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詩 Poetry for NEKO’sArts自作品まとめ

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作家(画家)NEKOさんの作品に詩をつけさせていただいたものをまとめています。
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2022年7月の記事一覧

Poetry for NEKO’sArts-No.13

色のある世界を 夢見る者がいる 大概はいつも夢に終わってしまう 夢の欠片を 大事に育む者もいた 現実が思いを作るのではなく 強い思いが現実を創ることを… そのことを 識っている者だった 影の存在もまた 立派な自分自身なのだ 注)こちらの画像はNEKOさんのtwitterアカウントより、ご本人の了解をいただいた上で転載しております。

Poetry for NEKO’sArts-No.12

裂けたキャンバスを繕う手を止め 傷つき 項垂れ 退色した有機体を じっと見つめる あれも繕うべきなのか… 刹那 頭を過る 手に取ろうと腕を伸ばすが思い留まる またキャンバスに糸を通す 縫い終われば きっと赤い風船が飛ぶ 注)こちらの画像はNEKOさんのtwitterアカウントより、ご本人の了解をいただいた上で転載しております。

Poetry for NEKO’sArts-No.11

虚無と惰性に 汚染された世界は 危機的状況だった そこでも… 子供は真理を見出せた “今にも羽ばたきそうだね”と 釘付けになり 一向に離れようとはしない 子供の声も届かず 何も見えずにいた大人は ただ虚空を仰ぐことしか できなかった 注)こちらの画像はNEKOさんのtwitterアカウントより、ご本人の了解をいただいた上で転載しております。

Poetry for NEKO’sArts-No.10

一枚の模造紙に 隔たった三昧場 そこに集う名もなき戦士たち 導師は旧式テレビ 祈りと共に 紙が映し出す映像 過去の栄華か 未来の青写真か 現在の幻影か 或いは自らの痕跡なのか 戦士は想いを重ねる 全ては 夢のあとさき 紙はどこまでも薄いが 永遠に破ることはできない 注)こちらの画像はNEKOさんのtwitterアカウントより、ご本人の了解をいただいた上で転載しております。

Poetry for NEKO’sArts-No.9

本能に導かれ 躊躇ひながらもそこに至った 思ひ思ひの蕾となるために 二脚の椅子が落下して 割れる音にときめいた 要らないものは捨てると決めたから 冷たい月の 暖かい光に ゆっくりと繭が溶けはじめた 羽化を待つ蛹のように 瞑想の時が明け 明日 完全変態は完了する 注)こちらの画像はNEKOさんのtwitterアカウントより、ご本人の了解をいただいた上で転載しております。

Poetry for NEKO’sArts-No.8

野辺に咲く 私は白い怠惰の華 あなたのギターの調べに乗れば アドリアの蒼い風に吹かれることも ナビブの赤い砂に咲くこともできる 無垢な漆黒にさえ漂うことも… あなたの姿は見えぬども 弦に残る余韻を辿る時 ああなんと なんと豊穣な怠惰なのかしら… 注)こちらの画像はNEKOさんのtwitterアカウントより、ご本人の了解をいただいた上で転載しております。

Poetry for NEKO’sArts-No.7

もはや形骸化したシナリオに 全てが興醒めしていた スポットライトの焦点も どこに合わせていいのかままらない 真理を携えた少女が何食わぬ顔で舞台を横切った 「ママには内緒だからね…」 少女は微かな声でセリフを落とした 聞き漏らした者も少なくはない 装置が動き出そうとしている 注)こちらの画像はNEKOさんのtwitterアカウントより、ご本人の了解をいただいた上で転載しております。