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シンデレラに憧れて〜ある女の子の物語〜

 みなさん、初めまして。Luciaと申します。
これから、自分自身の生い立ちを1つの物語として、描いていけたらと考えています。
どんなふうになっていくのか?私自身未知の世界でワクワクしています。
どうぞ、一緒にこの物語にお付き合いいただけたら嬉しいです。



 ある晴れた朝、その子は、産まれた。
名前はルーシー。まるまると太った元気な女の子。
梅雨の晴れ間、古い公立病院で両親に見守られながら産声を上げた。

ルーシーは、とてもおとなしく、手のかからない子供だった。2歳違いの兄に手がかかる母を気遣うように、ハンモックの上ですやすやと眠っていた。

 4ヶ月くらいたったころ、ルチアはお母さんのおっぱいを受け付けなくなった。
ルチアは、
生暖かい感触がどうも苦手でそこから離れたがった。
そのうち、哺乳瓶でミルクを飲むことがお気に入りとなっていった。

歩けるようになると、母の元へ行きミルクをねだり自分のふとんへ横たわり飲み干した。枕元へ哺乳瓶を置くと、しっかりゲップまでして、すやすやと眠るのであった。

そんな姿を見て、両親は驚きながらも手のかかる兄へと意識を向けていった。ハンモックの上で眠るルチアは、その視界から遠ざかっていった。

小さな4畳半の和室。まだ幼いお兄ちゃんは、部屋をぴょんぴょん跳ね回る。
もし、下へ寝かせてお兄ちゃんがルーシーを踏んづけたら大変!
若いお母さんは、慣れない育児で効率よく、かつ安全な方法としてハンモックを導入することにした。

『我ながらグッドアイデア💡』

ルーシーは、大人しくしていて転落する事もなさそうだ!日々、目の回るような忙しさの中とっても便利なアイテムを手に入れてまだ知り合いも少ない都会の片隅で母は必死に生きていた。

そんな母の様子を知ってか知らずか、ルーシーはそのハンモックですやすやと眠る毎日…

でも、ある時目を覚ますと、ひとりぼっち。
ハンモックに敷かれたアイロン台は硬くて痛い!
動きたいけど動けば下へ落ちてしまう。まだ、赤ちゃんのルーシーにも危険!と言うことは本能的に分かっていた。

すると、お母さんが部屋に入ってきた!

『お母さん!早く抱っこして、ここから下ろして!』

そう願いながら、いい子にして待つルーシー。
だけど、お母さんはまだ寝ていると思って行ってしまった!

『あー、お母さん行かないで!
早くここから下ろしてよ!もう、背中が痛いよ!ほら、私いい子にしてるでしょ。だから早く出して!』

その願いは、届くことはなかった。

つづく


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