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キャッチボールしてきた話


皆さんこんにちはこんばんは、ロビンそんです。

今回はライバルズやオートチェスとは全く関係のないお話をさせて頂きます。これは私が大学生を謳歌していた頃のお話になります。男と女、欲望の渦巻く北の繁華街すすきの、そして大学生ロビンそん。何が起こったのか興味のある方はお付き合い頂ければ幸いです。※登場人物の名前は全てフィクションです

すすきの

大学生活〇年目の夏、私は友人のヒロシ君と男2人、北海道札幌の繁華街であるすすきのにお酒を飲みにきておりました。通っていた大学は札幌から離れた場所にありましたが、たまには栄えた場所にいってみようと意気込んでの遠征でした。飲み始めたのは18時頃だったかと思いますが流石はすすきの、お店は多くの人で賑わっておりました。

普段の飲みとは違った空気に高揚し会話はいつにもまして弾んでいたと思います。やれマックポークがうますぎるだとか、小谷野(日ハム→オリックス)の守備は上手いだとか、ヒロシ君は乳首が黒すぎて気が散るから麻雀中暑くても脱がないでほしいだとか、、、そんな中身のない会話をしながら飲むこと小一時間経った頃でしょうか、突然ヒロシ君が切り出しました。

「ロビン、ちょっと隣の卓の女性2人組に声かけてきてよ。」

お酒もまわって上機嫌のヒロシ君、グイグイ私の背中を押してきます。しかし見ず知らずの女性に声をかける勇気はなく、私はただただ話を逸らしたりもじもじしたりしていました。そんな私に業を煮やしたのか、ヒロシ君は自ら突撃していきました。

「すみません、ライター貸してもらえませんか?・・・ありがとうございます。お2人さん、良かったら一緒に飲みませんか?」

いやいやそんなノリでいけるものなの!?どうせシカトされるでしょ〜と思いながら見ていたのですがまさかの二つ返事でOK、一緒に飲むことになりました。はぇ〜すすきのは凄いところだなあと思いながら私は卓にあったお好み焼きを頬張り、お酒を勢いよく流し込みました。よく食べ、よく飲むという男らしい印象を与えた方がいいのでは!?と女性陣へ向けて咄嗟のワイルドアピールでしたがおそらくこれは無意味でしたね。オタク極まりない行動でした。


お相手の女性2人組はハッキリした顔立ちに派手なメイクのギャル系女子マミちゃん、薄い顔立ちと自然なメイクのナチュラル系女子ナナちゃんのペアでした。一見、ギャル系女子マミちゃんの方がノリノリで話してくれるのかと思いきやこちらはいたって冷静、逆におとなしい印象であったナチュラル系女子のナナちゃんの方はよくしゃべる方でした。こういうギャップって本当に良いですよね。他にも例をあげると派手なメイク・派手なファッションで豪快な印象なのに食べ方がキレイだとか、ボーイッシュでサバサバしているのに使っている小物がかわいいだとか、美人なのにちょっとワキガだとか。もう想像しただけでワクワクしてきますね。

思いのほか場は盛り上がり、お店を変えて4人でボーリングをすることになりました。ボーリングに関しては特筆すべきことはなかったので割愛します。強いて言えばマミちゃんがすんごいペースでタバコを吸っていたのであれは飽きていたか前日に蒼天の拳で5000枚くらい出しちゃって主人公の霞拳志郎に影響されたかのどちらかでしょうね。たまたま大勝した機種や作品にすぐ影響される、パチンカスあるあるです。

ボーリングが終わってお店を出ると、ほぼ終電の時間でした。女性陣を見送るために最寄りの駅へと向かいました。改札に到着すると、まずはマミちゃんが改札を通りました。続いてナナちゃんが改札を・・・と思いきや突如ナナちゃんが立ち止まり、我々に問いかけてきました。

「二人はこの後どうするの?」

急にどうした・・?と戸惑いながらも宿にいって二人で飲みなおす旨を伝えました。するとナナちゃん、

「え~~~~私どうしたらいい~~~??」

とグズりだしました。いやいや帰る流れだったのでは・・・。マミちゃんはもうホームへ向かう階段あたりまでいってるし。マミちゃんが「電車なくなるよ~置いてくよ~」と呼んでいますが、改札の前で不動のナナちゃん。どうなってんのこれ。我々はどうすればいいの。そしていよいよ終電発車時刻まで残り僅かとなったとき、ナナちゃんが宣言しました。

「私残るわーーーーーーーーーーーーー!!!!」

どうしてそうなるんだよ!!!!!!!とみんなが思ったことでしょう。しかしもう本当に時間がなかったのでもうその流れでマミちゃんだけを見送りました。結果的に私、ヒロシ君、ナナちゃんの3人行動となりました。ひとまず入れそうな宿を探します。幸いキレイなビジネスホテル?シティホテル?が空いており、そこへ入ることにしました。

