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ブエノスアイレス3日目 2006/2/12(日)

ブエノスアイレス滞在3日目に書いていた日記である。宿の近所を歩き、夕方からサッカー観戦ツアーでリーベルプレート-バンフィエルドを観戦。これがアルゼンチンリーグ2試合目だ。

サンテルモのマーケットへ 

 今日は10時半に起きた。シャワーを浴び、洗濯をして12時に出発。サンテルモ地区に行く。日曜日は骨董市があるらしい。10分ほど歩くと到着。絵とか雑貨のマーケットが並んでいて活気がある。観光客が多い。カラフルでいい感じの絵があった。30ペソ(10USドル)とかだし欲しくなった。あとは昔の新聞、1978年アルゼンチンW杯なんかの新聞もあった。50ペソくらいする。昔のビール等のポスターは10ペソなんかで安い。パリのマーケットより全然こちらの方が良い。やはりブエノスアイレスは最高だ。

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 13時20分、サンテルモの外れにあるカフェ?でカツのサンドイッチとキルメスのビールを頼んだ。キルメスは650mlの瓶で出てきたので完全に酔っ払った。飲みすぎだけど気分が良い。相変わらず食事のメニューが読めなくて大変だけど、こういう店の雰囲気が好きだ。店員がそっけないのも逆に良い。日本人なんかには媚びない姿勢、ブエノスアイレスらしくて良いなと思う。

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 13時43分、レサーマ公園にいる。さっき食事をした店を出たら、ちょうど日本人の大学生男女4人組が入って行った。見た目で判断するのは良くないが、キャップを被ったいかにもな感じが気に入らない。話せばいい人なのかもしれないけれど、ここアルゼンチンで大学生集団はキツい。そこから歩いてこの公園に来た。目の前でサッカーをしている親子のボールがこっちに来たので蹴って返す。「グラシアス」「デナーダ」というやり取りが気持ち良い。公園いいな。歩ける範囲にいくつも公園があるなんて最高だ。東京もこんな感じだったらいいのに。サッカー親子の男の子はボカのユニフォームを着ている。

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 公園からマクドナルドに行ってトイレを借り、ロシア正教会を通って、「A.C. PARQUE TELMO」というサッカーチームの練習場の横にいる。写真を撮っていたら通りすがりの男に声を掛けられた。マラドーナ、メッシ、リケルメ、バティストゥータ…とか話をしてくれたが、スペイン語が分からない。もう少し言葉が分かればなー、でもいい人だった。

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人生二度目のアルゼンチンリーグ観戦

 歩いて宿に戻り、15時になって中庭でサッカー観戦ツアーを待っていると参加者の日本人カップルの女性が登場。フレンドリーな人だ。カナダでワーホリをしてアメリカ→メキシコ→キューバ→ペルー→ボリビア→チリ→イースター島→アルゼンチンと、11月から旅しているらしい。羨ましい旅だ。迎えのバスが来たので乗車。一昨日と違うガイドでちょっと残念。今日はバスが満席、15人位参加している。他の人達は皆高そうなホテルに泊まっている。車中も二人、クミさんとタクミさんと話して過ごす。2人とも日焼けしまくりだ。イースター島焼けらしい。ちなみにサンティアゴでは内藤に泊まったらしい。この後は南極にも行くとのこと、いいなー。話すうちにカンチャに到着。車の周りは観客で一杯、サンロレンソと違って立地がまともだ。さすがリーベル、金持ちのチーム。

 バスから降りた瞬間、おじいさんに話し掛けられる。どこから来た?と問われ、日本と答える。おお日本からか!と嬉しそう。更に色々話してくれたが、スペイン語なので理解ができない。チャオと挨拶して別れる。カンチャに入場する。ツアーだからか専用通路を通る。途中すれ違った少年にチーノ?ハポン?と聞かれ、ハポン!と答える。久々のやり取りだ。グッズショップに案内される。ユニフォームは3rdまで売られている。140ペソ(46USドル)、街中に比べると少し高いかもしれない。練習着も沢山あって欲しくなる。とにかく全て日本の3分の1の値段で買える、こんな機会はそうそうない。クミさんがビールを買っていたので俺もバドワイザーを購入。今日はビールをよく飲む日だ。2ペソ、安い!

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 ショップから外に出ようとしたら後ろから声を掛けられる。振り返ると一昨日のサンロレンソ戦のツアーガイドのリチョだ。ハイタッチして挨拶、どうしてここにいるんだ?的なことを言われてリーベル(を見に来た)と答えると、ボカ!と返された。そういえばリチョはボカファンだと言っていたな。リーベルという言葉に対して即座にボカと答えるのはさすがだ。もしかしたら、お前ボカファンと言っていただろ?リーベルを見に行くなんてあり得ないぞというニュアンスが込められていたのかもしれない。そしてやはり他のツアーガイドと比べて圧倒的にガラが悪い。クミさんに一緒にサッカー見ながら騒いだ知り合いかと思ったと笑われる。もう16時45分、キックオフまで15分だ。

 スタンドに入る。とにかくデカい!テレビで何度も見た光景に興奮だ。しかも今日は席が良い!センターサークル付近10列目くらいの良い場所だ。陸上トラックがあっても全く気にならない。選手が入場、客は7割くらいの入り。17時10分キックオフ、対戦相手のバンフィエルドのインチャも結構いる。2階席に陣取っており、傘も使っていて元気に飛び跳ねている。リーベル側のゴール裏は満席。よく見る旗とタスキ、更に日の丸も5本くらい振られている。日の丸の赤と白はリーベルにうってつけのデザインだ。試合は3-1でリーベルが勝利。バンフィエルドが先制、リーベルが追い付いて前半終了。後半はリーベルが2点、3点目のガジャルドのゴールが綺麗だった。お互い10番は上手かった。そしてバンフィエルドの7番も目立っていた。だからかブーイングが激しかった。どちらかと言えばお互い気迫でぶつかり合うような感じで、華麗なパス回しなんかは少なかった。昨年観戦したミラン-ラツィオの時のようなため息の出るような華麗なプレーは無かった。ちなみに空港が近い為に試合中に上空を飛行機が飛びまくっているのも面白かった。

