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山怪

これハードカバーで欲しかったやつで、文庫本が出たんだーと、近所の蔦屋で買いました。これ系の本って蔦屋かヴィレッジヴァンガードにしか置いてない様な気がする。
怖い話を集めたホラー物というか、きっと童話や昔話なんかになる前のこんな事あったんだよ、とか、あんなもん見ちゃったよって言うオチやストーリーも無い証言集みたいな、んで、膨大な証言から何かを導き出すわけでも無く、日本中の山で起こった猟師や林業の人達に奥山でインタビューしたもの。

昔読んだ本や聞いた話なんかで昭和も戦前までは里でもキツネやタヌキに化かされたとか、天狗や龍の姿が普通に見えてたとかの話を半信半疑で聞いたり、読んでたけど、ここまで、証言を集められると、やっぱり、本当なんだなぁと思う。科学的な事抜きにして。

でも、マタギや山師の内でも見る人、見ない人と別れるようで、霊感とかが有るとか無いとかでは無くて、
見てないって人でもその結論、逆に無理筋だろって安易な説明してたり、多分心の在り方で違いが出るのかなー。

どうも、タヌキは音で化かし、キツネは視覚で化かす様。
私は多分見る方なんだけど、確かに子供の頃、すごい田舎に住んでる従兄弟の家で夜中におはやし聴いた事が何度かあるんですよね、寝てると聞こえる。布団から出て、窓を開けると聞こえない。気のせい?と思って布団に入るとまた聞こえる。こんな夜中に祭りの練習?みたいな、翌朝、従兄弟に近々お祭りでもあるの?って聞いても、無いけど?って変な顔されるだけで、その聞こえてくるような気がする方角はタヌキのよく出る山というか丘の方角だったなー。

今住んでる所でも、家の辺りは都心から30分圏内なのに自然の多い地区、というかスポット的に自然の残された地域で谷になってるせいか霧が出たり、谷のすぐ向こうは環状線や電車も走ってるのにちょっと異常な位、静かな場所でよく見るんですよ。
帰宅途中、一本道で前を歩いてる女性を中々追い越せないなと思いながら時計で時間を確認し前を向くと誰もいなかったり。                  遅い時間の帰宅に自宅前の広場でバスケの練習してる子がいるのを見て、こんな時間まで熱心だけどボールをつく音に苦情が出そうだなーと思い、自分宅の窓を見上げ、視線を戻すと誰もいない。
そんなことはしょっちゅうで、ある濃霧の夜なんかはベランダでタバコを吸ってた時 上空に20個くらいの四角い窓が霧の向こうで、ぼんやり光ってる。
あれ?ここから谷向こうのプリンスホテル見えてたっけ?と、それにしても最上階以外は電気ついてないのかなー?程度に見てたらどうも回ってる。
で、かみさんに『なあ、プリンスホテルの最上階って回るの?』って呼んで聞いてみたらそんなことはないらしい、でも回ってんだよなーと思いながら眺めてるとだんだん数を増やしながら移動し最終的に40個くらいの列になって西の空へ消えていった。
その時はUFO初めて見た!とか思ったけど、多分、狐火だったんじゃなかろうか?
と、今は思う。元々は、山里の様なところで庭に祠のある家も多いし路地裏や角地にお稲荷さん祀ってあったりが多い場所なので、もしかしたらまだ生息してるのかも。

案外、街でもみんな化かされてる事ありそうだなー東京なんて元々は山や森を切り崩して出来たわけだし。
野生のキツネやタヌキは居なくても山でキツネとされてた存在?なんかが、都市伝説の元だったり。

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