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Z世代との会話術:「3F」とは?

大学という現場で20年近くにわたって、「大学生」と一緒に過ごしてきました。とくにゼミ活動を通じて、学生たちとかなり密なコミュニケーションをとってきたかなと。

そんな私が考える「Z世代との会話術」がありますので、ここでご紹介していきたいと思います。会話術というか、会話の前の前提、という話でもありますが。

さっそくですが、私が考える大事なポイントは3つ。それは、”Frank”, ”Flat, Free”の3Fです。


01 フランクであること

3つのポイント、どれも大切ですが、まず「フランクさ」について。大学生からすれば、大学の先生って、もうそれだけで遠い存在というか、「異世界で生きている人」という類なんですね。小学校、中学校、高校の「先生」とはかなり距離感あるという前提に立つ必要あるかなと。

だからこそ、ファーストインプレッションをとても大切にしています。例えば、スーツを着ない、というのも一つです。いや初期は着てましたよ、どれだけ暑くても(笑)

ただ服装が与えるイメージって本当に大きいんですね。ただでさえ心理的な壁があるのに、スーツ着てたら、その壁をさらにコンクリートで固めるみたいなものじゃないですか。なのでもう服装はカジュアル一択です。ドレスコードあるわけでもないので、そこは恵まれているなとは思いますが。

ただ、「教員っぽさ」を演出する意味でも、ジャケットは着ます。夏はポロシャツとかで。服装、大事です。民間企業だと難しいケースもあるとは思いますが、とくに若い世代と接するときは、やっぱりトータルの清潔感とか、その辺は重要じゃないかと。

そして服装以上に「フランクさ」において大切なことがあります。たくさんあると言えばあるのですが、ズバリ「自慢話しない」ということかと。

マウントって言葉、ありますよね。今の子たちは、自慢話に対しては、どうしても「マウントとってきたな…」という意識が生まれるんですね。これはもう仕方のないことかと。で、そうなったら終わりです。シャッターガラガラ状態になります。あ、この人は自分とは立場の違う人、というラベリングが完了するので、ここで「フランクな関係性」は破綻します(笑)

いや昔話や自慢話が全部ダメということではないんです。ただ、モノゴトって順番があるし、何よりお互いの信頼関係が構築されていない状態で、そういった「自分中心のストーリー」が始まったら、Z世代じゃなくても距離感って生まれますよねという話で。

要するに、「上から目線になってないかどうか?」を意識する必要がありますかね。考えすぎるとシンドイと思いますが(笑) 自分を客観的に捉えて、「どう見えるか?」を考えることって、どんな世代に対しても、誰に対しても、最低限は抑えておくことって大事ですよね。これで右往左往するのは違うとは思いますが、誰に対してもマナーとして、という部分ですよね。

なんかこう、昔から「今どきのワカモノは…」という、ハナからネガティブなイメージでスタートしてるという気がするんです。もちろん、そうじゃない人もいると思いますが。もし、自分自身が「はじめまして」の人と接するとき、すでに相手がマイナスのイメージを持った状態だったとすれば、辛いじゃないですか。それと同じことかなって思ってます。

02 フラットでいたい

と、いうことで次の「フラットに」が出てきます。世代の違いであれ、肩書の違いであれ、どうもまだ日本人って、そこに強いこだわりがあるような。

例えば私は学生たちに対して、もちろん「教員としての自分」もありますが、その前に、そもそも「ひと対ひと」だよねって気持ちでいます。肩書を外せば、フラットな人間関係だし、それがベースなんじゃないかと。

とはいえ、もう初期は「私は大学の先生だよ!」っていうスタンスで学生と接していたと思います。で、何でそうなったかを考えた時、自分自身でバリアをつくろうとしてたなと。

つまり、「私は先生だから、尊厳をもって接してね」という深層心理があったんじゃないかと。肩書依存といいますか。こうなると、学生は「この人は先生だからこうしなきゃ」になりますよね。心が開かれた状態にはならないです。ただでさえ、コンクリートみたいなカタい壁があるわけですし(笑)

それに気づいてからは、「教員である存在よりも前に、まず自分らしくいよう、自分らしく接していたい」と思って、肩の力が抜けました。もちろん、リスクもありますよね。学生から舐められるんじゃないか、とか。

そこは覚悟を決めるしかないと。「ワタシ教員ですけど」という囲いをつくって、学生と距離感ある中で生きていくか、「立場や年齢も違うけど、みんなと同じ、ひとりの人間だよ」というスタンスでフラットに接していくか。私はもちろん、後者を選択しましたし、それで多くの学生たちともフランクに、フラットに接することができるようになったかなと。それは間違いないです。

そして、そういうメッセージはちゃんと学生たち、若い世代たちもキャッチして受け入れてくれます。これも確実に言えることです。

03 ”自由”がいい

とにかく日本人ってリラックスした状況、関係性を構築することが難しいなと。とくに世代が違えば違うほど、そうですよね。気を使って疲れちゃうというか。

私のゼミでは、まず「ここは安心できる場所だよ」と思ってもらって、信じてもらうことを何より大切にしています。そこで信頼関係が生まれれば、あまり堅苦しくなく、リラックスした状況になっていくんですね。そして、それぞれが自分自身の「自由さ」を見つけていって、獲得していく、という感じです。

なので、ここで言う「自由さ」とは、過度に他者に気を使うことなく、自分らしく居られること、という意味です。そして、それこそ若い世代が求めているものだと。

そうした空間を「創り出す」ことは、大人の責任の一つじゃないかと思うんですね。ザ昭和の時代であったように、若い世代を上から押さえつけることは簡単でしょうし、ラクでもあるかもしれません。でも、それはお互いの関係性を破壊する行為であるということ、私たちはもっと強く、深く認識する必要があるんじゃないかなと、それは教育という現場にいて痛感します。

すでにスポーツをはじめとする育成の分野では、そうした価値観が重視されてきてるかな、という印象は受けています。ただ、まだまだ道半ばだなと…。

これからも、自分が大学という現場にいて感じたこと、こうあるべきなんじゃないか、と思うことを発信していきたいと思っています。では、お読みいただき、ありがとうございました!

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