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可哀想な人と可愛い人、共演NG?

とあるバラエティ番組が、吃音の人を面白おかしく扱ったと批判されているネットニュースを見た。
私はその番組の該当箇所を放送時間に観ていた。
いつも可愛がってくれる芸能界の先輩が、食事の席で、理不尽な理由から突然怒り出す。
そして「帰れ」と言う。さて後輩はどうするか、といういわゆるドッキリ企画である。
うまく怒れずただ後輩を励ます形になった女性タレントさんもいた中(後輩くんは「心配してくれてありがとう」と泣いていた)、
吃音の芸人さんの先輩芸人さんは、無理やり後輩に難癖をつけ、キレた。
キレられた後輩さんはオロオロしていた。
オロオロすれば吃音も目立ってくる。
ただ、彼は芸人なのだから、これを機会に有名番組に映れたことは「美味しい」はずだ。
その番組は、売れていない芸人さんからすれば、喉から手が出るほど出たい番組のはずで、彼は、お笑い好きの私が目にしたことのない、つまり売れているとは思われない芸人さんだった。
複数の芸人さんが出演するとある劇場では、目の不自由なピン芸人さんのネタを観た。薄毛の芸人さんが薄毛をネタにするように、彼も、見えないことによって持つ不便や不利益をずっとネタにしていた。個人的には、そういうハンディキャップと離れたトピックで話しては? とも思うのだが。
ハンディキャップのある人が映り、観られるイコール可哀想、と思っているなら、それは違うように思う。
後輩を動揺させようとして、怒るポイントもないのに無理に怒る先輩の側が、
お前、漏らしてるだろ、と、ズボンを下げたお尻を後ろに向けさせたのは、
先輩にセンスがなく、あれは、どの後輩にやらせても「可哀想」なだけだ。

そういえば「不倫は文化」と言ったとされたタレントさんもいた。彼は、「そういうフレーズでは言っていない」と言った。
確かに、複数の異性と関わり、交わって揺れる、というのは古今東西、夥しい数の本に描かれており、一夫多妻を取っていた平安貴族のありようを小説に仕立てたのが「源氏物語」である。
そのタレントさんの交友関係が誉められたものであるのかは定かではないが、それをどうこう言う立場にもない。
言動を拡大解釈され勝手なイメージを持たれるのが芸能の世界で、巧妙なイメージ戦略により「成功」する人もいる。
足を踏み入れるには勇気の要る世界だ、と深く考えたら踏み出せないだろう。
晒されなければ芸能人ではないのだから。

アイドルグループの中の「容姿が微妙な人」を、
お笑い芸人さんの中の「おもんない人」を、
「イジる」。
あれはいじめではないのか? 
どんどん考えていけば、子どもにテレビは観せられない。

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