ここまで遊んでおきながらなんですが、当時私には狙っている女性がいました。それまでにたしか2回ほどデートをし、次も会う約束をしておりました。2回のデートで手ごたえを感じた私は次で告白する気満々、そしてその告白Xデーはこのすすきのの夜の翌日でした。一方のヒロシくんは私の知る限り大学時代彼女ナシ、悶々とする日々を送っていたと思います。そういった経緯があったため、私は部屋に入ったら適当なタイミングで少し捌けようと画策しました。自分としては翌日の告白が本番ですし、この場はヒロシ君とナナちゃんに良い雰囲気になってもらおう作戦です。

ホテルの部屋で飲みなおしていると、ナナちゃんがお手洗いへ行くために少し席をはずしました。今しかない!私はヒロシ君に

「オレ、1~2時間外そうか?」

と切り出しました。すべてを察したヒロシ君

「・・・おう。悪いな」

と一言。返事はワイルドでしたが、ヒロシ君の鼻の下は伸びきっていました。人ってあんなスケベな顔できるんですね。自分も人と居るときには気を付けたいと思いました。


そうこうしているうちにナナちゃんがお手洗いから戻ってきました。いざ、作戦決行のときです。

「オレ、ちょっとコンビニいってくるわ」

それはもうびっくりするぐらい自然な感じでバシッと言い放ちました。最優秀助演男優賞にノミネートされるレベルの自然さだったと思います。そしてそのままそそくさと部屋を後にしました。部屋を出るや否や「自分の仕事は終わった・・」と気が緩んだのか急激に酔いがまわってきました。コンビニまでたどり着けるのか怪しいくらい気持ちが悪かったのですが、部屋を出てすぐの位置になぜか3人掛けほどのサイズのベンチが設置してありました。これはまさに僥倖、ワラにもすがる思いで私はベンチに横になりました。何も本当にコンビニ行く必要はないですし、ここで休んでから頃合いをみて部屋に戻ろうと考えました。

横になって休んでいると、自分のいた部屋から喘ぎ声が聞こえてきました。ヒロシ君、やりおった。いざ本当におっぱじまったとなるとさすがに移動しなくてはと思いましたが相当酔っており、一歩も動くことができませんでした。気まずさと気持ち悪さに耐えながら、私はひたすら横になっていました。まわりが寝静まったときにこっそりイチャイチャするAVとかで、寝てる役の男優さんってこんな感じの気分なのでしょうね。

こんなことを文章化するのもどうかとは思うのですが、イチャイチャしてるときの女性の喘ぎ声って前戯の時か合体しているときにもれるものだと思うのです。この時、私が横になっている間に喘ぎ声の波が3回きました。この3回という回数から部屋の中でのイチャイチャ状況を私なりに分析したところ、前戯2回と合体1回のじっくりイチャイチャ、もしくは前戯1回からの合体2回のハッスルイチャイチャ、どちらかだと思いました。そして3回目の喘ぎ声の後は音が全く聞こえなくなりました。この無音の時間、おそらくピロートークまたは賢者の時間なのではと予測できます。

音が聞こえなくなってから体感約15分経過したころ私の酔いによる気持ち悪さはピークとなり、一刻も早くお手洗いへ行きたいという気持ちになりました。3回喘ぎ声の波があったし、静かになってからそこそこ時間が経っているし、もう部屋に入っても大丈夫だろう。私は重い腰を上げ、部屋の扉をノックしました。ノックしても部屋の中から反応はなかった為、ヒロシ君とナナちゃん二人とも寝ているのかなと思い、そのまま扉を開けて部屋に入りました。

モザイク

部屋に入るや否や、視界に飛び込んできたのは全裸でベッドの上に仁王立ちしているヒロシ君と、同じく全裸でヒロシ君のヒロシ君をがっつり咥えこんでいるナナちゃんの姿でした。もうね、3人ともフリーズしましたね。何とか我に返り、一番最初に口を開いたのは私でした。

「ごめん・・・ドア付近でちょっと待機してみたり扉ノックしてみたりしたけど静かだったから・・・寝てると思った」

するとヒロシ君は恥ずかしそうに答えました。

「実は酔い過ぎてこいつが元気なくて・・一回も合体してないわ・・・」

なるほど。あの3回の喘ぎ声の波は全て前戯だったというわけか・・・。いや、そんなことはもういいんです。ヒロシ君にチャンス×がつきました。

チャンス×

その後私はお手洗いへ行き、歯磨きを済ませました。そして寝室へ戻ると二人とも服を着ていました。私は眠気が限界近かったため、先に寝ると言い放ち自分のベッドに入りました。すると今度はヒロシ君がコンビニへ行くと言い残し、部屋を後にしました。部屋に残るは私とナナちゃん。ただ、私はもう寝る気満々でベッドの中です。話す気力もなく、寝たふりというか、寝に入っていました。しかしなんていうことでしょう。ナナちゃんが私のベッドにもぐりこんできました。

「ねぇ・・私濡れたままなんだけど」

な、なにこれ?こんな漫画みたいな展開ってあるの??

