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さよなら、としまえん。

としまえんが閉園する。
そんな噂話が持ち上がるのは練馬区出身者なら1度や2度経験したことがあるだろう。
東京ヴェルディのスタジアムが出来るとか、新東京タワー(スカイツリー)を誘致しているとか。
今回もハリーポッターのテーマパークができると聞いて、久しぶりの閉園噂話かと思っていたら、あれよあれよと2020年8月31日の閉園が発表された。

コロナで一時閉園を余儀なくされていたが、6月には営業再開。
人生で一番最初に行った遊園地、小さい頃は夏の花火、成人式の会場などなど、練馬区出身者としては思い入れがある場所なので、閉園前に一度訪れておきたかった。

地元の友人たちと訪れたのは、7月の第一土曜日。パッとしない天気が続いていたが、なんとか雨は降らずにいてくれた。

駅に集合して正門から入る。
ここ数年はプール以外は閑散とした印象があったが、閉園を惜しんでかそれなりに来園者はいそうだ。

園内に入り最初に向かうのは、メリーゴーランドのカルーセルエルドラード。
100年以上の歴史を持つメリーゴーランドで、としまえんの名物。少年時代は全く興味が無かったので乗った記憶はなく、大学時代に機械遺産登録のニュースで歴史あるものだと知って、初めて乗りに行った。なので個人的にはさほど思い入れはないが、やはりアイコン的存在として乗る人や写真を撮る人が多かった。

昔、ジープで進んでいくアフリカ館なるアトラクションがあった。
少年時代好きなアトラクションのかなり上位に位置していて、行くたびに絶対乗っていた。しかし、90年代後半にはなくなってしまった。正直内容はあまり覚えていないが、頭上をピューマ?が飛び越す仕掛けだけは記憶に残っている。取り壊し後、たぶんそのスペースは隣接するトイザらスの一部になったと思うが、定かではない。
そんなアフリカ館と並んでミステリーゾーンと言うアトラクションがある。二人乗りのライドに乗って進むのだが、名前に反してかなり和風な展示内容。お化け屋敷と呼ぶにふさわしいが、古風なお化け屋敷も存在するため、洋風な名前になったのだろうか。
乗ってみると、老朽化のせいもあるだろうけどしょぼくれている。これはむしろ、ディズニーランドの細かすぎる作りこみに慣れてしまっているせいなのかもしれない。

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オートスクーターは、少年人気絶大なアトラクション。天井に張られた金網に電流が流れ、カートから伸びたアンテナはバリバリといいながら進む。たまにバチっと火花が散るのも最高にかっこいい。一方通行で、ほかのカートにぶつかっちゃダメと厳しくアナウンスされる。昔はもっとルールが緩かった気もするが、きっと記憶違いだろう。

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古風なお化け屋敷は、「ここは元々〇〇だったから、本当にお化けが出る」。そんなうわさ話も練馬育ちの少年だったら、絶対に聞いているだろう。展示内容は昔ながらのお化け屋敷で、お化けなどの人形が並んでいて、動きも少ない。最近では実際に人が脅かしに来るタイプも多いので、時代遅れ感は否めない。

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ちなみに、お化け屋敷の横にはロケットの形をしたアトラクションがあり、動く座席とスクリーンで宇宙冒険ができた。これもスターツアーズに乗るまでは、こんなにも面白いアトラクションがあるのか!と思っていた。気づいたらこちらも無くなってしまった。

そもそも少年時代から閉園までの約30年の間、じわじわととしまえんは縮小していった。幌馬車みたいなライドが縦にグルングルン回転するアトラクションやシャトルループ、トップスピン。そういえばフライングカーペットもなくなっていた。そんな状況だから、閉園のうわさも絶えなかったのだろう。

としまえんには3つのジェットコースターがある。
代表格はサイクロン。丸太状の車両で、シンプルにドロップが続くコースターであるが、手を伸ばしたら届きそうなくらい生い茂った木々の間を抜けるコースが違ったスリルがある。トンネルを抜けて、石神井川の上を通るのも個人的に好きである。
2連続でのコークスクリューがあるその名もコークスクリュー。これは安全バーが積もり積もった独特な匂いを発していて、それが苦手だった。西武園ゆうえんちにも同様のコースターがあったが、どうやらそれは既に撤去されているようだ。

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建物の屋上部分を走るブラワーエンジンはSL型の車両でかわいらしい。生まれて初めて乗ったジェットコースターだ。

としまえんは他にも、1階がゲームコーナーやレストランで、その屋上にアトラクションといった建物がたくさんある。
としまえんのシンボルの1つフライングパイレーツ(3密防止で一列ごとに間隔を開けて操業していた。)やとしまえんで最も高い到達点を誇るイーグルなど。どれも思い出深いアトラクションだ。

夕方近く最後に乗るアトラクションはやはり、カルーセルエルドラド。木馬は上下することなく、グルグル回るだけだが、歴史あるアトラクションだけに、閉園後もどこかで長く遊ばれ続けるアトラクションであってほしい。

8月になると連日メディアで取り上げられ、閉園を惜しむ人がたくさん押しかけたようだ。

そして、8月31日に閉園した。

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