ライブレポ 或いは...BUCK-TICK TOUR2023 異空 東京ガーデンシアター2days編

先にお伝えしておきます、全曲に触れてるわけではなく、あつクラなため櫻井さんに関しての記載が多く、しかもライブレポと曲について思っている事半々くらいのまとまりのない文章です。それでも平気な方は、よろしければどうぞ。

異空ツアーは2ヶ月前のパシ彦以来だったのでとっても楽しみにしてました。
開演前のBGMに耳を澄ますと、無限LOOPのタタンタタタタンのリズムを用いた曲も流れていたりして、こうやって異空の世界へ潜在的に誘っているのかな、なんて思いました。
やがて客電が落ち、QUANTUM Iが流れる。モニターには黄色や青などの絵の具が混ざり合うような映像。ハリアプのジャケ写みたい!と思ったけど少し違ったな…もっと鮮やかなマーブル。そのマーブルの中に浮かび上がるBUCK-TICKの文字。はい拍手ーー!メンバーが1人ずつ現れ、客席が沸き立つ。たとえ薄暗くてもセンターでめいっぱいお手振りするユータさんはシルエットでもかわいい。そして最後に櫻井さんの登場。歓声はより大きくなりライブへの期待も否が応でも高まる。

・SCARECROW
前半の抑えた歌唱や楽器の音が醸し出す鬱屈とした空気から徐々にサビに向けて解放されていく感じが気持ちいい。解放といっても「逃げられない 俺はもうどこへも行くあてもないさ」という、どうしようもない咆哮ではあるが…。薄暗いモニターに映る案山子とシンクロする櫻井さんの案山子姿が印象的。

・ワルキューレの騎行
ドゥッドゥッドゥッドゥルドゥ、ドゥルドゥルドゥル(以下略)ってイントロだけで曲の世界観に入っていける。私の中では黒いヒールを履いた巨大な何人もの女性がリズムに合わせて横並びでモデルウォークしてる、ひざから下だけの映像が頭に浮かんでます。よう分からんけどダリ的な画風で。
これは全く関係ないですが、URAHARA-JUKUのバイオアッダァァイィィャッがとても大好きな発音なんですけど匹敵するくらい好きな発音がこの曲の2回目に出てくるアッダァームアンダァイーヴァ〜〜なんです。ジョナサンのヴァージンヌオーイルも好き。すいません脱線しました。

・IGNITER
どうしてこの曲では火を出さず愛のハレムで火出てたのか。でもどっちでもいい、とにかく好きな曲なので右手を突き上げてました。好きなのに今井さんパートの漢字は全部覚える気がありません、申し訳ない。

・唄
書いている内容は違えど、どこかdieと呼応するような部分もあるような。だから私、どちらも好きなのかな。単純に曲調ロックでかっこいいからライブ映えする。みんなもっと「おっまえを愛しているのに〜」って歌うかと思ったらそうでもなかったな。声出し自粛ムードは結構根深いのか。かく言う私もほとんど声は出してませんでした。

・愛のハレム
アルバムでも大好きな曲なんだけどイヤホンで聞くコーラスが好きで、むしろコーラスメインで聞く時もあるくらい好きなので、ライブだとしょうがないけどなかなかそれがよく聞こえなかった。でも櫻井さんの心地よい低音ボイス単体でも十分。生アハ〜ハ〜も聞けたし。曲中は全然ティンシャ鳴らしてないように見えたけど歌い終わったらいそいそと後ろに下がってティンシャを鳴らしに行ってた姿がなんだか愛らしかったです。櫻井さんって歌ったり演じたり小道具の準備したり忙しいですよね。たまにアタフタしてるのを見るのも大好きです。応援したくなります。笑

