞では、武豊ジョッキーを背に先行し、押し切る競馬で勝利。勝利ジョッキーインタビューでは、お兄さんのキタサンブラックを意識していること、ある程度先行して折り合いをつけることができるか、追い出しての反応はどうかという点の確認をしながら乗ったこと、デビュー当初からダービーを目指したいことをコメントされていました。一方、切れる脚はそこまでなく、青葉賞もラスト3ハロンは33.9秒。スタミナとパワーに富む分、瞬発力は不足しています。ダービーでも先行して押し切る競馬をすることが予想されますが、果たして瞬発力がどうかというところでしょうか。

⑫ シックスペンス(牡・3歳)

父 キズナ(日本・サンデーサイレンス系)
母父 Twirling Candy(米国・ファピアノ系)
母母父 Victory Gallop(米国・ファピアノ系)

【評価:〇】
お父さんはキズナ。ディープインパクトの子として期待され、日本ダービーを制覇、凱旋門賞も4着に健闘した馬で、代表産駒にはエリザベス女王杯を制したアカイイトはじめ、ソングライン、ディープボンドなどがいます。キズナ産駒の面白いところは、牝馬は短距離向きの瞬発力がある馬、牡馬は長距離向きのスタミナがある馬を出すところで、性別により適性が異なる点です。この馬は牡馬なので、長距離向きの体力のあるタイプと考えられます。母父は米国型ファピアノ系で、サンデーサイレンス系の母父として血統に入る例では、コントレイルやスワーヴリチャードが挙げられます。サンデーサイレンス系との相性が良く、産駒には馬格とともに、瞬発力、スピードの持続性を伝える役割を果たします。母母父も米国型ファピアノ系。ファピアノの血を濃くすることで、一段と瞬発力、スピードの持続性を強化しています。結果して、母系はスピードの絶対値を上げる役割を果たしています。血統構成としては、長距離向きのスタミナの土台に、強烈な末脚、瞬発力を加えた馬となっています。日本ダービーに勝つことを目標に生産されているとさえ思える血統であり、瞬発力を活かして差し切るスタイルとなるのではないでしょうか。
過去レースを見てみますと、まだ弱い部分があるため間隔を空けて使う必要があり、また万全の状態でダービーを迎えるため、あえて皐月賞は使わず、ダービー一本に待機したとコメントされています。前走スプリングSは道中スローではあるものの、中山で33.3秒の末脚、特に直線だけで後続を3馬身半突き放した末脚は素晴らしかったです。上がりの2ハロンはともに10秒台。母系ファピアノに裏打ちされた強烈な末脚は東京コースでは大きな武器になります。スローペースとなるのであれば、先行した分の展開の利はあると思います。一方、キャリアは浅く、少数頭のレースでスローの瞬発力勝負だけで勝ち上がってきた当馬にとって、初めて経験する東京コース、初めて経験する流れの中、どこまで末脚を発揮できるのかがポイントとなります。騎乗は川田ジョッキーですが、それでもテン乗りとなることはあまりいいことではありません。未知数な部分が多く、強く推せるわけではありませんが、3歳クラシックの未知数さこそが面白みでもあるので、どんなレースをしてくれるのかワクワクしながら観戦したいと思います🍎

⑬ シンエンペラー(牡・3歳)

父 Siyouni(欧州・Nureyev系)
母父ガリレオ(欧州・サドラーズウェルズ系)
母母父 Green Tune(欧州・ニジンスキー系)

【評価:×】
この馬はフランスで生産された外国産馬。フランスのセリで3億円で落札され、矢作厩舎に入居しています。矢作調教師が世界の舞台、特に凱旋門賞を勝つために手に入れた馬なんだと思っています。お父さんはSiyouniという欧州ヌレイエフ系。早熟血統で、産駒はフランス2冠馬やフランスダービー、凱旋門賞のソットサスなど欧州で多数の活躍馬を出しました。日本では母系に入って末脚のスピードを強化する役割を果たすことが多いですが、当馬は父として、豊富なスタミナを伝える役割となりますが、重厚な血統なので日本の馬場適性はやや心配なところです。母父ガリレオは、イギリスのリーディングサイアーと凱旋門賞馬の配合で、半弟に凱旋門賞馬のシーザスターズがいます。12年に渡りイギリスのリーディングサイアーに君臨した経歴があり、こちらも超一流の欧州血統となります。母母父は欧州ニジンスキー系。日本の競馬においては、底力とスタミナを強化しますが、またまた欧州系の血統となります。血統構成としては、欧州の一流血統をとにかく集めた血統となっており、重馬場や坂のあるコース、ひいては凱旋門賞のような長距離でタフなレースをターゲットとして生産されていることがわかります。瞬発力の要素は皆無である分、先行してフラットペースに持ち込み、スタミナ消耗戦の粘り勝ちに持ち込んでいくのが日本の馬場での戦い方になると思います。厩舎としては、クラシックで好走してくれたら、古馬になって凱旋門賞にチャレンジしていきたい思いがあるものと推察します。また、生産の世界に戻ったら、サンデーサイレンスとの配合を考えるうえで貴重な欧州系の血統として、豊富なスタミナを伝えていく役割を果たしていくことになる子なんだろうと思います。
過去レースを見てみますと、前走皐月賞では中団に着け、直線に入り、懸命に鞭が入って伸びてきましたが、瞬発力が足りず、惜しくも5着という結果となりました。他のレースでもだいたい34~35秒台の末脚となるので、瞬発力勝負となると分が悪いです。重馬場で上がりのかかる馬場になり、先行して押し切る競馬をするしか好走できる戦略はなさそうで、急坂のある中山や阪神で重馬場になったら狙ってみたい一頭ではありますが、良馬場の日本ダービーにはあまりにも血統のベクトルが正反対を向いているため、期待するのは難しそうです。