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 客層は男だけでなく、カップル、家族、親子など様々。若い女性でもリーベルのシャツを着ている。メインスタンドだからか過激な人は見当たらず普通の人という感じだ。特に周りは観戦ツアー客が多めだったが、地元の人はヤジもかなり熱い。応援はバモニッポンの歌が印象的。上里の歌も良かった。コーヒールンバは両チームとも歌っていた。あとはアビスパオーレーの歌やバーモバーモバモサッポロの歌もやっていたな。でも応援の好みとしてはサンロレンソの方が好きかもしれない。すごいのはここだ!という時はスタンド全体で手を振りながら歌って鼓舞すること。前からも後ろからも大声援が聞こえた時は何度か鳥肌が立った。そしてガジャルドの歌ではスタンド全体が飛び跳ねていて驚いた。スタジアムが本当の意味で揺れていた。あとはサンロレンソ同様、服を振り回すアクションが多い。インチャの服装は裸かユニフォームが多いが、普通の私服の人も多い。その他応援では本場のオーレ!を後半終了間際に聞くことができた。これもスタンド全体でやるのに圧倒された。ただし比較するとミランの応援を見た時の興奮には負けるかもしれない。勿論リーベルもすごいのだが、やはり人生初めての外国でのサッカー観戦は衝撃だった。試合のレベルが劣るというのもあるのかもしれない。あとは自分も応援に混ざりたくなってしまう。一昨日も今日も見物という感じが良くない。間近で応援を体験したい。とにかくボカの試合も行くしかない!と決めた。

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 試合後はしばらく待ってから退場。ツアー客が多いようで沢山バスが並んでいる。先ほど再会したリチョのバスもある。運転手は今回も岡田マリア似の女の人だ。バスの中からスタジアムを後にする観客を眺めた。人の波に圧倒される。道路なんか無視して歩く人々にエネルギーを感じた。これがブエノスアイレス市民なのか?綺麗な街並みとのギャップに驚いた。もし負けたら大変なことになるなと思った。

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 宿に着いたのは20時、今日も楽しい一日だった。日が暮れてからサンテルモ方面へ。スーパーでリンゴジュースを買い、ZAPiというピザ屋へ。ちょうどボカの試合をテレビで放送している。熱心に観戦中の男が5人ほどいる。チャンスには大声を出していて見ていて面白い。1-1の引き分けで終わると皆さっさと帰っていった。考えてみればここからボンボネーラまではすぐなのだからボカファンも沢山いるのだろうな。オニオンのピザを食べていたら後ろに日本人大学生風集団がいることに気付いた。だらけた格好をして日本人がよくやる足を引きずって歩く人までいて、なかなかムカつくものがある。日本人とほとんど触れ合っていない今は集団を見るとイラッとしてしまう。いざ仲間に入っていたらこういうのも最高!となるのだろう。

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 スーパーでまた買い物、安いからと調子に乗って1リットルの紙パック入りワインを買ってしまった。これで1.79ペソ、60円!あり得ない安さだ。22時過ぎに宿に戻る。隣の部屋の人が日本人と一緒にいた。多分最初に会った時に外国人と勘違いしてHola!と挨拶してしまったので少し気まずい。日系人のような顔つきの人だ。そういえば宿近くの食堂の横を通ったら、コンニチハ!と声を掛けられた。ボカのエンブレムも貼っていたし今度行ってみたい。こうやって声を掛けられるのも嬉しい。中東を思い出す。やはり中東も好きだ。部屋で早速ワインを飲む。今日は酒を飲みすぎている。そしてウルグアイ行きの旅程を考えた。移動がだるい。飛行機がオープンチケットだったらブエノスアイレスOUTにしていた。まだまだここにいたい。

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 宿のおっちゃんに3泊延泊を伝えた。スペイン語で伝えることが出来た。今は24時45分、明日は早起きしたい。アルゼンチンでサッカーを観戦して思うのは、ますます札幌を応援したくなるということだ。自分のチームは世界で一つだけだし、このアルゼンチン人たちのようにバカになって応援できるチームは自分には札幌だけだと強く思う。そして応援が試合を作っているということも学べた。前半寝ていたリーベルが1点返してからはインチャがやっと盛り上がってきて、選手の動きもそれに呼応して良くなっていったように思う。ここだという勝負どころを全員が理解して、その瞬間はスタンドにいる全員が応援して後押しする。札幌もこれを出来るようになりたいと思った。

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"公園いいな。歩ける範囲にいくつも公園があるなんて最高だ。東京もこんな感じだったらいいのに。"と書いているが、当時は東京の公園での過ごし方を知らなかったのだろう。16年経った今、まさに歩ける範囲にいくつも公園があるエリアに住み、公園無しの生活は考えられない日々を送っている。
リーベルの試合はこの日を皮切りにアルゼンチンで2試合、日本で3試合の合計5試合観戦している。この日ゴールを決めたガジャルドはその後リーベルの監督となり、来日も果たした。Youtubeでこの試合の映像を発見したが、残念ながら3点目のガジャルドのゴールは映像が無かった。2点目は若き日のイグアインが得点を決めている。


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