・さよならシェルター
もうこれは櫻井劇場ですよね…何度見ても毎回子供と再会するところで「ハァ〜良かったねぇ〜…」と思いました。そして投げキッスが自然だよね。日本人のおじさんで、西洋の人がやるようなあのかわいい感じの投げキッスしても違和感なく見える人って限られてる気がする。あと草刈正雄くらいじゃない?この2日間では無かったけど、感情込めすぎて「狂ってる」の出だしが少し先走るの好きでした。この人、本当にそう思ってるんだろうな…と思えたから。自身のことを偽善者と言ってたけど、全然偽善者じゃないよ。
私、下手側になることが多いのでシェルターがいつも下手にあって良かったです。どこかで1回上手側の時もあったみたいですね。

・Campanella 花束を君に
1日目は「パパ行かないで」の、いに濁点が付いてるように歌ってて、駄々をこねる子どもみたいで、やけにリアルだったな。この歌、どういうふうに聞いていればいいのか今でも正解は分からないけど、メロディーのもつ暖かさに乗っかることにしてました。そうしてる事自体平和だな〜なんて思ったり。2日目は子供の声が少ししゃがれてしまった部分もあったけど、ライブだから良いんです。修正しないでね。

・THE SEASIDE STORY(曲終わりについて)
可愛すぎて吐血案件。2日目なんて今井さんのハワイアン(?)な音色に合わせて椅子に座ってマラボーを胸の前で開いたり閉じたり…最後はめっかわマラボーポンポン人魚さん!そこらへんのアイドルより全然可愛かった。でも今井さんは無表情。笑ってはいけない24時です。2人の関係性が無いとできない夫婦ものがたりでした。パチパチパチ【完】

・Boogie Woogie
アルバムの中ですごい好きというわけではなかったけど、ライブで聞いてとくに2日目は客席もめちゃくちゃ盛り上がった。(私調べ)

いろんなジャンルの音楽をやってるBUCK-TICKだけど、この歌をステージでやってる時は、ザ・ロックバンド!(ダサっw)という感じで、また言うけどめちゃくちゃかっこよかった。アマチュア時代から35年以上、ずっとこうやってステージに立ってきたんだな…と思うと少しノスタルジックな気持ちにもなった。(ファン歴1年半位ですけど)
櫻井さんがリズムに乗ると伸びた黒髪がバサバサ揺れてキレイだったな。

・THE FALLING DOWN
良いお声は拡声器越しでも良いお声。おまけに私の好物、櫻井イングリッシュ。(出川イングリッシュみたいでヤダ)1日目は右手に拡声器、左手にマイクを持ってマイクを拡声器に近づけるという、??wなとこもあったけど、もうなーんも考えずひたすら右手を振り上げてました。今井さんが歌いながら両手とも中指を突きたてていて、なんかそうなると少し面白く見えてきちゃったのは私だけ?

・Jonathan Jet-Coaster
アッパーな曲が続きます。このあたりになると客席からもわりかし歌声が聞こえてきた。ファッキンベイベ連呼が好きでマイクスタンドサスサスも好きなので我得な曲。冬にやったら静電気起きないのかな。あ、でも櫻井さん手に汗かくから大丈夫か。(ニコッ)←キモい

・die
櫻井さんがI want to die...I want to live...と何度か繰り返す出だしから始まった2日間。それを聞いていると不思議とliveも dieも同義語に感じた。死にたいと生きたいは表裏一体?いや、そんな簡単な話じゃないか。櫻井さんは振り子のように、そうやって気持ちが揺らいだことがあったのだろうか。今はもう猫大好き可愛いおじさんだから無問題なはずだけど。(でも垣間見える闇LOVEな私)
この曲聴いてると落ち着くから曲中なのにリラックスして違うこと考えちゃったりするんです、すいません…。あと、間奏の入りのギターの音が、ひとりぼっちみたいな哀しさや、でも温かみを感じて好き。モニターに映る曼荼羅が綺麗で精神世界への旅をサポートしていました。(安心して下さい、トリップしてませんよ!)

