ネットカフェ難民

緊急事態宣言によって、特定の施設の一定期間の閉鎖が行われようとしている。

報道で、ネットカフェも休業状態に追い込まれ、都内では、ざっくり、4000人のネットカフェを住まい替わりとしている人が途方に暮れているとの話が聞こえてきた。

世の中は、なにがしかカテゴライズして、よくわからないことを一くくりにして、なんとなくわかったふりをして、進んでいく。

勤続何十年、会社一筋で生きてきた人にとって、ネットカフェ難民なんてな人たちが路頭に迷うなんてニュースを聞いても、ここ数十年飛び交っている自己責任なる一言で、しったこっちゃないよ と切り捨てて終わりだろう。

しかし、人生って、思ってもみないことが、結構起こる。

去年の今頃、多くの人は、スポーツへの関心のあるなしに関わらず、2020年は、わちゃわちゃ、国中盛り上がってるんだろうなあと、漠然と思っていただろう。

ネットカフェで暮らしている人も、突然、会社の寮で暮らしていた人が、会社倒産により、住み家を失ったとか、仕送りを頼りに学生生活を送っていた人の実家の会社が倒産したとか、突然の事態に、とりあえず、寝床を探してネットカフェにたどり着いた人もたくさんいるんだと思う。

これだけ、日本中、不安と恐怖にさいなまれているときこそ、せめて、想像だけでも、他者の痛みをおもんばかり、他者になんの力を与えることができなくても、心根だけは、少しでも優しくありたいなと思う。