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ブエノスアイレス2日目 2006/2/11(土)

ブエノスアイレス滞在2日目に書いていた日記である。昼過ぎから23時まで街の中心であるセントロをブラブラして、本格的にブエノスアイレスの街を好きになった。

ブエノスアイレスの街をひたすら歩く 

 3時半に寝て、11時に起きた。シャワーを浴びて日本から持ってきたFLASHを読んでいたら13時になっていた。出発からまだ1週間なのに、日本の雑誌を読むと少し日本が恋しくなるな。こうしてはいられないと外に出る。今日は土曜で店は閉まっているものの、やはり街の雰囲気が良くてテンションが上がる。コロニアル建築の鄙びた雰囲気と青い空、ヨーロッパにはない雰囲気だ。

 歩いて5月通りとペルー通りの交差点にあるサブウェイで昼食。土曜なので食事できる店があまり開いていない。イタリアーノBLTとコーヒーで8.75ペソ(約3USドル)は安いと思うけれど、こちらの物価で考えると高いか。サブウェイは外国人客が多い。彼らは皆英語で通すのはどうかと思う。俺は無理矢理スペイン語で注文している。

 現在15時17分、国会議事堂の前にいる。近くには靴を枕にして日光浴を楽しむ男がいる。タウン&カントリーのロゴのタトゥーを胸に入れている。こちらの人のタトゥー率は本当に高い。サブウェイの後は5月広場へ行った。観光客が少しいた。横にあるカテドラルにも入ったらヨーロッパを思い出した。教会に対してはあまり興味が湧かない。その後は5月通りを真っすぐ歩いて国会へ。少し横道に入ると良い雰囲気だ。国会の前の広場は市民の憩いの場という感じ、サッカーをしている親子なんかもいていい感じだ。おっさんもボール捌きが上手い。そして母親が子供に「Dale!Dale!」と言っているのを聞くとアルゼンチンにいることを実感する。応援でよく聞くフレーズだ。

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 地下鉄に乗って7月9日通りへ。地下鉄A線は銀座線のモデルになったというだけあってレトロな雰囲気が良い。車両の中もやたら薄暗い。オリベスコを見物、とにかくデカい。映画「ブエノスアイレス」でも見たな。そしてラバーシェ通りへ入るといきなり繫華街になって驚いた。人が多い。CD屋に入ったら安くて驚く。アルバムが1000円以下、物欲が一気に芽生えた。サッカーショップもめちゃくちゃ多いし何でも欲しくなる。実はブエノスアイレスOUTで帰国して良かったのではないかと軽く後悔。欲しいものが多すぎる。

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 世界三大劇場の一つを見て歩いて5月広場に戻ってきた。現在18時15分、周りのビルの下でスケートボードをやっている少年がやけに多い。そしてインディオ系の人は表情に憂いを帯びているように勝手に感じてしまう。アルゼンチンは白人系の国だ。周りの人を見ると必ず二人以上で歩いている。歩いている人の一人率が少なくて少し寂しくなる。一人で歩く人がいると思ったら大抵日本人旅行者だ。ラバーシェ通りで数人見かけた。

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 フロリダ通りへ。ここはかなり賑わっている。店もお土産屋が多く、服屋も沢山見かける。大道芸人や3人組のジャズバンドもいた。ラバーシェ通りに戻ってROMAというレストランに入る。この旅初の一人レストラン入店、メニューを頼むだけでも一苦労。どうにかビール、パスタ、サラダを頼む。トルコの安食堂みたいに指差しで注文出来たら楽なんだけどな。こちらのレストランは日本人の感覚では安いからありがたいけれど、入るのが大変だ。写真が無いのでメニューが分からない。日本に来る外国人もこんな感じなのかな。一人で飲むと寂しいのは確かだが、久々のビールは美味しかった。パスタはトマト、サラダはポテトサラダだった。味は普通。これで18ペソ、6USドル。

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 その後はラバーシェ通りで日本語読み書き可能のネットカフェを探した。「プエド・ハポネス?」とジェスチャー付きで質問する。英語ならMay I Japanese?という感じで文法も何も無くて片言もいいところだ。無事日本語が使える店は見つかったが書くことは出来なかった。今日WとKがイタリアに出発したらしい。約20日間も旅するとのことでテンションが上がった。外国にいるのが自分一人でないと思うと嬉しくなった。一時は一人旅はもう十分なんて思ったりしたし、誰かと一緒の方が楽しいこともあるけど、海外に一人でいるだけで楽しい。そしてブエノスアイレスが最高だ。

 外に出ると更に人通りが増えている。22時で街は盛り上がりまくり、むしろこれからが始まりという感じだ。レストランも22時を過ぎてやっと満席になってきた。オリベスコの広場も人が多い。子供も夜更かしだ。宿までは歩いて帰ることにした。7月9日通り沿いは結構人が歩いているし行けそうだと思った。ホームレスがいてビビったものの、何とか帰ってこられた。決して安全とは思わないけれども注意して歩けば行けないこともない。

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 23時頃にホテルに到着。歩いて30分くらいで着いた。しかしこの宿は本当にいい。通り沿いに面している部屋がとにかく最高だ。2時過ぎでも夜中まで起きている近所の人の話し声、バス停でコレクティーボを待つ人々とか、この街の日常をバルコニーから見られるなんて本当贅沢だ。部屋の裸電球含めて全体の作りもいかにも安宿って感じで良いし、本当にここに泊まることができて良かった。幸せだと感じる。ブエノスアイレスの街も自分に合うし、大通りを一本入った街角や公園でのんびりする人々、それを感じられるだけでも十分。本当に好きな街だ。今夜はこの旅で一番気分が良い。明日はリーベルの試合を観戦できる。さっき廊下で昨日会った日本人の人がいたので挨拶したら、ビザ行きました?と聞かれて会話。サッカー観戦の話をしたら、同じだね、よろしくとのことで一緒のツアーらしい。落ち着いたいい感じの人だ。この旅は日本人との出会いがほとんど無いけれども、やはり日本人と話すと和むな。

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 そういえばネットカフェの帰りにキオスコで(25holaという店名がいい)ヨーグルトを買った時に1.75ペソをちょうどで支払ったら店員の男が無言で親指を立ててきた。こういう何気ない仕草にも惹きつけられるものがあるな、ブエノスアイレス。近藤篤さんの「ボールの周辺」をまた読んだ。旅をする度に持ってきてしまう。旅心を刺激される本だ。ブエノスアイレスに関する文を読む。この本を買った高校生の頃はまさかブエノスアイレスに来るなんて思ってもいなかったが、少し憧れてはいたはずだ。それが今、まさにブエノスアイレスの安宿で、何度も読み返したこの街の話を読んでいる。すごいことだ。多分日本に帰ったらブエノスアイレスのことを思い出して、また来たくなると思う。中東の時の経験から分かっている。だから思い残すことの無いように過ごしたい。本当に大好きな街になった。

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