・MISTY ZONE
大勝利。令和にやってくれてありがとう!曲が全然色褪せてないし、今のほうが皆さんスキルが格段に上がってるから、もうすっごくかっこよかった!櫻井さんこの曲の間プロンプター何回見たかな?とか余計なことをたまに思いながらも、これまたバンドのかっこよさに打ちのめされました。他の初期曲も億劫にならず是非引っ張り出してほしい!ね、今井さん、星野さん!

・凍える
この曲も好きだから何度も聞いてるのに、途中で危うく泣きそうになった。普段はそんなこと無いのに。これが生演奏のもつパワーなのかな。曲に行く前に切迫感を感じる呼吸音?を出していて、その時点でもう胸がきゅっと軽く締め付けられた。赤子をあやす櫻井さんは慈愛に満ち溢れていて…どうしたらあんな空気を纏えるのか。あの腕の中なら幸せに逝けそう。

・ヒズミ
出ました。いわばラスボスですよね、このツアーの。ヒズミちゃんのアドリブ集CD出たら買うんですけどバンカーにお願いすればいいですか?ほぼ毎回セリフ違うからアニイも入りのタイミング間違わないように結構集中しただろうなって思ってたけど、どうなんだろう。この曲はギターのキリキリとした音もヒズミちゃんの心情を表しているけど、生だとその切実さが余計感じられた。今井ジェンカが唯一の救いだったような。
曲が始まると後ろのモニターには狭いアパートの一室。昭和のにおいがするビーズのれん、花柄の炊飯器。洗面台には何本かの煙草の吸い殻、外に干されたままの風にたなびくカラカラの薄いタオル、そしてお世辞にも綺麗とはいえない赤いマニキュアが塗られた爪。ヒズミちゃんの生活感がより生々しく伝わった。この2日間、次の電車が狂うの「狂う」を歌わなかったけれど、ヒズミちゃんはその後どうしたのだろう。照明が真っ暗になるまでお粉をはたいて紅をさすヒズミちゃん。私の位置から表情までは見て取れなかったけど虚空を見つめているように見えた。それにしても櫻井敦司という歌い手は狂気すら感じる。演技と言われればそれまでだけど、曲が終わって次の準備をし始める姿を見て「あ、よかった。櫻井さんに戻ってる。」と思ったくらい。俳優だったら憑依型とか言われたんだろうな。

・名も無きわたし
ヒズミが終わって、本当は無音のままこの曲に行ってほしいくらいだった。ヒズミという曲がもつ哀しみや鬱屈とした空気、簡単に言うとジメジメした暗さを、名も無きわたしが浄化していく。どんな人も認めて赦して昇華しているような、そういう流れを拍手で断ち切りたくなかった。いや、もちろん盛大に拍手しましたよ。素晴らしかったので。(矛盾)
名も無きわたしもラスサビに向けての広がりがえげつなくて、もう立ち尽くして聞いてました。今井さん、こんな素敵な曲作ってくれてありがとう。櫻井さんの書いたこの歌詞、聞く人の年代によって感じ方もさまざまなんだろうな。ラスサビで櫻井さんが着物を翻すタイミングとモニター中に色とりどりの花びらが舞い遊ぶタイミングがピッタリでGJ!曲も一番盛り上がる所で耳にも目にも強いインパクトを残していた。1日目は櫻井さんがステージを去る前にマイクスタンドに着物がバランスよく掛けられず手こずってたのが可愛かったけど2日目はコツを掴んだのか上手くいってました。笑

やがてメンバーが去り、静けさを取り戻したステージ。会場にはQUANTUM IIが流れ、さっきまでの熱気が嘘のようにクールダウンされてゆく。ステージの両端から薄いベールのような幕が出てきて、2時間余の異空の世界は終わった。客席からは大きな拍手。客電がつき、皆現実の世界へと帰っていった。

そして先ほどまでの異空の世界に浸る間もなく、2日目は出口で配布されていた号外にて群馬音楽センターでのFINALO発表。…さっきまで私が見ていたのは最終日(仮)だったんだ…笑 すでに先を歩くBUCK-TICKに置いてけぼりを喰らわないようついて行かなければ!