ガンガーのほとり散歩
夜明け前にメインガートへ。朝日が対岸から登るのを待ちます。
街灯ではないけど灯りが多くて、暗くて怖いはありません。が、昨夜はお祭りで沢山の人出があり、お掃除間に合ってません。
ゴミなど踏んでも死にませんが、牛のアレはあれです、ぼーっとして足突っ込むと摩擦係数ががくんと減って、石畳に尻餅つく羽目になります、着地地点が清浄である保証はありません。…無警戒に踏むと滑るので気をつけるのじゃよ。歩きスマホは厳禁じゃ。
たまにコブウシ、ほとんどよく見るウシ(和牛やホルスタインみたいな普通の牛は)。5cm隙間があれば抜く気の車も、牛様には逆らえず、ちょい遠慮します。
そして牛様は道端のゴミを食べて、あれに一括変換します。リサイクル!!(犬と山羊も同じだ)
あれの扱いに慣れた人類は、専用板金というかちりとりで回収していきます。
…踏んでないよ。多分。
メインガートは、夜明け前もそれなりに人。
物売りがいて修行者がいて、沐浴してる人がいて眠たい観光客。なんか明るくなる頃、気がついたら近くで火を炊いている方がいました。儀式僧かな。
ギーのたっぷり入って燃えるランプを掲げて煙を出しながら祈り、最後に法螺貝。
ランプは四つ首くらいのコブラの意匠。
火神アグニは、ギーが大好物。
捧げられたギーとお供えを燃やして天に運びます。立ち上る煙がアグニの姿。
天から降りて地上で休んだアグニは、地上の精髄である牛乳を糧に新たな太陽を生み出します。空には暁紅の女神ウシャスが駆け上り、衣服をはだけて天を美しい色に染め、太陽神スーリヤが馬車に新たな太陽を積んでウシャスを追いかけ天に駆け上がります。
終わって僧が帰り、お付きの人か係の人が大きなランプを回収、小物は僧自身がさっとまとめて持ち帰るところまで見てました。
気がついたら、赤い日が出てます。
対岸は不浄とされてほんとに何もないので、朝日が邪魔されずに出てきます。
さて、沐浴はちょっとしづらいけど触るくらい、と、降りていくと、お供え配ってる男の子に、お花ともう火がついたランプ付きのお供えの皿を渡されます。
ノーサンキューしたのですが、金じゃないんだやりなさい的に押し付けられ、そうかー、と流してみました。そして水に触りました。
透明度0でゴミが浮いてますが、お供えが分解した花びらだけに見えます。
手を入れてみると、油膜がほんのり張ってますがさらさらの水。日本のドブ的な匂いは感じません。
…タフな河だなあとしみじみ思いました。川幅と水量で何でも浄化してしまう。
ただ、インドのおっかさんみたいなガンガーも、頼られすぎちゃって大変みたいです。
とりあえずビビりの日本人はここでうがいとか無理。
満足して帰ろうとしたら、さっきの子に100ルピー要求されました。がおー。(払った)
もー、と、階段登ると多分修行者の方がおいでと。
お金ないよー、と断ると、いいからいいから、と。
お祈りしていただき、額に聖灰+クムクム。
あらーありがとうございました。ちょっとお布施しないとなー、さっきの子より少ないとあれだよね(こうして財布が軽くなる)
まあほられたんじゃなく徳を積んだことにしようと、階段でぼーっと。
少女が隣りに来て、ポストカード買わないか、ステッカーもあるよ、と。
お財布は宿にあるからいらない、と嘘ついても立ち去りません。
きれいな紙を貼った箱を開けると色の粉が入った瓶がたくさん。
ホーリー?(インドの粉かけまつり)ちがうよ、と、私の手をとって、手の甲に銀粉ぺたぺた。
色んなデザインできて友達にも喜ばれるよ、とても安い、と、スタンプ組み合わせて模様作ってくれました。
でもごめん、お金持ってない、と突き放してしばらく。今日はノービジネスだ、と、立ち去っていきました。…商売下手め、見込みい一人にそんな時間かけてちゃだめだよ…(トゥデイ以外は金持ちがぞろぞろ引っかかってくれてると信じよう)
お宿に帰って、朝寝をばっちり決めます。
夕方ボート、それからアラーティを見に行きますがそれ以外はのんびり。
お昼はお宿のサンちゃんおすすめのShree Cafeでベジターリーとミルクティー。
スプーンがあるとスプーンで食べ始める日本人ですが、チャパティで指に料理付き始めるとどうでもよくなり、全部手に移行します。
私の手食はどうでもよく。
ここのカリフラワー炒めが大変おいしかったです。ゆでないで炒めるんだねー。
このお店ベジタリアン用ですが、それでもメニュー豊富で面白かったです。
それからちょいと歩いてBABA Lassi
有名店で、外国人ばかりひしめいてました。
ココナッツラッシー。
…ラッシーは、食べ物です。ヨーグルトの牛乳割りがラッシーだと思ったら、かなりびっくりしました。ヨーグルト水切りしてるのかも。
マドゥライのラッシーも柑橘ジュース入ってたなあ。
ロビーで他のお客さんと話したりコーヒーいただいたり。
日暮れ前にボートに連れてってもらいました。世界一周中青年と一緒。
最初に乗ったボートは人が集まらず、別のボートに移動。手漕ぎ(一人)に10人以上乗りましたが、船頭のおじちゃんパワフル!休みなくこいでいきます。
日が暮れて岸から離れると、遺跡のような現役建物がいい感じ。
やがて上流の火葬場へ。片付け中で清々しいものです。続いて下流の火葬場へ。
こちらはまだいくつも炎が見えます。世界一周青年によれば、近くに行くと上から見下ろせるところがあり、色々途中経過が見えたとのことでした。…ここはカメラ自粛。
炎のそばを牛がのんびり歩いてました。お供え食べてるらしいです。
岸に戻ると、アラーティ始まってました。
動画撮ってきたのでよかったら。
ギーを燃やす甘い香りとお香。煙。暑さは残ってないのですが人の熱気と焼ける匂いで自分も火に炙られてる気分。
多分持ってる儀式僧は相当熱いだろうに顔色変えずに続けています。
火神アグニはお供えのギーを燃やして、煙となって天へお供えを運ぶ。
その煙の一部は天から地上に降りてきて、見守る人全てに天からの贈り物となって染み渡る。
ギーの燃える匂いと白檀の香気は火供の産物で、天の香り。
…よいものでありました。見たかったんだ。
動画はたくさん見られるけど、その場にいて匂いと熱を感じて満足です。
船乗って帰ったら心配事も解消されてました。後はカードの通るATM探しだー(またか)
バラナシの道端リンガと神様
今サポートしていただいても何も出てきません!財布の中で温めておいてくださいませ。