ある好きなバンドの話

報道を知った時から今までずっと、冷静だった。

冷静に記事を読み、TLをひと通り眺めた。

人それぞれの色んな意見が流れていた。ただ眺めてた。
BUMPを好きな人達がざわざわした気持ちを抱えているなかで、私は冷静なほうだったと思う。

悲しんだり、怒ったり、気持ち悪くなっちゃったり、色んな人の色んな感情があったけれど、私のそれは「失望」だったと思う。

ガラガラと音を立てて崩れてくようなこともなければ、涙が出てしまうこともない、とても静かな失望。

「あ〜…なにやってんだよ」という気持ちはあれど、変わらずまた彼らの音楽を聴くだろうと思ってた。歌詞を書いた人がやってしまったらきっともう絶対私の中では無理になってしまうけど、まあベースだし、大丈夫。この人のことはこれから冷たい目で見てしまうと思うけど、音楽は変わらず愛せる。そう思った。

でもまだ聴けてない。

もはや事実がどうかなんてどうでもいい。音楽を聴くのに邪魔になる雑情報が出来てしまった。まるごと安心して彼らの音楽が好きと言えなくなってしまった。彼らの音楽が好きな自分が誇らしいと思えたあの気持ちが幻になってしまったみたいだ。

曲を聴こうとすると、色んな人の複雑な思いを想像してしまってなんだか気まずい気持ちになる。大して曲も知らないような外野からバンドを揶揄されるのを勝手に想像してしまって、まったく聴く気になれない。

来年ツアーするって言ってた。楽しみだった。
でもこのままじゃ、みんなが純粋に楽しめないだろうな。みんなって誰だろう。これで離れる人もいるし、変わらない人もいる。好きでいられるように目を瞑って誤魔化しながらの人もいるだろう。なんかそういうの、考えたくなかったな。あんなにキラキラした場所だったのに。

そういう失望感。

ほんとなにしてんだよ。

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