「あ、ロビン君もその気じゃん」

すかさずナナちゃん、私のパンツをまさぐり攻撃を仕掛けてきます。薄々感づいてはいましたがこの子はビッ・・百戦錬磨の強者だったんでしょうね。しかもこの時の私、告白Xデーに備えて1週間程禁欲中だったのです。コンディションは最高かつ最悪。二十歳そこそこの健全な男性が1週間の禁欲・・・すでに限界は超えているわけです。告白を控えている手前、一応ちょっと抗いましたよ。ちょっとは。でもまぁ無理ですよ。ヒロシ君の送りバントで1アウト3塁の大チャンス。後はもう僕がフルスイングするだけみたいな感じです。初球はかろうじて見送ったものの、続く2球目も絶好球。手を出さない男がいるだろうか、いやいない。(反語)

ロビン選手いったーーーー!!!入るか!?どうだ?これは・・・入った!入りましたーーーーホーーーームラーーーーーーーーン!!!!!!!

ホームラン

バックスクリーン一直線。いやー見事なスイングでした。初球は見送ってましたからね~どうなることかと思いましたが、思い切って振ってきましたね~。ロビン選手、やりきった表情です。打席に入る前の迷いが嘘のようです。

ホームランを打った後、私はすぐに寝てしまいました。朝起きるとナナちゃんは既にいなくなっておりました。なんかもう昨日の出来事は夢だったのでは?と思うくらいあっさりとした朝でした。


上で書いたように私は意中の女性とのデートを控えていた為、シャワー浴びたら帰るか~と風呂へいきました。そして鏡をみると何とびっくり、鎖骨の少し下辺りににガッツリとキスマークがついておりました。やっぱり夢じゃなかった・・・自業自得だ。私今日告白するんですけど?しかしながら、服を着ていればギリギリばれなさそうな位置でした。仮に告白が成功したとして、付き合った日にそういうことにはならないだろうし、何とかなるだろう。すすきのでヒロシ君と解散し、夕方からのデートに備えて自宅へ向かいました。

自宅でキスマークとにらめっこする私。とりあえず脱がなければ大丈夫だろうとふんでそのままデートへ向かいました。デート自体は順調に進み、当初の予定ではお食事→車で相手の家まで送る→別れ際に告白というプランニングでしたが、お食事→私の自宅という流れになりました。お付き合いできる手ごたえは感じておりましたが、これでもう確信に変わりました。自宅にて告白し、お付き合いすることとなりました。


男女一つ屋根の下・・・何も起こらない訳はなく・・。付き合いたてながら、二人はえっちな雰囲気になっていきます。ほんとそんなつもりじゃなかったんですよ。でもね、付き合いたてのお姉さん彼女にね、

「付き合ってすぐだけど・・私ももう大人だから・・・///」

なんて言われたら無理ですよ。お猿さんになってしまいます。しかし私の脳裏にキスマークのことがよぎります。バレたら終わる。ㇵッ!彼女だけ脱がせればいいのでは!?不本意だけど自分は服着たまま行為に及べば何とかなるはず。脱いじゃダメだ脱いじゃダメだ脱いじゃダメだ・・・

彼女「・・・脱いで///」

私「(僕が)脱ぎます^^」

しんじ1

はい、もう知りません。こうなったらバレないことを祈るだけです。しかしさすがに無理がありました。速攻ツッコまれました。

彼女「何か赤くなってない?」

やばいやばい。どうにか誤魔化さなきゃ。咄嗟に私は答えました。




私「キャッチボールしてたらボールが当たっちゃって」





雑~!!!言い訳が雑~!!!!!もっと上手い切り返し無かったんかい。こんな危険牌まず通りませんよ。一発・不貞・嘘つき・破局。悲しみの満貫確定ですよ。




彼女「え~痛そう。痕にチューしたら治るかなチュッ」





通ったーーーーーーー!!!通った!通った!それどころか裏ドラ乗ったーーーー!!!!!!!!!純粋か!??天使か!???私は許されていいのかーーーーー!!!???そうだ、キャッチボールをしてきたんだよ。あれはキャッチボール。すすきのでキャッチボールをしてきただけ。やましいことなんて何もなかったのさ。

~ 完 ~


PS.翌週からヒロシ君のあだ名が「バント職人」になりました。

バント


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