Not music but music, so strange but pop
トーマス・J・ワトソン・リサーチセンターにて、つまりIBMの研究部門にて、マンデルブロはフラクタルの概念を発表した。私は正直なところ、マンデルブロ集合というものを正しくは理解してはいない。それでもその概念に触れると、そこで描かれ無限に発展してゆく一連のフラクタル図形にマンダラを連想してしまう。そして同時に私はなぜかどうしても実際的であるはずの経済学が、より空想的であり思弁的であるマンダラに踏み込んだことの驚異に思いを馳せてしまう。
さて話はすこし変わるが、「あなたはあなた」なのか「あなたは私」なのか。例えばソーハムは後者の立場をとる。全てが一つなら対立は起こらないだろうという立場だ。一方、前者は対立項を明らかにすることによって前進を試みる立場だ。従ってソーハムなら、じゃあね”one love”は、”goodbye”ではなく、”再見”だということになる。これは所詮ハイコンテクストの世界にのみ通じる話なのだろうか。私は明確にそうだ、と断言することができない。しかし一方で私は明確に否定することもできない。
再び話を変えることになるが、Apprendre à vivre、生きることを学ぶというのは、すなわち生きるとは成熟することであるとデリダは言う。成熟の過程で答えを見つけることが難しく、しかし誰でもにやがて訪れる成熟の時に、つまりfor goodに向かおうとする時にたどり着くものがあるのだとすれば、それならば、と私は思う。それならば成熟の過程を、分からないものを楽しみたい、と。私にはこれらが全てつながった一つの話であるような気がしてならない。
"I am he as you are he as you are me and we are all together" - Lennon - McCartney