⑭ ゴンバデカーブース(牡・3歳)

父 ブリックスアンドモルタル(米国・ストームキャット系)
母父 ディープインパクト(日本・サンデーサイレンス系)
母母父 Loup Solitaire(欧州・ロベルト系)

【評価:×】
お父さんはブリックスアンドモルタル。米国型の血統で、北米のリーディングサイアー3回取ったGiant's Causewayの後継種牡馬として期待されており、能力伝承の観点からは、スピードの速さと成長力を伝えます。BCターフ(2400mのG1)などを勝利してはいるものの、血統的には米国型となるので、基本的には産駒は短距離~マイル路線をターゲットとしているものと考えられます。母父はディープインパクト。これによりG1好走のための素地を固めるとともに、瞬発力やスタミナ強化を図っています。また、母母父に欧州型ロベルト系の血統を入れることで、成長力、加速力を強化しています。血統構成としては、1200~1600mをターゲットとし、先行して押し切るスタイルとなります。
過去レースを見てみますと、サウジアラビアRCの勝ち馬で、少数頭ではありながら最後方から良い末脚を発揮しました。デビュー戦は逃げて勝ったこともあり、自在性の高い馬であることがわかります。ブリックスアンドモルタルが強く出ていればマイル以下の距離に適性があると思いますし、ディープインパクトが強く出ていれば2000mまでは許容範囲かもしれません。前走NHKマイルカップではモレイラジョッキーを背に中団からメンバー上位の末脚を使って4着に健闘しました。NHKマイルカップでは、この馬のローテーションや体調面が心配されており、ホープフルSは感冒(風邪)で出走を取り消され、その後に喉の手術を行っており、それ以来の復帰戦でした。陣営は、当初は皐月賞へ直行のプランでしたが、重度の挫跖でローテーションの見直しを行わざるを得なかったとコメントしています。もともと健全な成長曲線を描けていないことや、乗り込み不足、メンタル面で不安定な要素もあるという情報もあったので、十分な準備ができていない懸念がありましたが、走ってみたら道中は落ち着いてしっかり折り合っていましたし、レースを2回しか使っていないとは思えないくらい大人しさを見せてくれました。直線で外に出してからは少しよれる面も見せながらも長く良い脚を使っており、いい内容だったと思います。一方、マイル戦しか出走したことがなく、またNHKマイルカップすら準備がぎりぎりだったのに、NHKマイルカップから日本ダービーを使うローテーションは過密であり、血統面からも距離適性を欠いていることから、ここでは課題が多いのではないかと感じています。

⑮ ジャスティンミラノ(牡・3歳)

父 キズナ(日本・ディープインパクト系)
母父 Exceed And Excel(欧州・ダンチヒ系)
母母父 Shareef Dancer(欧州・ノーザンダンサー系)

