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ただいま、おかえり③-1

「だれか捨て地連れてってください…」
「下手で良ければ!!」
それが、私達の最初のやり取りだったね

yukiちゃん

yukiちゃんとは、XTwitterで知り合った。
捨て地が怖くて進めないと呟いていた彼女に私から声をかけたのがきっかけだった。
私も全然キャリーが上手いわけじゃなかったし、捨て地も得意じゃなかったけど、怖がる子をほっとけなくて。
一緒に捨て地に行って、原罪にも行ったよね。

私達は毎日一緒に遊ぶ仲ではなかったよね。
お互いにフレンドがいて、飛ぶ時間も少し違ってINがかぶらない日もあって。
でもたまにあったときはたくさんおしゃべりしたり一緒に遊んだりしたよね。
「るなちゃ〜ん!!」ってまるで子犬みたいに駆け寄ってくるあなたが、堪らなくかわいくて、大好きだった。

リサイズ中毒だった私達
ちっこいけど、はじめの頃に比べたら随分逞しく感じる

「受験だから、skyをお休みしなきゃいけないの」
学生さんだとどうしてもその時期が来る。
yukiちゃんも例外ではなかった。
私は悪い大人だから、
「たまーに息抜きしにおいでよ」ってついつい言ってしまったけど、彼女の決意は固くて…
そしてyukiちゃんは私に言ってくれたよね。

「最後にるなちゃんに、かっこいいところをみせたいの!」

連れて行ってくれたのは暴風域だった。
捨て地が怖かったyukiちゃん。
暴風域が苦手だったyukiちゃん。
そんなあなたが、受験でこの世界を離れる前に
私に成長した姿を見せるために、何度も練習した暴風域をキャリーしてみせてくれた。

yukiちゃんは、宣言した通りにかっこよく、スルスルと暴風域を突破した。
「今日のために!」
と、たくましく登る、小さくて、でもとても頼りになるその背中を見ながら、私は密かに泣いていた事を覚えている。

一緒に羽を配り終え、天空に辿り着いた時の、一緒に見たあの星空が、どれほど美しく見えた事か…
名残を惜しみつつも、転生したその先で待っていたのは、たくさんのyukiちゃんのフレンドさんたちだった。
私達は共通の友達もいたけど、そうじゃない人も一緒に、彼女との最後のお別れをした。

yukiちゃん、あの時は貴重なあなたの時間を私に使ってくれて本当にありがとう。
あなたと過ごしたあの時間は、今も私にとって忘れたくない、大切な思い出になっているよ。

続きます

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