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Like This Parade - The Airport Nostalgia 75

Time gradually slows down. Airport Nostalgia reflects a world that those who depart will never see. エアポートノスタルジアは旅立つ人が見ることのない世界を映す。


The Airport Nostalgia 75 (Sketch)

Flying out of the airport
I fly away today
I can hear your music all the time
Listening to your melody
I can hear your beat all the time
Listening to your reality

(C) Like This Parade, 15min records

The Airport Nostalgia 75は、タイトルにスケッチと付した通りまだ未完成な一つのフレーズを音にしたに過ぎない。けれどもこれはこれで残した方がいいような気がしたのでまずはスケッチをそのまま出してみた。歌詞の後半部分はまだメロディーが無い(ので、このスケッチでも歌っていない)。


エアポートノスタルジアの光景

エアポートノスタルジアは、ある種の望郷や郷愁なのだと思う。ただしそれらは総じて言えば、”remember that you have to die”、または”Memento mori”と言われるような感触に近いかもしれない。本来それは、”carpe diem(今を楽しむ)”と一体となるべきところ、享楽は剥がれ落ち、ただただ静かに思うことにたどり着いたかのような感覚だ。

ただただ静かに思うということを考える時に浮かぶのは、出発ゲートでボーディングを待つ人たちの光景だ。荷物はカウンターで預けてしまった。飛行機に乗る以外の選択肢はない。これから搭乗することになる飛行機の大きな陰影を窓越しに眺めながら出発ゲートで人々はただ待つのみ。

やがてボーディングアナウンスがあり人々はゆっくりと腰を上げて搭乗の列に並ぶ。そして一人づつ機内へと吸い込まれていく。誰もいない出発ゲートがどんなものなのかは分からない。旅立つ人がその景色を見る事はないのだから。出発ゲートは再び次の行き先と旅人を待つ伽藍の下のホールのようになる。郷愁さえも消失したそのホールに”die”が積み上げられていく。

“Take your life in your hands, no one else can. Live your joy. This is me giving advice  to me too. Be dead soon, hurry.”(他の誰にもできない、自分の人生を。自分の喜びを。これは私自身に向けたものでもある。人はやがて死ぬ。急げ) - Andy Partridge