【評価:◎】
お父さんはキズナ。ディープインパクトの子として期待され、日本ダービーを制覇、凱旋門賞も4着に健闘した馬で、代表産駒にはエリザベス女王杯を制したアカイイトはじめ、ソングライン、ディープボンドなどがいます。キズナ産駒の面白いところは、牝馬は短距離向きの瞬発力がある馬、牡馬は長距離向きのスタミナがある馬を出すところで、性別により適性が異なる点です。この馬は牡馬なので、長距離向きの体力のあるタイプと考えられます。母父は欧州型ダンチヒ系で、オーストラリアの最優秀スプリンターExceed And Excel。G1を6勝し、産駒には2歳からG1を勝つ馬も輩出しており、2012,2013年にはオーストラリアのリーディングサイアーを獲得しました。母系に入り、スピード能力、瞬発力を強化する役割を果たします。母母父は欧州型ノーザンダンサー系のShareef Dancer。ノーザンダンサー系の中では目立った存在ではありませんが、アイルランドダービーを勝った実績があり、イギリスで種牡馬入りしてからは産駒にイタリア、アイルランドのオークスを勝った牝馬など、多くの活躍馬を出しました。欧州系の2400mで好走できるスタミナを伝える血統となります。血統構成としては、長距離向きのキズナ牡馬にスピード、スタミナをバランスよく強化した配合で、中長距離でスタミナを活かしてよく走る馬になります。
言わずもがな、前走皐月賞の勝ち馬です。5番手で先行を見る形で追走し、ハイペースながら直線、外目から伸びてきて押し切って優勝しました。日本ダービーが最大目標で、皐月賞は8割くらいの仕上げで出てきた気配でしたが、そこでレコードタイムで優勝した実績はこの馬の強さを表しています。ストライドが大きい馬なので東京競馬場の方がレースがしやすく、状態もさらに整えてくるでしょうから、期待に応えるようなレースをしてくれるのではないかと思っています。先行しているのであまり末脚のタイムは出ていませんが、控える競馬をしても母父オーストラリアの最優秀スプリンターExceed And Excelのスピードを持っているので、瞬発力では劣らないと思います。高い評価をしなければいけない馬ですが、少し心配なのは騎手のゴーサインに対して反応が鈍いところがあり、その面が出てしまうと今回のダービーでは最後の直線で置かれてしまう可能性があるかもしれません。先行馬でありながら外枠に入ってしまったことも、スタート後のポジション取りで脚を使ってしまったことで末脚が鈍ることも考えられるため、そのリスクを考慮した上で馬券の組み立てを検討したいところです。

⑯ メイショウタバル(牡・3歳)【出走取消】

父 ゴールドシップ(日本・ステイゴールド系)
母父 フレンチデピュティ(米国・ヴァイスリージェント系)
母母父 ダンスインザダーク(日本・サンデーサイレンス系)

【評価:×】
お父さんはゴールドシップ。兄弟のドリームジャーニー、オルフェーブルと同じ血統構成で、欧州のレースでも通用する突出したスタミナを伝えるステイゴールドの血統を日本競馬に残していく意味で重要な役割を果たしています。産駒には、オークスを勝利したユーバーレーベンなどがいます。渋った馬場での中長距離で好走する産駒が多く、スタミナ消耗戦などで活躍する傾向にあります。母父フレンチデピュティは米国型の血統で、スピード能力を強化するとともに、古馬まで活躍できる成長力、スピード持続力を伝えます。母母父ダンスインザダークは、サンデーサイレンス系ながら菊花賞の勝ち馬を3頭も出しているステイヤー血統で、疲れを知らないスタミナの強さを伝えてくれます。血統構成は、重馬場の中長距離をターゲットとし、先行して豊富なスタミナで押し切っていくレースを好みます。逆手に取ると、良馬場で瞬発力比べになると血統的には反対のベクトルとなるので、分が悪い形となります。
前走皐月賞はじめ、近走では逃げに徹しています。皐月賞は返し馬までは落ち着いていましたが、ゲートに入った瞬間にテンションがあがり、道中はかかり気味になってしまった結果、一頭だけ大逃げするような形になってしまいました。4コーナーではすでに手ごたえがなく、最下位に沈んでしまいました。控えて良さが出るタイプでもないので、今回は何とか道中かからないようにしながらの逃げを打ちたいところでしょうか。馬場状態は理想を言えば重馬場が向いているように思います。良馬場ではこのコースでは逃げ切りが難しく、また血統構成上、瞬発力が不足している点が心配です。

⑰ ショウナンラプンタ(牡・3歳)

父 キズナ(日本・サンデーサイレンス系)
母父 Zensational(米国・アンブライドルドソング系)
母母父 ヘネシー(米国・ストームキャット系)

