ルチアがルチアとして生まれ変わる瞬間〜死の淵から自分を取り戻すまでのライフストーリー20〜
第20話 クリスチャンとして導かれていく
長期講座を受講することを決めたその頃、不思議なことが起こった。
親友のひとみちゃんから、「海外から祈りの力の強い牧師先生が来るからルチアも祈ってもらったら?」と誘われた。
その日は、午後と夜に予定が入っていて普段なら断るところだった。だけど、なぜかどうしても行かなければならない衝動にかられていた。
その頃既にコネプラでコヒーランスとハート/脳洞察を習っていたので、コヒーランスをしてハートに聞いてみた。ハートは、
「必ず行け。」だった。「他の何をおいてもその教会へ行くように。」
ハートにしたがって、教会へ行くことにした。一緒に行ってくれるはずだったひとみちゃんは、仕事の大事な会議と重なってくることが叶わなかった。
そんな中、たった1人で教会へ向かった。その教会は、キリスト教初心者向けのアルファと言う学びでお世話になっていたのでその点では気が楽だった。
その当時の私と言えば、「信仰心」なるものが全く分からず、「困った時だけ神様に頼るのは、間違っている。」と頑なに拒否していた。教えが素晴らしいことや教会の人がみんな優しくて温かいことは分かっていたけれど、今一歩踏み込めない「何か」があった。
そんな中で、金曜日の午前中、ごく僅かな人が集まって、その祈りの会は始まった。
S牧師のお話は英語なので通訳が入った。sのお話の中で、S牧師が祈ると人が倒れてしまうと言う。そんなバカな?もし、真実だとしても、クリスチャンの信仰の厚い方に限られたことに決まっている。そう、決めつけてていた。
だけど、まだ心も体も本調子ではない私は、藁をもすがる思いで、その先生に祈っていただくことにした。
前に出ると、S牧師は真っ直ぐ私を見つめ、私の話に耳を傾けた。すると、
「神様を信じますか?」と聞かれた。一瞬迷いながらも、必死な思いで「はい」と頷いた。
何を呟いているのか?全く分からなかったが、その言葉が聞こえてくると何故だか体が後ろに引っ張られる感じがした・・・
ふわっと体が浮いた感じと共に、気がつけば後ろに倒れていた。教会の牧師先生の奥様と教会の方が私を支えてくれたようだった。
そのまま、倒れて横になったまま、祈りの言葉は続いていた。
私には、沢山の悪魔がついていて、今取り払った。けれどもまたすぐに、近寄ってくる。これから3ヶ月毎週教会へ通って祈りなさい。と言うことが聞こえてきた。
それからは、よく覚えていないけれど、体の中を何かが通り抜けて行ったような、浄化されたような清々しさを感じていた。止めどなく涙が頬を伝い意識が遠のいていった。
ふと気がつくと、みんなが心配している声が聞こえてきた。我に帰り、重い体を必死に起こした。
普段ひねくれている私の心が解れて、素直に受け入れていることに気がついた。
それから、毎週日曜日欠かすことなく教会に通った。
今まで時々、ゴスペルでお邪魔した時に、礼拝で賛美してもなかなか賛美できなかったのに、どう言うわけだか知らない曲でも歌詞さえ見たらスラスラと気持ちよく賛美することができた。
その後急遽、夫が上司からの指示で有休消化の為連休を取り、長崎へ旅行することになった。そこでは、世界遺産に認定されたばかりの潜伏キリシタンの足跡をたどり、教会を巡った。佐世保で立ち寄った三浦町教会では、神父様が偶然現れて何も言っていないのに、病気が治るようにと、「マリア様の水」の場所を教えてくれた。
映画「silent〜沈黙〜」の舞台となった、外海を巡りその映画と重ね合わせた。この旅がのちに私をカトリックへと導いていくのだった。
次回へ続く
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