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ゆるせ

会社で厳しく育てていただいている。

営業でうまくできてないところは
語尾を強めて、
時には嫌味たらしく
指摘していただける。

厳しくしていただけるのは
とてもありがたい。

自分の弱い部分
これまで雑に扱ってきた部分
見て見ぬふりをしてきた部分

それらがあぶり出されている。

自分のエゴが
すり潰されていくのを感じる。

 * * *

しかし、その指導にメンタルの強さが
追いつかないことがある。

先日、強く叱られている中で
ついに涙が溢れてしまった。

涙を流すつもりはなかったが
少し心が疲れてしまっていた。

僕が泣いたという噂はすぐ広まった。
「耳が早い」とは、まさにこのことだ。

「大丈夫か?」
「いつでも話聞くからな?」

他の拠点の上司や先生方が
心配して声をかけてくださった。

その声は
僕を救うと同時に
いろんな想いが込み上げてきた。

どうせ人に相談しても
何も解決しないだろうという
冷たい自分

ここは我慢して
自分の力で解決するんだという
頑固な自分

上司の愚痴を吐き出して
楽になりたいという
甘えた自分

こんなに言われてるのに
全然成長しないことに
悔しい自分

涙を見せたことを
情けなく思う自分


僕の中で
いろんなインナーチャイルドが
円卓を囲って議論をしている。

しかし、
その議論には
余裕を持った大人、
グレートティーチャーが
不在だ。

もし、その円卓に
余裕のある大人がいたら
なんとみんなに声を
かけていただろうか。

 * * *

おそらく、それぞれの子どもたちに
「ゆるす」
と言ってただろう。

人前で涙を流す…?
ゆるす。
いいよ!頑張ってるじゃないか。

人に頼る…?
ゆるす。
いいよ!人に頼っていいじゃないか。

成長してない?
ゆるす。
いいよ!少しずつ変わってるよ。

そしたら、1人の子どもは
こう言ってくる。

許す?
うるせえよ。
そんな優しい世界で
生きていきたいわけじゃないんだよ。
辛い経験を美談にするんじゃねえよ。
虫酸(むしず)が走るわ。
クソが。

それでも大人は
あたたかく包み込んでくれる。

不安や寂しさで
荒ぶる子どもを
大地に抱かれるような感覚で
ゆるしてくれる。

 * * *

未熟で、弱虫で、泣き虫な自分よ。
自分も他人も
もっとゆるせ。

溜め込んでは
どんどん重くなっていく。

厳しく指導していただける環境で
1つ1つを溜め込んでいては
進んでいけない。

ゆるせ。

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