【評価:☆】
お父さんはキズナ。ディープインパクトの子として期待され、日本ダービーを制覇、凱旋門賞も4着に健闘した馬で、代表産駒にはエリザベス女王杯を制したアカイイトはじめ、ソングライン、ディープボンドなどがいます。キズナ産駒の面白いところは、牝馬は短距離向きの瞬発力がある馬、牡馬は長距離向きのスタミナがある馬を出すところで、性別により適性が異なる点です。この馬は牡馬なので、長距離向きの体力のあるタイプと考えられます。母父は米国型アンブライドルドソング系で、サンデーサイレンス系の母父として血統に入る例では、コントレイルやスワーヴリチャードが挙げられます。サンデーサイレンス系との相性が良く、産駒には馬格とともに、瞬発力、スピードの持続性を伝える役割を果たします。母母父は米国型のヘネシーで、こちらもスピードの絶対値を上げる役割。末脚が速く、瞬発力がある馬に仕上げるのに必須の血統となります。血統構成としては、キズナ産駒牡馬の長距離(2200m以上)適性に、徹底的に瞬発力を強化した形となっており、まさに日本ダービーに勝つことを目標に構成されており、瞬発力を活かして差し切るスタイルとなります。
過去レースを見てみますと、ほとんどのレースで上がり最速クラスの末脚を出しており、後方から差し切る競馬をしていることがわかります。血統から読み取ることができる得意な能力に競馬のスタイルが合っている馬は強いです。前走青葉賞は外枠に入ってしまい、道中は前に馬を置けずに引っかかるところがあり、その分最後の直線では甘くなってしまっての2着となりました。レース後のジョッキーインタビューでは、鮫島騎手は、左に張る癖や前進気勢が強く、制御が難しい馬であることを述べています。それでも続けて騎乗し、厩舎や牧場サイドと連携して、普段の調教からコンタクトを取って修正してきた結果、本当に良い走りを見せてくれたとも述べています。鮫島騎手が継続して騎乗することもあり、陣営が粘り強く努力してきた結果が日本ダービーの舞台で出ても何らおかしくないと思っています。長距離適性、瞬発力は好走ポイントに合致しており、あとは道中落ち着いて走れるかがネックとなります。抑えておきたい一頭です。

⑱ エコロヴァルツ(牡・3歳)

父 ブラックタイド(日本・サンデーサイレンス系)
母父 キングカメハメハ(欧州・キングマンボ系)
母母父 A.P.Indy(米国・A.P.Indy系)

【評価:×】
お父さんはブラックタイド。G1を勝った実績はありませんが、ディープインパクトの全兄(父と母が全く同じ)ということで種牡馬になり、キタサンブラックを出しました。産駒は馬格があり、パワータイプが多く、非根幹距離(1800mや2200m)を得意とします。ディープインパクトと全く同じ血統ながら、産駒の特徴が異なることは大変興味深いです。母父はキングカメハメハ。ここでは母母父であるA.P.Indyの血統的な能力を引き出す役割を果たします。A.P.Indyはサンデーサイレンス系との相性が良く、スピードの持続力を伝えます。血統構成としては、重馬場や中距離ダートをターゲットとし、先行してフラットペースで押し切るようなスタイルとなります。
過去のレースぶりはどうでしょうか。強烈なかかり癖があるのが特徴で、共同通信杯ではスタートを切ってから終始かかり、最後の直線では全く余力なく失速していきました。その反省から、前走皐月賞ではあえてスタートを抑え、最後方でストレスをかけることなく追走させ、最後の直線ではメンバー最速の上りを出しての7着となりました。武豊ジョッキーはレース後、この馬のやりたい競馬はできました。折り合いさえつけばいい脚を使ってくれますね、とコメントしていることからも、現状は最後方を追走させ、最後の直線で末脚にかけるしか取り得る戦法がありません。最後方から大外を回して馬券内に入るには、32秒台の末脚を出す必要がありますが、血統面から瞬発力に期待はできないため、なかなかここでの好走は難しい気がします。

総合評価

出走各馬の血統、過去レースの分析結果から、こんな感じの評価になりました🍎
◎軸馬
 ⑮ ジャスティンミラノ
〇相手
 ⑧ アーバンシック 
 ⑨ ダノンエアズロック
 ⑫ シックスペンス
☆抑え
 ② レガレイラ 
 ⑥ コスモキュランダ 
 ⑪ シュガークン
 ⑰ ショウナンラプンタ

馬券

三連複フォーメーション(15点)
  ⑮-⑧⑨⑫-②⑥⑧⑨⑪⑫⑰

最後に

金曜日の夜時点での情報を基に予想しましたが、土曜や日曜の馬場状態やパドック、返し馬の状態を見ながら最終的な評価をして馬券を修正していきたいと思います🍎
毎週G1は楽しみなのですが、日本ダービーはやはり特別感があります✨このレースを的中させると一年気持ちよく過ごせますし、外すと一年悔しい思いをして過ごすことになるので、何としても当てたいです笑。また、日本ダービーは普段競馬をしない方も見るレースとなりますので、そんな方にもわかりやすくポイントをお伝えできたらいいなと思い、気づいたら2万字近くの大作となってしまいました・・・💦長文を読んでいただいた方、本当にありがとうございましたm(__)m
競馬が好きなみなさんと予想を楽しみながら、少しでも参考にしていただけるものがあったらいいなと思っています!
また、少しでもこの記事が参考になった方は、スキ💛をぽちっとしていただけると励みになります!それでは、競馬の祭典、日本ダービー楽しみましょう!!🐎

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